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周囲の誤解が自分の誤解に結びついている |
「天才だ」と言われると、子供は生き生きと努力する場合が多いが、大人はそうならない場合が多いのはどうしてでしょうか? 大人になればなるほど間違った思い込みをしているからです。こうなってしまっている理由と影響は次の通りです。
自分の本質を見抜かれることなく悪く誤解され続ける (間違った心理的ラベルを貼られる) ⇒ 間違って貼られた心理的ラベルを「その通りだ」と思い込んでしまう
⇒ 自分自身を錯覚によってできあがった虚像に合わせ続けるようになる ⇒ この虚像が自分の実像であると思い込み、そのように振舞うようになってしまう
⇒ 「 宿命である」と諦めて努力を放棄し続ける ⇒ 「主役の人生を送りたい」という人間本能が抑圧されたままの人生を送ることとなる──、という図式に陥っていることが実に多いのです。(心理的ラベル剥がしに成功した例
⇒ 『生い立ちが醸成した秘めた才能を見抜く 』
磨くに値する才能は本人にも周りの人間にも気づかれにくいものですが、しばしば顔を出すことが多いものです。上記の人物は指摘されるまでは自分でも気づきませんでしたが、各人各様の生き様の由来を現実の世界やドラマを通じて洞察・認識するのが趣味だったのです。
自分を活かす人生を送りたければ、斬新な着眼で生い立ちを認識して努力継続力の源「適切で好きな道」を選ばなければならないのです。
「適切」には重い意味があります。歩む道が「好き」だけでは努力の余地がなくなり、「もっともっと」とならなくなったり、努力の余地があったとしても歩む道に市場性がなければ、努力が徒労に終わる危険性があるからです。→努力をすれば報われる時代は終わった
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互助を可能にする共同体は潜在脳力の顕在化を妨げてきた |
集団の和が何よりも大事にされてき日本の伝統的な社会においては仮にうまくいかなくても所属集団に忠誠を誓って努力した結果であれば、無罪放免でした。したがって、脳力が潜在したままであっても大過なく過ごすことができました。
このままであれば、「好きなこと、やりたいことがばらばらである ⇒ 一意専心状態になれない ⇒ 加齢に応じて脳力が劣化していく」という状態であっても生きていくことできるのですが、そうはいかなくなりました。なぜなら、過去の延長線上には新成長機会が見い出しにくい時代になったために、鋭い直観回路に基づく果敢な行動力が成功の鍵となった。にもかかわらず、ロックイン状態の習慣が災いして、潜在脳力の顕在化は思うようにいかないからです。
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潜在している脳力・能力のごく一部しか使っていない |
「性格に振り回されていることが自分の潜在脳力の殆どを未活用にしている」という由々しき状態を招いているのは、「周囲の誤解が自分の誤解に結びついている」「互助を可能にする共同体は潜在脳力の顕在化を妨げてきた」ことが原因しているのです。
これは「斬新な着眼を入手して潜在脳力の開花を可能にする性格を乗りこなす人生を送っていない。だから、自分はこの程度の人間になっているのだ」と思わなければならないことを意味します。(人生の歴史の中に個性的な才能が潜在しているイメージ
⇒ 『人それぞれの人生は市場性のある特徴の宝庫である』)
にもかかわらず、「自分はこの程度の人間なのだから仕方がない…」と今の立場にしぶしぶ甘んじている人が沢山います。斬新な着眼を入手してその気になりさえすれば、出世魚のように鮮やかな進化を重ねることができるのに残念です。
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性格と才能は天賦のものではなく生い立ちが決める |
この世に生まれた時の脳神経の状態が全く同じ人物がいたとしましょう。この複数の人物の脳神経は生涯同じでしょうか? 「否」です。存続する神経も鍛えられ方も異なります。各人各様の環境に適応するために残すべきものとそうではないものとに選別され、かつ脳神経の使われ方が異なるからです。
優れた遺伝子の持ち主であっても生い立ちが悪いと秘めた才能は決して開花しない。逆も真なのです。ここに、人生行路の重要性があります。出世魚のように鮮やかな進化を重ねることができるか否かは人生の舵取り次第なのです。(関連記事 ⇒ 『舵取りが全セクターの運命を大きく変える /脳力のピークは80歳代だ 』)
どんな人間でも自分の良さになんとなく気づいているので、潜在意識の中にある自分像は現在の生き様と異なることをうっすらと認識し、そうなっている自分が嫌になっている。この深層心理が「やってもしようがない」という投げやりな発言に結びついている場合が少なくありません。
したがって、やる気のない理由を理解することなく叱咤激励したり、行動しない人に対して「何をぐずぐずしているのだ」と叱責してはならないでしょう。ここにも『行動期待値を引出したければ、合理的説明をしよう!』の意義があります。
日本は民主主義の経済大国。にも拘らず国民の幸福度が155ヵ国中51位。働き盛りの40代が「自分の潜在能力認識欠如→横並び人生→老害発生の仕組み作動→エアーポケットの中をもがく状態→最低の幸福度」となり、家族が被害を受けているからかも。
→http://www.trijp.com/vision/3-2.shtml#humasn-misunderstand |
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時間とお金の浪費型人生は人間理解のあるべきスタンス欠如の成れの果てである |
「渋谷で自己充足困難。これに気づいているのに行く」の背景に「(情報化→欲求鬱積)+(物質文明爛熟→小さな物語の時代)+人間理解のあるべきスタンス未確立→欲求不満を晴らすために愛渇望→ふらふらと浮気」有かも。求心力の抜本的強化に励もう! |
以上述べたことは人間集団である企業にも当てはまります。カメラ専業メーカー「キャノン」は経営ビジョンを策定し、未来進行形の自社能力を信じて鮮やかに変身を成し遂げたのが良い例です。(関連記事 ⇒ 『低迷から躍進に転じた例は数多い。この背景に斬新な着眼の注入がある』)
これらの事例は人間理解のあるべきスタンスを持つことの重要性を示唆しています。しかしながら、 自分を正しく客観視することは至難の業であることも事実です。ここに、個性的才能を引き出す性格診断の意義があります。
自らに貼られた(自ら貼った)悪しき心理的ラベルは、人間と人間集団である企業の理解を歪めているだけではありません。経済も同様です。経済の専門家が「経済成長はあり得ない」と主張して止まないのは、秘めた真実「新成長機会は深く潜在するようになったが、豊かである」を見抜けないからなのです。 |