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【斬新な着眼】



「どこでもコンピューター」革命(坂村健)(2003/11/11号)

この小論の論理的整理並びに補足

わが国の「デジタル革命⇒生産性向上の可能性」診断

 わが国のデジタル革命の推進⇒わが国経済の生産性向上──、という図式実現には歯止めがかかりかねない。なぜなら、

行政の文書管理に継続性不安がある。のみならず、デジタル化に限界が生じる。

不可欠な情報セキュリティ専門機関が他国にはあるが日本にはない。したがって、生活のすべてにコンピューターが密着するユビキタス・コンピューティングの推進に限界が生じる、

  という二つのことが危惧されるからである。── この由々しき事態を招く可能性が高くなっている背景には、
 
 パソコンのオペレーション・システムはマイクロソフトのWindowsが実質的に独占している⇒マイクロソフトの決めたフォーマット(ワード、エクセル、パワーポイント等)が実質的独占状態である。しかも、このフォーマットは未公開である⇒フォーマットの変更は行政の文書管理上の継続性を損なう+米国が決めたUnicodeに依存しっぱなしであるので、人名・地名の表記や古典の電子化で不都合が生じている──、という図式の現実がある。

 だからといって、Windowsに代わるオペレーション・システムを開発するのは不可能に近い。なぜなら、日本は基本ソフトを明け渡して久しいのでWindowsを読破できる人材がいないし、仮に公開されても知的所有権の問題が残るからである。

わが国の「デジタル革命推進⇒生産性向上」対策

 日本政府の文章管理上の生殺与奪権をマイクロソフトから取り戻し、ユビキタス・コンピューティングを円滑に推進するためには、

特定の企業によらず拡張性が高い、米国防省が政府調達用の標準フォーマットとして生み出したCALSフォーマットを参考にして、政府で利用する文章フォーマットの標準を決め、マイクロソフトを含むすべてのソフトメーカーに政府調達基準としてそれに従ってもらう。
  
情報セキュリティ専門機関設置の必要性を多くの国民に認識させるために、情報利用の効用と弊害を国民に周知徹底させる、

 の二つを実現させる⇒他のメーカーも同一線上で参入できる⇒政府はその気になれば臨機応変にソフトメーカーを変更できる⇒行政の文書管理上の継続性が保証される──、という図式を実現させなければならない。

指摘された核心的な問題や対策の概念拡大と論理化

 マイクロソフトが日本政府の文章管理上の生殺与奪権を握っている。情報セキュリティ専門機関が他国にはあるが日本にはない──、とういう事態が生じているのはどうしてなのでしょうか?
 
 古代は中国、明治時代はヨーロッパ、第二次大戦後はアメリカを模倣の対象としてきた⇒前後左右を鋭い洞察力を働かせて眺めることなく必要なものを安易に調達する。こういう習慣が根づいた⇒創造的統合戦略といったようなことは視野にまったく入ってこない──、という図式が根づいているからです。
 
 この図式の結果が日本の現状を招いているのです。(典型的な例 ⇒『バブルが発生した本当の理由』))  本質的に似た例はその他にも沢山あります。
 
(例1)安易に導入してしまったために、廃棄物処理のことがすっかりおざなりになってしまった等の弊害を生んでしまった原子力発電所

(例2) 過去の延長線上を突っ走ることしか考えなかったために思わざる結果を招いてしまった東北新幹線「はやて」&巨費を投じた「海外港湾プロジェクト」&巨大リゾート施設「シーガイヤ」等の官関連プロジェクト (詳細  ⇒『様変わりした環境が“逆風”、“神風”のいずれであるか…は斬新な着眼の有無次第である』)

(例3) 四国開発が相対的に遅れている+三本の本四架橋が開通した⇒本州が四国経済を吸い取ってしまう“ストロー効果”が生まれ、四国経済は更に衰退してしまった+本四架橋の利用は予想を遥かに下回ってしまった──、という図式を招いた「本四架橋」。

 (この“ストロー効果”は古くから知られている「商圏理論」です。したがって、この大失態は一定の分野で経験を積み上げてきた人々がはらみがちな“知りすぎ・知らなすぎのリスク”の表面化の結果である、と言わなくてはなりません。 ⇒『複雑時代における行動方向性の設定方法』)

 上記したような“ファーブルの毛虫症候群”状態に陥っている例は個人や企業にも数多く見られます。このような日本の社会において、「デジタル革命推進⇒生産性向上」を実現させるためにはどうしたらよいのでしょうか?
 
 立ち往生に陥った地域経済・企業・個人等の各セクターに創造的統合戦略の効用を訴え、効用を強く認識させる⇒創造的統合戦略策定の習慣を社会に広く根づかせる⇒国民が要求する形で自前の文書管理並びに情報セキュリティ専門機関の設立が進む──、という図式を実現させなければならないのではないでしょうか。

創造的統合戦略


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