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“視野狭窄症”現象が増えている実態

【斬新な着眼】



→企業は新創業プロジェクトの導入を、個人は未来進行形の自己物語の作成を急ごう──、日本の低迷は始まったばかり、これからいっそう深く沈みこんでいくであろう…と喝破する、作家・吉岡忍さんの小論から考える〈2003/7/11〉

 去る7月9日の朝日新聞 (夕刊) の4面に作家の吉岡忍さんが投稿した『自分以外はバカの時代』という文章が載っていました。ここ数ヶ月、各地を取材や講演のために毎週のように旅行した結果の感想ですが、日本の現状を見事に洞察した文章です。

 今日は「この小論の論理的整理の結果」、「指摘されている問題の原因の原因の解明」、「企業はどうすべきか?」、「ビジネス・パーソンはどうすべきか?」の四つについて説明します。

 (指摘されている問題の原因の原因の解明…というアプローチは極めて大事です。なぜなら、表面的な問題のみを弄り回すことは危険極まりないからです。 ⇒『有名な医者達に翻弄された少女の悲劇』)


この小論の補足・論理的整理の結果

伝統的な蛸壺型社会が進んでしまっている実態 (精神的視野狭窄症が増えている実態

日本の社会にあまねく二つの現象が生まれている。

(現象1) 不可解な犯罪の多発

(現象2) 「自分以外はバカ」現象の多発

 取引先や同僚はものわかりが悪い、とけなすビジネスマン/友だちや先輩後輩の失敗をあげつらう高校生たちのやりとり/ファミレスの窓際のテーブルに陣取って、幼稚園や学校をあしざまに言いつのる母親同士の会話/相手の言い分だけをこき下ろすだけのテレビの論客や政治家たち…。

 現象1・2はどうして発生しているのであろうか? 四つのことが原因して、横にいる他者を内側から理解できなくなっているからだ。

(原因1) 誰しも何かの専門家として学び、働き、生きているので、限りなく細分化した1分野に精通しているという自負を抱いている。

(原因2) グローバリゼーションと情報化が進展した ⇒ 世界中から自由にヒト・モノ・カネを集めることができるようになった ⇒ 競争が激しくなった ⇒ 支えあうことを可能にしてきた各種共同体が崩壊した ⇒ 人々がばらばらに暮らすようになった ⇒ 人々は“井の中の蛙”のようになってしまった──、という図式が実現している。

(原因3) 「大衆文化」を前向きにとらえた、敗戦直後に存在していた“共通の規範力”がなくなった + 大きな物語ではなく小さな物語の時代になった ⇒ 自己満足をとことん追求する傾向が強くなった ⇒ 社会統合の保持が困難になってしまった──、という図式に陥っている。

(原因4) 知識や情報が少ない時代には、世界の全体について語ることができた。ところが、思考力が鍛えられていないので、こういうことが不可能に近い状態になってしまった。(このことを象徴しているのが複雑化したために理解できなくなった世の中から目を逸らしていく気持ちを込めた『横向いてホイ』という歌です)

 上記の“視野狭窄症”現象の放置は由々しき事態に結びつきます。なぜなら、上記「原因1~4」の背景と影響を図式化すると、次の通りとなるからです。

 性格に振り回されっ放しである(性格を乗りこなすとは無縁である) ⇒ マンネリズムに陥る ⇒ 重大な盲点に気づかない ⇒ 潜在脳力の殆どが未活用な人生航路になる ⇒ 波乗り人生を可能にする臨機応変力が鍛えられない ⇒ 様変わりした環境に適応できないが故に人生が暗転してしまう。

 「波乗り人生を可能にする臨機応変力が鍛えられない ⇒ 様変わりした環境に適応できないが故に人生が暗転してしまう」の放置は決して許されません。なぜなら、先行き不透明度が増してきているからです。(対策 ⇒ 『殆ど未活用の潜在能力を引き出す秘訣』)
2022年11月21日追記



指摘されている問題の原因の原因の解明

 限りなく細分化した1分野に精通しているという自負心は大いに歓迎すべきです。なぜなら、
 
 強烈な問題意識を持つ ⇒ ジグソーパズル思考をして、独創的かつ魅力的な複合融合型の商品コンセプト並びにビジネス・モデルを開発する ⇒ 社会横断的な人的交流をして能力を補完する──、という図式の実現がこれからのあるべき姿だからです。
 
 特定の問題解決策を策定したい。こういう想いの下に、「知識・情報を幅広く収集する。と同時に自分の記憶を総動員する ⇒ 独自の主張を創り上げる ⇒ この主張の説明材料や構成要素として収集した知識・情報並びに総動員した記憶を使う」という一連の知的作業を行う。これが断章取義です。(詳細 ⇒『断章取義こそが情報活動の切り札である

 以上の説明から明らかなように、細分化した1分野への精通者は独創的かつ魅力的な複合融合型の商品コンセプト並びにビジネス・モデルの貴重な構成要素になるのです。(自負心に相応しい市場性のある特徴を持っているかどうか…の方が問題です)
 
 ところで、日本の社会は「強烈な問題意識を持つ ⇒ 断章取義をして、独創的かつ魅力的な複合融合型の商品コンセプト並びにビジネス・モデルを開発する ⇒ 社会横断的な人的交流をして能力を補完する」ことができるようになっているでしょうか? 「否」です。理由は次の通りです。

(理由1)
強烈な問題意識を持っている人は例外的存在だからである

 終身雇用制度や系列主義等からなる長期コミットメント体制の中にどっぷり浸かり続けてきた ⇒ 固定化された人間関係の中で生き続けて来た ⇒ 集団が同質化してしまい、異俗に対する免疫力が衰退している ⇒ 自己否定を避ける本能が浮上して、新しいものと断絶しまっている ⇒ マンネリズムに陥ってしまう。いいかえれば、感覚がすっかり麻痺してしまう──、という図式にはまりこんでいる人がほとんどなのです。 

 日本の伝統的社会にどっぷりつかり続けると、オートメーション工場の監視画面を終日監視しているような状態に陥ってしまいがちなのです。

(理由2) ジグソーパズル思考をして、独創的かつ魅力的な複合融合型の商品コンセプト並びにビジネス・モデルを開発できる人は例外的存在だからである

 蛸壺型社会が古代からずーっと続いてきた ⇒ 成員間の情緒的一体感が極めて重視されてきた ⇒ 横並び志向が染みついている ⇒ なんとなく物事が決まるので決断・決行の経験がないに等しい ⇒ 環境変化を活用するすべを知らない + 分析的推理・合成的推理を伴う議論の習慣は生まれようがなかった + 世の中を幅広く学問する必要性は皆無に等しかったという図式ができあがっているのです。

 日本の伝統的社会にどっぷりつかり続けると、思考力を働かせることなく過去の延長線上をひたすら歩むようになってしまうのです。(詳細 ⇒『悲惨な運命が待ち受けるファーブルの毛虫

 ケースバイケースに応じた社会横断的人的交流の必要性を認識できさえすれば、“共通の規範力”や“横並び志向力”のようなものがなくても、横にいる他者を内側から理解したり、つながっていくことができるのです。但し、立場や価値観を超えて相手を心の底から理解するためには、

 「人間は自分の言いたいことを表現しきれるものではない」「相手の発言の背景には凄いことが秘められている」という謙虚な姿勢を堅持し、発言の趣旨を見抜く。こういうことができるような努力が必要不可欠です。(あるべき努力の詳細  ⇒『概念拡大と論理化型の会話

(理由3) 社会横断的な人的交流をして能力を補完できる人は例外的存在だからである
 
 この理由3はどうしてできあがってしまったのでしょうか?二つの図式ができあがっているからなのです。 

横並び志向や実績主義が染みついている ⇒ 抽象概念理解力が潜在したままである ⇒ 他人の本質洞察力が潜在したままである ⇒ 他人を見抜き、能力補完したい…という事態が発生しにくい。

集団の中でぬくぬくと生きてきた ⇒ 個人的な信用の重要性を認識していないに等しい ⇒ 個人が自己責任を採る習慣がないに等しい。

 日本の伝統的社会にどっぷりつかり続けると、自由の身でありながら籠の中に閉じ込められているが如くに振舞う小鳥のようになってしまうのです。

 この“小鳥的な振る舞い”は自分の生活・仕事に直接関係しない事柄には無関心…という態度を、この態度が墓穴を掘ることに結びついていくことに気がつかなくてはなりません。

 情報化とグローバル化の進展は世界中の出来事がまわりまわって自分の生活・仕事に大きな影響を与えるようになってきていることを忘れてはならないのです。(具体例 ⇒『大変化に無策であったことが悲劇に発展した日本の製造業』)


企業はどうすべきか?

 上記の「指摘されている問題の原因の原因の解明」でお分かり頂けましたように、日本の社会が陥ってしまった状態には根深いものがあります。その意味で、吉岡忍氏が「日本の低迷は始まったばかり、これからいっそう深く沈みこんでいくであろう」は正鵠を得たものです。

 このことは企業にとってどういう意味を持つのでしょうか? 解明された原因の原因を踏まえた対策を適切に講じることのできる企業はぶっちぎりの繁栄を勝ち取ることができる…というべきでしょう。この適切な対策としてお勧めするのが、

 組織人全員が強烈な問題意識を持つ。組織人全員の断章取義力並びにやる気を抜本的に強化する。様変わりした環境に適応できる事業戦略並びにビジネス・モデルを開発する。斬新な着眼の下に過去の歩みを生かしきる──、こういう一連のことを可能にする特殊プロジェクトの速やかな導入です。(具体策 ⇒『全員参加型の新創業プロジェクト』)

 時間・経済的な余裕がない。コンセンサスが得られにくい等の理由により、上記のプロジェクト導入が困難な場合は組織単位あるいは個人が陥っている立ち往生状態からの脱出・躍進を組織的に支援する体制を整備することをお勧めします。(具体策 ⇒『社内ビジネス・クリニックの設営』)


ビジネス・パーソンはどうすべきか?

 上記「企業はどうすべきか?」で述べたことと同じことがビジネス・パーソンについても言えます。したがって、こういう事態を有利に活用しきりたいビジネス・パーソンには

 所属企業内で勉強会を重ねて同志を結集した上で、経営者を動かして全員参加型の新創業プロジェクトを導入する or 相応しく変革した企業に入社する or 自ら起業する…ということをお勧めします。

 但し、このような行動を採る前に自らを適切に変革しなければなりません。この変革の方法としては、

 適切な専門家の力を借りて、「自分の歴史分析を行う ⇒ 自己物語を発見する ⇒ 自分がしたいこと、自分の誇れる特徴が分かる ⇒ 問題意識を持って未来社会を展望する ⇒ 未来のできごとの自分にとっての意味づけができる」という図式を実現させることをお勧めします。

                   なぜなら、こういう状態になれば、

 「自分のしたいこと並びに課題が明確になる」、「臨機応変の成功のさせ方が分かる ⇒ 積極的行動を採ることができる」、「本当のプライドが生まれる ⇒ 負けじ魂が生まれる ⇒ “球際に強くなれる”」の三つの自動的入手が可能になるからです。(関連記事 ⇒ 『未来進行形の自己物語創造』)

 上記したことを肝に銘じて適切な行動を採るビジネス・パーソンの輩出が日本全体の没落路線から抜け出す方最善の方法であると確信しています。


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