[TRI] Total Renovation Institute Clear GIF 新創業研究所
E-Mail: info@trijp.com
TEL: 03-3773-6528 FAX: 03-3773-6082
 〒143-0023 東京都大田区山王2-7-13 山王パレス407

トップページ | ホームページダイジェスト |ワタナベ式問題解決ご利用案内 |
渡辺高哉の仕事 | 渡辺高哉の時代認識 | 渡辺高哉はこんな人物 | E-mail |

【斬新な着眼】



対金正日に「国軍」を整備せよ(桜井よしこ)(2003/12/1号)

この小論の論理的整理並びに補足

日本政府が抱える北朝鮮問題の実態

 日本は北朝鮮の暴走を恐れるあまりあるべき行動が採れない。したがって、拉致家族の放置、万景峰号への対応の甘さ等が示すように、日本の北朝鮮外交は国民の意思を反映せず、国益を守ることもできていないでいる。この背景には、

 政治家の役割は官僚と国民の間に立つブローカーであり続けてきた⇒邑の論理が支配している官僚体制に依存する外交が行われて続けてきた⇒万景峰号への立ち入り調査どころか、積み荷みも往来する人間も、事実上チェックなしのまま通すことが昨年まで続いた⇒人、金、先端技術等が日本から北朝鮮へ不法に運び続けられてきた
 
 ⇒北朝鮮は日本に向けて百基のノドンミサイルを配備するに至っている⇒お馴染みの問題解決先送り主義に頼るしかなくなっている⇒国会議員の半数以上が「北朝鮮船舶入港禁止措置法」に反対している──、という図式がある。
 
 文字通りの立ち往生状態 ── これが日本政府の北朝鮮問題での実態である。

日本政府の対北朝鮮問題における立ち往生の打開策

 「村山政富一政権以降、日本政府はコメと資金を交互に援助し続けてきた。その間に北朝鮮は日本に向けて百基のノドンミサイルを配備するに至っている」「5億ドル(600億円)の送金で実現したといえる2000年の南北首脳会談は韓国側の一方的な譲歩に終わった」 ── この二つの事実をどのように解釈すべきであろうか?
 
 南風政策は北朝鮮外交に対しては通用しない…と解釈すべきである。だとすると、どうすべきか? 日本政府は二段構えの図式実現を目指さなければならない。

(第一段階目の図式) 少なくとも約500名の韓国民が拉致されていることに心を致し続ける⇒日韓共感の土壌を築く。

(第二段階目の図式) 世論調査はいずれも憲法改正を望む声が半数を超えていることを認識する⇒自衛隊を正式に国軍とし、適切に対処できるよう法整備を進める⇒海上自衛隊が北朝鮮と断固として対峙する⇒小心者の金正日は妥協するしかなくなる。

 金正日は小心者であると判断する根拠は何か? ── 米国と対等に交渉すると主張しながら、2000年秋にクリントン大統領から招かれると尻込した。イラク攻撃が始まるとピンポイント攻撃を恐れて、50日間隠れてしまった。── この二つの事実が根拠である。

指摘された核心的な問題や対策の概念拡大と論理化

日韓は運命共同体への道を具体的に歩むことが必要である

 桜井よしこさんが主張している「少なくとも約500名の韓国民が拉致されていることに心を致し続ける⇒日韓共感の土壌を築く」という図式は実現するでしょうか? 「否」です。なぜなら、
 
 難問に立ち向かうために共感するためには、運命共同体になる必要があり、拉致問題を共感するだけで本当の運命共同体になれるものではないからです。
 
 「北朝鮮が日韓分断作戦を採用する⇒どちらかだけの拉致問題が解決する⇒日韓運命共同体はもろくも崩れる」というシナリオが考えられなくもないのです。それではどうしたらよいでしょうか?

 少なくとも約500名の韓国民が拉致されていることに心を致し続ける⇒日韓共同市場構想の具体化のピッチアップのための共同マニフェストを宣言する⇒本当の意味での日韓共感の土壌を築く⇒日韓の運命共同体への道を具体的に歩む──、という図式が必要になるのではないでしょうか。

世界動向を視野に入れた創造的統合戦略の策定が必要である

 世論調査はいずれも憲法改正を望む声が半数を超えている。にもかかわらず、自衛隊を正式に国軍とし、適切に対処できるような法整備が進まないのはなぜなのでしょうか?

 国軍存在を容認する憲法を改正すると近隣諸国から猛反発を受ける⇒憲法改正に賛成した政治家は国政選挙で落選しかねない──、という図式を恐れ、“no play no error”の姿勢を採るしかないからでしょう。
 
 国軍存在を容認する憲法を改正すると近隣諸国から猛反発を受けるのはどうしてなのでしょうか?
 
 新時代を踏まえた世界システムのあり方をグランド・デザインする+日本経済が没落路線から抜け出せないでいる原因の構造を解明する⇒近隣諸国と運命共同体になることを前提とする日本経済再生のあり方をグランド・デザインする
 
 ⇒日本が近隣諸国と運命共同体になるためにかくかくしかじかのやり方で北朝鮮問題を解決する…という提案を近隣諸国に行う──、という手順を踏もうとすらしない。だからなのです。
 
 (桜井よしこさんが主張する「世論調査はいずれも憲法改正を望む声が半数を超えていることを認識する⇒自衛隊を正式に国軍とし、適切に対処できるよう法整備を進める⇒海上自衛隊が北朝鮮と断固として対峙する⇒小心者の金正日は妥協するしかなくなる」という図式は必ずしも必要ではないのです)
 
 立ち往生状態からの脱出・躍進の切り札である創造的統合戦略策定の才覚がぽっかりと欠落しているのです。日本の指導的立場に立つ人々ですらこうなってしまっているのはどうしてでしょうか?
 
 模倣や小手先的な改良・改善で事足りた時代が超長期間続いた⇒“邑の論理”が支配する伝統的な蛸壺型社会が超長期間有効であった⇒視野を極力広くして(知識を極力豊かにして)、豊かな知識を使ってジグソーパズルのような思考をする。この習慣が生まれようがなかった──、という図式ができあがっているからなのでしょう。
 
 打開策 ⇒『斬新な着眼とは何か? なぜ必要なのか?』(「日本経済が没落路線から抜け出せないでいる原因の構造」「日本経済再生のための創造的統合戦略」の二つは、このシリーズのステップ4でいずれ提起することを予定しています)


前のページへ 目次 次のページへ



●『斬新な着眼』を無料でお届けする電子メールマガジンを発行しています。ぜひご登録下さい

→バックナンバー:斬新な着眼


   ▲トップ                                        → トップページ