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(節子) 前回のアメリカのSouth West Airlineと日本のスカイネットアジア航空・スターフライヤーの比較はショックだった。アメリカの方は現実を直視してわくわくするような大きな隙間市場を創造している。その背景に知的アクロバットのような戦略発想がある。一方の日本は正反対。貧困な発想をして見向きされないから隙間になっているような市場を創造しようとしている。ところが、スターフライヤーの株主を調べたら凄いじゃないの。 東陶機器株式会社、株式会社安川電機、北九州エアターミナル株式会社、九州電力株式会社、日産自動車株式会社、新日本製鐵株式会社、西日本鉄道株式会社、第一交通産業株式会社、大和証券株式会社、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社、大和証券SMBCプリンシパルインベストメンツ株式会社、ITX株式会社、SBIブロードバンドキャピタル株式会社、株式会社ドリームインキュベータ、りそなキャピタル株式会社…。 有名なコンサルタントが経営している企業育成機関も関与している。それでいながらどうしてアメリカに較べて恥ずかしくなるような発想をするのかしら? (高哉) 規格型製品の大量生産・大量販売にとって好都合きわまりなかった次の図式が実現し、その影響が色濃く残っているからだと思う。 (日本的集団主義にどっぷり浸かっている ⇒ 「融通無碍が一番」という価値観が根づいている) + (模倣や「カイゼン」で事足りる時代が長く続いた ⇒ 経済合理性に反する枠外思考を抑制するために減点主義が社会全体に根づいた) ⇒ メリハリのある思考力は鍛えられようがなかった ⇒ 知的アクロバットは夢のまた夢の世界のことになった。 この図式で気づいたと思うけど、権力多重構造化が志向されるにあるようなことも影響している。したがって、日本人の伝統的な思考様式は遺伝子のようにがっちり根づいていると考えなければならない。だからといって、卑下する必要はまったくない。どうしてかと言うと、次の図式の素晴らしい財産があるからだ。 枠外思考が許されなかった + 過当競争社会であった + 「カイゼン」運動が根づいた ⇒ もっともっと…という体質がしっかり根づいている。
(節子) 貴方がよく言う「思考の三原則」(全体を見る/長い眼で見る/根本的に考える)の適用が適切な行動目標設定において必要不可欠な条件だということね。 帝政ロシアの崩壊は創造に必要な権威の失墜に結びつき、科学や芸術が花開いたと言うじゃない。日本も似たようなことになる可能性があるかもしれないと思うの。だって、長年続いた日本モデルが賞味期限が切れたということは権威の失墜と同じはずでしょ? 花開くだけの材料が日本にあるかどうかだけど、貴方はあらゆる技術要素が揃っている国は日本をおいて他にないってよく言っているじゃない。これが花開く材料になると思うの。後は揃っているあらゆる技術要素の臨機応変の組み合わせ力だけ。貴方が創ったフロー図「解決すべき問題を糧に用いてきた日本経済」のことを考えると、これも大丈夫のような気がするの。こんな考えでいいのかしら? (高哉) 貴女の言っていることは「世界一のプロジェクト・チームをその気になれば結成できる」という比喩に置き換えることができる。残された問題は結成されるプロジェクト・チーム全員がその気になるかどうかだと思う。さっき言った「もっともっと…という体質がしっかり根づいている」は潜在しているに過ぎないんだ。 こんなことを言うのは「超高速道路ががらがらに空いている状態にあるように世の中が複雑になっているので「全体を掴むことを諦めている ⇒ 知識人が世の中をリードできない」「自我が弱体化してしまったので過剰同調せざるを得なくなっている ⇒ 大衆はエネルギーを失っている」といったような状態に陥ってしまっているからなんだ。 (節子) でも、大丈夫じゃないかしら。貴方は「決断力を司っている感情に火を点ければいいんだ」といつも言っているじゃないの。 (高哉) そうなんだ。感情機能を司っている脳部分が切除されると、細部に延々とこだわっているばかりで決して行動しない。これは感情が決断力を司っていることを何よりも物語っている。── こういう脳科学の先端的知見が最近得られた。 したがって、感性・勇気・智恵が身につく形で個人のパワーアップ実現に結びつくワタナベ式問題解決へのアプローチに揺るぎない自信を持つようになっているんだ。 (節子) 今の説明を聞いても全面的に納得するわけにはいかない。日本の社会には「与えられた役割をしっかり遂行していさえすればよい」と思っている人の方が多いのよ。いいかえれば、環境変化に適応することの必要性を認識している人は殆どいないのよ。 こういう人達に向かって、ワタナベ式問題解決へのアプローチの効用を説明しても心に響かないと思うの。だからといって日本モデルの賞味期限が切れたからはにはこの状態を放置するわけにはいかない。どうしたらいいのかしら? (高哉) 下請け体質が染み付いてしまったのは強いられてきた環境の所為である。自分にも主体的に行動して成功した実績がある。市場性のある個性的才能が潜在している。──、この三つに気付くように人生史を分析することだよ。そうすれば、『心がスイッチ・オンとなったが故に努力継続力入手…となった具体例』のようなことが可能になる。この延長線上に『若々しい脳力復活 (若返り) の支援』があると思って欲しい。
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