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個性的才能を引き出す性格診断の勧め

第5部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─ (ノンフィクション編)

性格無知 + 環境様変わり ⇒ 順調だった人生の暗転…ということもある

ポジショニング手法の適用を怠った→新しい立場の覚悟が不十分になった→臨機応変力を再構築しなかった→政権を投げ出すに至った…となった安倍元首相

日本経済がエアーポケットの中をもがくのみとなっている背景に環境変化鈍感症がある
日本経済の深層
個人のパワー欠如は内需低迷にも結びついている
 ── 諸悪の根源「個人パワーの相対的劣化に目を向けよう! ──
日本が実質的な社会主義体制を採用し、コバンザメ体質が根づいた理由と影響

 2023年5月19日更新

新時代の担い手づくりに狙いを定めることが安倍元首相の大成を可能にする

日本経済がエアーポケットの中をもがくのみとなっている背景に環境変化鈍感症がある
── 日本経済の深層をしっかり認識しよう!さもないと、適切な対策を講じられない ──

「思考の三原則」(全体を見る/長い目で見る/根本的に考える)を適用できる偉大な素人 を勇気を持って中枢に登用しないことも日本没落の原因になっている

(節子) 日本経済は長いトンネルに入り、その先に明かりが見えない。「景気回復の兆し」と言っても国の借金効果にしか過ぎない。日本経済を例えて言うと、健康を著しく損なっていた人が暴漢から逃れるために全力疾走して息絶え絶えになってしまったようなもの。したがって、何もかも世界金融危機のせいにするのは間違いよね。

 貴方がいつも言うように、日本人の思考様式とそれが生み出す脳力が様変わりした環境に適応できなくなって久しい。このことをを深刻に受け止めなければならないと思う。

 1990年に1位だった国際競争力の順位が2008年には22位になり、その結果、世界に占めるGDPのシェアが1990年の14.3%から2008年の8.9%になってしまったことが何よりの証拠。この背景に日本のグローバル経済への立ち遅れがあるんじゃないかしら。というのは、世界に占める投資残高のシェアを国際比較すると、「(日本)1.3%、(アメリカ)15.3%、(カナダ)2.1%、(イギリス)6.5%、(フランス)6.6%、(ドイツ)4.6%」となっているんだから。日本は世界第二の経済大国なのによ。

 だからなんでしょうね。インドの家電製品の6割は韓国製。韓国企業一社の利益は日本の家電業界全体の3倍となっていると言われるのは。・・・・・日本はもっと部品点数の多い製品分野に注力するしかないのかしら?


日本経済の深層
2017年7月6日のTwittter
「日本1.5、米国4.1、英国4.9、韓国17.8、中国75」は名目GDP倍率(30年間)。日本の惨状は悪循環「舵取り放棄→集団凝集→人材ミスマッチ陳腐な枠内思考新成長機会発掘困難→意欲喪失→…」故。意欲の源「自信」の秘訣を知ろう!
http://www.trijp.com/wsp/wsp2-1-1-3-2.shtml#CreativeResume-effect
(名目GDP倍率の極度の低さは国際競争力の急落「1990年には1位→2012年には27位」に結びつきました。日本人の所得が総じて減っているのは当然の帰結です。真犯人は日本のGDPは世界第3位(先進国の中では2位)。しかし、一人当たりでは26位」という数字に現れている低生産性です。生産性革命がなければ、泥沼状態の日本経済を救うことは不可能になるのです)

 こういう悲観的なデータがある一方において、「人材、社会資本/1人当たり、安全性」からなる国富は世界一とのこと。
マネジメント力の強化が急がれます。→民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている

(高哉) その考え方は通用しにくい。海外での発電所の受注合戦の結果が何よりの証拠だ。アラブ首長国連邦の原子力発電所は韓国企業が官民一体となっての努力があったこともあって「発電所ではなく電力を売る」という考え方で受注に成功。日本は中枢機能の不在は企業だけではなく国家レベルにもあることが原因して技術力世界一の東芝が下請け企業として使われることになった。

(節子)
旧態依然とした態度で「ものづくり大国」なんて言っていたら、日本は本当につぶれてしまうわね。日本は1998年から続いていたデフレ経済を輸出で辛うじて支えていた。ところが、世界同時不況が日本経済の外需依存体質を直撃して輸出が2007年の80兆円から2009年の50兆円に激減。この背景に輸出市場の変質があるんだから。

 日本がこうなってしまうのは『新時代が要求するブレークスルー発想を行わず「枠内思考」に留まってしまう日本のエリートの実態』にあることにつきるのかしら? 大事なことだから補足説明してくださらないかしら?


(高哉) 世の中の複雑化に伴い総合的創造的対策が必要になってきた。にもかかわらずそうなっていないことが次の七つの例が示すようなちぐはぐな現象(とんちんかんな政策)を生んでいる。このことも認識しなければならない。六つの例が示すように日本の社会にはちぐはぐなことが多い。この理由を考え抜けば、自ずと解答が見つかる。

(例1) 人口減に歯止めをかけるために国が乗り出している。その一方において、次の図式が放置されている。

 (離婚歴が戸籍に記載される ⇒ 結婚しにくい) + (産院の賛同があって初めて助産婦は開業できる + 少子化が進んだので助産婦と産院は競合するようになっている ⇒ 産院不足の切り札となる助産婦を増やすことができにくい) + 婚外子を認めない ⇒ 出生率向上に歯止めがかかる。

(例2) 高度福祉国家の実現、財政再建のために高齢者の自立に国は熱心にならなくてはならない。にもかかわらず、次の図式が放置されている。

  高齢者を尊重・尊敬する精神が希薄である ⇒ 需要側ではなく供給側のケアーの論理のみが優先されがちとなる ⇒ 高齢者の自助努力が阻止されがちとなる ⇒ このようなケアーを受けている高齢者の骨はもろくなり、回復が不可能となる ⇒ 欧米に比べて寝たきり率は3倍、施設は5倍になっている ⇒ 高齢者の不幸感はダントツ世界一となっている。(関連記事 ⇒ 『脳力のピークは80歳代だ!人生航路の適切な舵取りを可能にする方法は生涯現役人生の要諦でもある』)

(例3) JICAがラオスにおける発電所の可能性調査を徹底的に行った。にもかかわらず、日本は7つの発電所のひとつも受注できなかった。(中国が6、韓国が1)。こうなってしまった背景には次の図式の放置がある。

 国全体の中枢機能が不在でセクショナリズムの蔓延が放置されている ⇒ 最終成果を適切に想定することができにくくなる ⇒ 最終成果を得るための知恵を働かせることが困難になる。(関連記事 ⇒ 『東北新幹線「はやて」のずさんな事業計画等から考える』)

(例4) 1998年からデフレ経済になっている。にもかかわらず、習慣のロックがかかっているためか右肩上がりの経済成長を基調とする時代と同様に金融の引き締めは早いが緩和は後手後手になっていた。(このようなやり方ではデフレは更に深刻になるしかありません。グローバル経済時代に必要な脳力の向上に結びつく経済政策とそれを後押しする金融政策が必要なのです。金融政策単独で経済を健全化できる時代はとっくに終わっているのです)

(例5) アメリカは日本の製造業に追いつき、追い込むために博士号取得者を大量に輩出し、バイオテクノロジーやITが発展した。日本も対抗策として同様の政策を打ち出した。ところが、「国立大学の独立法人化 ⇒ 国立大学の経営合理化 ⇒ 助手の必要数急減」となり、いわゆるポスドク問題が発生した。

(例6) 閉塞状態を打破するためには知的アクロバットのようなメリハリのある思考力が必要になった。にもかかわらず、ナアナアを助長しがちな「和」を経営理念として相変わらず掲げる経営者が存在している。法・秩序が整備されていなかったが故に混乱していた世の中を治めるための聖徳太子の教えを相変わらず信奉していると思われても仕方がない。

(例7) 深刻な問題として受け止められている、大学入学後1ヵ月程度で約2割の新入生が退学する根本的原因は次の図式に陥っていることにある。

 (自分にとって適切で好きな道を知らない ⇒ 大学で勉強する動機づけが適切にできていない) + 気晴らしになる友達もできない ⇒ 不登校になってしまう。

 したがって、“危うい”学生と個人面談して悩みを聞いて性格と立場を見抜き、「こういう勉強をすることが適切で好きな道に入ることを可能にし友達の有無はさしたる問題にならないのだ」と得心できるようにすることがこの問題を解決する最善策。にもかかわらず、「異文化感受性のなさが友達を新たにつくるために必要な違いを認めることを困難にしているからだ」と言って表層的な対応策のみが採られている。

 (今就いている仕事の適切な動機づけが適切で好きな道に入ることの効用入手を可能にする。これと同じことが大学生にも言えるのです)


(節子) 世の中を幅広く学問することを軽視する風習が社会全体に蔓延している。その上、個の埋没が当たり前となっている。となると、市場を支配する新しいロジックに気づかなくなり、空転する努力が多くなるからかしら? 『民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている』にあることと本質的には同じことね。この状態を放置したままだと、末端の従業員は間違った舵取りの下で真面目に艪を漕ぐような状態になってしまう。(関連記事 ⇒ 『全体知欠如』)

資料:BSフジ『プライムニュース』(2010年3月8日)

 その場しのぎの習慣が様変わりした環境への適応を困難にし、閉塞状態を続けるしかない方々は次の故事を自分に置き換えて解釈してください。
 アルゼンチンの平原に住むインディオたちは、みずからが煽り立てた、侵入してきたスペイン人たちに対する憎悪と恐怖によって破滅に向かうことになった。一方、ビーグル号の航海はダーウィンを、生命の進化という画期的な概念に導いていった。(関連記事 ⇒ 『問題先送りの先には不幸が待ち受ける時代になりました潜在事象発掘力が創造的問題解決の鍵である花形企業超赤字化現象』)

苦境脱出に必要不可欠な挑戦精神が全般的に欠如している(成功路線を長続きさせる唯一の条件はイノベーションのロジック注入である)

 ここでちょっと分からないことがある。日本がデフレ経済になってしまったのは1998年から。だとすると、環境が様変わりしてから10年以上も経つ。にもかかわらず、環境変化に適応できないままなのはどうしてなのかしら? 「日本モデルが色濃く残っている ⇒ 人員整理が進みにくい ⇒ 過剰になった労働力などの稼働率維持が志向されざるを得ない」という図式になっていると理解されがちだけど、それでいいのかしら?

(高哉) その図式の背景にあることが問題なのだ。「終身雇用の下での年功序列式人事を我慢してきたのに今になって」ということもあるけど、根っこにあることの方が大きい。

  ライフスタイルを変えるためには「かくかくしかじかだからかくかくしかじかのライフスタイルを採用したのだ」というものが予めなければならない。ところが、横並びの結果として今のライフスタイルができあがったので、「様変わりした環境に合わせてライフスタイルを変えなさい」と言われても戸惑ってしまう。

 こういうことは企業経営にも当てはまる。超大型ヒット商品に長年に亘って安住してきた企業は様変わりした環境に適応しにくい。一方、新商品を開発し続けてきた企業は様変わりした環境に適応しやすい。

(節子) そうか。そういうこともあって『複雑な問題の核心を見抜くことができない実態』が『民間経済は中枢機能の麻痺が目立っている』『個人のパワーが大幅に不足している』を助長しているのね。だとすると、市場を支配するロジックが変わってもそれに適応できない日本企業が多いのは当たり前かもしれないわね。というのは、次の図式が長いこと通用していたんだから。

 工業化の限りない可能性があった ⇒ 円安・護送船団・含み益の3点セットが機能する時代が長く続いた ⇒ 日本モデルを前提とする共同体が健全に機能した ⇒ 過去の延長線上を歩むことで事足りる時代が長く続いた ⇒ 習慣のロックがかかってしまった。

 でも、「君子は豹変す」とならないのはどうしてなのかしら? 共同体は崩壊に向っているにもかかわらずよ。

(高哉)
予定調和だけを考えるので、せいぜい部分部分を関連付けるだけで全体を掴むことに終始ししがち。したがって、複雑な事象の本質を見抜き、斬新な着眼を入手するために必要不可欠な鋭い勘が養われない。納得できるまで試行錯誤する習慣があって初めて鋭い勘は培われるからね。・・・・・こうしたことが拍車をかけて予定調和にしがみつくことになる。その結果、次の図式が実現して老害発生の仕組みに陥ってしまうからだと思う。

 人間関係をウチとソトに明確に分ける人が圧倒的に多い + 護送船団という統治方式が採用された ⇒ 日本モデルが根付いた ⇒ 企業・個人間における社会横断的な臨機応変の取引を困難にした + 退職金・企業年金の面で決定的に不利になるためにタイアップに代わる転職が困難になった。

(節子) 人間関係をウチとソトに明確に分ける人が圧倒的に多い上に、護送船団という統治方式が採用された。このことが日本人の内向き体質を決定的なものにしてしまい、日本人をして世界を股にかけて活躍する意欲を殺いでしまった。タイのビジネス・パーソンの殆どはタイ語・英語・中国標準語を駆使できるというじゃない。こういう状態と日本人は縁遠くなってしまったのよね。

 
(関連記事 ⇒ 『日米のビジネス・パーソンの行動の際立った違い海外に店を構えながら日本の顧客しか相手にしなくなった』)

 外国語を駆使できなくても付加価値の高い仕事をするのであれば、通訳を使うという手があるわよね。どうしてそうならなかったのかしら? 語学よりもむしろ内向き体質の方が問題なんじゃないかしら? その背景に付加価値の低い仕事に甘んじるので、社外の人材と提携しようとする気にならず、その結果、ぬくぬくできる内向きの体質が続いているんじゃないかしら。

 国としてもそうなっていることがEPA発効済みか交渉段階にある国・地域の国際比較に現れている。2010年4月23日付け『朝日新聞』によると、次のようになっているのよ。

 米国はNAFTAや豪州、イスラエルなどを含む14ヶ国・地域、EUは27ヶ国・地域、インドは10ヶ国・地域。日本は交渉終了段階にある国・地域はなく発行済み11ヶ国・地域だけで、中国(8ヶ国・地域)に追い上げられている。(関連記事 ⇒ 『日本を復活させるためにはどうしたらよいのか? 本格的な共同市場に参加するのが一番である』)


日本人の保守性の弊害と理由
(高哉) 貴女の言うとおりだと思う。大多数の日本人は老害が発生する仕組みに陥っている場合が多いので、「新しいものの見方ができる ⇒ 自力路線に大きな限界を感じる ⇒ 他企業や社外の人材と積極的にタイアップする ⇒ 革新的な技術や事業の開発に成功する」という図式の実現ができにくいからね。外国企業との協力で取得する特許の割合が「日本3%、アメリカ12%」となっているそうだけど、これがひとつの証拠になるんじゃないかな。

 市場、産業基盤の成熟が進めば進むほどコンセプトにしても技術にしても大胆な複合融合が必要になるので、他企業や社外の人材との積極的タイアップは必要性が増すばかり。こういう認識を持って日本人の内向き体質を是正しないと大変なことになる。(関連記事 ⇒ 『斬新な着眼なくしては活路が開拓できにくい時代になった』)

日本が実質的な社会主義体制を採用し、コバンザメ体質が根づいた理由と影響
環境が様変わりしたことを肝に銘じなけれならない

  ( 2018年4月18日Twittter)  
環境様変わり「『先行きが比較的透明→問題先送りでOK→事後協力が得易い曖昧主義が好都合』→『先行き不透明進展→好機逸出&危機痛撃の可能性大→事後協力が得易い曖昧主義は不都合」に適応できていないのが政官財の指導層の実態。新時代の成功の鍵はピンポイント力なのだ。→http://www.trijp.com/heart4-3.shtml
  (2023年5月13日Twittter 
長期閉塞の原因は「安定枠組みしがみつき体質→ぬくぬくできる人間関係にしがみつき→進取の気性とは無縁→情報ゾーンの固定化・陳腐化→成行き任せ(積極的舵取りとは無縁化)人生→好機逸出→置いてけ堀」。小売業NO1を誇ったダイエーの創業者ですら例外ではなかったのだ。
  ( 2019年2月19日Twittter)  
安定枠組みに固執するのではなく戦略発想力を強化すべき時代到来。「軍事力の要は宇宙・サイバー利活力→5Gを巡る米中の勢力圏拡大競争→日本の発言力強化→唯々諾々の姿勢は愚」「SNSの普及→各人の社会的到達範囲が大拡大→伝統的人脈よりも発信力・求心力の方が大事」故だ。http://www.trijp.com/persona/6-1-5-1.shtml#fool-japanese

圧倒的大多数の日本人は進取の気性欠如症に罹っている

(節子) 先を読んでチャンスを掴んだり、ピンチに陥らないようにする努力をしない。「困るようなことになったら何とかしてくれるだろう、何とかなるだろう」ということで問題を先送りする人がひしめいている。これってよく言われる「日本は世界最大の社会主義国家」ということと関係するのかしら?

(高哉) 「環境変化にどう適応すべきか?」と言うと、「そんなことを考える人はいませんよ」という返事が返ってくる。 この返事は『政策が後手に廻った本当の理由』にあることを認識すると、仕方がないかもしれない。でも、うまくいかないことが続くと、「世の中がおかしくなった」と不平を言って、自分を変えようとしない。

  ( 2018年1月19日Twittter)  
イノベーションの理想「大企業から“命がけ”の脱藩or社内ベンチャー→なんとかしなくては…と思う→凄まじい学問力・発想力→よしこれだ…と思う起業目標の練上げ」が叶わないのは、大企業勤務故の悪しき習慣・真の資質欠如放置故。「提案書や企画書の作成指導」を熟読しよう!→http://www.trijp.com/approach/sfa03.3.shtml
  (2018年1月17日Twittter)  
正能茉優さん「大企業は超ムラ社会。新しいことは簡単には実現しない」の背景には「安定枠組みしがみつき→縄張り意識醸成→暗黙ルールへ→ルール違反者には嫌がらせ」も有。起業のVB丸投げは微小砒素混入食べ物の長期摂取と酷似。創造的衆知結集力を有する人物登用が不可欠。→http://www.trijp.com/index13.shtml#4-3
  (2018年1月18日Twittter)  
特許にしがみつく日本企業が多いのは「内と外の人間関係→外との共創経験不足→良質人材が集中している大企業間連携困難→真のオープンイノベーション困難」の所産。ここに、深層事象発掘Q&Aの達人登用を前提とする、正能茉優さんが提唱するイノベーターの“いけす”の意義有。→http://www.trijp.com/approach/watanabe-apply.shtml#kfs-of-watanabeshiki

 この実態を認識すると、「日本は世界最大の社会主義国家」と言われても仕方がない。というよりも「老害発生の仕組みにはまった国家」と言った方が適切かもしれない。こうなってしまった背景には、日本経済の復興を急ぐあまり東京裁判を受け入れて護送船団方式で国家を統治してきたことがあると僕は判断している。

国家運営も日本的集団主義の影響を強く受けている

(節子)
貴方は東京裁判のことで二つのことを言った。日本流の決定でなかったことが間違ったナショナリズム高揚に結びついたとする前々回の意見、悪しき結果を招いた体制を断罪し、「体制を革新したから許して欲しい」とすべきだったとする前回の意見がそうだけど。東京裁判の本質をもっと抉り出してくださらないかしら?

 そうでないと、「日本経済の復興を急ぐあまり東京裁判を受け入れて護送船団方式で国家を統治してきたことが日本を世界最大の社会主義国家にすることに結びついた」とする貴方の意見を飲み込むことができない。

(高哉) 「ルーズベルトが行った謀略の真偽は100年経ったらオープンにする」と言われていることが物語るようにアメリカのルーズベルト大統領が真珠湾攻撃を誘発したとする噂は否定できない。しかしながら、東京裁判が次の単純化した図式の実現に結びついたことも否定できない。

 (戦争を主導した体制を象徴的に断罪した ⇒ 日本は早々と国際社会に復帰できた) + アメリカは共産勢力の浸透を防ぐために日本をアジアのShow Windowにした ⇒ アメリカの日本保護政策をフォローの風として用いるかのように護送船団方式で日本を統治することになった ⇒ 日本は経済の高度成長時代を迎えることができた。


リスクマネジメント脳力ゼロ病が蔓延している。原発過酷事故は例外ではない

(節子) 日本が真珠湾攻撃をしたのは窮鼠が猫を噛むような状態だったんでしょ? 日本は単純化すると当時次のような図式になっていたんだから。

 (工業化着手の時期が早かったために日本の軍事力は中国を凌駕していた ⇒ 工業化の原料調達のためにも膨張した人口を養うためにも日本は中国を侵略することとなった ⇒ 日米の利害が衝突することになった ⇒ 米中合作とも言われているワシントン条約が締結されることになった) + 日本は石油のほとんどをアメリカに依存していた ⇒ アメリカは満州国を実質的に樹立した日本を締め出すために石油の対日供給をストップすることになった。

(高哉) アメリカは当時も民主主義国家。したがって、世論の味方がなければ、日本に戦争を仕掛けることはできない。ここに、「卑怯な日本排斥」という世論を創り出すために真珠湾攻撃を誘導したとする説が生まれる根拠があるんだ。

 でも、このことをあげつらうことは前にも言ったようにアダムとイブの時代にまでさかのぼるようなことになる。したがって、東京裁判の結果は受け止めるしかない。但し、次の図式が実現して大多数の日本人が世の中を支配する新しいロジックに適応できなくなってしまったことを忘れてはならない。

日本人一般の致命的欠点は生まれるべくして生まれている

 戦争を主導した体制を象徴的に断罪したので、日本は早々と国際社会に復帰できた(東京裁判効果)
+ アメリカは共産勢力の浸透を防ぐために日本をアジアのShow Windowにした(東西冷戦構造効果) + リバースエンジニアリング力を駆使して既にあるものに「カイゼン」を加えるといったような安定した枠組みの中でささやかな自由があることが最も快適である(日本人の特徴)

 ⇒ エスカレーターに乗るが如くに日本経済は成長できた ⇒ 「エスカレーター効果に賞味期限がない」と錯覚しているかのように詰め込み教育と所属組織への忠誠が一段と重視された ⇒ 圧倒的大多数の日本人は故・森嶋教授の嘆きにあるような実態になってしまった ⇒ 気づきにくいことに気づいたり、見えにくいことが見えることを可能にする鋭い直観回路の入手が進みようがなかった

 ⇒ 長引く閉塞状態脱出の決め手「知的アクロバット力」を培うことができなくなった ⇒ アメリカの外生変数重視主義と真逆の内生変数重視主義にしがみつくしかなくなった ⇒ 様変わりした環境への適応を可能にする臨機応変力の欠如が露呈されことになった ⇒ 何かあると国に頼るといったようなぶら下がり体質が一段と顕著になった ⇒ 閉塞状態の深刻化が他人事ではなくなってきている。(関連記事 ⇒ 『最終成果に配慮した全体思考力(全体知)の欠落潜在脳力が殆ど未活用』)

 (2018年4月17日Twittter)  
「異次元金融緩和→借金容易化→新成長機会発掘進展→東京五輪後の大不況回避」とならないのは「実質的社会主義体制の悪影響+財政破綻危機→国民の縮み思考→ジグソーパズル思考力&ヘリコプター的行動力の欠如→大型の隙間市場発掘困難」故。今必要なのはイノベーション力。→http://www.trijp.com/approach/sfa02-3.shtml#4
 (2018年4月24日Twittter)  
GDP年率0・5%増は「異次元金融緩和→(株と不動産投資活況→資産効果)+(円安→国際ゼロサムゲーム勝利)→企業収益増→限界企業にも恩恵→需要の前倒し」の所産。大企業は儲かっても内部留保姿勢が強く、担保力不足の中小企業は諦めムード。不可欠なのは新成長機会発掘力。→http://www.trijp.com/index12.shtml

「今は偶々うまくいっているにすぎないかも」と己を厳しく見直す姿勢がないと、繁栄は決して長続きしない

(節子) 最新の印刷機を他社に先駆けてドイツから輸入、高級美術印刷分野で圧倒的な地位を確立して慢心。他社の追随を受けて業績不振に喘ぎ、とうとう倒産してしまった。(高級美術印刷会社の誤算の論理

 この印刷会社と日本が同じ運命を辿らないようにするためには、貴方が得意とするポジショニング手法を国も企業も個人も急いで適用しなければならない。にもかかわらず、「規則、規則」とやかましく言う組織が増えているのはどうしてなのかしら?

(高哉) 共同体の崩壊傾向が顕著になった ⇒ 安定した枠組みの中でのささやかな自由が奪われる危険性をひしひし感じるようになった ⇒ 規則重視の風潮が組織に充満するようになった ⇒ 新しいものの見方を封じこめる風圧が生まれた──、という図式もあるんだと思う。

  (2017年4月24日Twittter)  
ソニン (歌手)が自滅寸前から「舞台女優に生きがい→内発的動機に基く意思決定→自信に満ちた人生」に転換できたのは、悪循環「精神的視野狭窄症→生きがいなき仕事に従事→指示待ち習慣→芳しくない成果→自信喪失程度悪化」から脱出できたからだ。
http://www.trijp.com/vision/3-2.shtml#humasn-misunderstand

 貴女が指摘したポジショニング手法を適用して癒着型の人脈依存は時代遅れになったことを認識しないと、世の中を支配する新しいロジックへの適応がますます困難になるだろうね。


(節子) 代替エネルギーの開発のためにアメリカではベンチャー・ビジネス、これを支えるベンチャー・キャピタルが殺到している。日本はほぼ正反対になっている。こういう状態になっているそうね。これも貴方が今言ったことに当てはまるのかしら? それとも、さっき私が言った「円安・護送船団・含み益の3点セット」の内、含み益が長引く不況で減り、これが日本の企業の元気を奪ってしまったということなのかしら?

(高哉) 企業の内部留保は230兆円あると言われている。したがって、含み益が長引く不況で減ったことが原因ではないと思う。過去の大型投資は円安・護送船団・含み益の3点セットのお陰でローリスク・ハイリターンであった。いいかえれば、イノベーションのロジックを注入してのものではなかった。

 したがって、大型の新成長機会へ挑戦を可能にする胆力と知恵の源である海馬・脳内シソーラス機能が鍛えられていない。こういうことが原因しているからじゃないかな。したがって、「過去の歩み + 斬新な着眼 ⇒ 躍進」を可能にする新創業プロジェクトの導入や各人(社)の潜在脳力の引出しを強く勧めたい。
さもないと、次の図式からの脱却が望めない。

 (横並びやぶら下り体質の日本人が圧倒的大多数を占める ⇒ 専門家を初め日本人に潜在しがちな致命的弱点の克服は困難である) + 新成長機会は深く潜在するようになった ⇒ デフレ脱却の決め手「新市場創出に結びつく新事業開発」が困難である。


先行きは不透明さを増す一方。舵取り力がないと、激変環境に呑込まれる

(節子) 貴方は「日本の前途は暗い」と言っているようだけど、2017年7~9月期のGDP年率1.4%増で7半期連続は16年ぶりとなっている。これをどう解釈したらいいのかしら?

(高哉) 地盤沈下し続けてきた日本経済が好調なアメリカ経済や震災復興・東京五輪の投資などが影響してリバウンドした結果、と理解する必要がある。日本経済は閉塞状態に陥ったままであることを認識しなければならない

(節子) 「日本の前途は暗い」は変らないのね。どうしてなのかしら?締めくくりとなるような分かり易い説明をしてくださらないかしら。

(高哉) 嫌な表現になるけど、 日本は大型のサメ類やカジキ類、ウミガメ、クジラなどに吸い付き、えさのおこぼれや寄生虫、排泄物を食べて暮らすコバンザメのような存在。運が良ければ、うまくいく。逆も真。「日本経済は閉塞状態に陥ったままであることを認識しなければならない」を熟読すれば、「日本の前途は暗い」は当り前だ。


  (2018年3月28日Twittter
日本病「第3次産業革命適応遅れで地盤大沈下→異次元金融緩和でもGDPギャップ存続→第4次産業革命乗遅れ懸念」の処方箋は「新成長機会発掘力強化に結びつく財政支出拡大(AI、IoT投資助成等)→規模の利益追及→限界企業消滅を伴う産業再編成」。救世主は創造的衆知結集力かも。→http://www.trijp.com/index13.shtml#4-3
  (2017年11月26日Twittter)  
核心を突く脳力を全国民渇望時代到来。衆院選結果「希望の民進吸収否定=中途半端否定」&日本経済の実態「真面目な国民性+新成長機会は深く潜在化→政府を含む多くのセクターは“コバンザメ”的行動に終始→経済は公共事業や米国経済等が牽引故。http://www.trijp.com/persona/6-1-5-1.shtml#fool-japanese
  (2018年1月16日Twittter)  
運命を自力で切り開けない小判鮫的体質を正す特効薬は深層事象発掘型Q&Aの繰返し。日本的集団主義の悪影響が「熟慮繰返しor弁証法的議論と無縁→ピンポイント力無縁→新成長機会発掘困難+二大政党制は夢のまた夢」に結びついている。Q&Aの達人の育成・登用を真剣に考えよう!→http://www.trijp.com/skype.shtml#takaya-needed

小さな変化だけではなく、大きな変化にも適応できる舵取り力でなければならない

2017年11月17日 のTwittter
先の大戦での日本軍惨敗原因「(創造的統合戦略力欠如→同意容易な戦術に注力)+(外生変数よりも内生変数優先の国民性→決定事項の変更困難→決定された戦術に執着)→臨機応変力欠如」は日本社会の随所に見られる。求められるのは合理的説得力。
http://www.trijp.com/chosaku/20040222.shtml#reformmethod-nichibei
2017年11月18日 のTwittter
先頭を走っていた日本の携帯電話が失速したのも臨機応変力欠如症「(日本的集団主義→柔かな個人主義→棲み分け文化)+(内向き姿勢→皆で渡れば怖くない)→NTTドコモはimode、KDDIはEZ等に固執→グローバルスタンダードから置いてけ堀」に起因。
http://www.trijp.com/warsoukatsu/index.shtml
2017年11月19日 のTwittter
企業経営の敵「臨機応変力欠如」の仕組みは「外生変数よりも内生変数優先の国民性+成行任せの習慣ロックイン→『いざとなれば何とかなる』へ→先見の明ある人物の警告を無視→積極的な舵取り無縁→様変わり環境に翻弄」。ポジショニングの意義有。
http://www.trijp.com/sinkuu/sinkuu-hyousi.shtml
2017年12月3日 のTwittter
愚痴「何をやっても給料が上がらない」の前に認識すべきは新環境「発想力欠如→AIとIoTにより淘汰/新成長機会発掘不可→倒産」。目指すべきは「横並び・マンネリ人生に決別→今の立場の適切で好きな道化→潜在事象発掘力強化→誇りある生涯現役」。
http://www.trijp.com/hp_digest-old.shtml#sukinasigoto-effect

アベノミクスへの注文
銀行への注文

個人のパワー欠如は内需低迷にも結びついている ── 諸悪の根源「個人パワーの相対的劣化に目を向けよう! ──(この記事は大分前に掲載したものですが、趣旨はは今でも十分に通用します。2021.12.2記

(節子) 世界同時不況が日本経済の外需依存体質を直撃して輸出が2007年の80兆円から2009年の50兆円に激減。この背景に輸出市場の変質がある。この放置は国民生活の破綻に結びつく。というのは、輸出の急減は所得減に、所得減は固定化されている支出を困難にするから。さりとて、変質した輸出市場への適応は急には無理。ここに、内需拡大の必要性がある。

 ということでエコポイントなどの緊急措置が採られることになったけど、線香花火のような効果しかなさそう。子供手当なんかは消費に直結しそうもない。大型の公共事業を行うための赤字国債の拡大にも財政破綻寸前のことを考えると、限界がある。どうしたらいいのかしら?

 健全な経済とは成長・競争・分配が正三角形の状態であることを指す。ところが、分配がおざなりにされすぎているので、日本経済はデフレが長引いている。こういうことを有名な経済学者が言っていたけど、労働分配率をぐいと引き上げれば日本経済は立ち直れるのかしら?


(高哉) そう簡単にはいかない。というのは、世界金融危機が勃発する前ですら日本経済には次の図式が実現されていたからだ。

 グローバル経済になった ⇒ 競争が激化した ⇒ コスト力強化のために非正規社員を大幅に増やすと共に開発途上国への工場移転を進めた ⇒ (労働分配率が低下した ⇒ デフレ経済になった) + (輸出が拡大した ⇒ 経済が辛うじて成長できていた)

(節子) 日本が実質的な社会主義国家になった理由と影響』にあるような状態を放置したまま労働分配率をぐいと引き上げるようなことをしたら日本経済は万事休すとなることがよく分った。でも、貴方のような例外的人物はともかくとして頑張りがいがあって初めて頑張れると思うの。

 ところが、日本はそうなっていない。よく言われる「日本は投資先としての魅力がない」なんかがそうでしょ? どうしてなのかしら? 「根本的問題が解明できれば解決策は自ずと見つかる」という貴方の教えを守って聞くんだけど。

(高哉) 日本人の保守性の弊害と理由』を思い出して欲しい。今の時代にこんな国民がひしめいている国に投資しようとする方がおかしい。このように言うと、「日本人は今も昔も同じ。にもかかわらず、日本は短期間で世界第二位の経済大国のなったのはどうしてなのか?」と疑問をぶつけてくる人が少なくないと思う。貴女のさっきの認識の補足説明をさせて貰うよ。日本モデルが通用しなくなった背景には次の図式があるんじゃないかな。

 工業化が限界に達した ⇒ 過去の延長線上に新成長機会を見出すことがほぼ不可能になった ⇒ 社会のクローズト・ループ性が高いのでゼロサム・ゲームが支配的になった ⇒ 既得権益者たちが“キャッチボール”をして自分たちを守ろうとするようになった ⇒ 社会全体が閉塞状態に陥った ⇒ 国民の活力が奪われた。

(節子) そういうこともあるでしょうけど、40%という日本の法人税の高さにも原因があるんじゃないかしら? 「成長力が殺がれたので世界のマネーが日本をバイパスするようになった」ということがよく言われるけど、この意見をパックアップするように「日本の法人税が高いことが成長力を殺ぐことに結びついた」と強く主張する超有名な経済学者がいるのよ。

(高哉) 日本の法人税が高いこともあって海外で得た利益が日本に還流されない。こういう事実があることは間違いない。問題はどうしてこうなってしまっているかだ。次の図式に陥っているからなんだ。

 日本は超長期間に亘って実質的な社会主義国家であった ⇒ 枠内思考にしがみつく ⇒ 日本経済はデフレ状態から抜け出すことができない ⇒ 税収が減る一方である ⇒ 法人税を引き下げることができない ⇒ 利益が日本に還流しない。
(枠内思考にしがみついている例 ⇒ 『超著名エコノミスト達は豊かな新成長機会が深く潜在していることに気づいていない』2013.3.22追記)

 かくして消費税の引き上げの正当性が謳われることになるわけだけど、悪循環の根源を正すことなく採用される政策は日本を本当に駄目にしてしまうことに気がつかなくてはならない。企業経営の世界だって経営センスのない経理責任者が企業を牛耳るようになると、企業は縮小均衡を続けていずれ市場から消えていってしまう例はいくらでもある。(関連記事 ⇒ 『
貨幣価値下落路線が待ち構える日本経済』)

(節子) 日本は超長期間に亘って実質的な社会主義国家であったことにメスを入れることが必要不可欠であることがよく分ったけど、こういう状態を前にして国の政治はどうあるべきなのかしら?

(高哉) 経営が不透明で欺瞞に満ちた企業であると、「全力を出して会社に貢献しよう!」とはなりにくい。同じことが国家運営についても言えるんじゃないかな。

(節子) 納得できる。となると、「議院内閣制である ⇒ 議員が内閣を任命する ⇒ 内閣が裁判官を任命する」という図式がある。その上、政治家の疑惑、国益と乖離した行政の実態が加わると、マイペース力がない国民は無気力になってしまうわね。(関連記事 ⇒ 『国民一人一人、ひいては日本の力強い再生はもやもや感の払拭から始まる』) ここに首相公選制の意義があるのかしら?

(高哉) 首相公選制が実施されても解決しない問題がある。マスコミがしっかりしないと、行政の実態を知る由のない国民は騙されてしまうからだ。日米安保条約にまつわるできごとがいい例だ。

 東西冷戦構造が必要性を生んだ極東の安全保障のために日米安保条約が締結された。これが1960年のこと。その後、東西冷戦構造が終結し、アメリカ一極集中となった。そこで、アメリカは世界平和秩序再構築の一環として日米同盟を「未来のための変革と再編」ということで変質させた。これが2005年のこと。しかし、ここで、国民を騙すことが行われた。テレビ報道で知った例を挙げよう。

 中東からの石油輸入のために日本が配備することになったシーレーン安全保障を目的とする哨戒機「P-3C」はアメリカの財政の肩代わりが目的であるにもかかわらず日米同盟に伴う日本に戦略がないこともあって「ロシア潜水艦のウォッチ」のためと国民に嘘をついた。マスコミが「情報収集には限界があった」と言うとすれば、そのような言いわけは通用しにくい。(関連記事 ⇒ 『緻密な仮説に基づく調査能力が最重要なビジネス能力になる』)


「問題先送り=“ゆで蛙”の運命」に気がつかなければならない

(節子) 日本の社会が前に進みにくい背景には『日本が実質的な社会主義国家になった理由と影響』にあるようなことがあることは理解したけど、個人の才能や努力ではどうにもならないことが日本の社会にはあることの方が大きいんじゃないかしら?

 アメリカでは非合法性の高いYouTubeは認められ雇用と富をもたらした。ところが、日本では合法性の高い
Winnyは排除され雇用と富をもたらすことができなかった。こういうことが例えばだけど言われているじゃないの。この背景には日米の統治方式の違いがあるそうね。

 やってはいけないものだけを予め明言する。後は市場に任せる。それで問題が起きたら最後は裁判で決着をつける。これがアメリカの統治方式。監視できないものは良かろうが悪かろうが最初から排除する。これが日本の統治方式。・・・・・日本はどうしてアメリカのような統治方式を採用できないのかしら?


(高哉) 圧倒的多数の日本人には「日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきた ⇒ 適切な判断力の源である、自立と創造力が乏しい ⇒ 日本モデルのような長い間効果があったことにしがみつく ⇒ 予知しなかったもの、変化をとことん嫌う」という図式ができあがっているからだ。

(節子) バブル崩壊後、日本人がますます内向きになってしまった理由がよく分った。共同体の崩壊傾向が顕著になってきたことが臨機応変力の欠如を露呈させてしまい、不安におののくばかりとなってしまい、貴方が今指摘した図式が一段と強固になってしまったからなのよね。 今議論したばかりの日本の統治方式があるので、臨機応変力の強化も単純にはいかない。

 こういうことをなくしてチャレンジを促進するために小泉改革が行われた。ところが、チャレンジを促進するのとは正反対に日本人からアニマル・スピリットを奪ってしまった。どうしてこんなことになってしまったのかしら?

(高哉) 前にも言ったように日本は世界一の社会主義国。したがって、大多数の日本人には人生・仕事の“波乗り”を可能にする知恵や胆力の源である脳内シソーラス機能・海馬ができあがっていないからだ。(関連記事 ⇒ 『適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入ることが生み出す効用』)

(節子)
だからと言って放置はできない。労働人口1人当たりの生産性を引き上げることは少子高齢化が進む日本にとっての至上命令。そういう意味で活躍の場が広がるグローバル経済は日本にとって神風のはず。ところが、逆になっているからよ。

 WTOへの参加が触媒になってサウジアラビア、カンボジア、中国などは目覚ましい発展を遂げた。一方において日本は自由貿易を推進しているにもかかわらずこれまでの議論で明らかにされたように日本モデルに引きづられている。

 その結果、「インド、韓国、中国に登場するようになった世界的大企業」も前に言ったように「ベンチャー・ビジネス」も生まれにくくなっている。しかも、前述したようにビジネス・パーソンの世界を股にかけて活躍できる力においてタイなどに遅れをとるようになってきている。

 このままだと、日本はワーキング・プアー大国になってしまいかねない。(関連記事 ⇒ 『世界経済の超バブル崩壊克服のために日本が採るべき決め手&働く人を取り囲む環境』) どうしたら日本人の変革を引き出すことができるのかしら?


(高哉) 需要の拡大が見込めるので、供給不足が予想される。しかも、日本の統治方式に抵触しない。その上、自分の良さが活かせるので、自己否定感に陥ることなく自己変革できる。こういう条件が充足できる新創業をすればいいことだ。

斬新な着眼の持ち主の力を借りて自分の人生を総括する。これが先行き不透明時代を生き抜くための要諦である(日本没落の対策)

(節子) 新創業は性格の乗りこなしを可能にするので、性格発衝動脅迫に支配されにくくなるという効果があるんでしょ。この新創業の必要性を読者に理解してもらうためには議論済みのルーズベルト大統領陰謀説を取り上げるのがいいと思う。というのはこの陰謀説が本当だとすると、感情の動物である人間に等しく待ち構える落とし穴の説明になると思うから。

 当時の日本は豊臣家の滅亡を決定づけた大阪冬の陣に突入してしまった淀君と秀頼とによく似ていると思うの。

 家康は豊臣家を滅亡させるための様々な陰謀を企画・実行した ⇒ 強硬派が豊臣側を支配することになった ⇒ 豊臣側の穏健派は完全に放逐されてしまった ⇒ 淀君と秀頼は強硬派を頼るしかなくなった ⇒ 二人とも性格発衝動強迫に支配されるようになった ⇒ 信じたいことを信じてしまう状態に陥ってしまった ⇒ 冷静さを失って暴走してしまった。

 このような状態になるのは当時の日本や淀君と秀頼だけでない。そういう意味で聞くんだけど、淀君と秀頼は本当はどうすべきだったのかしら? 性格発衝動脅迫に支配されないようにするために新創業が役立つことの説明をして欲しい。

(高哉) 三度目の覚醒剤吸引で実刑となった三田佳子の二男並びに政権を投げ出すに至った安倍元首相のことを知れば分かることだけど、次の図式を予め実現させておけばよかったのだと思う。

台無しの人生にならないための秘訣
 (新創業プロジェクトを通じて自分の人生史の総括をする ⇒ 自分の性格、性格が醸成した磨くに値する個性的才能、歴史的立場を認識する + 性格発衝動強迫が薬にも毒にもなったことを認識する) + 先行きがどんどん不透明になることを認識する ⇒ 「チャンスを逸したりピンチに陥らないようにするために性格を乗りこなそう!」と思う ⇒ マンネリズムから脱却できる

 ⇒ 臨機応変に行動するための脳力補完の必要性を感じる ⇒ 適切な参謀を登用する。(関連記事 ⇒ 故・森嶋教授の嘆きの背景にある事情)

(節子) 淀君は大阪冬の陣に突入する前に当時随一の名参謀である直江兼続に助力を要請したけど、断られたじゃないの。これをどう解釈すればいいのかしら?

(高哉) 直江兼続は遠大な野心を抱いていた。いいかえれば、未来進行形の自己物語を胸の奥深くに秘めていたので、軽挙妄動とは程遠い人間だった。したがって、「時すでに遅し」「満を持して徳川と対決したい」と冷静に判断したんじゃないかな。

(節子) 「時すでに遅し」となってしまったのは、淀君の現実直視力が欠如していたので、大事に対してタイムリーな判断ができなくなっていたからよね。したがって、この淀君物語はチャンスを逸したりピンチに陥らないようにするための要諦は貴方が提起したさっきの図式を予め実現させておくことだったことを痛感させるわね。

(高哉) 淀君と秀頼が採るべきだったことは東京裁判後の日本人にも当てはまる面がある。東京裁判は日本に恩恵をもたらした。その一方において日本人の精神状態に暗い影を投げかけたことは否めない。このままの状態でグローバル経済の舞台に立ち、ストレスがたまるような状態になると、もやもや感が首をもたげてきて人生を台無しにする日本人が増えることが懸念される。精神状態が良くない時に性格発衝動強迫に悪く支配されることが多いからね。

(節子) 『日本が実質的な社会主義国家になった理由と影響』を踏まえて、大多数の日本人が次の図式にはまりやすくなっていることを心配しているのね。

 (その場しのぎの習慣が染みついている ⇒ 大きな環境変化に流されたり、飲み込まれやすい) + (アジア太平洋戦争が総括されていない ⇒ 心の中がもやもやしている) + 先行きがどんどん不透明になる + ⇒ 性格発衝動強迫の支配を受ける ⇒ 大きな環境変化に流されたり、飲み込まれたりする。

 貴方のような斬新な着眼の持ち主の力を借りて人生を総括すれば大丈夫なんでしょうけど、その気にならない人は惨めな人生を送るしかないのかしら? 憲法では基本的人権が保障されているのよ。

(高哉) 生存権は何よりも保障されなければならない。したがって、セーフティ・ネットは必要。しかし、セーフティ・ネットが充実しすぎると、怠け者が増えて国が駄目になる。怠け者になる気はなくても陳腐化しても実績があるものにしがみつく国民性は結果として怠け者になってしまうことに気をつけなければならない。

(節子) ここに人生史の総括を受けて適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入ることが生み出す効用を入手できるようにする必要性がある。こういうことね。そうすれば、怠け者ではなくやる気満々になるから。

 でも、中庸の挑戦機会がないと、やる気満々にはなりにくいんじゃないかしら? どうしたらこうなるのかしら?企業経営の現場で言うと、『成長分野に成功裡に進出する秘訣』にあるようなことができなければ駄目なんでしょうね。後発組や弱者の飛躍を可能にしてくれる大きな隙間市場は本当にあるのかしら?

(高哉) 過去の延長線上には新成長機会は存在しないので、多くの人が閉塞状態に陥っている。一方においてがらがらに空いている超高速道路のような状態があるのも事実。このことは枠外思考の達人を鐘や太鼓を叩いて捜し出して登用しなければならないことを意味する。

共創力活用を貫くことが枠外思考の達人登用に伴う不安の払拭に結びつく(日本没落の対策)

(節子)
ところが、そうはなりにくい。というのは次の図式がトラウマになって枠外思考の人物は警戒されやすいと思うから。

 関東軍がワシントン条約の趣旨に反発して本国の中枢機能を無視して満州事変を引き起こした ⇒ 日中戦争に突入した ⇒ アメリカと決定的な対立を招いた ⇒ 日本全体が大悲劇に巻き込まれた。

 護送船団の中心的存在である日本モデルが日本の社会にしっかり根付いたことが物語るように一定の枠組みの中でのささやかな自由が欲しい。これが貴方がさっき言ったように多くの日本人の実態。このことを踏まえてどうしたらいいのかしら?

(高哉)アジア太平洋戦争総括』を理解し、この内容を問題意識に用いて公開されている書物などを読んだり、聞いたりすることだ。そうすれば、諸悪の根源である「その場しのぎ」は「安定した枠組みの中でのささやかな自由があることが最も心地よい」という日本人の心情が生み出したものであることに気づき、枠外思考の達人登用の必要性痛感に結びつくはずだからだ。

(節子)アジア太平洋戦争総括』を理解していないことが「定年を過ぎている空幕長の田母神さんを解任する。いいかえれば、実質的に解雇する ⇒ 田母神論文という臭いものに蓋をする。いいかえれば、真相は解明されない ⇒ 国民のもやもや感は募るばかりとなる」という図式に結びついた。そして、こういうその場しのぎが自衛隊の存在を認めながら憲法には明記しない姑息なやり方に結びつき、これが自分のことしか考えない国民輩出の温床になっていることは理解できる。

 だから斬新な着眼の持ち主の力を借りての人生総括となることは理解できる。太宰治の例もあるし。でも、人生再構築プロジェクトの導入には心理的抵抗が残る人は多いと思う。というのは『複雑な事情が災いして円滑な第一歩が踏み出せない』にあるようなことがあるからよ。とはいうものの、マイペース力がないと国民は無気力になってしまうということもある。それに、新創業の心でやってくれるので、安心できる。でも、もうひと押しがないと踏み切れないんじゃないかしら?

(高哉) 「悩み事は自分で解決する。専門家の世話にはなりたくない」という人が心配しているのは主体性が失われることにあることが多い。そこで、新創業研究所のサービスは偉大な素人役を演じるための共創力活用が大前提になっていることを強調したい。斬新な着眼の持ち主の力を借りて人生を総括することは挑戦的人生に転じるために必要不可欠な自信を持つことに結びつくことも忘れないで欲しい。

 (関連記事 ⇒ 自信がなく読書嫌いであったにもかかわらず、明確な目標を持って勉強し続けるようになった人それぞれの人生は市場性のある特徴の宝庫であるの例1・2ギブ&テイクの度重なる転職が夢見ていた脳力獲得に結びついた具体例)

(節子)日本人の保守性の弊害と理由』並びに『日本が実質的な社会主義国家になった理由と影響』の対策にもなることを説明してくださらないかしら?

(高哉) エアーポケットの中にのほほんと収まっていることが許されなくなり、もがくような状態になってしまっている。これが二つの現象に共通していることだ。こういう状態に陥っていることを当事者が心の奥底から納得できて初めて「そういうこうことなのか。だったらこうしよう!」となることができる。これを最も効果的に実現できるポジショニング手法を僕自らが相談者に適用させて頂く。

(節子) 新商品がヒットするのは環境変化が生み出した顧客の問題解決に役立つから。新商品が売れなくなるのは新商品ヒットの背景にあった環境が変わったから。新しい環境は顧客に新しい問題を抱え込ませた。したがって、この問題解決に役立つ新商品を提供しなければならない。── ポジショニング手法を適用するということはこういう新商品開発の理屈と同じことになるのね。思考の三原則を適用する知恵者である貴方ならではの手法であることに気づかされ、すごく納得できる。

(高哉) 但し、「そういうことなのか。だったらこうしよう!」となり、粘り強い行動にするためにはひと工夫がいる。この工夫となるのが
相談者を適切で好きな道 = 閉塞無縁の道に誘導させて頂くことなんだ。

(節子) 人間関係をウチとソトに明確に分けることが生み出す「違いを認める力の欠如」が新しいものの見方を取り入れることを妨げ、このことが老害現象に、老害現象がエアーポケットの中でもがくのみの状態に結びついていると思う。適切で好きな道に入ることの効用がこのような由々しき状態の打開策になることを納得させてくださらないかしら?

(高哉) 適切で好きな道に入ることの効用を入手するための必要要件である『人生再構築プロジェクト』の導入は適職に就けるようになるだけではなく、社会横断的な人的交流の力が身につくことをも可能にする。具体的に言うと、次の図式が実現しやすくなる。

 臨機応変に行動するための脳力・能力補完の必要性を感じることができるようになる相手の性格と立場を見抜くことができるようになる異俗の人と積極的に付き合えるようになる 。

 適切で好きな道に入ること
は『日本全体の没落路線から抜け出す方法』や『グローバル経済を生き抜く要諦』に適うことになるのだ。

 以上の要約:環境変化に適応するための“波乗り力”は企業経営だけではなく人生や人間関係にも必要不可欠です。(参考資料 ⇒ 『生い立ちが醸成した秘めた才能を見抜く複雑時代における専門家の陥穽 悪循環の夫婦関係がフィードバック回路を奪った』)このことを詳しく説明したのが「日本経済がエアーポケットの中をもがくのみとなっている背景に環境変化鈍感症がある」です。

 「性格発衝動脅迫に支配されると、努力は水の泡となる」も忘れてはなりません。「後悔先に立たず」の状況に追い込まれてしまった「加藤宏一氏の乱」が好例です。 




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