開発部長 |
改良・改善を積み上げる技術開発を続ける限り、わが社はジリ貧です。デフレ経済を抜け出すためにはブレークスルーを狙った研究開発が必要不可欠です。つきましては、研究開発投資資金として50億円を5年間認めて欲しい。業績に貢献し始めるのは6年後です。巨額の先行投資ですが、わが社の将来を担う新規事業の創造にはどうしても必要なのです。
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経理部長 |
そんなとんでもない先行投資を認めてしまったら大変なことになってしまう。5年間の経常収支は赤字となってしまうのですよ。今の時代、赤字を5年間も続けたらただではすみません。開発部長はこのことをどう考えるのですか?
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開発部長 |
抜本策を講じないと、わが社の未来はないのですよ。短期的な辻褄合わせだけを考えるなんて、旧大蔵省みたいですな。日本経済がどうしてこんなひどい状態になったのかを考えてみたことがありますか?
経理部長の考えで企業経営をやったら大変なことになってしまうことがどうして分からないのですか?
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「わが社の存続を願っている」という点ではお二人は共通しています。そこで、どうしたらわが社を超長期に亘って存続させることができるかを考えてみませんか?
企業経営って、水の循環運動のようなものだと思うんです。
大空から降水がある ⇒ 人影のない山奥にせせらぎができる ⇒ 比較的小さな河ができる ⇒ 海に注ぐ大河ができる──、という図式が単純化した水の循環運動です。
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経理部長 |
比較的小さな河並びに海に注ぐ大河のことだけを考えていると、水の循環運動がストップしてしまう。だから、山奥のせせらぎを絶やさないようにする工夫が要る。いいかえれば、先行投資が必要不可欠である。そして、わが社の研究開発部門はこのような役割を担っている。こういうことを先生はおっしゃりたいのですね。よく分かりました。
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開発部長 |
私も反省しなければなりません。山奥のせせらぎの水などは途中で蒸発してかなり消失するので、全ての水が海に注ぐ大河になるわけではない。したがって、水の循環運動を健全にするための努力が必要。同じことが事業経営についても言える。したがって、バランス感覚のある研究開発をしなればならない。こういうことを先生はおっしゃりたいのですね。よく分かりました。
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経理部長、開発部長のお二人とも、私の言いたいことをご理解頂きまして、ありがとうございます。例えば、今真っ盛りのことに70%、いずれ成長間違いなしのことに25%、海のものとも山のものとも分からないことに5%を投資する ──── このファッション・ビジネスで成功し続けるための鉄則を念頭に置く。その上で、未来進行形の全事業の牽引に結びつく経営資源に集中投資できるようなビジネス・モデルが必要なのです。
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経理部長
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先生のおっしゃるようなビジネス・モデルを開発・遂行するために、先行投資資金の捻出策をじっくり考えて見ましょう。事業展開にマイナスにならないような知恵に満ちたやり方が必ずあるはずです。例えば余剰資金を利回りの良い投資に振り向けれる等、色々考えられますから。
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開発部長 |
私の方も研究開発のあり方を抜本的に考え直して見ます。デフレ経済を抜け出すためのブレークスルー型の研究開発を行うことが現事業の業績拡大に貢献する。こういうやり方があることを何かで読んだことがありますから。そうそう、『成長分野に成功裡に進出する秘訣』という小論ですよ。
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その小論の趣旨である、最終目標に結びつく儲かる布石を打ち続ける。これを成功させるためには事業展開がタイムリーであることを忘れてはなりません。『サービス商品のコンセプト開発のあり方』を参考にしてください。『思考の三原則を適用する知恵者になれた理由』にある転職の仕方も参考になると思います。
但し、気をつけなければならないことがあります。新しい行動の必要性を常日頃から言いきかせて従業員に習慣のロックがかからないようにしなければなりません。
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開発部長 |
「大空から降水がある ⇒ 人影のない山奥にせせらぎができる ⇒ 比較的小さな河ができる ⇒ 海に注ぐ大河ができる──、という図式の循環運動が維持できるように将来を睨んだ投資配分が必要である」とする先生の考え方は個人にも当てはまる。共同体が崩壊しつつある中にあって先行きがどんどん不透明になっていくことを考えると、『「ポンポン船」経営者の悲劇』は他人事ではありませんから。先を見通しにくい個人はどうすればいいんでしょうか?
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染みついたその場しのぎの習慣を断ち切って難問に真正面に向き合い、鋭い直観回路を培うことです。そうすれば、潜在事象発掘力が備わるようになり、環境変化をチャンスとして捉えて“波乗り”のような仕事人生が可能になります。この可能性を追求したい企業のために用意されたサービスの例として挙げたいのが『衆知を生かして複雑問題を解決するための秘策』です。
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経理部長 |
紹介されたコンテンツは読み、「効果があるだろうな」と思いました。でも、新成長機会が小粒化しているので、貴重なキーパーソンを動員し、しかもお金をかけてまでやる価値があるのかどうかに疑問があります。何事も費用vs効果の考えが必要ですからね。
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新成長機会が小粒化しているのは陳腐化した枠内思考に留まっているからですよ。「小さな隙間市場の妙味が薄れて大きな隙間市場が放置されている」ことに気づけば、考え方が変わる筈です。『ビッグ・チャンスを狙う時代になったことを認識しよう!』を熟読してください。 |
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(以下会話が続く) |
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