挑戦的人生を成功させるためにはどうしたらよいか?…を次の「五つの例」を読んで考えてみてください。
次の図式にあるように心の奥底から湧き上がってくる意欲にしたがって勉強をした結果なのでしょう。 「父のような旋盤工になりたい」という思いで中学校卒後に職業訓練学校に通った ⇒ 大阪大学に旋盤工として就職した (大学の理工学部は実験や試作品の製作のために旋盤工のような技能労働者を職員として抱える必要があるのです) ⇒ 同年代の仲間が周囲にいないのが寂しくなり、働きながら定時制高校に通い、山岳部に入った ⇒ 週末になると大阪大学や京都大学の大学院生達と一緒に六甲の山に登った ⇒ 星空を見ながら宇宙のこと、学問のこと、人生のことを語り合った ⇒ 自分も大学に行きたくなった ⇒ 1年間、夜間の予備校に通って大阪市立大学理学部に合格。旋盤工をやめて、低音物理を専攻した・・・・・。
サラリーマンを辞めて奥さんの援助でIT専門学校に2年間通った ⇒ IT関連のベンチャー企業に2年間勤めて勉強成果を実践で鍛え上げた ⇒ ITのプロフェッショナルとして最大手IT関連企業に入社できた──、という一連の行動を採ったからなのです。 Aさんは支えられっぱなしではありませんでした。次に奥さんが逆の立場になりました。Aさんの職業人生が安定軌道に乗った段階で奥さんが勤め先を辞めて独立を目指してデザイン学校に通うようになったのです。 時代を読みぬいた先行投資をする。仕事を通じて次の目標に必要な脳力・能力を培う。こういう計画的な行動、いいかえれば、異変待ち受けを可能にする先行投資が一大変身を可能にするのです。 上記のような先行投資はその気になれば誰にもできることでしょうか? 経済不安があると実行できないでしょう。この経済不安を払拭したのが夫婦が信頼して支えあうことを可能にした夫婦完全融合なのです。
当時の社長であった盛田さんが大賀さんに経営者としての資質があることを見抜いた ⇒ 経営者になるためのハードルを次々と超えることができた──、ということが実現できたからなのです。 適切な目標を設定する。自信を深めると共に脳力・能力をぐいぐい伸ばす。こういうことを実現することによってスーパーな人間になることができるのです。(類似例 ⇒ 『まず認識すべきは彼女がプロフェッショナルの鏡のような人物であることだ』)
「蓄積したノウハウを応用できるから…」と挑戦的行動を採った。したがって、成功を疑わなかった。ところが、失敗してしまった。こういうことがよくあります。どうしてなのでしょうか? 具体例で説明しましょう。 某大手の鉄鋼メーカーは産業用ロボットを内製していた ⇒ 溜まったノウハウを利用して産業用ロボットの製造・販売業に乗り出すために大型の設備投資を行った ⇒ 顧客筋から歓迎されなかったために大赤字を累積して市場から撤退してしまった。 産業用ロボットの製造・販売はオペレーション・ノウハウがものを言うのに、製鉄業で染み付いてしまった設備投資勝負型の習性を新規事業に持ち込んでしまい、「新しい酒は新しい革袋に」という格言を無視したたことが敗因だったのです。(似たようなもうひとつの例 ⇒ 『マイクロソフト社経営の香港テレコムに学ぶ』) 上記した二つの失敗は個人にも当てはまります。各人各様の醸成された性格が各人各様の行動力学を生み出しているので、自分の性格を識別することなく新しい世界に飛び込むととんでもないことになってしまうのです。ここに、人生の適切な舵取りを可能にする個性的才能を引き出す性格診断の意義があります。
啓蒙書を読んで「よし、これからはこうしよう!」と決心しても行動が伴わない。古くからのキリスト教徒でありながら反聖書的な行動が採られがちである。提起した問題解決策に納得しながら行動しない。こういうことが沢山あるのはどうしてなのでしょうか? 具体例で説明しましょう。 睡眠不足の人が睡眠が健康に大きな影響を及ぼすことを認識して「気をつけよう!」となっても夜更かしが直らない。こういう人が下記図式を認識させられると、「なんとしてでも十分な睡眠を採ろう!」となることにヒントがあります。 睡眠不足が長期間続く ⇒ 内臓の調子が悪くなる ⇒ 脳の血流が悪くなる ⇒ 頭脳の明晰度が万全ではなくなる ⇒ 周囲の人々からの尊敬の度合いが減る。 上記の図式が当てはまるのは、他人から頭脳明晰であると認められることが何より大事な性格の持ち主だからなのです。別の性格の持ち主であれば、「睡眠の重要性は良く分かった」と気づかせることができたとしても、「なんとしてでも十分な睡眠を採ろう!」とはならないでしょう。 そうならないためには、人によって異なる性格が生み出す価値観や行動力学を洞察した上で、「人を見て法を説く」心構えで「かくかくしかじかだからかくかくしかじかのことをしなければならない」といった具合に情報を適切に構造化して、行動目標を設定しなければなりません。ここに、個性的才能を引き出す性格診断の意義があるのです。 解決すべき問題は上記したような事柄ばかりとは限りません。絶体絶命の窮地や立ち往生もあります。このような場合は万難を排してでも行動目標に向かう強い情念を創り出す必要があります。(詳しくは ⇒ 『ローマンが絶体絶命の窮地から脱出することができた仕組み)』) 「難しいなぁ。失敗してもいいからとにかくやってみよう!」という態度は許されません。なぜなら、的外れの応対辞令は「感情傾向がマイナスになる ⇒ 聞く耳、見る目を持たなくなる」という状態に相手を追いやってしまいかねないからです。 数多くの歴史が示しているように、人を挑戦行動に駆り立てることほど難しいことはないのです。なぜなら、生兵法の採用は許されず、プロ中のプロの力量が必要だからです。
かくかくしかじかだからこういう球を投げた ⇒ 成否の原因が分かる ⇒ 臨機応変の成功方程式が頭の中に組み込まれる──、という図式が実現できていないからなのです。 上記の臨機応変の成功方程式を「人生史の作成・分析から引き出したい」と願うのであれば、作成した人生史に基づいて「なぜこの行動を採ったのか?」「行動はどういう結果を生み出したか?」「結果の背景には何があったのか?」を自問自答して、その結果を書き記さなければなりません。 積み重ねた行動が記述された人生史は貴重な調査結果を生み出してくれます。しかしながら、この調査結果をより価値あるものにするためには、どうしてなのかを推理する「分析的推理」、だからどういうことが言えるのかを推理する「合成的推理」が必要になるのです。(関連記事 ⇒ 『過去の歩み=貴重な調査結果 / 悩み事相談を終了して行動する際の心得』)
上記「六つの例」から浮かび上がってくる挑戦的人生を成功させるための教訓を要約すると、次の通りです。
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