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閉塞状態を打破したければ、眠れる森の美女のような「新しいサービス需要」を発掘しよう!
マスコミは世論をミスリードしやすい
成長が見込める新しいサービス事業の開発が容易ではない 習慣のロックがかかり易い理由


【斬新な着眼】


悔いなき人生はどうしたら実現できるか?
― 人生を生け花に見立てることである ―


日本的集団主義が諸悪の根源になっている


2005.11.21掲載(2018.7.28更新)

斬新な着眼」不在が日本の本格的再生を阻んでいる (日本人の現状1)

小泉首相が火をつけた構造改革は頓挫しかねない
── 構造改革を妨げる根本的原因を認識しよう! ──

日本国運営システムは再構築を迫られている

(前提認識の例1) 極東の枠組みを変更しなければならない

 中国と韓国の反日感情並びに日本のいわゆるタカ派の台頭が目立つようになりましたが、この背景には次の図式があります。

 冷戦構造が終結した ⇒ 旧ソ連は脅威ではなくなった + 中国と韓国が力をつけてきた ⇒ 中国と韓国にとって日米安保条約は「ありがたい存在」から「目障りな存在」に変化した ⇒ 中国と韓国の対日姿勢が強くなった ⇒ タカ派が日本で台頭してきた ⇒ 中国と韓国の対日姿勢は更に強いものになった。

 上記図式の放置はいずれの国にとっても好ましいものではありません。なぜなら、このままではメガトレンドとなった地域共同市場の形成が困難になるからです。(地域共同市場が必要不可欠である理由 ⇒『日本を復活させるためにはどうしたらよいのか? 本格的な共同市場に参加するのが一番である 』)

(前提認識の例2) 中央経済が国内で外延的に拡大することが困難になった

 日本の国内経済は中央経済の外延的拡大に伴って量的な拡大を実現してきました。ところが、この図式が通用しなくなりました。中央に存在する大企業が日本の地方ではなく外国で工場機能等を拡大させるようになったからです。この背景に、市場の量的拡大を困難にする工業化の限界、少子高齢化並びに世界市場での競争激化があります。

(前提認識の例3) インフレからデフレ体制にシフトしなければならなくなった

 日本の経済運営システムは人口増・工業化による国内経済の量的拡大を前提に構築されてきました。年金制度や有担保制度が典型的な例です。ところが、この経済運営システムは賞味期限が切れてしまいました。前提条件が崩れてしまったからです。

(政策空間の例1) 国土利用のあり方を変更しなければならない

 中央に存在する企業の業容拡大の受け皿機能を地方社会に担わせる。このことを前提に自民党は長年に渡って国土の均衡ある開発を党是にしてきました。ところが、このような党是は通用しなくなりました。前提認識の例1・2・3で述べたようなことがあるからです。

 一方、国家並びに地方の財政は破綻寸前の状態に追い込まれてしまいました。したがって、国土の均衡ある発展という自民党の党是は通用しなくなりました。過疎地帯の人口を大都市に移住させ、過疎地帯は新・農業革命の拠点にする等の大胆な措置を講じることが必要になることでしょう。(根拠 ⇒『広域を一体的に捉えた再開発が必要になる』、具体策の例 ⇒『大型事業の独創的構想(例)』)

(政策空間の例2) 公共事業のあり方を変更しなければならない

 中央経済の外延的拡大の受け皿を用意しなければならない。国民の統合を実現させる。こういったことのためには、将来需要を見込んだ超長期の先行投資をしなければならない。 ── このような要請に応えてきたのが公共事業でした。ところが、日本経済の発展に伴ってこのような公共事業の必要性が大幅に低下しました。

 上記したことに納得して頂く一番良い方法は、9・11衆院選の争点となった郵政民営化の背景にある環境変化を再認識することです。

  民間銀行業界が発展した ⇒ 郵便貯金の必要性が低下した
  民間保険業界が発展した ⇒ 簡易保険の必要性が低下した
  電子メール・メール便・宅配便が普及した ⇒ 郵便事業の必要性が低下した

 上記した環境変化がある。その上に、国家並びに地方の財政は破綻寸前の状態に追い込まれている。となれば、郵政民営化は避けることができないのです。同じようなことが他の公共事業についても当てはまります。

(政策空間の例3) 官僚並びに政治家のあり方を変更しなければならない

 日本の社会構造は蛸壺型からネットワーク型に大きく変わることでしょう。(詳しくは ⇒『わが国は平和革命前夜にあることを認識する』) となると、蛸壺型社会の要役を担ってきた現行の官僚体制を変えなければなりません。(この主張のもうひとつの論拠 ⇒『中央官庁主導の時代は完全に終わった』)

パッチワーク主義の官僚主導が強まりかねない

 9・11衆院選で自民党は大勝を収め、自公で3分の2を超える議席数を占めるに至りました。国益よりも省益を大事にする傾向が極めて強い官僚はにんまりです。なぜなら、「与党と野党の勢力に大きな差がない ⇒ 与党と野党の間に緊張が生まれる ⇒ 官僚に対する政治家の意見が強硬になる」という図式が遠のく可能性が大だからです。

 但し、政権党が改革派で統一されていれば、守旧派の牙城である官僚体制の打破が進む可能性があります。ところが、小泉首相退陣後そうはならないかもしれません。なぜなら、自民党は9・11衆院選で造反議員の切捨てに成功したが、守旧派は数多く残存している。そして、野党第一党である民主党も同様だからです。議員が入れ替わった後でも、下記チャートにあるような党内の雑色性は払拭できていないことを忘れてはならないのです。


                                 資料 : 2005.8.31付け『朝日新聞(朝刊)』

現状路線を歩む限り適切な政治主導も期待しにくい

 民主党が今の政権党に取って代わって日本国運営システムの適切な再構築を行うことができるのでしょうか? 9・11衆院選での民主党の戦いぶりで判断する限り期待しにくいでしょう。

 民主党が政権奪取の絶好のチャンスを生かすためには、次のようなことが行われなければなりませんでした。

日本国運営システムは再構築を迫られていることを踏まえた日本再生のシナリオを描き、その中に戦略核として政権党が打ち出した「郵政民営化策」を位置づける。

上記の「郵政民営化策」のフィージビリティー・チェックをする ⇒ 上記の日本再生のシナリオが頓挫することを示す。

民主党としての「郵政民営化策」を打ち出す ⇒ 上記の日本再生のシナリオが円滑に実現する様子を示す。

 多くの国民に「日本を確実に再生させる方策があることが分かった。でも、自民党が打ち出した郵政民営化では駄目かもしれない。一方、民主党の考え方だったらうまくいきそうだ」と思わせることが狙いです。

 
ところが、民主党と自民党の違いが不明確であったために、多くの国民に「自民党も民社党も雑色。だったら、実績のある自民党の方がましである」と思われてしまったのです。実績のない後発組であっても市場の緊急ニーズに独占的に対応できるのであれば、実績のある先発組みに勝てるという産業界の経験則を応用することができなかったために、千載一遇のチャンスを逃してしまいました。

 日本は右のチャートにあるように世界ダントツの借金大国。日本経済はサラリーマン金融に頼ったような状態としては世界最悪です。にもかかわらず、約16兆円の借金を毎年増やし続けています。したがって、年金不安は深刻さを増す一方です。市場 (選挙民) には緊急ニーズがあるのです。

 にもかかわらず、民主党はこの緊急ニーズに独占的に対応できませんでした。だから、惨敗を喫したのです。反省すべきは「斬新な着眼」力のなさです。このことは政界全体に当てはまることです。なぜなら、


 小泉構造改革は日本再生の一番の近道は知恵と勇気の両方が備わった個人輩出の「」を創ることにおいては高く評価できる。ところが、「を入れることにおいてはほぼ手付かずだからです。(根拠 ⇒『民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている』&『個人のパワーが大幅に不足している
 
 民主党は上記の緊急ニーズに独占的に対応できるチャンスがあったのです。なぜなら、知恵と勇気の両方が備わった個人輩出の「魂」を入れる方策には事欠かないからです。(具体策の例 ⇒『リストラと雇用拡大の両方を実現、日本経済を再生させる方法』)

 同党は党機構改革検討委員会を10月18日に設置しましたが、このような小手先的な対策では駄目でしょう。日本的集団主義に染まった行動・思考が「斬新な着眼」力入手の最大の障害であることを認識して、創造的統合戦略の策定・実行が可能な体制整備を急がなければならないのです。(参考になる考え方 ⇒『今必要なのは偉大な素人です』)


 小泉構造改革は日本再生の一番の近道は知恵と勇気の両方が備わった個人輩出の「仏」を創ることにおいては高く評価できる。ところが、「魂」を入れることにおいてはほぼ手付かずであることの根拠の補足になるものとしても以下の説明をお読みください。

マスコミは世論をミスリードしやすい

 頼みは民意です。ところが、現状ではこれも期待できそうにありません。国民一般の知的レベルが低い。その上、マスコミに国民を啓蒙する力が大幅に不足しているからです。

●国民一般の知的レベルが低いとする根拠は何か?

 日本的集団主義に大きな風穴を開けた小泉首相は知恵と勇気の両方が備わった個人輩出の「魂」を入れる方策面では未着手に近い状態です。しかしながら、「仏」を着実に創りあげつつある点においては最初の総理大臣。したがって、歴史上に燦然と輝くであろう傑出した政治家です。5度目の靖国参拝は「聳え立つ巨大な樹木」よりも「森全体のこと」を考えての決断であったと理解すべきでしょう。改革の前に立ちはだかる日本の官僚体質が理解のキーワードです。

 しかしながら、9・11衆院選における自民党の歴史的大勝の背景に国民の判断力の大幅不足があったことも否定できません。なぜなら、多くの国民は次のような小泉マジックにひっかかってしまったようだからです。

自民党は郵政民営化法案を提出して革新政党であるイメージを、民主党は逆であったので保守政党であるイメージを、それぞれ国民に植えつけた。

前回の衆院選・参院選の公約に反したのは自民党である。総裁の指導力不足が造反議員を生み出した。にもかかわらず、自民党は造反組を切り、いわゆる刺客を放ち、改革政党であるというイメージを強固にした。

自民党は多くの守旧派が残存したままであることを棚に上げて「民主党は労働組合依存の政党である」ことを強く主張して、民主党が保守政党であるイメージを更に強固にした。

 多くの選挙民は「日本的集団主義にどっぷり浸かり続けてきた ⇒ その場しのぎや横並び志向の生活をしてきた ⇒ メリハリのある思考力が鍛える機会がなかった ⇒ おめでたい判断をしがちである」という図式にはまってしまったのです。

●マスコミに国民を啓蒙する力がないとする根拠は何か?

 視聴者の関心を高め判断材料を漏れなく与えることができれば、マスコミは国民の知的レベルを引き上げることができます。ところが、9・11衆院選におけるマスコミ報道は視聴者の関心を高めることに成功しましたが、国民の知的レベルの引き上げには失敗しました。「刺客 vs 造反組」の言動が各媒体で連日報道され、肝心の政策論争が陰に追いやられてしまったからです。

 どうしてこのようなことになってしまったのでしょうか? 二つの事実が結びついてしまったからなのです。

(事実1) 日本的集団主義の影響を受けて日本の視聴者の知的レベルが元々低い。(欧米で見られるようなクオリティー・ペーパーの発行は日本では事業として成立しにくくなっていることが何よりの証拠です)

(事実2) 大競争時代の到来はマスコミの採算をも厳しくすることに結びついた。したがって、視聴率や販売部数に貢献しないコンテンツは排除される。


頼みの綱である民間経済の本格的再生は容易ではない

 日本が世界ダントツの借金大国でありながら独立国の立場を堅持できているのは、分厚い民間貯蓄があるからです。ところが、この支えが崩壊し始めました。家計の貯蓄率が最盛期の16%から5%にまで落ち込んでしまったのです。長期化している不況と人口の高齢化の影響を受けて国民の蓄えが乏しくなってきたことが背景にあります。

 頼みは「企業収益が拡大する ⇒ 税収が拡大する ⇒ 毎年約16兆円発生し続けている積み増し借金をなくす。いいかえれば、プライマリー・バランスを回復させる」という図式の実現です。この実現は可能なのでしょうか? 容易ではなさそうです。主な理由は三つあります。


理由1 : 工業化が限界に達したにもかかわらず新しい事業を創造していない

 最近の日本経済の傾向を示す、興味深い四つのチャートを見てください。

不良債権が減ってきている 日本企業の貯蓄増加が目立っている

資料 : 2005.1.14付け『朝日新聞(朝刊)』

資料 : 『The Economist』July 9th 2005

日本経済の停滞が際立っている 日本の起業率は世界最低である
資料 : 『The Economist』March 5th 2005   資料 : 『The Economist』June 28th 2003

 上記四つのチャートは「日本の企業は新しい事業の創造ではなく、コストダウン努力並びに二つのフォローの風 (中国経済の大躍進 / 日本が得意とする「カイゼン」力が遺憾なく発揮できるデジタル革命)によって業績を回復させた」ということを物語っている、と言えそうです。企業収益が急回復したが、売上高は全体としてそれほど増えていないことが何よりの証拠ではないでしょうか。

理由2 : 新しい事業創造を妨げている習慣のロックがしっかり掛かっている

 日本が陥ってしまっている状態は「小泉構造改革が貧富の格差を拡大した」「小泉構造改革が地方を切り捨てた」といったような言葉が企業人や一般市民からではなくテレビ出演の常連になっている、日本を代表する学者・評論家から聞かれることに典型的に現れています。

 小泉政権誕生以前に市場原理を追求しやすくするために金融ビッグバンが導入・実施されている。その上にグローバリゼーションと情報化が同時に進展している。したがって、国内の論理だけで経済活動を行うことができなくなった。いいかえれば、経済社会を支配するロジックが変わった。にもかかわらず、新しいロジックに適応できていないためにエアーポケットの中をもがくような状態になっている。こういうことが根本的な原因となって貧富の格差が拡大したのです。

 地方の衰退もこの脈絡の中にあります。国家財政が破綻寸前になり、国家は資金面では与える立場から奪う立場に転じました。したがって、地方は北海道夕張市が物語るように自立と創造力なくしては生き抜くことが困難になりました。ところが、自立と自律の妙策があるにもかかわらず手を拱いているのが実態です。だから、地方が切り捨てられているように見えるだけのことなのです。

「地方の自立と自律が必要不可欠であり、かつ可能である」という主張の根拠
わが国は平和革命前夜にあることを認識する
社会横断的な人的交流が拡大することを認識する
国民の構想力を強化する
母産業都市機能を革新する

習慣のロックが人間、特に日本人にかかり易い理由
 組織運営や人生航路が足掻いても足掻いてもうまくいかず没落路線を歩むことになっている。こういう事態が国を初めとする日本の各セクターに目立つようになっているのはどうしてなのでしょうか? 下記の図式にはまったままになっているからなのです。

 (合理よりも人間関係の方が優先される ⇒ 環境変化認識力が養われにくい ⇒ 日本モデルに起因する既得権益が足枷化して社員・取引先を入れ替えにくい ⇒ 環境変化に適応しにくい人間に囲まれる ⇒ 自分だけが突出しにくい) + (一所懸命に仕事をし、生活をする ⇒ 多忙は機械的判断を余儀なくし、機械的判断が繰り返される ⇒ 新しい見方の採り入れが困難になる ⇒ 老害発生の仕組みの犠牲者になる)

 ⇒ 頭脳明晰な人物であっても固定観念が染みつく or 全体思考力を失う ⇒ 世の中を支配する新しいロジックに適応できなくなる。(関連記事 ⇒ 『同一世界で栄達を遂げた人間が陥りやすい罠性格の各人各様性の由来と影響を生み出す図式』 ── この二つのリンク先に
結婚難仕事の閉塞状態人間関係の深刻な亀裂などがあるとの理解が必要です)

    2018年7月27日のTwittter
習慣の力「馬を両脚で締め付ける豊富な経験→増やす馬に特別訓練→騎馬兵増加OK…の可否がポエニ戦争の明暗に/過去の延長線上を歩めぱOK→模倣されぬようにシステム化→体質ビルトイン→激変環境に適応困難な歴史ある大企業」。打開策となるのがイノベーション力注入なのだ。http://www.trijp.com/warsoukatsu/1-1.shtml#lock-in-effect
   2018年7月30日のTwittter
日本の宿痾「和優先→他人盲信→背信→余所者排除→ウチとソトの人間関係→人材ミスマッチ」は「関東大震災→荒れ野原→所有地主張のための表札」が示すように「横並び横行→偶々の状況対応が根付き→習慣のロックイン」故。没落の待受け回避の特効薬はイノベーション力注入。→http://www.trijp.com/warsoukatsu/1-2.shtml

 ここに、固定観念の毒消し役を担わなければならない学者・評論家の必要性が生まれます。なぜなら、このような立場の方々は固定観念の醸成に結びつきやすい現場を持たない代わりに、客観力を身につけることが要求されるからです。にもかかわらず、習慣のロックがかかっているためにいわゆる専門家を含む権威筋は様変わりした環境に適応できていない事態に至っています。(関連記事 ⇒ 『変革を妨げる習慣の力を認識しない限り立場や人生の再構築はできない』)


 いわゆる専門家を含む権威筋は様変わりした環境に適応できていればOKなのでしょうか? 「否」です。ロックイン状態の習慣が助言の受け入れを拒んでしまうからです。ここに、ロックイン状態の習慣を打破し、適切な助言がストンと身につくことを可能にするワタナベ式問題解決へのアプローチの意義があります。

   2014年8月26日のTwittter
避難勧告に従う人が1%未満福島原発事故人生台無しと同根。和優先社会の誤算「出る杭は打たれる+模倣で事足りた時代→横並び体質へ」が窺われるからだ。3段階方式「イノベーションのロジック注入→習慣の力打破→転ばぬ先の杖入手」を心がけよう!
http://www.trijp.com/approach/watanabe-apply.shtml
   2015年1月14日のTwittter
「農業票離反→佐賀県知事選で与党敗北」は農協の実態「悪しき習慣のロックイン→精神的視野狭窄症に→未来展望力喪失」を適切に対処できなかったからであろう。改革を阻む習慣の力を打破したければ 、時間をかけてイノベーションのロジックを注入しよう!
http://www.trijp.com/

ロックイン状態の習慣は悪いとは限りません。歓迎すべき例もあります
(例1) (親代わりの祖父母が呉服屋を自営 ⇒ 自身の発案によりメリヤスを輸入販売 ⇒ 呉服屋が大繁盛 ⇒ 先見力の威力認識& 自立と創造力の醍醐味体験) + (若い時、自炊 ⇒ 料理の工夫 ⇒ 食事への深い関心) ⇒ 世界初のインスタントラーメン開発に成功───、となった安藤百福

(例2) (幼少時に乗っていた船が船長の安全保障宣言にも拘らず撃沈 ⇒ ぶら下がりNO人生 ⇒ 環境動向に敏感) + (少年時代に堰き止めた小川の水を掻い掘りして大量の魚を捕獲、商社の新入社員時代に貿易受渡業務を徹底的に合理化して宿命の長時間残業から解放など) ⇒ 独創の威力認識 ⇒ 斬新な着眼力を武器に用いたプロジェクト請負人生───、となった渡辺高哉

 個性的才能は生い立ちの中に潜んでいるが、運がなければ、潜在脳力を引き出せない。この教訓を生かすためにあるのが個性的才能を引き出す性格診断です。

理由3 : 成長が見込める新しいサービス事業の開発が容易ではない
      
  ─── 古くて新しい課題です
2018年10月28日記 ───

 モノに対する需要は決してなくなりません。というよりも量的には増えていきます。しかしながら、経済全体の中での影は薄くなっていきます。アメリカを例に採ると、次のようになっているのです : 1960~1999年の40年間で製造業の産出量は2~3倍に拡大。ところが、インフレ調整後の価格は健康や教育ビジネス等の価格は約3倍に跳ね上がっているのに対して40%減。その結果、雇用力とGDPに占める割合は半減して、15%程度になりました。

 ところが、わが国における経済のサービス化の状態は先進国中ダントツの低さ。製造業が総雇用数のなんと約25%を占めているのです。(上記数字のいずれも『The Economist』November 3rd 2001より転用)

 
年間売り上げ1兆円以上のIBMのパソコン事業売却価格が2000億円にも満たなかった。一方、公開当時売上高約3000億円のグーグルの株式時価総額は公開直後に約3兆円であった。 ── この事実を深刻に受け止めなければならないでしょう。

 大きな雇用を生み出すサービス・ビジネスが日本では発展しきれていないのはどうしてなのでしょうか? 「情報はただである」と思っている人が圧倒的である日本文化が次の図式によって実現した。このことの影響を受けているからではないかと思われます。

 過去の延長線上を歩むことで事足りてきた ⇒ 日本的集団主義にどっぷり浸かることができた ⇒ 戦略発想の習慣が育ちようがない ⇒ 情報を重視しない ⇒ 提出される情報の評価力が育ちようがない ⇒ 提起される情報の質が悪い ⇒ 情報を買う、という気持ちが生まれようがない。

 日本の医療業界も上記図式に似たような状態になっています。(詳しくは ⇒ 『日本の医師は洞察力大幅不足になるしかない』) 下記のチャートを見ることよって、「なるほど」と思われるのではないでしょうか。


資料 : 2005.3.8付け『朝日新聞(朝刊)』

 「弁護士や税理士以外にコンサルタントが要るなんてことは全く考えられない」という人が少なくないのは、上記の図式が常識化されてきたからなのでしょう。このままでは大変容時代が新しいサービス需要を創り出す可能性を封じ込めた状態が続くしかないでしょう。

2020年3月13日段階でも通用する重要事項追記(2008年8月20日)
―閉塞状態を打破したければ、眠れる森の美女のような「新しいサービス需要」を発掘しよう!―


 日本経済は文字通り閉塞状態に陥っている(根拠 ⇒ 日本の窮状 サラ金経済化している日本の実態 )ことを考えると、大変容時代が新しいサービス需要(図表8)はなんとしてでも気づいて揺り動かさなければならない「眠れる森の美女」のような存在になっているのです。
出所:渡辺高哉著『勝ち組メーカーに学ぶサービス事業戦略  』(PHP研究所)

   2014年9月9日のTwittter
増税が「消費低迷→経済低迷→税収減→悪循環へ」ではなく、「国家安泰→国民安心→前向き人生→経済成長へ」の道になるのに必要なのは、「労働から喜働への転換→脳力進化の継続→新成長機会発掘の継続」の誘導だ。括目して仕事に取り組める秘訣がある。
http://www.trijp.com/wsp/wsp2-1-1-3-2.shtml

 しかしながら、この存在をものにすることは現状路線を歩む限り困難です。なぜなら、眼に見えない抽象概念が苦手。いいかえれば、洞察力が根本的に不足しているのが日本人の一般的な姿だからです。(詳しくは ⇒ ナビゲーションの専門機関が役立つ時と役立たない時がある)

  だからと言って諦める必要は全くありません。洞察力の根本的不足の原因を究明し、根本的対策を講じればよいからです。どんなに複雑怪奇な問題であっても事の真相と深層を解明できれば、解決策は自ずと見つかるものなのです。洞察力の抜本的強化だって同じことです。(詳しくは ⇒ 『洞察力はやり方次第で短期間に身につくものです』)

 日本人は洞察力を磨きにくい環境に超長期間置かれてきた事実を考えると、上記した対策は気を長くして講じる必要があります。しかしながら、洞察力を必要とする環境に置かれることになったことを考えると、悠長に構えていることは許されません。ここで登場することになったのが「個性的才能を引き出す性格診断」です。

この診断の必要性について付記したいことがあります。

 日本の最高指導層は平常時は比較的安心できます。なぜなら、高度の判断力よりも人徳の持ち主であることが最高指導層の仲間入りの条件だからです。しかしながら、非常時は正反対となります。判断力が欠如した人物が権力を握ることはとんでもない愚挙を生み出すからです。

 アジア太平洋戦争、バブル崩壊後の相次ぐ失政、世界の資金から嫌われた閉鎖主義、高付加価値型事業への転換の遅れ…等がそうです。(原因 ⇒ 『
日本のエリートに根づきやすい体質』)

 にもかかわらず、日本人は権威が大好きです。その結果、日本経済は急速に地盤沈下。閉塞状態は悪化の一途を辿っています。一方において、魅力溢れる異質の成長機会が浮上しています。この成長機会をものにするために必要なのは次の図式です。

 自分の性格と歴史的立場をきちっと認識する ⇒ 性格に振り回されなくなっていく(性格乗りこなし術を習得できるようになっていく) ⇒ 現実直視力と挑戦力の抜本的強化が進む ⇒ 適切な知的アクロバット&ヘリコプターのような動きができるようになっていく ⇒ 性格発衝動脅迫の被支配者ではなく支配者になるので、先行き不透明時代の切り札「臨機応変の行動」が採れるようになっていく。

 視野狭窄症、拘禁服着用症に罹っている。このことが「異質の成長機会がバイパスする ⇒ 閉塞状態が長引く ⇒ うつ病 or 動脈硬化 or 人格障害…等が待ち構える」という図式に結びついているのです。

 東條英樹元首相の終戦間際の手記の一節「もろくも敵の脅威に脅え簡単に手を挙ぐるに至るがごとき国政指導者及び国民の無気魂なりとは夢想もせざりし」「これに基礎を置きて戦争指導に当たる不明は開戦当時の責任者として深く責任を感じる」── に対する痛烈な批判文を2008年8月15日付け『毎日新聞』の「余録」の中に発見し、以上の文章を認める気になりました。


重要事項追記(2009年1月7日)

 日本は未曾有の経済危機の打撃を先進国中最も受ける危険性が大です。日本一の企業である世界のトヨタ自動車が赤字に転落したことがこのことを雄弁に物語っています。どうしてこうなってしまうのでしょうか? 日本経済には外需縮小の直撃を受けやすい次の図式が実現されていたからです。

 工業製品の国内市場が縮小傾向になった + サービス部門の生産性が低すぎる ⇒ 内需を伸ばすことができない ⇒ 日本が生きていくためには外需依存度を高めるしかない。

 日本経済を活性化して雇用を守るためには、サービス部門の生産性を大きく高めることが必要不可欠です。この必要性に応える手段はスケールメリットが追求できるようにするだけではありません。日本人の脳力・能力の抜本的強化にも結びつく高付加価値化も忘れてはなりません。(必読コンテンツ ⇒ 個人のパワーが大幅に不足している「日本は先進国」と言っていられない時代が忍び寄ろうとしているR&D投資を拡大しても業績がそれに応じて伸びないことが明確になった

 浪費ではなく明日の糧になるサービス・ビジネス振興の必要性があることはいくら強調しすぎてもしすぎることはありません。必要性があるだけではあります。その気になれば、ものにできます。→深く潜在したままの新成長機会の発掘要領

深く潜在したままの新成長機会の発掘要領

フォローの風を遮ろうとしている

必要不可欠な地域共同市場に日本人だけが背を向けている

 下の二つの図と表を見てください。地域共同市場に帰結するであろう自由貿易協定の世界的な動きの中で日本の立ち遅れは明白です。そして、日本人の閉鎖性がこの立ち遅れに結びついてることも明白です。

資料 : 2005.1.7付け『朝日新聞』

アジア地域統合を進めることに対する賛同の割合
日本

11%
中国

31%
韓国

22%
インドネシア 32%
資料 :NHK (2005年)

 「届いたDMを見て良さそうだと思っても知らない人には電話なんかしませんよ」という吃驚するようなことを言う人が少なくないことが示すように日本人はまだまだ閉鎖的なのです。(ジャーナリストの感想 ⇒『日米のビジネス・パーソンの行動の際立った違い』)

 日本再生のために必要不可欠な地域共同市場形成に結びつく自由貿易締結の足を引っ張っているのは、農業問題もさることながら日本人の保守性なのです。


日本人は収穫逓増の法則が実現しやすくなることにも背を向けている

 下のチャートを見てください。企業の総契約金額に占めるアウトソーシングの割合はアメリカが42.3%に達しているのに、日本は僅か1.6%です。


 わが国を長らく支えてきた系列取引・終身雇用制度等からなる長期コミットメント体制 (詳しくは ⇒『日本モデル』) は実質的に崩壊しています。したがって、上記のチャートにあるような状態にある日本人は鳥かごから開放されたにもかかわらず鳥かごの中に閉じこもっているようなものです。

 このような状態に留まることは自殺行為です。なぜなら、工業化が限界に達したにもかかわらず蛸壺型社会構造を支えてきた日本モデルにしがみついていることは、収穫逓増の法則が実現しやすい世界に移行することに抵抗して収穫逓減の法則の世界に存続することを意味するからです。(脱日本モデルが収穫逓増の法則が実現しやすくなる理由 ⇒『永遠の経済成長を可能にする秘訣』)


西欧人は日本を民主主義国家であるとは思ってない
日本人のほとんどは「日本は民主主義国家である」と思っていますが、これは誤解です。イギリス、イタリア、旧西ドイツ人の80%以上が「日本は経済大国」とみなしています。ところが、「日本は民主主義国」とみなしているのは僅か1~5%なのです。(1989年の外務省の調査結果)

 日本人は自分の国を民主主義国家であると思っている。ところが、民主主義の先進国である西欧人は逆。このギャップはどうして生まれたのでしょうか? 下記のことが示すように、日本人が日本的集団主義にどっぷり浸かっていることに原因があると言えそうです。

西欧人の日本感の根拠 : 良いと思っても少しでも危険が感じられると行動しない。良いと思っても実績がなかったり、乏しいことは避ける。見知らぬ人に対して冷淡な態度を採る。こういう日本人のありがちな態度に接して、「個人の行動の自由を拘束する仕組みが日本社会に根づいている」と西欧人は判断しているのでしょう。

日本人の自己認識の根拠圧倒的大多数の日本人は「日本的集団主義にどっぷり浸かる ⇒ その場しのぎになる ⇒ メリハリのある思考をしなくなる ⇒ 個が抑圧されていることにともすると気がつかなくなる」という図式にはまり込んでいるからなのでしょう。

 個が抑圧されていることにともすると気がつかなくなる。この麻痺状態が鳥かごから開放されたにもかかわらず鳥かごの中に閉じこもっているような状態に結びつき、この状態が「届いたDMを見て良さそうだと思っても知らない人には電話なんかしませんよ」という吃驚するような発言に、この発言の裏にある心の状態が収穫逓増の法則が実現しやすくなる世界への移行に抵抗していることに結びついているのでしょう。

 上記の説明に対して、「最近は違ってきているんじゃないか」と異論を唱える人に伝えたいことがあります。ごく最近でも次のような発言が聞かれるのです。

「日本は共産主義時代のハンガリーよりも行動の自由が許されていない」 (日本で生活することになったハンガリー人)

「日本は中国よりも社会主義国家だ」 (日本企業に勤めることになった中国人)

日本の官僚は年金問題の解決を邪魔している

 日本人は世界一勤勉な国民です。したがって、定年退職後もずーっと働きたい人がほとんどです。そして、挑戦的人生を送り続ける限り、80歳を過ぎても脳力・能力を伸ばし続けることができます。(詳しくは ⇒『脳力のピークは80歳台だ!』) ── この二つを結びつけて考えると、「生涯現役の人生だって可能である」という結論が出そうですです。この結論通りになれば、年金問題は一気に解決します。

 ところが、下記の実態が示すように、中央の官僚は70歳定年制の導入に対してですら異を唱えているようなのです。

経済産業省 :定年制の大幅延長は企業に迷惑がかかる、と主張している。(40歳をピークに脳力・能力が低下する。にもかかわらず、年功序列式賃金体系が存続すると、定年を延長すればするほど企業が出し前になってしまう。こういうことが念頭にあるようです)

国土交通省 : 老眼鏡をかけてバスを運転することは危険である、と主張している。(一度就いた職種は定年まで変わらない。40歳をピークに脳力・能力が低下する。 ── この二つが念頭にあるようです)

 両省共にどうして上記のように思い込んでしまっているのでしょうか? 下記の図式にはまり込んでしまっているのではないかと思われます。

 日本的集団主義が支配する環境の下で働いてきた ⇒ 合理よりも人間関係の方を優先し続けてきた ⇒ その場しのぎの生き方をしてきた ⇒ 環境変化を認識しにくくなった ⇒ 過去の延長線上を歩み続ける習性が骨の髄まで染み込んでしまった。




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