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【斬新な着眼】

知恵軽視は命取りになる時代になった

悔いなき人生はどうしたら実現できるか?
― 人生を生け花に見立てることである ―


日本的集団主義が諸悪の根源になっている

 10年前に掲載した以下のコンテンツの本質は全企業人が深刻に受け止めるべきものになりました。アベノミクスの第三の矢が期待外れになりそうな昨今だからです。  2015年9月28日記


ナビゲーションの専門機関が役立つ時と役立たない時がある ── 日本人の深刻な実態 ──

知識経済時代の寵児であるはずの名門シンクタンクが倒産したのはなぜなのか?
── 鋭い直観回路の重要性を認識せず専門知識偏重に陥ったからだ ──

(高哉) 60年近くの歴史を持つシンクタンク「国民経済研究所」が2004年3月に経営破綻し、解散に追い込まれてしまった。これを切り口にして「企業経営のナビゲーターであるシンクタンクや経営コンサルタントを常時登用する必要があるね。実際のところその脳力・能力はどうなのかしら?」という質問に対する回答を試みたい。

(節子) 60年近くの歴史を持っていた。にもかかわらず経営破綻・解散に追い込まれてしまった。これってものすごく興味深いわね。

 環境の透明性が高い。いいかえれば、シンクタンクの必要性が高くないはずの時代に隆盛を誇った。そして、環境が不透明になり、シンクタンクの必要性が高まった途端に潰れてしまったんだから…。この謎をどのように解けばいいのかしら?


(高哉)のシンクタンクが60年近くの歴史を持つことができた背景を単純化すると次の通りになると思う。

 銀行や証券会社が本来的業務を行うためには組織内の合意が得られる基準が必要。したがって、「こういう経済の見通しだからこれだけの貸し出しを行った」「こういう経済の見通しだからこれだけの株式上場や増資を引き受けた」と言えなくてならない。ところが、銀行も証券会社も経済見通しを立てる専門的な調査機能を持っていなかった。

 民間企業は銀行からの借入金並びに証券市場から調達した資金を使って投資を行わなければならない。この投資を行うためには組織内の合意が得られる基準が必要。そこで、多くの企業は中長期経営計画を立案する調査部門を持つこととなった。ところが、銀行や証券会社と同じく経済見通しを立てる専門的な調査機能を持っていなかった。


(節子) 国民経済研究所は大きな需要を待ち受ける形で創業したために長期にわたって良い思いをすることができた。ところが、経営に余裕がある時に先を見越した脳力・能力を培わなかったために顧客から相手にされなくなってしまった。こういうことが窺われるわね。もしそうだとしたら「医者の不養生」みたいね。

 設備投資型の企業であれば、融通がつきにくいので環境変化に適応しにくい。ところが、シンクタンクの財産はフレキシビリティの高い人材。にもかかわらず、環境変化に適応できず失敗してしまったのはどうしてなのかしら?

(高哉) 「医者の不養生」という言葉がぴったりのようなことになってしまった根本的原因は、国民経済研究協会が会員の年会費で運営するマクロ経済情報を提供する財団法人であった。このことが次の図式に陥ることに結びついたことにあるんじゃないかと思う。

 研究員は受注努力をすることなく研究だけに専念できる (市場からの厳しい試練を受けることなく仕事をすることができる) ⇒ 世の中の変化に疎くなる ⇒ マクロ経済予測を行う思考の枠組みを見直すことがなくなる ⇒ マンネリ化した経済分析を行い続ける。

(節子) 日本人って過去の実績や人間関係を大事にするので経済分析がマンネリ化しても顧客側の事情が変わらなければ、「問題があるなぁ」と思われつつも存続できたんじゃないかしら? こういうことが良いかどうかは別として…。

(高哉) ところが、日本経済は1971年8月15日に発生したニクソンショックの頃に成長の限界を迎え、日本経済と各企業の成長がほぼ比例する「仲良しクラブ」の時代が終わってしまった。その上、中央官庁が調査機能を持つようになり、銀行や証券会社がシンクタンクを作り、融資先等の組織化を行うようになった。

(節子) 国民経済研究所から買う情報の「費用 vs 効果」が厳しく見直され、マンネリ化した経済分析が問題にされるようになった。そうした時に、似たような情報が無料で入手できるようになったということね。

 でも、一般企業の中長期経営計画部門は存続したんでしょ? もし、そうだとしたら、人間関係がものを言う何かがあると思うんだけど、その点はどうなのかしら?

経営計画は「立案手順の知悉」よりも「創造力」の方を遙かに必要とするようになった
── 知恵軽視は命取りになる時代になったことを認識しよう! ──
(高哉) ところが、国民経済研究協会の窓口役であった企業の中長期経営計画を立案する調査部門が次々と閉鎖されていってしまったんだ。

(節子) よく分からないわねぇ。日本経済と各企業の成長がほぼ比例する「仲良しクラブ」の時代が終わって生き残りをかけた企業間競争が展開されるようになった。したがって、中長期経営計画を立案する調査部門のような企業の頭脳部分の重要性は増すんじゃないかしら?

(高哉) 理屈の上ではそうだけど、実際はそうではないんだ。中長期経営計画の立案に必要なのは「立案する手順の知悉」であって「創造的な経営計画力」ではなかった。(この延長線上の経営行動が続いてきたことが日本をモノづくり大国の座から滑り落ちさせてしまった 2012.5.22追記

 このように言うと、「スタッフに創造力がなかったから」と思われるかもしれないが、そうではなく、「過去の延長線上を歩むことができるので、数字を羅列する経営計画ですむ」という事情があったんだ。


(節子) 国民経済研究所は経済分析に代わる情報を開発して生き延びる努力をしなかったのかしら?

(高哉) 経営危機に陥り、顧客であった大企業の元調査部長をスカウトしてこの人物に経営を託して、従来の活動と関わりの薄い中国問題とIT(情報技術)分野の開拓に乗り出したようだよ。

(節子) 中国問題とIT (情報技術) 分野の開拓だったら社会の要請に合致している。にもかかわらず、経営破綻に追い込まれてしまったのはどうしてなのかしら?

(高哉) 「先発の同業者と比べて独自性がなかったことがこの新規事業の魅力不足に結びついた。従業員の個性を重視しない伝統的な大企業流の有無を言わせぬ命令で部下に仕事をさせるマネジメントが職員の反発を招き、組織が混乱状態に陥ってしまうことに結びついた。 ── この二つの原因が重なってスタッフ増員に見合う収入増が実現できず、とうとう経営が破綻してしまったようだ。

(節子) 60年近くの歴史で築きあげた顧客基盤やその他の支持基盤を捨てることになってしまったなんてもったいないわねぇ。大企業の元調査部長に託して経営を再建しようしたことに根本的問題があるんじゃないかしら?

 中長期経営計画の立案に必要なのは「立案する手順の知悉」であって「創造的な経営計画力」ではなかった、という先ほどの発言が引っかかるの。創造力豊かな人材でなければ、経営危機に陥った国民経済研究所の再建はできないんじゃないかしら? こういう人事を決断した人の責任は非常に大きいと思うわ。(打開策 ⇒ 『社長力抜本的強化の秘策』)

創造力注入家の特技の具体例に基づく詳細な説明
 
案内を先にお読みになってください


古き良き時代は日本人から洞察力を奪い取ってしまった

おかしな現象は枚挙に暇がない

(高哉) 社会のナビゲーター役を担わなければならないシンクタンクが環境変化に適応でできず経営破綻してしまった。こんなことに吃驚していたんじゃ身がもたないよ。「この人の頭は壊れているんじゃないかなぁ」と思うことがよくあるんだ。契約者不足に悩んでいるケーブル会社の人と電話で次のようなやり取りをしたことがある。

高哉 「朝日ニュースターを見ることができれば加入契約したい。このように私の知っている人が言っているんですけど、なんとかなりませんか?」
相手 「配信に見合う需要がないと配信できないんです」
高哉 「配信する番組の需要調査をしたことがあるんですか?」
相手 「契約者にアンケート調査を時々行っています」
高哉 「配信される番組に魅力がないから契約者が増えないんでしょ?」
相手 「ハイ、そうです」
高哉 「だったらまだ契約をしていない。こういう人に対してアンケートをしないと意味がないんじゃないですか?」
相手 「・・・・・・・・・・・」

 上記のような現象は少なくないようだ。というのは、リハビリ生活を終えて社会復帰して間もない頃、僕はある人と次のような会話を交わしたことがあるからだ。

相手 「先生、この10年間で日本人は頭がものすごく悪くなりましたよ」
高哉 「あなたが言っているのは若者のことでしょ?」
相手 「中高年も同じですよ」

「携帯電話よサヨナラ、適切で好きな道よコンニチは」の時代になる

一般の日本人はどんな知的生活を送ってきたのか?

(節子) 日本人は平均して他の先進国の人よりも2倍長くテレビを見る。その反面、読書時間は半分以下。頭が悪くなった原因はこういうところにもあるんじゃないかしら? テレビは受身で楽しむことができる。したがって、

 ぼーっとしていても楽しむことができるので、頭を鍛えることができない。一方通行で楽しむことができるので、自分の考えを相手にきちっと伝える訓練ができなくなってしまう。といった具合にダブルパンチになってしまうのよ。

(高哉) 会話をすることが即自分の考えを相手にきちっと伝える訓練になるとは限らないよ。携帯電話でのおしゃべりを聞いていると、支離滅裂でお互いに意思疎通はできていないんじゃないかと思う。これでは駄目だと思うんだ。

 理路整然とした会話を心がけないと思考力は鍛えられない。ところが、こういうことを心がけない人が非常に多い。だから、頭が壊れてしまっているような人が増えているんだと思う。

資料:051023付け『朝日新聞』

(節子) 世界保健機関などのデータ(06年)によると、日本の男性の喫煙率は約40%で、アメリカ(約24%)やスウェーデ゛ン(約16.7%)等を大きく上回っている。日本人のイージーゴーイングさはこれだけではない。パチンコのような安易なギャンブルが津々浦々に普及したり、エイズに罹っている人が増えている。こういうことも思考力低下現象と同根なのかしら?

(高哉) 多くの日本人は深い思索を行うことがない。その傍ら個を抑圧した人生を送り続けている。一方において世の中はどんどん複雑になっている。この結果、事態を洞察することのないとんちんかんな言動だけではなく、次のような現象が生まれるという意味で同根だろうね。

 閉塞感や抑圧感に陥り、ストレスが徐々に蓄積していく ⇒ 憂さ晴らしニーズがごく自然に生まれる ⇒ 安易極まりない行動で閉塞感を打破したり、ストレスを発散させる。

 日本の恥を世界に晒している売春ツアーだって同じことなんだ。このような体たらくの背景には日本的集団主義があることを忘れはならない。日本的集団主義に浸かれば浸かるほど深い思索とは無縁になるだけではなく、個を抑圧せざるを得なくなるんだ。

(節子) 理路整然とした会話ができないことを放置しておくことはどういう結果を招くことになるのかしら?

(高哉) 所得がコミュニケーション能力に比例する時代になりつつある。したがって、就職できたとしても低所得に甘んじ続けるしかなくなるだろうね。

(節子) 話をちょっとだけ戻したいんだけど、いいかしら? 「世の中はどんどん複雑になっている」ということはよく理解できる。先行きがどんどん不透明になったんだからそうなって然るべき。しかし、「多くの日本人は深い思索を行うことがない」だけでは納得できない。何が多くの日本人から深い思索を奪ってしまったのかしら?

 何が原因して理路整然とした会話を心がけないようになっているのかしら? 根本的な原因を知りたいの。

(高哉) 日本人は次の図式の中に閉じ込められてきた。このことに大きな原因があると思う。

 横並びや小さな改善で事足りた ⇒ 世の中全体の動向を学問する必要性が低かった ⇒ 楽チンなその場しのぎ主義が通用した ⇒ 所属集団を構成する人間が同質化してしまった ⇒ よそ者を排除するようになった ⇒ その場しのぎな生き方が常識になってしまった ⇒ メリハリのある思考をすることがなくなってしまった。

 メリハリのある思考をすることがなくなってしまうことは、環境が様変わりしても思考の枠組みを見直さないことに、思考の枠組みを見直さないことは取り返しのつかないことをしてしまう。こういうことに結びついてしまうんだ。さっきのシンクタンクだけではなく度重ねてきた日本の悲劇なんかが好い例だよ。(関連記事 ⇒ 『大事を成し遂げるためには脳を目的に合った状態にすることが肝要である』)

日本はどうなってしまうのか?

(節子) 横並びや小さな改善で事足りた。いいかえれば、「枠内思考」で事足りた時代が終わった以上はその場しのぎの生き方を改めて思考力を鍛えなければならない。でも、急にはそうはならない。日本は一体どうなってしまうのかしら?

(高哉) 19世紀のアメリカは模倣大国であった。しかしながら、新陳代謝力があったために20世紀になってアメリカは創造大国になった。

(節子) あのアメリカが模倣大国であった時代があったなんて激励されるわね。日本もアメリカの後を追う形で創造大国になれるかしら?

(高哉) 現状路線を歩む限り無理だろうね。なぜなら、アメリカは創造と破壊を同時進行できるけど日本人でそういうことができる人は例外中の例外。いいかえれば、日本の社会は新陳代謝力が大幅に不足しているからね。


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