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日本の新しい進路を提言する
─ その場しのぎとの決別の勧め ─


第1部 小泉改革を歴史的な重みを持つ布石として捉える

2006.8.20掲載

日本に忍び寄っている意外な危機に気づこう!

ナショナリズムごっこの最中に領土が縮小するかもしれない

 今年の6月25日のことです。筆者の知人が同僚から「W杯を見ましたか?」という質問を受けました。この知人は「見ませんでした」と答えたそうです。そうしましたところ、冗談半分に「非国民」という言葉が返ってきそうです。筆者はその時、この同僚のことを「底の浅い人間だな」と思うに過ぎませんでした。なぜなら、この人物のことを下記の図式に陥っている最近の若者と似ていると思ったからです。

 (閉塞感に悩まされている ⇒ ストレス解消手段を求めている) + (中国や韓国の反日運動を知った ⇒ 愛国心がないにもかかわらずむかついた) ⇒ 反中国・韓国感情を強く抱き、ストレス発散行動を採るに至った。

 ところが、この気持ちが一日で変わってしまいました。下記の新聞記事に翌日接したからです。

 ・・・・・サッカーに興味のない私は、試合が始まるとテレビのスイッチを切っていた。「日本の応援をしないのは非国民」と、1964年生まれの娘が言った。・・・・・(2006.6.26付け『朝日新聞』の「声」の欄より)

 上記した知人の同僚と似たような人物が日本中に沢山存在していそうであることを知った筆者は「これはいけない」と思ったのです。なぜなら、日本の社会が下記の図式に嵌ってしまいかねないからです。

 ストレス解消手段を求めている + 群れたい ⇒ 多くの人と共感できることでフィーバーしたい ⇒ 自分のこと以外のことでフィーパーを繰り返す ⇒ 自分自身のことで情熱を燃やさなくなる ⇒ 人間の中身がますます薄っぺらになる ⇒ 静かに忍び寄る大事に気がつかなくなる。

 「静かに忍び寄る大事なことなんてありませんよ」と思うとしたら、それは大間違いです。竹島、尖閣列島、北方領土がもぎ取られることになるかもしれない事態が発生しているからです。このように思う理由は大きく分けて二つあります。

理由1 : 領土問題は自然の成り行きで決着がつけられる

 アメリカ、カナダ、オースラリア、ニュージーランドはイギリス人の侵略によって誕生した国です。にもかかわらず、世界中から認知された国として堂々と存在できているのはなぜでしょうか?

 原住民のクレイムがない。その上、国際社会の中できちっとコミットして久しい。いいかえれば、市場原理に基づいて事が決着されているからなのです。

理由2 : 日本政府の日本の領土問題に対する取り組みは不十分である

 日本の領土問題に対する態度は中国による東シナ海の強引なガス田開発の準備への対応に典型的に現れています。中国はどうして強引な態度を採ることができるのでしょうか? 二つのことが重なっているからではないでしょうか。

中国内外の大義名分が確立された。

 宮沢首相(当時)、加藤官房長官(当時)時代に、天皇が中国を訪問して対中国侵略戦争のことを謝罪した。このことは「償いをしなければなりません」というメッセージを中国内外に表明したと採られたとしてもおかしくありません。

日本側からの強力な対抗措置が採られないままに中国の準備が30年に亘って着々と進められた。

 日本が強力な対抗措置を採らないことは「天皇の謝罪は領土割譲をも意味していたのではなかろうか」という印象を中国内外に与えることに結びついたとしてもおかしくありません。

 実態は「憲法上の制約があるので砲艦外交を行えない ⇒ 中国は最悪のケースを恐れる必要がない」「各省庁のバランスの上に乗るのが首相である ⇒ 首相がリーダーシップを発揮することなんかできようがない」という二つの図式のなせる業ですが、こういうことは国際社会では理解が得られにくいのです。

 中国側のガス田開発準備のための強引な行動の放置は上記の理由1で述べたことの実現に結びついてしまう危険性が大なのです。そういう意味で、日本に有利な形での領土問題の決着のために、ナショナリズムごっこが本物のナショナリズムに発展することが期待されるかもしれません。果たしてどうなのでしょうか?


本物のナショナリズムへの点火は危険。さりとて、運命共同体構想も役立たないかもしれない

 本物のナショナリズムへの点火は良い結果を生まない可能性が大です。なぜなら、ほとんどの日本人は下記の図式に嵌ってしまう危険性が大だからです。

 日本的集団主義の影響を強く受けたままである ⇒ 融通無碍の習慣が染みついたままである ⇒ (調査が極めて甘くなる ⇒ 適切な判断を下せない) + (メリハリのある思考をしない ⇒ 行動に歯止めがかかりにくい) ⇒ 横並び志向であるので、集団暴走をする。(具体例 ⇒『潮流に翻弄される社会ができあがっていた』)

 本物のナショナリズムへの点火が駄目であるのであれば、周辺国との友好関係を必要とする域内共同市場形成を推進する。こういう考えで事態を打開できるでしょうか? これも今のままでは難しいでしょう。なぜなら、下記の図式が実現に向かいつつあるようだからです。

 共同市場は陸続きの方が形成しやすい ⇒ 中韓朝の一体化が強く認識されている + 日米安保条約ですら目障りになった上に、軍事同盟の強化に結びつく米軍基地再編成が日米間で合意された ⇒ 中韓朝の日本離れ(日本の孤立化)が進んでいる。


独創的構想力がキーテクノロジーになったことを認識しよう!

 このままでは領土問題が日本に不利な形で決着されるかもしれない。さりとて、この傾向に歯止めをかけるために国民のナショナリズムに訴えることは危険が伴う。周辺国間の友好関係を誘導する共同市場構想も功を奏しそうにない。 ── このような立ち往生状態を打開するためにはどうすべきなのでしょうか?

 アメリカや中国のあるべき将来像を描き、アキレス腱を探したり、創り出したりすることです。問題解決のための独創的構想が必要なのです。次回の『 日本の政治大国化が可能になった』でさわりを説明させて頂きましょう。

 解決すべき問題は複雑さを飛躍的に増しました。一方、インターネットの普及等により自分では持っていない知識・情報・モノの利用可能性も飛躍的に増しました。 ── この二つは何を意味するのでしょうか?

 独創的構想力が時代を切り開くために分野を問わず今一番必要になったことを意味するのです。このことをとことん理解して頂くために、多くの人が関心を抱いている例を取り上げましょう。アメリカの所得格差問題です。階層別に次の現象が生じています。

アッパー・トップクラス

 有能な社長職等の需給逼迫を受けて、所得が急上昇。その結果、所得の集中度は1980年の2%から現在の7%になってしまったことが伝えられています。

ミドルクラス

 銀行の事務職のような仕事はコンピューター化しやすい。あるいはインド等の低所得国にインターネット経由で外注されやすい。ということで、国内労働力に対する需要が減ったために、所得が減りました。

ロークラス

 家事労働のような雑用は国内で処理しなくてはならないので、このような雑用を担うロークラスの所得減少に歯止めがかかりました。上記のような事態に追い込まれているミドルクラスとの所得格差が縮まったのです。 

 アッパー・トップクラスの所得の突出した急上昇はどうして可能になったのでしょうか? 二つの図式が合体したからでしょう。

図式1 : インターネットやIT革命が普及・進展した ⇒ 新しい知識や技術の習得が容易になった ⇒ 社長としての転職が容易になった ⇒ 旬の能力を駆使し続けることができる。

図式2 : グローバリゼーションが進展した ⇒ 一人の社長がカバーする仕事領域が拡大した ⇒ 社長の脳力・能力のスケール・メリットが追求しやすくなった。

 インターネットやIT革命の普及・進展の恩恵を受けることができる人物であれば、誰でも図式1を実現できるのでしょうか? 「否」です。ファッション・コーディネーションやインテリア・コーディネーションのように既存の知識や情報を生かしきり、その結果を更に冴えさせるための僅かな補強を行う才覚、いいかえれば、独創的構想力が必要不可欠です。

 独創的な構想力がキーテクノロジーになったのは企業経営の世界だけではありません。上記したような立ち往生状態に追い込まれている領土問題も同様です。独創的な構想力がなければ、相手国の既成事実の形成が進み、領土問題は自然の成り行きで決着がつけられるという事態に追い込まれていくことでしょう。

 2006.8.16日に発生したカニカゴ漁船第31吉進丸の悲劇もロシア側の既成事実が形成されていく中で発生したと理解すべきでしょう。


性格に振り回される生活が諸悪の根源であることを認識しよう!

 日本に忍び寄っている意外な危機を認識するための考察は個人の人生の送り方にも貴重な教訓を残してくれました。

ナショナリズムごっこの最中に領土が縮小するかもしれないという結論づけ分析は、「マンネリ化した生活を送る ⇒ 性格に振り回されっぱなしの人生を送る ⇒ 視野狭窄症や拘禁服着用症に罹ったままである ⇒ 仕掛けられた罠に次第次第に嵌りこんでしまう」ことを示唆しています。

 
本物のナショナリズムへの点火は危険。さりとて、運命共同体構想も役立たないかもしれないという結論づけ分析は、「日本的集団主義の影響を強く受けたままである ⇒ 自分を客観視するなんてことは考えもしない ⇒ 性格に振り回されっぱなしである ⇒ 大事に直面しても視野狭窄症や拘禁服着用症に罹ったままであるので、己の破滅に結びつくとんでもないことをしてしまう or 逆転策を講じようにも時既に遅しとなってまう」ことを示唆しています。

 (己の破滅に結びつくとんでもないことをしてしまうの具体例 ⇒『加藤宏一氏の乱』&『「無我夢中」になったことが林郁夫に禍をもたらした』)

独創的構想力がキーテクノロジーになったいう結論づけ分析は、「加齢と共に脳力が確実に劣化していく仕組みをしっかり認識する ⇒ 思考がルーティン化するような生活を万難を排して避けることを決意する ⇒ 性格に振り回されるのではなく乗りこなす生活を心がける ⇒ 視野狭窄症に罹らないようにする ⇒ 難問に遭遇したら考え抜くことを心がける」ことの必要性を示唆しています。



〔死亡者を出した日本漁船銃撃・拿捕(だほ)事件の裏に日本社会に根づいている「その場しのぎ」がある〕

 この事件のマスコミ報道に接して大方の日本人は「日本の領海内で暴挙を引き起こしたロシアはけしからん。過ちを謝罪させ、きちっと賠償させなければならない」と思っているようですが、こういうことでこの事件の幕引きをして良いのでしょうか?「否」です。なぜなら、

 賠償金を支払わせることだけですますことができない深刻な問題がロシア側にではなく、日本側にありそうだからです。

 発生した問題の根本的原因にメスを入れることなく、表面化している個々の問題に場当たり的に対処する。こういう日本人の体質が国際社会の中における日本をどんどん追い詰めている。 ── この脈絡の中に上記事件があるようなのです。

 その場しのぎ主義は日本の隅々に行きわたっているようです。「ポスト小泉政権の最大の課題は行き詰まったアジア外交や靖国問題の打開である」といった趣旨の論の下で過日展開されたNHKの人気番組『クローズアップ現代』の報道が良い例です。

 かくかくしかじかの理由でかくかくしかじかの日本社会を実現させる。この未来の日本像の中にアジア外交や靖国問題をきちっと位置づける。 ── これが曲がり角に立たされている日本に求められている公共放送のあるべき姿ではないでしょうか。

 国の財政問題についても同じことが言えます。「国家財政が破綻寸前。だから、増税しなければならない」という主張は「私にはブレークスルー発想力がないので、増税しか思いつきません」と白状しているのと同じことなのです。

 このような白状をする方々は生涯現役社会実現に向けた官民一体となった努力の波及効果をじっくり考える必要があるのではないでしょうか。(参考資料 ⇒『脳力のピークは80才代だ!』) 様々な対策が浮かんでくるので、「増税先にありきは愚の骨頂である」ということに気づくはずです。但し、実効性のある政策にまとめ上げるためには独創的な知恵が必要になりますが…。

 上記したことに反対する人はほとんどいないでしょう。にもかかわらず、運命を決する大事なことであってもそうなっていることがほとんどありません。どうしてなのでしょうか? その場しのぎの習慣が立ち往生状態の打開に必要不可欠な独創的構想力の養成を妨げ続けてきたからです。

 この独創的構想力の抜本的強化を行わない限り、回復しつつある景気はやがて頓挫し、日本の座席は「大国」から再び「小国」に移っていくことになるでしょう。その兆しは既に見えています。“官製再生”の担い手・産業再生機構が掲げた「金融と産業の一体再生」の下で進められてきたダイエー再生の失敗がそうです。

 ダイエー再生のための経営行動の実態はマスコミでしばしば取り上げられました。同社の新経営陣の真剣な姿に胸を打たれました。しかしながら、その努力の様子は上記した『クローズアップ現代』並びに財政再建のための増税論議、先代・先々代のダイエー経営者のやり方と本質的には変わりがありませんでした。

 このように言うと、「各分野の専門家を網羅したチームで事に当たるやり方は既にやっている」という言葉を返してくる向きがあります。この言葉に対して「だったら大丈夫」という返事をしてもよいでしょうか? 「否」です。なぜなら、会議革命実現支援にあるように異論の趣旨が洞察されてブレークスルー発想に結びつくことはほとんどない。これが実態だからです。

 (複雑問題の創造的解決には洞察力が必要不可欠であること、衆知を結集してブレークスルー発想するための秘策。この二つを知りたい方 ⇒『有名だが視野狭小の医師達に振り回された少女の悲劇現象』&『衆知を生かして複雑問題を解決するための5留意事項』)

 上記の視点を持って少子高齢化対策や構造改革に取り組まなければならないことを日本の指導層だけではなく日本人全体が肝に銘じなければなりません。


その場しのぎが日本を蝕んでいることをとことん納得されたい方は下記を読んでください

   →「日本復活道遠し!」となっているのはなぜなのか?  

2003年9月21日~12月16日 
新創業研究所代表 渡辺高哉 


   第1部 わが国の現状認識

政府は超然として漂っている
民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている
個人のパワーが大幅に不足している


   第2部 一点突破改革案の分析

嫌老社会」から「好老社会」へ
年俸1500万円、「実力教師」を作れ
「はないちもんめ型」官僚統制法
「平成基礎科学財団」の設立を
「どこでもコンピューター」革命
2008年に「日本連邦」実現
「相続税100%」で介護充実
対金正日に「国軍」を整備せよ
「平成徳政令」150兆円を実施
「子供に我慢力」を植えつけよう



   →記事「斬新な着眼」  
2000年4月28日~2003年4月11日 
新創業研究所代表 渡辺高哉 


巨額の赤字を出した三菱重工の事業再構築のあり方から考える

東北新幹線「はやて」のずさんな事業計画等から考える




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