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現代の日本を語るに相応しい文章が2006.9.5付け「朝日新聞」(夕刊)の『思想の言葉で読む21世紀論』に載っていました。 「知識や情報が少ない時代には、世界の全体について語ることができた。そうした全体知は大学や学問の世界ではとうに崩壊してしまった」 だから、「どんな社会をデザインするかが教養教育の柱になるのだが、今の日本にはそれに当たるものがない。専門知識だけがどんどん増えて、それを束ねる基準が現れない」という意見にまで発展してしまっているのです。この様子を図式化し、具体例で説明しましょう。
高みの見物とは言えないかもしれないが、蓄えた資産という逃げ込み先がある。このことが負け組みの立場に甘んじ続ける or ゆで蛙症候群に陥ってしまうことを示す、本当にあった電話での会話を紹介しましょう。 先輩のAさん : 「何をやってもうまくいかない。未来進行形の自己物語のことを知りました。お金をちゃんと払うから私にやって貰えませんか」 後輩の筆者 : 「いいですよ。但し、未来進行形の自己物語を本格的に創るのでしたら、先輩が歩んできた人生についてできるだけ詳しく語ってもらう必要がありますよ」 先輩のAさん:「冗談じゃない。そんな自分の恥を晒すようなことはできない。そこまでして未来進行形の自己物語を創りたくない」 どうしてこうなってしまうのでしょうか?日本的集団主義の影響を強く受けた人生を送ってきたことが次の図式に結びついてしまっているからです。 ナアナアの世界で生き続けてきた ⇒ 「問題解決に何が必要で何が足りないか」を考え抜くことのない人生を送ってきた ⇒ 自己否定の免疫力が欠如するに至った ⇒ 自己否定に結びつく悩み事相談をする勇気がない。(関連記事 ⇒ 『専門家を初め日本人に潜在しがちな弱点 / 高次元能力の持ち主が外部の助っ人を登用する傾向があります』) (この先輩Aさんの発言は提唱済みの新創業の心をこのHPの随所で強調することに結びつきました) 「負け組みの立場に甘んじ続ける or ゆで蛙症候群に陥ってしまう or 自己否定に結びつく悩み事相談をする勇気がない」は自分の殻に閉じこもることを余儀なくするので、「性格・性差・立場が生み出す違いを認めない ⇒ 自分の価値観を相手に押し付ける ⇒ 相手は不快な思いをする ⇒ 決定的な亀裂が生じる」という図式に結びつき、「男女問題の達人 = 仕事の達人」という至福の人生を歩むことを不可能にします。
がらがらに空いている超高速道路に乗り入れる(絶好の機会を掴み取る)秘訣は何でしょうか? 現代社会は産業基盤も世の中も成熟していることを考えると、その場しのぎの真逆である「斬新な着眼に満ちた総合的対策」を創ることです。そのためには、既存の音符を使って名曲を生み出すようなジグソーパズル思考が必要不可欠になります。 (具体例 ⇒ 社会的な大問題は大きなビジネス・チャンスを提供してくれる / 大型事業の独創的構想 /大事な交渉事には段階的アプローチが必要である」を示す具体例) チャンスがないことを嘆く前に、現実直視力欠如の仕組みを真摯に受け止めなければならないのです。この提言に接して「絵空事のようなことを言うな。思考の三原則を適用できる人物がいないのだから仕方がないじゃないか」となるのでしょうか? 断じて「否」です。深く潜在している新成長機会発掘の秘訣(動画)をご視聴頂ければ、「なるほど」となる筈です。
(節子) マンネリズムが現実直視力欠如に、現実直視力欠如ががらがらに空いている超高速道路のような状態を生み出すことはこの世の中の随所に見られるわね。「経営的に失敗間違いなし」ということを地元の人たちに指摘されながら建設を強行し、惨憺たる結果を招いた静岡空港建設なんかがその典型じゃないかしら。この空港は次の図式になることは最初から分っていたようなのよ。 (山を切り崩さなければならない ⇒ 建設コストが割高につく) + (霧が発生しやすい ⇒ 欠航しやすい) + (他空港や新幹線という競争相手があるので必要需要量確保が困難である ⇒ 必要稼働率維持が困難である) ⇒ 赤字を垂れ流すことを覚悟しなければならない。いいかえれば、恒久的な税負担が県民の肩にずっしりとのしかかる。 現実直視力欠如の原因にも色々あることをあぶり出すために聞きたいんだけど、「おかしい」と思う人の声が静岡空港建設阻止に結びつかなかったのはどうしてなのかしら? この問題は学校・職場・地域社会で起きているいじめも当てはまるような気がするので、詰めてみたいの。 (高哉) 小さな正義を大きな正義に発展させることができない場合のほぼ全てに当てはまることだけど、次の図式に陥ってしまったからだと思う。 「新時代における静岡県の地域開発はかくかくしかじかだからかくあるべし」というビジョンがない ⇒ 静岡空港建設の妥当性を客観的に判断しにくい ⇒ 静岡空港建設反対のためのイノベーションのロジックが注入できない ⇒ 静岡空港建設阻止のパワーを結集できない。 現実直視力の欠如が似非民主主義的な決定に、似非民主主義的決定が集団暴走という結果を招いてしまった。このように考えると、「この問題は学校・職場・地域社会で起きているいじめも当てはまるような気がするので、詰めてみたいの」という貴女の感想は鋭い指摘だと思う。家庭の平和を乱すことに結びきかねないからね。 (節子) 似非民主主義的な決定の下での集団暴走という悲劇を招かないためには、「自分がこう思うのだから他人も同じだろう」ということを期待してはならない。小さな正義を大きな正義にするためには小さな正義を抱いた人は自分自身にイノベーションのロジックを注入して周囲の人々を動かす。動かされた人々が周囲の人々を動かす。(具体例 ⇒ 『末期肺癌の妻を救い出すために破滅寸前に追い込まれた男の話』) ────、といったような啓蒙活動が「大きな物語」から「小さな物語」の時代(自己満足追及の時代)になったにも拘わらず行われなかったので、正義の実現が困難になったんでしょうね。(泣き寝入り現象の関連記事 ⇒ 『東北新幹線「はやて」のずさんな事業計画等から考える』) (高哉) 今貴女が言ったような啓蒙活動が行なわれていれば、雇用政策の実行を県に要求する全労静岡と空港建設を公約にして当選を狙う県知事との裏取引があっても静岡空港の建設は阻止できたかもしれないからね。というのは、次の図式実現の可能性があるから。 啓蒙された県民の投票率が上がる ⇒ 全労静岡の政治的影響力を最小限に留めることができる ⇒ 全労支持の知事と県議会議員の当選を抑止できる ⇒ チェック・アンド・バランスができにくいオール与党体制確立を阻止できる ⇒ 静岡空港建設を阻止できる。 (節子) 静岡空港建設と雇用対策をバーター取引するなんて実におかしな論理のすり替えね。これって全体最適を犠牲にして部分最適を優先させることでしょ。こんなことをしていて大きな問題が起きないのかしら? (高哉) 過去の延長線上を歩むことで事足りた時代であれば、大きな問題は起きない。しかし、今はそういう時代ではないので、深刻な事態を招くことになる。日本に国際的なハブ空港がなくなって成田空港ですら世界のローカル空港になってしまったことがその一例だ。日本に国際的なハブ空港がなくなることの意味は新幹線の発着駅になれなかったことが都市に与えた影響を考えると、分りやすくなる。 僕が小・中・高時代のほとんどを過ごした沼津市が少しづつ衰退していった背景には、新幹線の発着駅になれなかったこともあるんだ。
(節子) 静岡空港問題のことで疑問に思うことがある。新聞はどうして間違いを糾すことができなかったのかしら? 日本人は実績を積み上げてきた組織や考え方を盲信しやすい。大新聞は歴史的存在である。このことを考えると、すごい責任があると思う。 (高哉) 新聞は政策ではなく政局を詳細に取り上げるといったように枝葉末節な記事が横行するに至っている。このことが示すように読者に伝えるべきことを伝える能力を失いがちになっている。
「コンビニ経営を成り立たせるには一店舗当たり3,000人の顧客が必要である + コンビニの店舗数が増え続けた ⇒ コンビニ業界がゼロサム競争の世界になってしまった」という図式に陥ってしまったために2001年頃からコンビニ業界の業績低迷が顕著になった。このような現象が生まれる背景には、次の図式があります。 (日本的集団主義の影響を強く受けている ⇒ その場しのぎの習慣が染みつくに至っている ⇒ 世の中を幅広く学問する習慣とは無縁になっている ⇒ 「思考の三原則」<全体を見る/長い目で見る/根本的に考える>を適用できない) + (TVゲーム・インターネットの普及による経験のバーチャル化、不思議さに満ちた自然界との接触機会減少による創造力の源「疑問」心の減退…といったように生活環境が変わってしまった) ⇒ 考え抜くことを不可欠にする総合的・並行的な学問を積み重ねることができない ⇒ 複雑な事象の本質にふと気付くことを可能にする鋭い直観回路が養われない ⇒ 世の中を支配する新しいロジックに気づきようがない。 液晶パネルの上に熟練技術者の手を煩わせる駆動基盤を付ける必要であったために、日本の液晶テレビの優位性が保たれていました。ところが、「デジタル化が進んだ ⇒ 液晶パネルの上に半導体基板を載せることが可能になった ⇒ 熟練技術者は不要となり、日本の液晶テレビの優位性は失われることになった」という現象も世の中を支配するロジックの変化です。 このような現象は取引先の開拓や婚活にも見られるようになりました。→必要とされる人材・取引先は過去と今後では大きく異なる&結婚難の背景にも空回りの努力があることに気づこう!(前向きに考えれば、「逆転勝利の大きな可能性がある時代になった」と言える)
世の中を支配する新しいロジックは上記したようなものばかりとは限りません。仕組み自体の変革を要求する場合も増えることでしょう。長引く閉塞状態から脱出するためにはリセットが必要だからです。政治・行政のあり方を例に採りましょう。 行政をオープンにする ⇒ 目に見えない規制をなくす ⇒ いわる行政指導がなくなる ⇒ 行政に対する口利き役としての政治家が必要でなくなる ⇒ 政治家の資質がクローズアップする + 行政府の人員削減が可能になる ⇒ 政治改革が進む ⇒ 行政改革が進む──、という図式の実現も世の中を支配する新しいロジックなのです。 古いロジックが通用しにくくなれば、新しいロジックが生まれるものです。「個食や夫婦二人での食事が増えた ⇒ わざわざ遠くまで出かけて食材を買い求める動機が薄れた + 大きな束の野菜を買いたくなくなった人が増えた ⇒ コンビニで100円ショップを経営する可能性が生まれた」という図式が良い例です。 「環境不適応症「努力しても空回りするのみ」にならないためには、陥っている問題の根本的原因を見抜き、ここに乾坤一擲の努力を傾注しなければならない時代になったのです。 (関連記事 ⇒ 『山積している問題を一体化した図解がなぜ必要なのか? / ファースト・リティリングのビジネスモデル / 鋭い直観回路が新成長機会ゲットの要諦になった / 経営計画は「立案手順の知悉」よりも「創造力」の方を遙かに必要とするようになった』)
棋士・羽生善治の「才能とは、努力を継続できる力」の証明にあるようなことが実現できていないことが賞味期限が切れた思考・行動を続けさせ、これが余剰資金を停留させてデフレ脱却を困難にしているです。この賞味期限が切れた思考・行動の継続は、結婚難や夫婦間の亀裂の克服を困難にしていることにも結びついています。
極めて大事なことを言います。ほぼ全セクターの経済活動が低迷したままで資本主義の限界が囁かれているのは、世界金融危機の根本的原因の除去を怠っていることの付けです。どうすべきでしょうか? 深く潜在している豊かな新成長機会の発掘に不可欠な鋭い直観回路を身につけることです。「短期間で」ということであれば、手に負えない悩みを抱える度に潜在事象発掘型Q&Aサービスを受けてイノベーション力養うことを強くお勧めします。
(節子) 複雑な事象の本質にふと気付くことを可能にする勘が養われれば、民主主義には程遠い、藪の中のような状態になっている国の政策決定に新聞はメスを入れることができるようになるのかしら?
(高哉) 「思考の三原則」(全体を見る/長い目で見る/根本的に考える)を適用・取材して記事にすることを決心すれば、次の図式実現の可能性が高まると思う。 複雑な事象の本質にふと気付くことを可能にする勘が働く ⇒ 創造活動の源「わくわく感」が生まれる ⇒ 故・森嶋教授の嘆きを吹き飛ばすようにとことん考え抜く ⇒ 構想力・独創力に満ちた仮説が設定できる ⇒ 問題意識が適切、かつ旺盛になるので必要な情報の方から飛び込んでくる状態になる ⇒ 仮説検証型の取材ができる ⇒ 複雑化している事象の本質を見抜くことができる。 (節子) 今言った図式の実現は新聞記者だけではなく経営幹部やそうなることを願っているビジネス・パーソン全員、結婚難・家族間の亀裂に悩んでいる人にも必要ね。そうすれば、『絶好の機会を見失っている実態』のようにならなくてすむから。でも、そのためには、『「思考の三原則」を適用したジグソーパズル思考の達人になるための行動指針』にある、次の記述のようなことを実行しなければならない。 マスコミ情報等から得られる全セクターの動向に興味を持ち、得られた情報に対して「なぜなのか?」「だからどういうことが言えるのか?」といった具合の伸びやかな分析的・合成的推理を行い続け、「個人・企業・地方自治体・国家などの舵取りの基本は同じである」と言い切れるようになることを目指す。 でも、こういうことって長い年月と適切な指導者が必要よ。適切な指導者がいないと、苦労が実らないために途中で挫折してしまう。“繰り返しの快”があって初めて度重なる苦労を乗り越えることができるんだから。ということは、悩み事を抱える度に貴方のような人物を訪ねてワタナベ式問題解決へのアプローチを適用するようなことが必要になる。ところが、そうする人は多くないのはどうしてなのかしら? (高哉) 日本人の国民性が強く影響しているからだと思う。具体的に言うと、「核心をついた判断力が欠如しているランキング + 日本人はころりと心変わりしやすい ⇒ 他人を根本的には信用しない」となっている人が実に多い。(関連記事 ⇒ 信を相手の腹中に置くことができない /事なかれ主義の仕組み)こういうこともあって手に負えない問題を抱える度に潜在事象発掘型Q&Aサービスを受けてイノベーション力養うことを強く勧めているのです。
(節子) 自分で持ち出していながら変だけど、国の政策決定が藪の中のような状態になっている責任を新聞記者だけに押し付けるのは片手落ちだと思う。国会議員には国政調査権があるんだから。国会議員がもっとしっかりできないのはどうしてなのかしら? (高哉) 官主導の政官融合体制が超長期に亘って続いていた。これが官僚側の「政策は我々に任せておけばいいんだ」となり、ひいては官僚体制の一枚岩化に結びついてしまった。この結果だと思う。 (節子) 官僚側はともかくも政治側に自浄作用が働かなかったのはどうしてなのかしら? 政治家は選挙の洗礼を受けなければならないのよ。 (高哉) 静岡空港問題のところで明らかにされたように適切に政治家を選出しにくい。こういう土壌がある上に、日本の組織には歴史を経れば経るほど自浄力を失うという宿命的なものがある。というのは、次の図式に陥りやすいからだ。
(節子) こういう国民性だから総合的判断の必要性に全く気づかない経営者を生み出し、圧倒的大多数の国民を様変わりした環境に適応しにくくしているのね。となると、「ケインズ主義とマネタリー主義の限界を乗り越えて経済を力強い成長路線に乗せるための秘策は日本の社会構造を蛸壺型社会からネットワーク型社会に転換させることである」とする貴方の主張は実現できないんじゃないかしら? (高哉) 民主党が政権についたことを踏まえての2009年7月20日号『日経ビジネス』の43頁に載っている次の図表を見て欲しい。日本の社会構造を蛸壺型社会からネットワーク型社会に転換させる大きなうねりが生まれることが予測された。
この図式の実現は日本の社会に地殻変動を引き起こすことに結びつく、と考えてもおかしくない。というのは、様変わりした環境への社会全体の適応を妨げている「政府、各種の業界団体、企業、国民」という四重構造の打破が進むからだ。これは『自浄力を失う組織の実態』のことを考えると実に大きな意味がある。 ところが、“その場しのぎのなれの果て症候群”を治す方法に気づかなかったために、日本の宿痾に地殻変動を阻まれてしまった。したがって、小池都知事がしがらみ政治の打破を衆議院選挙で声高に叫んでも大きな効果を挙げることができなかった。 (節子) “その場しのぎのなれの果て症候群”を治す基本手法「ワタナベ式問題解決へのアプローチ」を個々人に適用することの必要性は理解できる。しかし、泥舟化した日本経済のことを考えると、まどろっこしい。どうすればいいのかしら? (高哉) 企業は「必要とされる人材・取引先は過去と今後では大きく異なる」を肝に銘じて、組織全体へのイノベーションのロジック注入を目的とする全員参加型新創業プロジェクトを導入して、オープンリソース経営への転換を果敢に進める。これが僕が考える最善策だ。
(節子) 政権を取った民主党は首相官邸や各省に国会議員をどっと送り込んで政治主導の日本国運営を行おうとした。これが実現すれば、アメリカのような二大政党制の確立とあいまって次の図式実現に結びつくと思ったからだ。 政権交代の緊張感が官僚体制の中にできあがる ⇒ 官僚体制の一枚岩化が生み出した密室性の打破が進む ⇒ 官僚による政策決定のプロセスの公開が進む ⇒ 国益に合致し、かつ民意に基づいた行政が実現できるようになる。 (高哉) どっと送り込まれる国会議員は質が伴わなければ烏合の衆になりかねない。そうならないためには、創造的衆知結集力活用の勧めにあるようなことを実行して議論をジグソーパズル思考の素材提供の場にしなければならない。 良い意見をつまみ食いするための場にしか議論を用いない場合が多いが、これでは複雑時代において斬新な着眼に満ちた良い政策を創り出すことはできないからね。(関連記事 ⇒ 『山積している問題を一体化した図解がなぜ必要なのか?』) しかし、民主党政権は無策だったために大失敗。これは専門家を初め日本人に潜在しがちな弱点克服に結びつく創造的衆知結集力活用の必要性を図らずも裏付けることになってしまった。 (節子) 「国益に合致し、かつ民意に基づいた行政」を個人の人生に置き換えると、「自分らしさを生かして時流に合うように主体的に生きる」となるんだけど、そのためには、どうしたらいいのかしら? 個人的問題に当てはめて意見を聞かせて欲しい。 (高哉) 複雑化している事象の本質を見抜くことができるようになるためのプロセス実現のための工夫が必要となる。そこで、勧めたいのが次の手順を採るミニプロジェクト・チームの形成だ。 重大な悩みを抱えている人がグループを結成する ⇒ 各人の悩みを体系化してひとつのテーマにまとめる ⇒ グループを構成する人々が費用を負担し合って創造的衆知結集力活用の勧めにあるようなことを実行する。 (5人でグループ結成して頂ければ、ミニプロジェクト・チームの指南役をご来訪あるいはスカイプでお引き受けします。費用は総額75,000円/120分以内/1回です。営業時間&サービス提供の手順をお読みください。) そうすれば、自分の持ち味、使える好材料、環境動向などを踏まえている創造的問題解決策が得られるようになる。そして、「このようにすれば、競合相手を寄せ付けないポジションに立つことができるのだ」となり、次の図式が実現される。 戦略発想の重要性を認識する ⇒ 「何としてでも戦略発想をしたい」と思うようになる ⇒ 表面化した事象だけでは戦略発想できないことに気づく ⇒ 潜在事象発掘を心がけるようになる ⇒ 未知の既知化脳力の強化が進む ⇒ 専門家を初め日本人に潜在しがちな弱点が徐々に克服されていく。 この図式を「値千金」と受け止めて欲しい。なぜなら、「弱点を克服しなければならない」と口を酸っぱくして言っても駄目。ところが、強烈な動機付けがあれば話しは変わってくる。そうでないと、ピンポイントの対策を講じることができず、閉塞状態から脱出できず幸せは遠のくしかないのが通例だからね。結婚難や夫婦間の亀裂も同じこと。(関連記事⇒『悪循環の夫婦関係がフィードバック回路を奪った』と次の記事を読めば納得できるでしょう。 (節子) 納得できる。上記したような経験は「自分の持ち味や使える材料をもっと積極的に用いた人生を送りたい」という意欲に、この意欲が適切な新創業計画を創ることに円滑に結びつくと思う。そこで、聞きたいんだけど、将来を展望して強調しておきたい効用としてどんなことがあるかしら? (高哉) 自らの特徴を念頭に置いてメガトレンドを読み抜いた結果を反映させた適切な新創業計画を創ることは、必要不可欠になる一方の求心力強化を可能にしてくれる。これは凄いことだよ。というのは、デジタル・ネイティブの増加を伴う形でネットワーク型社会への転換は「売り込む能力」よりも「惹きつける能力」の方をはるかに必要とするようになるからだ。 (節子) 必要とされる人材・取引先は過去と今後では大きく異なるので、「あなたはどんな人?」ではなく、「あなたは何ができる人?」が問われるようにもなるわね。ここに、個性的才能を引き出す性格診断の意義がある。 ──── こういうことになるんでしょうけど、どういう個性的才能の市場性が高いのかしら? アニメやゲームが今一番元気な事業である理由が分ればヒントになると思うんだけど。 (高哉) 「成熟社会が生み出した閉塞状態から抜け出したい」という多くの人の鬱積している欲求に応えることができるからじゃないかな。というのは、アニメやゲームは「自由に発想できる ⇒ 自由に創ることができる ⇒ 自由に楽しむことできる」ということを可能にしてくれるからね。 (節子) そういう事業で成功するためには、自己実現のとてつもない衝動強迫があるという必要条件に博覧強記の人生が生み出す充実した脳内シソーラス機能という十分条件が揃っていなればならない。・・・・・縮み思考の人では駄目ね。ということは、日本人離れした人でないと無理じゃないかしら? (高哉) そんなことを言っていると、様変わりしてきた事業環境に適応できない。というのは、先進国の企業は新しい市場創造に結びつく新商品を開発することなく生き抜くことができなくなったからだ。(関連記事 ⇒ 『2008年秋に勃発した世界金融危機の真相』)
(節子) 貴方の見解「新しい市場創造に結びつく新商品開発が遅々としいることがリーマンショックに結びついた」という事態の打開は進む方向にある。
でも、技術的には可能であっても採算に乗せるのに必要な需要の壁があるので、実現には時間がかかる。発想力で何とかなるものはないのかしら? (高哉) 製品在庫をゼロにする物流センターを創り、更に顧客が販売した製品のメンテナンスを引き受ける、ヤマト運輸方式物流革命。これがうまくいっているとすれば、顧客を物流管理から解放し、新しい市場創造に結びつく新商品開発の余裕が生まれるので、発想力の賜物となる良い例じゃないかな。 (節子) この物流革命は顧客は喉から手が出るほど欲しい筈。周知徹底すれば、売り込まなくても顧客の方から訪ねて来るので、プルのマーケティングの見本になる。 (高哉) かつての新商品は板を使っての洗濯を自動化するといったようなことが多かった。ところが、これからはそうはいかないので、すぐに採算に乗せたいのであれば、発想力が必要であることに留意しなければならない。(関連記事 ⇒ 『新成長機会は過去の延長線上には存在しない』)
(節子) さっきの物流革命は顧客はコストパフォーマンスを直ちに計算できる。そうなりにくい場合は習慣の壁を創造的に乗り越えなければならないわね。そうでないと、警備保障というサービスが東京オリンピックで広く知られるようになるまで全く売れなかったような塗炭の苦しみを味わなければならない。どうすればいいのかしら? 貴方は「売り込む能力」よりも「惹きつける能力」の方が大事になる」とさっき言っていたけど、このことを踏まえた説明をしてくださならないかしら? (高哉) 力づくで売るのではなく、消費者が置かれた立場を洞察して鬱積した欲求を刺激するやり方が必要になる。 (節子) ライフスタイルを提案してそこに売りたい商品を位置づけるやり方なんでしょうけど、提案するライフスタイルが鬱積した欲求に応えるものであれば、これはこれで効果はあるにしてもワンパターンになってしまう。個々の消費者の心の琴線に触れることができにくい。どうすればいいんでしょうね? (高哉) 先回りして技術進歩の方向性を示して複数の自動車メーカーを同時に満足させる製品開発を可能にしたボッシュを見習うことだ。 (節子) その場しのぎの生き方に訣別して異変待ち受け (事を有利に運ぶための準備)力を身につければ、ボッシュの独創的模倣が可能になることは分かる。でも、黙っていては存在を知らせることができない。この点はどうなのかしら? (高哉) 性格発衝動強迫の支配を引き出すように魅力的な言葉を消費者にささやくことだよ。時代は高度の誘惑術の習得を求めていることを肝に銘じなければならない。(関連記事 ⇒ 『「無我夢中」になったことが林郁夫に禍をもたらした /顧客の個性と夢を見抜く力を磨くことが一網打尽ビジネスの成功を約束する / 市場開発効率化のために採用した方法』 (節子) そのためには、「各人各様の人生 ⇒ 性格と歴史的立場 ⇒ 強い思い」を順次見抜かなければならない。(重要性を示す事例 ⇒ 『心がスイッチ・オンとなったが故に努力継続力入手…となった具体例 /人間は性格と歴史的立場に支配されやすいことを認識しよう!』)
(高哉) 貴女が今言ったことを可能にする脳力を効率良く培うために勧めたいのが次の手順に従った知的生活を送ることだ。時間はかかるけど「もっともっと頑張りたい」となるので、苦痛を伴わない継続的努力が可能になるはずだ。 個性的才能を引き出す性格診断を受ける ⇒ 性格と歴史的立場の重要性&プロフェッショナルQ&Aの絶大な威力を認識する ⇒ 「周囲の人々や交渉相手の歴史的立場を見抜けるようになりたい」「プロフェッショナルQ&Aの技術を身につけたい」と強く思うようになる ⇒ 眼窩前頭皮質が活性化される ⇒ 内発的動機に基づく意思決定力・計画性が引き出される ⇒ 相手の性格と歴史的立場の洞察を意識してプロフェッショナルQ&Aを仕事の場で実践するようになる ⇒ このプロフェッショナルQ&Aの威力を実体験して「もっともっと」の心境になる ⇒ 新創業研究所から“技術を盗む”ことを意識して悩み事相談をする ⇒ プロフェッショナルQ&A&各人各様の性格と歴史的立場洞察の技術が進歩していく。
(節子) 「相手の性格と立場を見抜くことができるようになるための秘訣」の威力を確認するために聞きたいことがある。多くの人の心の奥深くに潜在している次のような矛盾をどのように解決したらいいのかしら?
(高哉) 必要不可欠なoff-the-job-trainningのためにはマイペース力が必要不可欠。にもかかわらず、「孤立していると不利である」と思って群れたがる人が殆どだけど、この背景には「共同体が崩壊傾向にある + 自分には本当の求心力がない ⇒ 孤立の危険性をひしひしと感じる ⇒ 無力感に襲われる」となるのを回避したい気持ちがあるんだと思う。こうならないための最善策は次の図式を実現させることだ。 適切な方向で好きな道を歩む ⇒ オーラを発する + (少なくとも内面的には個性的な生き方ができるようになる ⇒ 違いを認める力が身につく) ⇒ マイペースを保ちつつ周囲の人をぐいっと惹きつける ⇒ 省時間・省エネルギーでシンパができる ⇒ 誰も侮れない存在になる。 「自分はそんな人間なれるとはとても思えない」という人は人間理解のあるべきスタンスをよく読んで欲しい。そうすれば、勇気が湧いてくるはずだ。 ![]()
(先行きが不透明な時代になった ⇒ 好機と脅威が深く潜在する時代になった ⇒ 考え抜く習慣が醸成を可能にする鋭い直観回路に裏打ちされた構想力・独創力がダントツ最重要な才能になった ⇒ 考え抜く習慣の敵「ナアナアの習慣」との決別が必要になった) + 日本的集団主義の影響を受けている人が圧倒的に多い ⇒ 不可逆的に癒着型の人脈依存は時代遅れになった ⇒ 「あの人との付き合いは長いから」は通用しにくくなった──、という図式がクローズアップしてきたからです。 ここに、伝統的な人生史を淡々と書く伝統的な履歴書ではない相手を惹きつける魅力的履歴書の意義があるのです。
(節子) 適切で好きな道を歩むことは「嬉々として仕事に従事する ⇒ 相手に精神的満足を与える ⇒ 相手が抱いている感謝の気持ちが伝わる ⇒ 仕事の質を良くするための努力をする ⇒ 製品・サービスがエンドレスにハイエンド化する ⇒ 良い評判が広まる」という図式に結びつく。(具体例 ⇒ 『岸久さんが世界最高峰のバーテンダーになれた秘訣』) 日本経済再生に結びつく脱・デフレを可能にする適切で好きな道を多くの人が歩めるようにする。こういう願いが『様変わりした環境への円滑な適応を可能にしてくれるのが新創業である』に込められているのね。 この考え方は中央官庁と国民の間に立ったブローカーのようなことばかりをしてきた国会議員にも通用するのかしら? 国家が財政破綻寸前に追いやられてから「国は与える立場から収奪する立場に転じた」と言われるようになっいるので国会議員のあり方がすごく気になるの。 (高哉) 政治家の短期的期待値は『政治家のあり方が変わるとは何を意味するのか?』並びに『ケインジアン・マネタリアンを糾合できる斬新な経済政策を推進しよう!』にある。長期的期待値は、日本の世界における拠点性強化のために必要不可欠なハブ空港やハブ港湾を建設して個人が活躍できる余地を拡大した上で、ネットワーク化されたレタスビシネスのような理想的な世界を実現させること。 (節子) 「そのためには新創業プロジェクトを導入する国会議員を続出させなければならない」となるんでしょうけど、「目先の問題で汲々としている ⇒ その気にさせるのは至難の業である ⇒ その気になっても時間的余裕を創りそうにない」という壁がある。 報道番組で「理想的な政治家を求めても駄目。質の悪さが少ない方を選ぶ考え方が必要」という意見を聞き、ものすごく納得した。そして、「政治家にはせめて税金の無駄遣いを慎んでもらいたい」と思うに至った。そこで、聞きたいだけど、次の図式実現に結びつく可能性が大きな地方分権と教育支援をどのように考えたらいいのかしら? (道州制などの地方分権を推進する ⇒ 政治・行政が個人に近づく ⇒ 民意に基づいた政治・行政が実現しやすくなる) + (国が個人の教育を支援する ⇒ 国民の啓蒙度が上がる) ⇒ 民意に基づいた政治・行政が実現する ⇒ 惨憺たる結果を招いている静岡空港のようなことはなくなる ⇒ 税金の無駄遣いがなくなる ⇒ 破綻寸前の財政再建が進む。(関連記事 ⇒ 『社会横断的な人的交流が拡大することを認識する』) (高哉) 「政治家個々の改革が困難であれば、仕組みで改革を迫ろう!」というわけだね。ここで認識しなければならない大事なことがある。 日本はほぼ一直線の道を歩み成長の限界を迎えた。こういう歴史的転換期には「自分のことは自分で始末する」は通用しにくい。多くのセクターは「(目一杯の努力 ⇒ 習慣のロックイン) + 環境様変り ⇒ 徒労の努力 ⇒ ストレス蓄積」という図式になっているからね。 「政治家の出番」というわけだ。しかし、「中央官庁と国民の間に立ったブローカーのようなことばかりをしてきた国会議員にそんなことが期待できるのかしら?」となっているのが実態。ここに、創造的衆知結集力活用を念頭に置いての提言「企業は専門家を初め日本人に潜在しがちな弱点を克服して新成長機会発掘力強化に邁進しよう!」の意義がある。 (節子) 意義は認めるけど、私が言った破綻寸前の財政再建のシナリオとどう関連付ければいいのかしら? (高哉) 貴女が言った破綻寸前の財政再建のシナリオが実現せざるを得ないようにする工夫が大事だ。ここに、政権党の量的だけではなく質的パワーアップ実現手段としても役立つ創造的衆知結集力活用の勧めを提起した意味がある。政権党が自らを「政権党」ではなく「与党」と称している精神状態が中央官庁の既得権益意識を擁護し、これが地方分権の推進を妨げているんだからね。 教育支援についても似たようなことが言える。個人パワーが発揮しやすくなり、この発揮が幸せに結びつくことが分ったら自力教育が進むと思う。インターネットでアメリカの大学を卒業したアフリカ人のような例があることを忘れてはならない。 (節子) 『山積している問題を一体化した図解がなぜ必要なのか?』にあることを肝に銘じないと日本全体が財政破綻した夕張市のようになってしまう。こういうことを言いたいのね。・・・・・うーん、国会議員の選び方が難しくなってきた。どうすればいいかしら? (高哉) 地殻変動に適応するためにはほぼ全セクターの再構築が必要。したがって、その場しのぎの人物は信用できない。さりとて、頑固者は付き合いにくい。「人生 ⇒ 性格 ⇒ 強い思い ⇒ 今置かれている立場」を順次見抜いた対応をしてくれて初めて幸せになれるから。ということは、軸足は不動。しかし、柔軟な思考の持ち主がキーパーソンになるための資格になる。 そこで、候補者一人一人が自らの新創業計画を創り、これを前提に政党だけではなく個人のマニフェストを提起する。こういうことを要求する。そして、個人の歩みを記した書きものと照らし合わせて判断することを勧めたい。そうすれば、「眼窩前頭皮質活性化効果が得られる ⇒ 勘が鋭くなる(複雑問題解決の切り札・ピンポイント力が養われる) ⇒ 夫婦間の亀裂&結婚難の解消だって可能になる」というシナリオが実現できる。
(節子) 話は日本の社会構造を蛸壺型社会からネットワーク型社会に転換させる大きなうねりが生まれようとしていることに戻るけど、「地殻変動時代に適応しよう!」と言うと、縮みこんでしまう日本人が多いんじゃないかしら。 その上、「創造力の光で発想し、インスピレーションをロジックに照らして検証する。 ──── こういう知的作業が必要不可欠になる」が加わると、 理屈の上では正しくても実績のない考え方に従うよりも“ゆで蛙”になることの方を選ぶあるいは絶望してうつ病になってしまう人が多いと思う。なんとかならないかしら?(関連記事 ⇒ 『複雑な事情が災いして円滑な第一歩が踏み出せない』) (高哉) 需要が供給を大幅に上回っているような新天地だったらともかくもそうでなければ何から何まで再出発だったら誰だって縮みこんでしまうよ。転職を重ねることによって脳力革命に成功できた僕の場合は培ってきた得意技を武器に使えたからこそ新天地を開拓し続けることができたんだ。(詳しくは ⇒ 『脳力革命の方法』) (節子) 得意技を武器に使って新しいことに挑戦して脳力・能力を進化させる成長分野に成功裡に進出する秘訣にあるようなことを個人にも応用すればいいのね。そのために新創業プロジェクトが用意されているんだった。でも、こういうことが分っても先送りしてしまう人が多いのが現実よ。 (高哉) そうなってしまう人が圧倒的に多いことはよく分かる。というのは、次の図式に陥ってしまっていた人がほとんどだからね。 55年体制の下で自民党一党支配体制がずーっと続いてきた ⇒ 官主導の政官財トライアングル体制がずーっと続いてきた ⇒ 個人が自由に羽ばたくことは困難を極めた(関連記事 ⇒ 『日本経済再生の鍵は個の解放』) ⇒ 胆力の源である海馬並びに創造力の源である脳内シソーラス機能が鍛えられようがなかった ⇒ 閉塞状態になってしまった 。 (節子) 過去の延長線上を歩むことで事足りた時代は完全に終わり、先行きがどんどん不透明になる時代になった。このことを考えると、貴方が今指摘した状態のままであると、次の図式に陥ってしまう。 その場しのぎの習慣の支配を受けたままである ⇒ やる気を梃に用いて難問に挑戦し続けて初めて得られる未知の既知化脳力が身につかない ⇒ 重大な盲点が発生する ⇒ 臨機応変力の欠如が露呈される ⇒ チャンスを逸し、ピンチに陥ることが多くなる ⇒ ストレスがどんどん溜まる ⇒ 性格の健康状態が悪化する ⇒ 人生を台無しにしてしまいかねない事態を招く。(関連記事 ⇒ 『性格無知が招いた悲劇集』) だから、成長分野に成功裡に進出する秘訣にあるようなことを個人にも応用することに結びつく新創業プロジェクトが用意されているというわけね。でも、貴方は「失うものがない限りは何もしない方がいい」ってよく言うじゃない。この発言と新創業プロジェクトを勧めることをどう結びつけて考えればいいのかしら? (高哉) 変化先取りよりも変化後追いの方が得である場合は「失うものがない限りは何もしない方がいい」ということになる。ところが、環境の様変わりはこういう態度を許さなくなった。(関連記事 ⇒ 『政策が後手に廻った本当の理由』) だから、現実直視力強化に結びつく新創業プロジェクトを勧めているんだ。現実直視力があって初めて有為な挑戦機会に気づくことができるからね。 大事なことを言うのを忘れていた。アメリカのオバマ大統領の核廃絶宣言の持つ深い意味を考えなければならない。図式化すると、次の通りになると思う。 ( アメリカ一極集中の下でイラク戦争が遂行された ⇒ アメリカの独善性が通用しないことが証明された) + (世界金融危機が発生した ⇒ イラク戦争の後遺症もあってアメリカの経済力は弱体化してしまった) + 世界はグローバリゼーションと情報化の進展により時間をかけて多極化に向かってきた + デジタル・ネイティブの時代に向かっている + アメリカの世界中をネットワーキングする力はダントツである ⇒ アメリカはアメリカ一極集中から無極化に大きく舵を切った。 したがって、「地殻変動時代に適応しよう!」は単なる目標ではなく、金科玉条として捉えなければならない。 (節子) 若い人を中心に最近急増してきたプチ外交官のような人たちへの助言が是非欲しい。このような人たちは貴方から教えてもらったことを踏まえて整理すると、次の図式の下にあるんじゃないかしら。 (日本経済は泥舟化した ⇒ 自立と自律意欲がいやがうえにも高揚することになった) + (日本的集団主義の影響を受けてその場しのぎの人生を送ってきた ⇒ 自立と自律力が欠如している) + 互助を可能にしてきた共同体が崩壊しつつある ⇒ 周囲の人々にできるだけ愛想を良くする。しかし、できるだけコミットしない。 (高哉) 本人は要領よく生きているつもりかもしれない。しかし、人を惹きつけることができないので、新時代が必要不可欠としているプルのマーケティング力を身につけることが困難である。そうなりたくないのであれば、プロフェッショナルへの道を歩まなくてはならない。ここに新創業プロジェクトの意義がある。 (節子) 培ってきた得意技を武器に使って新天地を開拓し続けるためには、成長分野に成功裡に進出する秘訣にあるようなことを個人にも応用すればいい。こんなことを私はさっき言ったけど、どんな職業的な目標を持てばいいのかしら? 例をひとつだけでいいから教えてくださらないかしら? (高哉) 高齢化社会が進むにつれて重要性を増す介護福祉士を例に用いよう。異変待ち受けの考え方を取り入れると、次の図式を目標に置くことが必要になってくるんじゃないかな。 (介護ロボットが普及する ⇒ 介護の省力化が可能になる) + 尊厳に満ち溢れた状態で人生を全うすることを希望する人が増える ⇒ プルのマーケティング力を身につけるための先行投資をする ⇒ 被介護者のニーズを洞察して精神的なケアーをとことん行う。 介護ロボットが普及するまでは介護助手を雇えばいい。このように言うと「費用は?」となるだろうけど、高付加価値型の介護を歓迎する人は余分に発生する費用を自己負担するであろうことを忘れてはならない。 但し、「介護の仕事が好きで好きでたまらないから介護福祉士になった」という必要がある。職業的な義務感だけでは被介護者の精神的な満足は決して得られないからね。それに義務感だけでは適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入る効用を決して入手できない。
(高哉) 結婚に際しての危惧は女と男では根本的に異なる。夫婦間に亀裂を生じさせないためにはこの認識が不可欠な場合が少なくない。 ●女性が抱きがちな危惧 ・仕事を辞めて専業主婦になると、夫の収入が少ないので、生活水準が下がる。 ・家事や育児を押し付けられるので、独身時代の自由が失われる。 ・共同生活になるので、マイペースを享受できなくなる。 ●男性が抱きがちな危惧 ・独りで一家を経済的に支えて行かなければならないので、気が重くなる。 ・共同生活になるので、マイペースを享受できなくなる。 (節子) このような危惧は熱烈な恋愛中は封印されるけど、結婚生活が危惧を吹き飛ばす効用を生み出さないと、不満が鬱積して一触即発の状態になり、何かのきっかけで爆発しかねない。どうすればいいのかしら? (高哉) 双方の行動力学を予め理解する + 円滑なコミュニケーションを日頃から心がける ⇒ 不機嫌になった原因をいち早く察知し、理解したことを示すと同時に反省する──、という図式を実現させることだ。この努力は感受性を豊かにするので、専門家を初め日本人に潜在しがちな致命的弱点の克服にも結びつくことを強調したい。 (節子) この努力が必要不可欠と思うか否かは夫婦完全融合の効用を認識しているか次第というわけね。家庭円満の秘訣を活かすためには結婚難を何とかして解決しなければならない。
(節子) 「高速道路ががら空き状態であなたを待っている」は説得力があった。しかし、仕事の世界のことだけを言っているような気がする。「修復が困難になった人間関係、結婚難なども同根です」というさっきの発言はとってつけたような感じがするのは否めない。そうではないことを具体例でばしっと説明してくださらないかしら? (高哉) 婚活ブームの背景にある結婚難時代が到来したのはどうしてだと思う? 男性のワーキング・プアー化が原因としてクローズアップされているけど、社会の変化に焦点を当てた貴女の理解を説明して欲しい。 (節子) 結婚の動機が薄れて結婚に向けた積極的な行動をしなくなった。結婚に向けた積極的な行動をしてもミスマッチという壁が立ちはだかっている。こういうことが主な原因となっているからなんでしょうね。貴方に教えてもらったことも踏まえて言うと、三つの図式があるんじゃないかしら?
(高哉) 貴女の的確な分析を効果的な婚活に結びつけるためには、ビジネスに例えて考えるといいんじゃないかな? 未婚の異性が沢山いることは未開発の潤沢な市場があることと同じ。この市場を開発するためには潜在ニーズを知ることが必要となる。具体的に言うと、「わがままになった」「日本の社会には男尊女卑の思想が色濃く残っている」「伝統的な共同体が崩れてきた」の三つの意味分析が重要だ。 (節子) 貴方にこれまで教えてもらったことを踏まえて考えると、次の図式が自ずと浮かび上り、絶好の機会を見失っている実態は結婚問題にも当てはまることに気づかされる。 (性差&性格と歴史的立場を知り、違いを認める ⇒ お互いにわがままなのは当たり前と思う) + (夫婦完全融合の必要性を認識する + 伝統的な共同体が崩れてきたことを認識する ⇒ 夫婦仲を良くする努力の必要性を認識する ⇒ 男尊女卑思想の払拭が進む) ⇒ 個性的才能を伸ばすことに協力し合う姿勢が生まれる ⇒ 二人の間は相性の心理学の世界になる。 (高哉) ピンポン! 大当たりです。但し、積極的な行動を採らなくても相手をぐいっと惹きつける精神状態を創りあげることが先決だ。そうしないと、結婚相手候補に巡り合い、会話をするに至らず、二人の間に相性の心理学の世界が生まれようがないからね。 (節子) 容姿や経済的条件に恵まれていないと自信不足になり、相手をぐいっと惹きつける精神状態を創ることが難しくなるんじゃないかしら? (高哉) オーラを放つような雰囲気がある。相手を理解し、相手の良さを引き出す姿勢がある。この二つがあれば、容姿や経済的条件は結婚の決定的な条件にはならない。事実は見方次第で、「痘痕もえくぼ」となるのが心理的動物である人間だからね。そのためには、婚活をしている本人は貴女がさっき言ったことの前に、次の図式を実現しなければならない。 自分自身の性格と歴史的立場を認識する ⇒ (性格に振り回されがちな人生であったことに気づく ⇒ 偏狭さが環境変化への適応を困難にしてきたことを理解できる ⇒ 個性的才能を引き出す性格診断を受ける ⇒ 「性格に振り回される」から「性格を乗りこなす」人生に転換する ⇒ 自信が生まれる ⇒ オーラを放つ雰囲気を醸し出せるようになる) + (違いを認めることができるようになる ⇒ 相手の良さを引き出す姿勢を持つことができるようになる) ⇒ 相手をぐいっと惹きつけることができるようになる。 (節子) その図式とは無縁の存在になっている人が圧倒的大多数を占めている。(関連記事 ⇒ 『頭脳明晰であっても性格と歴史的立場を知らないと、悲劇の図式「感情を逆なでされる→精神的視野狭窄症になる→致命的失態を演じる」の待ち伏せを受ける』) この実態が「私を理解し、良さを引き出してくれないのだったら容姿や経済的条件を大事にするしかない」となり、男女間のミスマッチに起因する結婚難や不幸な結婚に結びついているのよね。
魅力的な履歴書を適切に創ることにより、二つの効用「是非会ってみたい…となり、出会いの機会が多くなる / 自分にはかくかくしかじかの個性的な才能がある。磨けば、ひとかどの人物になれる…となり、魅了力の源・オーラを漂わせると同時に魅了力の敵・焦りを封じ込めることができる」の引き出しが期待できるのです。
上記したことの認識・実行だけで婚活に成功できるほど甘い時代ではなくなりました。「大きな物語」の時代が終わり、「小さな物語」の時代になったために、自己満足をとことん追求する傾向が強くなったからです。どうしたらいいのでしょうか? 自分に相応しい人物像を予め知ってターゲットを絞り込み、相手の心を鷲掴みにする言動を採ることです。異性から異性への渡り歩いても所期の成果が得られず輝きをすっかり失ってしまい、結婚とはすっかり縁遠くなってしまった人物が少なくないことを忘れてはならないのです。 (関連記事 ⇒ 『 空回りの努力が「結婚したくてもできない」という結果に結びついている / 最良の伴侶に恵まれたければ性格を乗りこなそう! / イノベーション・パワーは注入できるものなのです』) 相性の良い異性に焦点を絞った婚活はコストパフォーマンスが極めて高い投資であることに留意する必要があります。 健全な家庭を築くことができる ⇒ 家族間の良好なコミュニケーションが実現できる ⇒ 家族の行動を予測制御できる──、という図式を容易にし、「健全な家庭を築く」にあるような作業を行わなくても 、幸せな人生を約束してくれるからです。
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