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 未知の既知化脳力を駆使した知的アクロバットが複雑問題の創造的解決を可能にする
 ── 猛烈反日の中国の協調誘導だってOKなのだ ──
全員参加型社会は紆余曲折が仮にあっても必ず実現に向かう
 エリート層に斬新な着眼力を注入しない限り日本の悲劇は終わらない
 変革期に必要不可欠な斬新な着眼力を日本のエリートに期待しにくい
日本人の脳力の相対的劣化が日本経済の地盤を招くに至った
解決すべき問題を糧に用い続けてきた日本経済     日本経済再建の切り札「地域主権」確立のために必要な工夫

 グローバル経済時代の要諦(日本人の根本的問題解決)      
2004年8月新規作成(2020.10.6更新)

   も く じ
日本はどんな環境に置かれる運命なのか?
日本再生のために今何が一番必要なのか?
新時代が要求する脳力強化のための行動指針は何か?
歴史的大転換期に道を誤りがちな権威に代わる新権威を確立しよう!
妥結困難な交渉成功支援 (ウイン─ウイン策創造の勧め)
自立と創造力の欠如の放置が日本の急速な没落に結びついている
日本経済は泥沼化しているが、財政破綻はせずその替わり・・・・・・


日本はどんな環境に置かれる運命なのか?

 地球村は物理的にも精神的にも病んでいます。このままでは人類は滅亡の道を歩むしかありません。どうしたらよいのでしょうか? 世界中に本格的な共同市場を地域別に張り巡らせ、地域別にできあがる共同市場は巨大化した国のような存在になることを目指すことです。

 このように言うと、「世界大戦の原因となった世界の分割が再び行われるのか?」と訝しく思われることでしょう。これは杞憂です。なぜなら、各共同市場に定住する人々は地域住民が中心になるにしても、人・モノ・資本・技術は世界中を自由闊達に動き回るからです。(関連記事 ⇒ 『日本を復活させるためにはどうしたらよいのか? 本格的な共同市場に参加するのが一番である』)


日本再生のために今一番何が必要なのか?

 一人一人が自由自在に羽ばたくことができる。自立と自律力が要求される環境が戻ることなく実現されつつある。──これが上記した環境動向の意味するところです。

 このように言うと、「羽ばたく努力に見合うだけの成長機会がないのではないか?」という反論を出す向きもあることでしょう。この反論は正しいのでしょうか?「否」です。理由は二つあります。

(理由1) 世界的規模での新・地域主義は人類に無限のチャンスを与えるフレーム形成に結びつく。(根拠 ⇒ 『雇用不安のない社会を実現させるための最優先課題は何か?』)

(理由2) 内外の情勢分析結果は限りないチャンスがあることを示唆している。(根拠 ⇒ 『斬新な成長戦略

 羽ばたくに値するチャンスは十分にあるのです。ところが、日本はこのチャンスを生かすことができにくい状態に置かれています。なぜなら、圧倒的大多数の日本人は本当の意味での自立と自律力を持っているとはとても言えない状態になっているからです。

 上記の自立と自律力不足の実態を具体的にイメージしたい方は 『係長のような経営者』&『チャレンジしたくてもチャレンジできない』をお読みください。

 指導的立場にある人々も当てになりません。残念ながら普通の人々と大差がないのが目立つからです。(根拠 ⇒ 『有名だが視野狭小の医師達に振り回された少女の悲劇現象』)

 圧倒的大多数の日本人が上記のような状態になってしまっているのはどうしてなのでしょうか?「思考の三原則」 (全体を見る/長い目で見る/根本的に考える) を適用したジグソーパズル思考力が鍛えられていないからなのです。 (具体例 ⇒ 『日本最大であったチェーン・ストアー経営破綻の真因』&『東北新幹線「はやて」のずさんな事業計画等から考える』)


新時代が要求する脳力強化のための行動指針は何か?

 衆智を結集して抜本的な業績拡大策を打ち出すための会議が開催されました。錯綜する議論が終日行われました。会議終了直後、主催者の課長が「この録音テープから業績拡大策を捻り出せるような天才っていないかなぁ…」と呟きました。出席者全員の一致した意見は「そんなことをできる人がこの世の中に存在するはずがない」でした。入社二年目の駆け出しの商社マンも例外ではなく、その一員でした。

 この駆け出しの商社マンはユニークな転職を重ね、その度に余暇を利用した勉強をしながら命がけで仕事をしました。その結果、収集した (された) 雑多な情報に基づいて『ジグソーパズル思考』を行い、独創的な構想を捻り出すことが得意技になりました。 大量の素材を入手できると、思わずにっこりするほどです。

 この得意技は今やあらゆる社会的問題に通用するようになっています。この駆け出しの商社マンは「思考の三原則 (全体を見る/長い目で見る/根本的に考える)を適用するジグソーパズルの達人に大化けしたのです。

 平凡な商社マンがこのような異例中の異例の脳力革命を成し遂げることに結びついた試行錯誤の行動を分析して、一般に通用できる行動指針にまとめてみました。

「思考の三原則(全体を見る/長い目で見る/根本的に考える」を適用したジグソーパズル思考の達人になるための行動指針
●舵取りの巧拙が各セクター(個人・企業・地方自治体・国家…等) の運命を決することをしっかり認識する。

 (イメージ例 ⇒ 「ミノルタ」vs「キヤノン」 & 似た者同志であったにもかかわらず明暗を分けることになってしまった「老いていくのを待つだけの同級生・同期生」 vs 「正反対の人物」、歴史的大転換期に道を誤りがちな権威に代わる新権威を確立しよう!)

●舵取りの巧拙は、各セクターが下記図式の行動を採れるか否かによって決まることをしっかり認識する。

 (置かれる環境動向の特徴を正しく認識する + 個性的才能を引き出す性格診断を受ける) ⇒ 各セクターが有利になれるような進路を設定する ⇒ 各セクターの能力とその使い方の適切な調整あるいは再構築を行う。

 セクターが人間ではなく、地方自治体・国家…等の場合は性格診断ではなく、体質診断となります。(組織の体質診断が大事である理由 ⇒ 『新事業開発には企業年表の作成・分析を』)

●マスコミ情報等から得られる全セクターの動向に興味を持ち、得られた情報に対して「なぜなのか?」「だからどういうことが言えるのか?」といった具合の伸びやかな分析的・合成的推理を行い続け、総合性のある直観回路を鍛えて、「個人・企業・地方自治体・国家等の舵取りの基本は同じである」と言い切れるようになることを目指す。

 特定のセクターに偏ることなく全セクターに精通する努力を日常的に行うことによって得られる、見えにくいものが見えたり、気づきにくいことに気づく複眼の持ち主でなければ、どのセクターの行動計画であっても絵に描いた餅になってしまうのです。(関連記事 ⇒ 『複雑な問題の核心を見抜くことができない実態男女・尖閣諸島・企業経営・TPPの4問題の根本的解決策は本質的に同じである』)

 組織に所属する一人一人の“小宇宙”洞察が欠落した組織運営ビジョン、自分の特徴の活用・育成に結びつく大きな隙間市場を目指さない個人ビジョンのことを考えてみてください。上記したことに納得されるのではないでしょうか。(自分の特徴の活用・育成に結びつく大きな隙間市場を目指す個人ビジョンの創り方 ⇒ 『人生再構築プロジェクト』)

 「勝ち組」であり続けたいのであれば、『総合的判断の必要性に全く気づかない経営者』を反面教師にしなければならないのです。なぜなら、

 マスコミ情報等から得られる全セクターの動向に興味を持ち、得られた情報に対して分析的・合成的推理を行い続けることは、脳力の持続的強化を可能にするからです。(理由 ⇒ 『構想力・独創力の強化には、ジグソーパズル思考の修得を』)

 したがって、脳力の持続的強化に成功するためには、「疑問や悩み事を持つ ⇒ 問題意識を持って世の中を幅広く学問する ⇒ 総合的考察の結果として独自の見解や問題解決策を創る」という図式の習慣醸成が必要になります。(関連記事 ⇒ 『渡辺高哉の人生目標』)

 但し、上記の図式を実現させる努力は環境変化の逸早い察知を可能にする研ぎ澄まされた感性・習慣の壁を打破する勇気・臨機応変の行動力を引き出す知恵の3点セット入手に結びつきませんと、詰め込み式教育と似たようにものになってしまいかねません。(3点セット入手を確実にする具体策 ⇒ 『ワタナベ式問題解決へのアプローチ』の適用)

会議の内容を録音したもの、雑多な関連資料を独創的な構想に大化させる役割を積極的に演じる。

 会議の内容、雑多な関連資料をただ単に整理・編集するだけでは駄目です。ブレークスルー発想をして、独創的な構想にまとめ上げるのです。平凡な部材・素材をはっと息を呑むような鮮やかな建築物にしたり、音符をうっとりするような名曲にしたりするのと同じことなのです。ここに必要になるのが徹底的なジグソーパズル思考です。

 『ジグソーパズル思考』は自らの記憶の総動員をも伴います。したがって、下記図式が副産物として得られるようになります。

 記憶力が見違えるほどよくなる ⇒ 次回のジグソーパズル思考の質が向上する ⇒ 『80歳代に脳力のピークを迎える』人生航路を歩むようになる。いいかえれば、老後不安・年金不安のない人生が可能になる。

 上記行動指針の日常的成果 ⇒ 斬新な着眼集

 上記の行動指針を読み、「そんなことをしなければならないと考えただけでめまいがする」と言う方が少なくないでしょう。仕事に打ち込めば打ち込むほど精神的・時間的な余裕がなくなるからです。でも、必要性は認めるはずです。どうしたらいいでしょうか? 全ての仕事を適切で好きな道好き化して上記した努力を内発的動機に基いて行うことです。

 この実践の結果、平凡な商社マンは「全個人・全企業が抱えている深刻な悩み事の創造的解決を誘導できる」まで脳力を進化させることができました。達人になりたければ、努力継続力を入手しなければならないのです。




歴史的大転換期に道を誤りがちな権威に代わる新権威を確立しよう!─

 資本主義は景気のアップダウンを伴いますので、全てを市場に委ねる経済運営は下記の図式に結びつきます。

 将来不安が生まれる ⇒ 雇用が不安定になる ⇒ 耐久消費財の購入を躊躇する人が増える ⇒ 耐久消費財の普及が特定階級に留まる ⇒ 社会不安が生まれる。

 この図式を防止するために、資本主義国家に普く登場することになったのが公共投資を景気安定装置として使うことを主張するケインジアンです。そして、この主張の正しさは証明され続けられました。大別して二つの理由があったからです。

(理由1) 公共投資が国民に目覚しい便益を与えてくれた

 日本の地域社会に実際にあった典型的な例で説明しましょう。

 大きな河川によって分断されている地域社会がありました。この河川は景観の良さを与えてくれる半面、地域社会の経済発展を妨げていました。人やモノが地域社会の内外を自由自在に移動できなかったためです。・・・・・

 地元出身の国会議員の努力により、橋ができたために地域社会はすっかり活気づきました。公共投資が国民に目覚しい便益を与えてくれたのです。

(理由2) 公共投資は大きな経済波及効果を生み出した

 上記した橋を例にとって説明しましょう。

 橋の建設は回りまわって消費拡大を生み出し、経済の活性化に結びつきました。下記の図式を生み出したからです。

 橋梁業界が潤った ⇒ 建設資材の需要が拡大した (建設資材業界が潤った) ⇒ 鉄鋼の需要が拡大した (鉄鋼業界が潤った) ⇒ 建設資材と鉄鋼業界を支えている関連業界の製品・サービスの需要を生み出した ⇒ 日本人ほぼ全員の懐が豊かになった。

 公共投資は工業化の大きな余地がある限りは国民の生活を豊かにしてくれる魔法のような威力を持っていたのです。ケインジアンがわが世の春を謳歌し続けてきた背景にはこういうことがあったのです。

新時代が要求するブレークスルー発想を行わず「枠内思考」に留まってしまう日本のエリートの実態
 時代が変わり、ケインジアンは肩身の狭い想いをすることになりました。公共投資万能時代が終焉を告げたからです。日本の悲劇はこの時に始まりました。このような時代認識を持つことなく公共投資が乱発されたからです。(背景とイメージ例 ⇒ 『投資効率極悪な公共事業が継続されてきた』)

 政治家の中で経済通ナンバーワンと当時言われていた経済政策の最高責任者が「おかしいなあ、ケインズ政策が全く通用しない」と嘆いた時は取り返しのつかない状態になっていました。「年金不安」が大きく浮上してきたのです。

 「年金不安」という社会的大問題を引き起こした犯人は政治家だけではありません。日本のエスタブリッシュメントのほとんどは同罪です。なぜなら、財界・著名経済誌・著名エコノミストは当時の政権の経済政策を強く支持していたからです。

 このような集団暴走はこれが初めてではありません。国民を不幸の奈落の底に落とし込むことになった先の大戦の時も同様でした。時代認識の甘さ並びに構想・独創不在の二つが合わさったために大悲劇が生まれてしまったのです。

時代認識の甘さとは何を指すのか?

 列車の機関車役を演じてきた産業が成熟したために世界経済は行き詰まってしまった ⇒ 列強による世界の分割体制の賞味期限が切れてしまった ⇒ “世界丸”の船舵は「分割」から「統合」に大きく切り替わることとなった。ところが、日本の指導層はこの船舵切り替えに逆らって大東亜共栄圏構想の実現に走った──、という図式を指すのです。

構想・独創の不在とは何を指すのか?

 国の舵取りを適切に行う中枢機能が実質的に存在しなかった ⇒ 近視眼的な部分最適志向をするセクショナリズムが蔓延した ⇒ 世界状況を見据えた国の舵取りを適切に行う中枢機能はますます遠い存在になってしまった ⇒ 世界の現実をないがしろにした近視眼的な部分最適志向をする特定セクション(軍部の強硬派)が実権を掌握した ⇒ 武力行使 (テロ行為) をちらつかせる形で言論統制が行われた

 ⇒ 「アジア支配を通じての自給自足体制確立は国内経済の行き詰まり打開の妙策である」と信じきってしまった発言力のある国民は「それいけどんどん」の状態になってしまった ⇒ 蔓延したセクショナリズムが収まることなく浅はかで無責任な世論に後押しされる形で先の大戦に突入した──、という図式を指すのです。

 関連記事 ⇒ 『デフレ経済の本当の理由内需拡大を阻む根本的原因の補足説明故・森嶋教授の嘆き 頼りがいのある自分になるか、パニックになるか…の選択の時期が間もなくやってきます

抜本的な対策 ⇒ 『“好きこそものの上手なれ”の世界に入ることが生み出す効用の入手

エリート層に斬新な着眼力を注入しない限り日本の悲劇は終わらない
 年金不安を招いたずさんな公共投資拡大、国民の生命と財産を奪い取った太平洋戦争への突入 ── の二つは下記の図式に陥ってしまったことにおいて実によく似ているのです。

 習慣の力の源「和重視の社会 + 長く続いた右肩上がり経済成長 ⇒ 漂う如き生き方成功」の支配を受けている ⇒ 各セクターの命運は舵取り次第であることの認識が欠如する ⇒ 世の中を支配する新しいロジックに適応できない ⇒ 追い詰められて、 猪突猛進の精神状態になる。いいかえれば、性格発衝動脅迫の支配を受ける。

 悲劇が繰り返される根本的な原因はどこにあるのでしょうか? 日本の指導層に斬新な着眼がぽっかりと欠落しているからなのです。そして、懲りることなく今も同じようなことが繰り返されつつあります。(詳しくは ⇒ 『その場しのぎ』)

変革期に必要不可欠な斬新な着眼力を日本のエリートに期待しにくい
── 斬新な枠外思考入手なくして各セクターの明日はない ──
 癒着体質が日本社会に染み付いている + 減点主義が根付いている ⇒ そつなく仕事をこなす ⇒ 出世できても複雑・成熟時代を味方にできる鋭い直観回路が鍛えられない ⇒ 専門家を初め日本人に潜在しがちな致命的弱点が放置されたままである。(関連記事 ⇒ 『調査と構想・独創を並行できる質疑応答の達人不在が会議を空転させている』)

 今必要なのは悩み事解決のジレンマとの決別を可能にする偉大な素人(総合的創造的脳力者)です。      

金融資本の本来のあるべき姿
 話を元に戻します。歴史が進み、工業化限界時代を迎えることになりました。このような限界が近づくと必ず生まれるのが画期的な新技術や新サービスです。ところが、習慣の壁などが災いして市場開発は容易ではありません。しかも、新技術や新サービスの担い手は資金的に余裕がない場合が殆どです。

 このような時に力を発揮できるのが日本銀行を含む金融資本です。なぜなら、次の図式を実現しやすい立場にあるからです。

 多様な取引先を数多く持っている + 製造資本と違って資金を自由自在に動かすことができる ⇒ 個人・企業間の新技術・新サービスの取引を手形割引業務を通じて斡旋する ⇒ 新技術や新サービスが事業として離陸する。

 但し、個人・企業間が社会的な有益な新技術・新サービスを提供できなければ、上記の図式は絵に描いた餅になってしまいます。そうならないためにあるのが個性的才能を引き出す性格診断です。

 短絡的な増税・国債増発は「馬鹿の一つ覚え」です。

 但し、マネタリズムを野放しにすることは許されません。なぜなら、四つのことが指摘できるからです。

資本流通の野放しはアジアの通貨危機に結びついた。

金融緩和がバブルに結びつき、バブル崩壊は悲惨な状態を生み出した。

景気回復の大きな要因は超金融緩和ではなく仮需的性格が濃厚な輸出拡大である。(根拠 ⇒ 『世界経済の実態』)

④ 日本経済の屋台骨である民間経済は旧態依然とした状態が残っている場合が多い。 (理由 ⇒ 『民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている』)

 ケインズ主義とマネタリー主義の限界を乗り越えて経済を力強い成長路線に乗せるための秘策はないのでしょうか? そんなことはありません。「日本は人材ミスマッチ大国であることを認識する ⇒ 日本の社会構造を蛸壺型社会からネットワーク型社会に転換させる ⇒ Creative Composingをする」という図式が秘策です。

 日本経済の戦後史は「問題解決=新成長機会発掘」であることを認識すれば、得心することでしょう。


2004年8月作成
 社会的問題が“飯のタネ”になることにおいては企業経営も日本経済運営も本質は変わりはありません。過去の歩みが残した問題が新たな成長の糧になるのは、セクターのいかんを問わない真理なのです。(関連資料 ⇒ 『大型事業の独創的着眼方法』)

ネットワーク型社会期待値の補足説明とその実現のための道筋 2012.2.20追記
 変革期に必要不可欠な斬新な着眼力を日本のエリートに期待しにくいことを認識する ⇒ このホームページにおける三つの提言(ケインジアン・マネタリアンを糾合できる斬新な経済政策を推進しよう!全員参加型社会は紆余曲折が仮にあっても必ず実現に向かう雇用不安のない社会を実現させるための最優先課題は何か?)を参考にする ⇒ 大阪維新の会がたたき台として提起した「船中八策」をプラス思考の下で詰め抜く。

          受給逼迫が進むこと必至の脳力 ⇒ 『総合的創造的脳力



斬新な着眼塾の狙いは何か?は『実態を書いた資料を持ち込んで頂くだけで仕事の深刻な悩み の解決or 就活の大きな壁の乗り越えが可能になります』に、斬新な着眼の必要性は『斬新な着眼とは何か?』に移動しました。

激変しているホワイトカラー環境
 人事・販売等のホワイトカラーの仕事もアウトソーシングの波に襲われる傾向が見え始めました。社内に根づいていたホワイトカラーの仕事が「国内の専門企業に移管される ⇒ 標準化が行われる ⇒ 低賃金を求めて開発途上国に移管される」という図式が英米の企業を中心に見られるようになってきたからです。

 したがって、米国のコンピューター・ソフトウェアーの開発に従事している人々の雇用不安を生み出した変革の嵐が他の職種にも広がることが必至となりつつあるのです。

 上記の傾向を「日本は別である」と言っていることは許されなくなることでしょう。なぜなら、経済のグローバリゼーションが進む一方だからです。


妥結困難な交渉の成功支援別頁に移りました)


 自立と創造力の欠如の放置が日本の急速な没落に結びついている

   魅力的な投資先の決定的不足、官民共に世界最低の投資率…となっているのはなぜか? 日本経済は自らを力強く牽引する力が大幅に不足しているからです。

 世界経済の実態

 
世界経済の安定的成長のためには、先進国の脱工業化と開発途上国の工業化が並行することが必要です。ところが、開発途上国の工業化の急進展に比べて先進国の脱工業化が大きく遅れています。このことは日本について特に言えます。この背景に2005.11.21付けの『斬新な着眼不在が日本の本格的再生を阻んでいる (日本人の現状1)』が2010.1.20現在でもほぼ通用する実態があります。

 こういう場合、世界経済のデフレは深刻になる一方になってしかるべきです。ところが、下記の図式が支えとなって、世界経済は大恐慌に陥らずにすんできました。

 米国が赤字を拡大している (米ドルの他国への供給が拡大している) ⇒ 世界的に過剰になっている供給能力の吸収・開発途上国の信用不安の予防が実現されている ⇒ 工業製品のなんと9/10が供給過剰に陥っており、ブロイラーのようになっている中国経済が支えられている ⇒ 中国経済の見かけの躍進が世界経済を辛うじて牽引している。(中国経済のとてつもない供給過剰の根拠 : March 20th 2004付け『The Economist』の『A survey of business in China』)

 ローラー・コースターが最上部を走行しているような状態になっているのが世界経済であると理解されてきたのです。しかしながら、世界経済の実態は良い方向での見直しが必要になりました。中国による世界経済牽引力が増強されるようになったからです。主な理由は二つあります。

       企業の利益率が上昇している。設備投資統計には土地取得も含まれていたことが判明した。この二つが物語っているように中国の設備投資の過剰性は大幅に軽減した。

       ヨーロッパとアジアとの交易が急速に拡大したために、中国経済のアメリカ依存度は大幅に軽減した。

 ところが、胸を撫で下ろしている期間は終わりました。上記図式の無理がたたって『
世界金融危機』が勃発して世界経済は未曾有の大不況に陥ってしまったからです。そして、日本が一番深刻な状態を続けているのです。「日本経済の回復が一番早いのでは」という当初の楽観論は吹き飛ばされてしまったのです。その結果、魅力的な投資先の決定的不足、官民共に世界最低の投資率…という事態を招いているようなのです。(2010.1.20追記

   なし崩しの習慣 ⇒ 現実直視力の剥奪 ⇒ エアーポケットへの陥落 ⇒ 魅力的な投資先の決定的不足、官民共に世界最低の投資率 ⇒ エアーポケットからの脱出の困難化 ──、という悪循環に気づかなければならない

 一流経済国の地位から滑り落ち続け、「今や後進国」と言われるほど落ちぶれてしまった日本を再生するための処方箋はいくらでも書くことができます。例示すると、次の通りです。

   解決すべき問題  創造的問題解決策
   R&D投資を拡大しても業績がそれに応じて伸びないことが明確になった  非価格競争力の抜本的強化支援事業全体を一括して捉えた独創的な構想が日本の企業、ひいては日本経済再生のメイン・エンジンにならなければならない
   成長が見込める新しいサービス事業の開発が容易ではない「日本は先進国」と言っていられない時代が忍び寄ろうとしている  経験の浅い人材でも高質のサービスを提供できるようにするノウハウの理論モデル化

 上記のような創造的問題解決策を講じさえすれば日本経済は力強く浮上するでしょうか? 「否」の可能性が大です。なぜなら、次のような悪の連鎖にはまりこんでしまっている度合いが極めて高いのが日本の社会だからです。

 日本人の殆どがなし崩し主義に陥っている理由と影響
   『日本的集団主義』の影響を強く受けている ⇒ その場しのぎの体質が骨の髄まで染み付いている ⇒ 複雑問題解決に必要不可欠な『斬新な着眼』力が培われない ⇒ 環境に合わせてころっと変わってしまうことがほぼ常態化する ⇒ ほぼ常時密着している人間以外は信用されにくい ⇒ 『デフレ経済の本当の理由にあるように情報ゾーンが固定化されてしまうので、エアーポケットの中に閉じ込められしまう

 ⇒ 自分を客観視できなくなり、『性格に振り回されて現実直視力を失う』 ⇒ 『事なかれ主義の仕組み』が放置される ⇒『日本は世界最低の起業率に追いやられている & 『過剰同調圧力』 や『“井の中の蛙”症候群』にさらされる ⇒ 『民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている』や『個人のパワーが大幅に不足している』となる。

 
差し迫った重要事についての決断を避け、成り行きに任せるなし崩し主義。これは個人の突出した行動が生み出す軋轢を回避でき、かつ問題が自然に解決できるので、通用することもありました。(具体例 ⇒ 『政策が後手に廻った本当の理由』) しかしながら、このようなことを可能にした古きよき時代は完全に終わったことを肝に銘じなければなりません。

 日本経済は高度成長を成し遂げた成功要因が失敗要因に転じたままの状態なのです。いいかえれば、悪しき体質が残ったままなのです。(詳しくは ⇒ 『脱集団主義の時代』 / 諸悪の根源は日本的集団主義である (アジア太平洋戦争の考察結果))

     先進国中ダントツのサラ金経済。にもかかわらず、過去最悪の相対的貧困率 ── これが地盤沈下し続けた日本経済の産物である

 世界経済を支えている中国経済の前途は全面的に楽観できるわけではありません。なぜなら、過剰流動性はバブルとその崩壊という日本経済の悲劇を再来させる危険性が大だからです。サブプライム・ローン問題が勃発したこともあるので、中国経済との付き合い方が大きく問われるのです。この問題意識を持って『日中融合は不可避であることを認識しよう!』を読んでください。

 日本の窮状(事前必読コンテンツ ⇒ 『世界金融危機の真相』)
   上記リンク先の記事を読むことにより、アメリカが北朝鮮と国交回復に向けた交渉を急いでいる理由が見えてくるはずです。

 『サブプライム・ローン』問題をきっかけに不況がひたひたと押し寄せつつあるアメリカは東北アジア経済の開発に活路を見出そうとしているのです。

 そして、東北アジア経済開発が生み出す主な商機をアメリカに流れ込ませるための布石は着々と打たれています。日本の建設業が中国内で事業を拡大することを困難にする制度がアメリカの働きによって発足済みであることが代表例です。

 日本の指導者達が性格に振り回されままの状態で『臨機応変力』を失っていると、

 『大変化に無策であったことが悲劇に発展した日本の製造業』の教訓を全く生かせていない救いがたい人々であった」と後世の歴史家に厳しく糾弾されることでしょう。(関連資料 ⇒ 『有名だが視野狭小の医師達に振り回された少女の悲劇現象』)

 右と下に掲載した図表が示すように日本経済は深刻な事態に陥りつつあることを忘れてはならないのです。

 この図表の背景にある原因をひとつだけ挙げなさい。こういうことが要求されたならば、「日本国内における設備投資の効率が極度に悪化しているからだ」と迷わず答えるでしょう。


 「まさか?」と思われる方に
新規設備投資が生み出す成果の日米比較をすると、日本はアメリカの約半分しかない」といったような専門家筋の指摘がある(The Economist Feb.23rd 2008の29頁)ことをお伝えさせて頂きます。
 
資料:09113号『日経ビジネス』


資料:080926付け『毎日新聞』
 2011年はとうとう31年ぶり貿易赤字へ
   

 上記の悲観論に対して「悪いことが続いた後には良いことが起こるのが世の常。心配することはない」という反論が出されるかもしれませんが、この反論は成立しにくいでしょう。なぜなら、次の図式が実現される可能性が大きいからです。

 (
小渕内閣が景気対策で大量発行した10年国債』の満期償還がやってくる ⇒ 2002年度から進めてきた「買入消却」が加速される ⇒ 国会審議を経る必要のない特別会計の予算規模が膨らむ ⇒ 日本経済の将来不安が加速される ⇒ 長期金利がじりじりと上昇する ⇒ 日本経済の足が引っ張られる)+『「日本は先進国」と言っていられない時代が忍び寄ろうとしている ⇒ 『2011年年金崩壊/2030年までの日本国のタイムスケジュール』にあるような深刻な状態になりかねない。


   日本経済を辛うじて支えているサラ金経済の実態 (貨幣価値下落路線が待ち構える日本経済) ── 国民のパワーアップへの配慮なき増税はデフレスパイラルに結びつき、日本経済再生を不可能にする ──

 
 出所:100213付け『朝日新聞』
 「タミフル汚染、河川調査」という新聞の見出しが目にとまり、「もしかしたら」と思い、本文を読んだら「日本は世界のタミフルの7割を消費するという推計がある」ということでした。「やはり」だったのです。この事実と菅財務大臣が「来月(2010年3月)から消費税論議を」と言い始めた背景にある、待ったなしの国家財政危機の根は同じです。この説明をしましょう。

 日本が世界のタミフルの7割というとんでもない量を消費するに到った背景には次の図式がありそうです。

 (その場しのぎの習慣が染みついている ⇒ 考え抜く習慣とはほぼ無縁の生き方になる ⇒ 自立と創造の力が養われない) + 新型の豚インフルエンザの恐ろしさが流布される ⇒ 恐怖に耐えられない人が登場する ⇒ 横並び現象が蔓延する。一番の予防策は健康管理であるにもかかわらず。

 考え抜く習慣とほぼ無縁の生き方は「総需要の大幅不足 ⇒ マスコミの後押しを受けて安易な公共事業の拡大 ⇒ 財政赤字拡大」という図式にも結びついたのです。

 タミフルの場合も「不足、厚生労働省の怠慢」がマスコミで大いに喧伝されたのはついこないだのことです。 国家財政破綻の影響はアルゼンチンや夕張市がどのような状態になったかを考えれば分ることです。


日本経済は泥沼化しているが、財政破綻はせずその替わり・・・・・・ 

 
 出所:100307付け『朝日新聞』

 上記「朝日新聞の予測」は外れるでしょう供給が需要を上回ることはないだろうからです。

  (2020年10月5日Twittter)  
プライマリーバランス軽視の国債発行が急激なインフレに結びつくのは、供給力不足の場合のみ。「5G普及、海外進出企業国内回帰、東京リボーン、異次元の遊休資源使いこなしを可能にする『知的アクロバットを伴うジグソーパズル思考力強化』」は利益を伴う供給力増に結びつく。

 「財政破綻」の替わりに「ぶら下りの不可能化 ⇒ 自立と創造の不可欠化」が浮かび上がるのは必至です。

 「(日本の宿痾地盤沈下続きの日本経済)+(新型コロナショック ⇒ 大盤振る舞いの財政支出) ⇒ 恣意的発行が可能な現貨幣の欠点浮上 ⇒ 革命的対策不可欠 ⇒ デジタル庁創設へ ⇒ 新思考のDX普及へ⇒ 社会のシームレス化進展へ) ⇒ デジタル通貨が普及して現貨幣を浸食 ⇒ 弱者救済の公共投資困難化 ⇒ 累積財政赤字凍結が可能に」というシナリオが考えられるからです。

 (参考資料 ⇒ 『企業没落の原因は人材ミスマッチです新型コロナショックは革命的威力を持っています』)

  (2020年1月11日のTwittter)  
わが国企業の二極分化「イノベーション成就→新成長機会発掘促進/底辺への競争→没落」進展は必至。「米国は金利引下げ等を総動員→財政赤字拡大を伴いつつ史上初の長期経済拡大→大統領選後の財政再建狙いの円高圧力」「共同市場進展+世界秩序再構築→ぶら下り困難化」故だ。→http://www.trijp.com/index16.shtml

 少子高齢化はデフレ経済の本当の原因ではない

(節子) 「少子高齢化が続く限りデフレからの脱却は困難」ということがよく言われるけど、そうだとしたら「財政破綻、ハイパーインフレーション」となるのを避けることはほぼ不可能。しかし、事態の捉え方が表面的過ぎるような気がする。

(高哉) その通りだ。デフレに入っている国は13ヶ国。その中で日本だけが人口減になっていることが何よりの証拠だ。 『日本が実質的な社会主義国家になった理由と影響』にあることを思い出せば、「少子高齢化が続く限りデフレからの脱却は困難」は誤った見解である理由が明確になる。

(節子) 護送船団という安定した枠組みの中で生かされてきた日本人は知恵の源「脳内シソーラス機能」と胆力の源「海馬」を十分鍛えることができなかった。したがって、自立と創造力が不十分のままだった。そうしたところに互助を可能にしてきた共同体が崩壊しつつあるという環境異変が直撃、殆どの日本人は将来不安を抱え込むことになった。

 となれば、「子供をつくって責任を背負い込むことを避けたい」「将来不安を抱えたままローンを組むことを必要とする自動車や住宅を購入する気になれない」という人が出てきてもおかしくない。その上、多様な生き方があることを知り、出産を回避する人も出てきた。

 日本人の脳力の相対的劣化が日本経済の地盤沈下を招くに至った
 ということは出産や子育ての支援策にしゃかりきになることは高熱を出した人に根本的な治療をすることなく解熱剤を投与するようなものね。・・・・・根本的な治療策を考えるために聞くんだけど、輸出では儲からない時代になったのはどうしてなのかしら?

 
 資料:2011.1.10付け『日経ビジネス』
 2011年はとうとう31年ぶり貿易赤字へ(111221付け『朝日新聞』夕刊)

(高哉) 世界金融危機が勃発して欧米市場が急速に冷え込んだために産業界が小泉・竹中改革で手に入れた、派遣社員の大量登用などによるコストダウン路線に大きな限界が生じてしまった。その上、次の図式に陥ってしまったからだ。

 老害発生の仕組みの犠牲になっている ⇒ 宿痾「日本人は物事の原因を突き詰めて考えることができない」が放置されている ⇒ 構想・独創力の源「鋭い直観回路」を入手できない ⇒ 世の中を支配する新しいロジックに逸早く対応できない ⇒ 高付加価値経営の重要な手段の一つであるグローバルな事業展開が遅れている。のみならず、内需低迷に甘んじている。→
個人のパワー不足は外需だけではなく内需低迷にも結びついている

 前にも言ったことがあるおかしな現象が何よりの証拠だ。・・・・・1990年に1位だった国際競争力の順位が2008年には22位になり、その結果、世界に占めるGDPのシェアが1990年の14.3%から2008年の8.9%になってしまった。ところが、技術力の優位性は保たれて世界第2位である。

 このおかしな現象を招いているのは、多くの日本人は殻に閉じこもったままコツコツ努力するばかりだからだ。→陳腐化した枠内思考から脱却しないと生き抜くことが困難な時代になった日本経済はエアーポケットの中をもがくのみとなっている。こうした状態にのしかかっているのが少子高齢化の進展だ。


 
 資料:2012年3月22日付『朝日新聞』

 日本経済を根本から立て直す方法

 過去型政策を成立させていた図式
 過去の延長線上に工業化の余地があった ⇒ 新成長機会は顕在化していた ⇒ 伝統的な景気調整策が有効であった(経済全体を機械装置のように扱うことが可能であった) ⇒ 生活必需品が未充足の家計を潤すことを目的とする所得再配分政策が有効であった。

 政策当局が覚醒・認識を要する図式
 (過去の延長線上に工業化の余地を見出すことが困難になった ⇒ 新成長機会は深く潜在するようになった ⇒ 気づきにくいことに気づいたり、見えにくいものが見えたりすることを可能にする「鋭い勘」なくしてはチャンスを逸早く掴み取ることは困難になった) + 実質的な社会主義国家体制の下では鋭い勘を培うことは困難であった

 ⇒ 政府だけではなくその他の組織も大多数が硬直化した存在になった ⇒ 「この指とまれ」といった具合の個人間ネットワーキングをツイッター、フェイスブックスカイプ経由で行うことがデフレ脱却の決め手になった ⇒ 社会横断的な個人間ネットワーキングの障害除去が政府の最重要の仕事になった。

 (関連記事 ⇒ 『逆転勝利の大きな可能性があることを認識しよう!

 構想力・独創力ある人物が個々の力を結びつける必要性が増した
(節子) 「この指とまれ」といった具合の個人間ネットワーキングを行えばいいというものではないわよね。このことを明らかにしたいので聞きたいことがある。大勢の人が一堂に会することを繰り返しても具体的成果を生み出せず、解散に追い込まれてしまった某組織のことをどう解釈したらいいのかしら?

(高哉) 会議を重ねても所期の目的を達成できないのは貴女が例に出した組織だけではない。「社員全員からアイディアを収集しても役に立つものはひとつもない」と言って嘆く企業経営者が少なくないんだ。こうなってしまう理由は次の通りだ。

 世の中が複雑になったので「あちらを立てればこちらが立たず」となったり、市場が成熟し切ってしまったためにつまみ食い的な発想が通用しなくなった。

(節子) 気づきにくいことに気づいたり、見えにくいものが見えたりすることを可能にする「直観回路」の駆使を前提とするジグソーパズル思考の達人のヘリコプターのような働き方があって初めて「この指とまれ」といった具合の個人間ネットワーキングが新市場創造型の新規事業開発にだって結びつくというわけね。貴方が『衆知を生かして複雑問題を解決するための秘策』を提起している理由がよく理解できた。

 (2020年1月9日のTwittter
「(世界秩序再構築時代到来→世界交易不円滑化→全投資停滞→底辺の競争度悪化→輸出占拠率続落→生産性続落→GDP低迷→国民不安増)+(超金融緩和→不動産需要前倒し)→消費低迷」が日本経済の実態。打開策は「企業に創造力注入→パイ拡大に結びつく経済の好循環実現」。→http://www.trijp.com/cts/cts1-2-2.shtml#eternal-growth

全員参加型社会は紆余曲折が仮にあっても必ず実現に向かう
:── 程度の差はありますが、世界的現象として捉えてください ──

 日本の社会構造を蛸壺型にしてきた日本モデルは賞味期限切れとなっている

(節子) 行政のあり方の話が出たので、ついでに聞きたいことがある。「改革が進むと、減っている住民サービスがもっと減るんじゃないか」という危惧の声があるけど、これをどう捉えたらいいのかしら?

(高哉) その声は「お金は天から降ってくる」と思っているから出てくるのであって、ぶら下がり体質の発露以外の何物でもない。「必要な税収を生み出せるような民間の経済活動が行われて初めて必要な行政サービスが提供される」の認識がない状態を放置し続けると、日本全体が財政再建団体「夕張市」のようになってしまう。

 そうならないとしたら公共部門の赤字補填のために円を増刷し続けて日本はハイパーインフレーションに襲われることになる。

(節子) 「国民の自立と創造力が必要不可欠である」ということになるんでしょうけど、これって難しんじゃないかしら? 貴方がいつも言っていることだけど、日本には無数の国境があるような状態なので、 国全体を水平統合する強力な官僚機構が必要であり、これが日本を実質的な社会主義国にしてしまって久しいんだから。

(高哉) 国全体を水平統合する強力な官僚機構の必要性は「エゴとエゴは基本的には相容れない ⇒ 人間はお互いに恐れあう存在である ⇒ 放置しておくと社会は不安定極まりなくなる ⇒ お互いの関係を水平ではなく垂直的にする知恵が生まれた」という図式にもある。このことを理解しなければならない。

(節子) 村落共同体の集合体のような日本モデルが根付いた。そして、この日本モデルは共同体の崩壊傾向が示すように陳腐化してしまった。でも、この影響を強く受けたままとなっている人は少なくないんじゃないかしら?

 脱・蛸壺型社会構造を阻む習慣の壁デジタルネイティブの時代到来が崩し去る

(高哉)日本人は鳥かごの中に入れられているような状態が色濃く残っている」と言いたいんだろうけど、それは昔のこと。 IT革命のお蔭で国民は無数の国境を飛び出すことが可能になった。しかも、大きな物語ではなく小さな物語の時代になったことを忘れてはならない。もっとも『日米のビジネス・パーソンの行動の際立った違い』や『海外に店を構えながら日本の顧客しか相手にしなくなった』に見られるような大きな習慣の壁はある。

 でも、この壁の乗り越えは政策当局が覚醒・認識を要する図式衆知を生かして複雑問題を解決するための秘策の存在を考えると、時間の問題じゃないかな。

 日本人は自分を長いこと支えてきた安定した枠組みにしがみつきたがるところがある。したがって、ちょっとでも「改革路線が頓挫するかもしれない」と思うと壁を乗り越える意欲はたちまち減退してしまう。しかし、世代交代が進むと、「意欲がなくなった」なんてことを言っていられなくなるし、「国家統治のあり方が様変わりした」ことを確信する人が出てくると、これによって「雪崩現象に結びつく国民性」がプラスすると思う。

 国家統治のあり方は必然的に様変わりする

   ポジショニング手法適用が必要な国家

 内戦を収める手段として誕生した国家は経済成熟化に伴って永遠の経済成長を可能にする秘訣を空回りさせる二重の支障(国境の壁/国内のダイナミズム喪失)を生み出していることに気がつかなければならないのです。この脈絡の中で世界金融危機を捉えなければならないでしょう。

   過去有効だった国家統治の仕組みと背景
 新成長機会は過去の延長線上にあった ⇒ 没個性の国民の方が和を保つのに好都合であった ⇒ 日本モデルが採用された ⇒ 強力な官僚支配体制が敷かれた。

   今後必要となる国家統治の仕組みと背景
 新成長機会は深く潜在するようになった ⇒ 老害発生の仕組みとは無縁になることが必要になった ⇒ 社会を自由に横断する人的交流が必要になった ⇒ 「強力な官僚支配体制」ではなく「全員参加型社会」が必要になった ⇒ 機会平等の世の中に限りなく近づいて行く ⇒ きらりと光る個性的才能と違いを認める力が必要になる。

 全員参加型社会は「変われる人には大チャンス」、「変われない人には大ピンチ」になる

   過去有効だった出世方法と背景
 新成長機会は過去の延長線上にあった ⇒ 日本は電動のエスカレーターが設置・運用されるような状態に置かれていた ⇒ 国全体のコントロールが容易であった ⇒ 政官財トライアングル体制が容易に確立できた

 ⇒ 癒着体質が根づき、リスクマネジメント力零に起因する福島第一原発のような大惨事を招いただけではなく、企業の業績長期低迷に結びついた。(関連記事 ⇒ 『企業の業績長期低迷と福島第一原発事故は同根だ』)

   今後必要となる出世方法と背景
 (過去の延長線上に新成長機会は存在しなくなった ⇒ 上記のエスカレーターは電気で動かすことができなくなった ⇒ 国全体のコントロールが困難になった ⇒ 政官財トライアングル体制は賞味期限が完全に切れた ⇒ 経営資源の3点セット「ヒト・モノ・カネ」を国の内外から調達できる可能性が飛躍的に高まった

  ⇒ 臨機応変の全体知の源「脳細胞間の円滑なネットワーキング力」の持ち主が垂涎の的になる時代になった。(関連記事 ⇒ 『学問力・発想力深く潜在している新成長機会の継続的発掘の秘訣』)

  (2017年9月23日のTwittter)  
単独飛躍は可能。異変待受けのシナリオ「(脳力増幅型Q&A→知的パワー入手→挑戦度漸増型の転職→未知の既知化脳力の継続的強化)+AI・IoT・ブロックチェーンの進化・普及→魅力的な新事業の開発・運営のためのオープンリソース経営」有故だ。
http://www.trijp.com/approach/watanabe-apply.shtml#kfs-of-watanabeshiki

 したがって、過去有効だった出世方法から抜け出せない人物は市場から退場を余儀なくされること必至になった。(関連記事 ⇒ 『泥舟「日本」の実態と背景個人のパワー欠如は内需低迷にも結びついている』)そうならないためにあるのが新創業だ。

  (2016年11月17日のTwittter)  
米国新大統領提唱の日米経済連携協定は、新成長機会発掘に不可欠な学問力・発想力強化を企業人に迫るのは必定。米国製造業復活の至上命令は「日本の製造業の対米進出拡大→両国のAI市場拡大→AIの進化・普及→単純労働の不要化を促進」となる故だ。
http://www.trijp.com/skype.shtml#c7

  (2016年9月12日のTwittter)  
日露経済協力には「(石化燃料価格の大幅下落等→ルーブル安→輸入品価格高騰→輸入代替ニーズ横溢→工業先進国・日本の直接投資拡大)→(露国内の工業振興→雇用力強化+輸入代替品普及→国民福祉向上)+日本国内のデフレ圧力減」という側面もある。
http://www.trijp.com/index12.shtml
 (デフレ圧力減の補足説明:ロシアはアメリカに匹敵する軍事・宇宙・原子力発電の技術が示しているように最先端技術は日本を凌駕しています。したがって、ロシア国内の工業振興は「雇用力強化+輸入代替品普及→国民福祉向上」に留まらず、日本国内産業の強力なライバルになる可能性があります。したがって、デフレ圧力減は、新しい雇用創出に結びつく新事業開発が進展しない限り、日本国内の失業増に結びつきかねません)

   国策大転換のあるべき方向と背景
 したがって、“日本丸”舵取りの大転換を急がなくてはならなくなった。国内外の全セクターのボーダレス化に新成長機会の源泉を求めることができるようにする。これがあるべき方向です。(関連記事 ⇒ 『泥舟「日本」の実態と背景過去通用してきた政府の政策と背景永遠の経済成長を可能にする秘訣』) したがって、例えば、三つの実施は不可避でしょう。

     既得権益を保護し、起業の妨げに結びついている各種規制の見直し (例:コピーライト・ビジネス振興の足かせとなっている著作権法など)

     人的資源流動化の妨げとなっている終身雇用制度固定化に結びついている貧弱なセーフティネットの全面的見直し&日本列島のダイナミズム化 (関連記事 ⇒ 『日本は人材ミスマッチ大国政治は日本列島全体のダイナミズム促進に舵を切らなければならない ── 総合的・並行的学問が創造力の源なのだ ── 』)

    消費拡大阻害の一因になっているになっている高齢者に集中的に滞留している資金開放のための遺産相続税の抜本的強化

求心力が全員参加型社会の成功者になるための最後の鍵である
  (2019年5月2日Twittter)  
地方で孤立していても世界を股にかける仕事OKの5G普及が個人起業家輩出に結びくのは容易でない。馴染のなさが自由自在な取引の壁になるからだ。問題解決を可能にするのが「信用保証不要→成功の鍵は商品の魅力のみ」を可能にするブロックチェーン。但し、求心力強化が不可欠。