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【斬新な着眼】


2006.10.7

→絶体絶命のピンチにどう対処すべきか?― 馴れ合い主義が無用状況におけるサバイバルのあり方を映画『交渉人』から学ぶ ―

物語のあらすじ

 所属する組織の上層部の陰謀により本人が全く知らない間に犯罪者にでっち上げられてしまった。状況証拠はほぼ完全に揃っている。したがって、組織のほぼ全体が濡れ衣を着せられた本人を白眼視しており、裁判になっても勝ち目がない。

 上記のような絶体絶命のピンチは別世界のことである…とのんびり構えていることが許されない時代になりました。なぜなら、ぬくぬくしていられる集団主義は崩壊し、しかも世の中は不確実性を増すだろうからです。

 このような事態に陥った時の対処の仕方、このような事態に陥らないようにするための日頃からの心がけ…をたっぷり洞察できるドラマが『交渉人』です。

〔第1幕〕シカゴ警察東地区の名交渉人であるダニー・ローマン (サミュエル・L・ジャクソン) は大胆不敵かつ知略に満ちた方法で人質救出に成功。祝賀パーティーの最中に同僚のネイサンから「警察の仲間が年金基金を横領。真犯人は不明だが、内部捜査局の局長であるテレンス・ニーバウム (J・Tウォルシュ) が深く関わっている」ことを聞かされた。

〔第2幕〕ネイサンからのポケットベルでの呼び出しを受けて指定場所に直行したローマンは車の中で射殺されているネイサンを発見。やって来た警官達に現行犯容疑で逮捕されてしまった。

〔第3幕〕捜査令状を持った警官達がローマンの自宅にやって来て家宅捜索。その結果、不思議なことに海外預金口座が発見され状況証拠が揃ったために、署内のほぼ全員から白眼視されることとなった。

〔第4幕〕「内部捜査局の調査が完了するまで」ということで停職処分を受けたローマンは告発人であり、かつ疑惑を背負っているニーバウムのオフィスに直行・詰問。もみ合いの挙句にニーバウムと女性助手、本部長補佐であるグラント・フロス警視正 (ロイ・リフキン)、居合わせたチンピラの4人を人質にとって篭城することとなった。

〔第5幕〕身動きが取れないローマンは時間をかけて平和解決をモットーとするシカゴ警察西地区の凄腕交渉人であるクリス・セイビアン(ケヴィン・スペイシー)の登用を要求。人質をとられている上に、「交渉人としか話をしない」と言い張るためにこの要求は実現。

 ローマンが「真犯人は同じ警察署内に隠れている。仲間が信用できない以上、信じられるのは他人であるお前だけだ」と言うのに対して、セイビアンは「私はお前が真犯人であろうとなかろうと関係ない。私の仕事は人質を無事救出するだけだ」と応え、それぞれの立場での孤独の闘いが始まった。

〔第6幕〕セイビアンは最初、ローマンを単なる「犯人」としてしか捉えていなかった。したがって、二人は電話口を通して息詰まる駆け引きを展開した。しかしながら、誠実で仕事熱心なセイビアンは無実を晴らそうとするローマンの真剣な姿を見て、少しずつ彼の無実を信じていくこととなった。

〔第7幕〕事の成り行きを見ていたニーバウムの女性助手はローマンを罠にかけたらしい自分の上司であるニーバウムが秘密ファイルをコンピューター内に隠し持っていると自ら進んで喋る。このファイルを開けるために、フロス警視正の解放と引き換えに止められていた電気を通してもらうこととなった。

〔第8幕〕秘密ファイルを見聞きしたローマンはセイビアンとだけ通話することを要求。故ネイサンの妻に会って事実確認をすることを依頼。証拠を掴みきれなかった二人はおおはったりを演じあうこととなったが、二人とも「確たる証拠が発見されていない」ことを認識するに至った。

 一連の行動の間にもローマン殺害のための突入が強行され、二人の警官が人質に加わることとなった。そして、セイビアンは署長から指揮権を入手することとなった。ところが、「ローマンが人質一人を殺害した」と信じ込ませるトリック劇が成功していたにもかかわらず、この指揮権は効果を発揮しなかった。なぜなら、生き証人のニーバウムが殺害されたからだ。

〔第9幕〕FBIが指揮権を掌握し、セイビアンを解任。突入が強行され、人質は全員救出。ローマンはセイビアンの力を借りて脱出に成功。証拠があるとされているニーバウムの自宅に直行。必死のコンピューター検索が行われた。そこへ真犯人であるフロス警視正並びに平の警官3人が到着。ローマンとセイビアンの命がけの駆け引きが開始された。

〔第10幕〕ローマンはアレン、ヘルマン、エージェントの三人に誘導尋問的な会話を展開する。セイビアンは本部長補佐のフロス警視正を罠に嵌める──こうすることにより二人はそれぞれ告白を引き出し、無線機経由で室外にいる署長達に聞かせた。その結果、真犯人達は全員逮捕され、ローマンの無実は証明された。


ローマンが絶体絶命の窮地から脱出することができた仕組み(図式)
 絶体絶命のピンチに陥っていた。にもかかわらず、「なんとしてでも無実を証明しよう!」「 なんとしてでも助かろう!」と思った ⇒ (時間稼ぎのために万難を排することができた + 強い信念に基づく真剣な態度を採り続け、接触している人の心を大きく揺さぶることができた) ⇒ 協力する立場にないが、自由に行動できる人物の全面的な協力を引き出すことができた。

 この世の中に生きていれば誰もが絶体絶命の窮地に陥ることがあることを覚悟しなければなりません。その時に参考になるのが人間関係創造が窮地脱出に結びつく上記の図式です。

 このように言うと、「ローマンのような人間だからできたのだ」と諦める人がいるかもしれません。この態度は正しいでしょうか? 「否」です。なぜなら、人間は誰しもが下記図式の“火事場の馬鹿力”を潜在的に持っているからです。

 「大変なことになってしまった」 ⇒ 「なんとかしなくてはならない」 ⇒ 「よしこれだ。なんとしてでもやり遂げよう!」と心の底から思い込む ⇒ 全神経が目標に向かって集中する ⇒ 通常であれば気がつかないことに気がつき、目標達成に向かって手足が自然に動く。

 難局に直面して“火事場の馬鹿力”を発揮した経験のある人であれば、上記の図式に納得されるのではないでしょうか? 問題はこのような“火事場の馬鹿力”を意図的に創り出せる秘訣があるかどうかです。なぜなら、難局が火事のような問題解決のための行動目標が容易に設定できるとは限らないからです。そうです。お気づきになられたようにワタナベ式問題解決へのアプローチこそがこの秘訣なのです。

 念を押したい大事なことがひとつあります。大事を成し遂げるためには、自分を挑戦行動に駆り立てる強い動機を持つ。これがそうです。(例 ⇒ 『燃えたぎるマグマのような挑戦精神が十分たまっていた』) ワタナベ式問題解決へのアプローチの適用はこの強い動機をも当事者に与えることができるのです。

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