病気に例えると分かりやすいかもしれません。風邪が一向に治らない場合は、対症療法を止めて総合診断を受けてから専門医の世話になるべきです。専門医の治療をいきなり受けることの危険性を具体例で説明しましょう。
中学生になって卓球部に入った少女がいました・・・・・・。首から背中にかけて激しい痛みに襲われ、睡眠不足も手伝って精神状態がおかしくなってしまいました。そこで、大学病院の整形外科で治療を受けました。ところが一向に良くならず、著名な精神科医に回されました。そして、「生い立ちから来る精神障害」という診断が下され、父親も「なるぼど」と納得しました。なぜなら、この少女は幼少の頃に母親と離別していたからです。
ところが、はかばかしくない状態が続きました。そこで、父親はこの娘を「天才的」という評判の針医に連れて行きました。すると、この針医は少女をやや時間をかけて凝視してから、「お嬢さん、目が悪いのではないですか。眼科に行きなさい」と宣告しました。
父親は半信半疑で眼科に連れて行き、視力検査を受けたところ、強度の遠視であることが判明。しかるべき処置をとることになりました。すると、急速に症状が良くなっていきました。(専門医師受難時代を示す他の例
⇒ 『安易に胃薬を与えて病状を悪化させる / 精神科医はうつ病の実態に対応できていない』)
日本の企業についても同じことが言えます。過去の延長線上を突っ走ることが明るい未来に結びつきにくくなったからです。(参考資料 ⇒ 『大変化に無策であったことが悲劇に発展した日本の製造業』)こういう場合はどうすべきなのでしょうか? 下記の  に結びつく適切な総合診断を受けることです。このことは個人にも当てはまります。
仕事熱心だし、勉強もよくしている。にもかかわらず、仕事関係での受けが芳しくない。こういうことの背景には、時代の変化に相応しく自分を再構築できていないことがしばしばあるからです。例えば、言語能力の重要性がクローズアップしてきている
(詳しくは ⇒ 『適切なコミュニケーション能力が所得増に結びつく理由』) ことに気づいていない等がそうです。
頑張っているにもかかわらず報われない。「これは」と思われる人から得た助言にしたがった行動を採っても事態は一向に改善されない。こういう場合に必要なのは、平均化社会にどっぷり漬かり続けることが醸成してしまった「人間の脳力には大きな差はない」「人間の脳力は青年期を過ぎると成長しない」という考えを捨て去ることです。(関連記事
⇒ 『性格に振り回されていることが自分の潜在能力の殆どを未活用にしている』)
下記に示すように時代遅れになっている有名人 (権威筋)が多いことを忘れてはなりません。 |
古き良き時代には必要がなかった鋭い直観回路に裏打ちされた「思考の三原則」(全体を見る/長い目で見る/根本的に考える)に基づくジグソーパズル思考力が欠落したまま有名人 (権威筋)になってしまった。そして、時代が変わり、脳力が陳腐化してしまったことが明らかになった。(関連記事 ⇒ 『エリートの知的能力は万能ではなくなった / 一人一人の“小宇宙”を理解した対策の必要性』)
時代遅れになってしまった有名人 (権威筋)の地位が安泰なのはどうしてなのでしょうか? 実績主義、人間関係優先主義に起因する癒着型人間関係が日本の社会に色濃く残っているからです。(関連記事 ⇒ 『日米のビジネス・パーソンの行動の際立った違い』) |