この状態を受けて民主党政権は社会保障と税の一体改革に取り組んだのでしょうが、日本人がその場しのぎを続ける限り機能することは期待薄だったのです。
+ 工業化の余地が大なので経済のパイ拡大が容易であった ⇒ 国民のぶら下がり体質が醸成された ⇒ 「金利や市中資金量を操作するとこうなる・・・・・」といったような、経済全体を機械装置のように扱う経済政策が通用した。
+ (日本人の脳力の相対的劣化が日本経済の地盤沈下を招くに至った = 経済界の雇用力は衰退度を強めるに至った) ⇒ 年金受給の空白期発生&年金支給額の削減の度合いが進む一方となる情勢になった。
(供給が需要を上回るマクロ経済の体質が十数年来根づいている + 3・11ショックの復興・復旧需要がなくなる + 緊急措置「失業保険期間延長」の期限が来る ⇒ 内需縮小が進む) + 日本人の脳力の相対的劣化が日本経済の地盤沈下を招くに至った ⇒ 成長性豊かな国・地域への企業立地移転が進む) + 互助を可能にしてきた共同体が崩壊しつつある ⇒ “ゆで蛙病”患者は仕事を失い、生活難民になる。 ここに、一時しのぎであっても難民救済に結びつく社会保障と税の一体化改革を急ぐ必要性があります。しかしながら、この一体化改革はぶら下がり族の自助努力を抑止して“ゆで蛙病”放置に結びつく可能性が大です。なぜなら、実質的に採用されていた社会主義体制は新時代に相応しくない習慣が根付くことに結びついているからです。 しかも、日本の財政再建悪化に歯止めがかからない印象ができあがると、ヘッジファンドの餌食になり、大変なことになります。なぜなら、国債CDS (クレジット・デフォルト・スワップ) という仕組みが生み出されたので、次のような図式実現の危険性があるからです。 財政破綻の日が刻々と近づいている(国債金利は急上昇のエネルギーを秘めている) + 財政悪化に歯止めがかからない印象がヘッジファンドに与えられる ⇒ ヘッジファンドが国債CDSを大量に購入する ⇒ 国債金利が上昇する ⇒ 利鞘を狙って国債CDSが大量に売却される ⇒ 国債価格が急に下がる ⇒ 国債を持っている国民は慌てて国債を売却する ⇒ 国債担保力となっていた日本の流動資産が急減する ⇒ 国債価格が一時的にせよ大暴落する ⇒ 新たな国債の引き受け手が殆どなくなる + 金利水準が急騰する ⇒ 政府の資金繰りが窮状に陥る ⇒ 日本は事態打開のためにギリシャのように国際的な管理下に置かれ、日本全体が財政再建団体・夕張市のようになる。 こうならないためにどうしたらいいのでしょうか? 短・中期の対策を一体的に発動することです。さもなくば、日本は没落するしかありません。 ●短期的対策1 社会保障と税の一体改革を実現させて「財政悪化に歯止めをかける増税の見通しが立った」という印象をヘッジファンドに与える。しかし、この改革は日本の抜本的改革が進まない限り息切れしてしまいます。(関連記事 ⇒ 『論議が始まった、社会保障と税の一体改革には重大な盲点がある』) ●短期的対策2 民主党政権が当初掲げた政治主導を適切に復活させて中央官庁の全体思考(全体知)欠如が日本再生の妨げになっている状態を是正する。 ●短期的対策3 縦割り行政が経済効果を上げることの障害になっている問題を抽出して打開策を講じる。例えば、「(少子高齢化 ⇒ 幼稚園の稼働率約3割減 + 公的老人ホームの不足) + (社会情勢の変化 ⇒ 働きたい女性の増加 ⇒ 保育所の不足) ⇒ 幼稚園・保育所・老人ホームを一体化」という図式を念頭に置いて既存の幼稚園の建物を高層化し、引退した高齢者を保育係として活用する…等が考えられます。
開発力を有する本社機能がないことが企業の海外進出に伴って地方経済を突出する形で衰退させましたが、日本経済全体も世界経済の中にあってこの地方経済と似ているところがあるのです。この状態の打開は上記した中期的対策だけであると時間がかかりすぎます。ここに、日本人自身の改革の必要性があるのです。
+ 自由自在の人的交流が成長の限界打破に結びつくので、世界自由貿易体制の確立には歴史的必然性がある ⇒ 日本の農業・医療業などは近代化を急がないと存続しにくくなる。
ここで問題になるのは、ショック治療&市場拡大に結びつく、世界経済への広く、かつ深いコミットをどのようにして実現させるかです。
強力なライバルになった韓国はアメリカ・EUとFTAを締結することになった + 日本は対韓国とのFTAですら10年交渉しても妥結できない + (ASEAN + 日中韓…のアジア自由貿易圏がアメリカ抜きになることをアメリカは恐れている ⇒ アメリカは対抗措置として拡大TPPを掲げることとなった ⇒ FTAは対韓国が最後であることを公式に宣言した) + 中国は東シナ海・南シナ海の領海権死守を国是とすることとなった + (日本は憲法9条の縛りがある ⇒ 自国防衛はアメリカに頼る体質が醸成された ⇒ 領海・領空権を守る法律の不在や普天間問題などに見られるように自国防衛の当事者意欲が希薄である) ⇒ 中国の強硬外交路線はロシアをも刺激し日本領土剥奪の危険性が生まれる等の深刻な問題が発生している ⇒ 日米同盟関係強化の必要性が一段と増した ⇒ アメリカが強力に推進する拡大TPPに日本が参加することは必要不可欠になった。 日本のTPP参加は不可避なのです。しかし、日本はTPP参加交渉力強化のためにも万が一に備えるためにも中国が共同市場化に向けて主導しているASEAN+3(日中韓)を排除すべきではありません(危機に瀕している中国は超巨大プロジェクトを秘めていることを忘れてはならないのです。2013.8.24追記)。 こういう脈絡の下で野田首相の発言「日本の国益を踏まえてTPPに参加したい」を捉えるべきでしょう。いずれにせよ、日本の活路は自由貿易体制への参加です。ということは「日本再生策考察に当たっての要認識事項3」を踏まえた日本の新創業が唯一の進むべき道なのです。 TPP参加反対論は泥舟化した勤務先を脱出しようとして見つけた有望企業のあれこれを心配して転職をためらう姿と酷似していると言うべきでしょう。心配すべきは転職を大前提とする新創業のあり方です。TPP問題も同じことです。 この意見に対して「アメリカは経済の衰退が著しいので、米ドルは基軸通貨でなくなるかもしれない。こんなアメリカとの同盟関係強化をしても大丈夫だろうか?」という疑問を抱く向きがあるかもしれませんが、米ドルは当分は基軸通貨であり続けるでしょう。なぜなら、今回のユーロ危機は次の図式実現に向かう可能性が大だからです。 (ユーロが統一通貨になった ⇒ 弱い経済力の国・ギリシャは輸入を拡大できた + 強い経済力の国・ドイツは輸出を拡大できた ⇒ ユーロ圏内における経済不均衡が拡大した ⇒ ギリシャ危機が発生した ⇒ アジア共同市場の形成が共通通貨創出に直結できないことが分かった) + ギリシャはエネルギー資源のパイプラインの要衝であり、かつヨーロッパにおける再生エネルギーの中心的存在になる大きな可能性を秘めている + ドイツは原子力発電廃止に向けた舵を切ることになった ⇒ ドイツはギリシャを時間をかけて実質的に吸収する ⇒ ユーロ崩壊の歯止めがかかるにしても、ユーロの信頼性回復は容易ではない。 前述した「ショック治療&市場拡大に結びつく、世界経済への広く、かつ深いコミット」はTPP等の大型自由貿易圏への参加を基軸にして実現させる必要があるということになります。
このように言うと、「ブータンのような総幸福を追えることを可能にする循環型経済…という選択肢もあるのではないか」という意見もあり得るでしょうが、こういう政策は難民を多発しかねない状況に追い込むことに結びつきます。なぜなら、 日本は明治維新後に欧米列強に対抗するために人口急増に結びつく富国強兵策を採り、その結果、循環型経済を捨てた。したがって、人口の多い新興国の成長力を取り込むことで時間稼ぎをしつつ深く潜在するようになった新成長機会を積極的に発掘することが日本に残された唯一の道だからです IMF副専務理事は「これまでの経験から言って資本主義の要である市場は機能しません」と発言したことがありますが、こういう短絡的主張を丸呑みできる状態にはないのです。それに深刻な経済状況の打開は可能です。(関連記事 ⇒ 『好機と脅威に満ち溢れた時代になってきたことを認識しなければならない / 創造力注入を急ごう! / 社長力抜本的強化の秘策』) このように思考を巡らせることなく社会保障と税の一体改革を頼みの綱にすることは「日本は全体思考力の欠如に毒され放しのまま没落するしかない」と断ずるしかありません。この一体改革は一時しのぎ的な対策にしか過ぎないことを肝に銘じなければならないのです。・・・・・・それではどうすればいいのでしょうか。 三つを同時に進めることです。
適切で好きな道を歩む国民を輩出して日本人の脳力の相対的劣化が日本経済の地盤沈下を招くに至った状態がなくなるようにする。これが日本人自身の改革期待値です。
(自給自足時代が終わった ⇒ 物々交換などのために人的交流が盛んになった ⇒ 人々の優勝劣敗が明確になった ⇒ 圧倒的大多数の弱者をバックに国民国家ができた ⇒ 村落共同体が社会構造の中核になり日本的集団主義が根付き、これが実質的な社会主義体制に引き継がれた ⇒ 各組織に「和と共存」第一主義が根付いた ⇒ 弁証法はご法度同然となったこともあり、ナアナアに代表されるその場しのぎが殆どの日本人の思考・行動になった) +(世の中を支配する新しいロジックが次々と登場する時代になった ⇒ エアーポケットの中をもがくような現象が多発するようになり、日本経済は没落路線をひたすらむ歩むようになってしまった ⇒ 深く潜在する新成長機会を掴み取るための切り札「鋭い直観回路」入手が必要不可欠になった。 上記した3条件を受け入れて実現させる。これが日本再生の必要不可欠な条件になったのです。さもなくば、日本経済は没落するしかないでしょう。
経済は右肩上がりであった ⇒ 人口が増加基調であった ⇒ 日本モデルが健全に機能していた ⇒ 多数の現役が引退者を支える「胴上げ型の年金制度」が健全に機能していた──、という図式が通用しなくったからです。 少子高齢化が進んだ現在は約3人の現役が1人の引退者を支える「騎馬戦型の年金制度」になっています。そして、40年後は現状のままであると現役と引退者の割合いが約1対1の「肩車型」になることが予測されています。そして、財政破綻の日が刻々と近づいているのが日本経済の実態です。
となると、定年制を廃止して生涯現役のライフスタイルを目指せるような国家運営に転換しなければなりません。しかしながら、加齢に応じて脳力が低下する人材は雇用側としては歓迎できません。若者がのさばる時代になったことを考えると、加齢に応じて脳力が進化していくことが必要です。 ●「労働」から「喜働」への転換が必要不可欠になった 現役世代、特に若者は鬱病になり易くなってきました。なぜなら、次の図式がのしかかってきたからです。 日本経済が泥舟状態になっている + 世界的な経済不況と開発途上国の急ピッチの追い上げが同時に進行している ⇒ 雇用不安と所得増期待薄の下での労働強化が進む + 年金制度の[騎馬戦型」から「肩車型」へのシフトが進む + 破綻しかかってきた社会保障制度を支えるための増税必至となってきた ⇒ 将来の希望を持ちにくい中での重圧感を味わされることとなった。
⇒ 人材の大抜擢が容易になる (厳しい人材選別が行われる) ⇒ 高付加価値のインテルと低付加価値のパソコンメーカーの関係が他にも広く見られるようになる ⇒ 世界金融危機の根本的原因の除去が進む──、という図式が必ず実現に向かうからです。(関連記事 ⇒ 『発想力さえあれば、新成長機会はいくらでも発見できる』)
しかしながら、個人の改革には工夫が要ります。日本的集団主義の影響を受けてきたことに起因する次の図式に支配されている人が圧倒的に多いからです。 何事も横並びで突出した行動を採らない ⇒ 挑戦を可能にする胆力と知恵の源である海馬・脳内シソーラス機能が鍛えられない ⇒ 挑戦を回避し、挑戦したとしても“三日坊主”に終ってしまう ⇒ 性格発衝動脅迫を適切に引き出して心にスイッチが入るように誘導することなくして永続性のある挑戦行動を引き出すことができない。(関連記事 ⇒ 『複雑な事情が災いして円滑な第一歩が踏み出せない』) ここに、性格発衝動脅迫を適切に引き出し、かつ努力を継続できる力を与えてくれる適切で好きな道を歩むことの意義があります。(関連記事 ⇒ 『心がスイッチ・オンとなったが故に努力継続力入手…となった具体例』) 直観回路は鍛え続けなければなりません。いいかえれば、脳力はエンドレスなハイエンド化が必要です。さもなくば、製品・サービスのエンドレスなハイエンド化は壁にぶち当たるからです。「個人ではなく集団で」という考え方もあるでしょうが、個人がそうなることが必要です。新技術の開発成功者は特定の人物に集中している現実が何よりの証拠です。ここに、脳力のピークを80歳代に迎える人生航路の必要性があります。
なぜなら、日本統治機構の変革は巨大な潜在需要を揺り動かす如く次の図式実現に結びつくこと必至だからです。 中央集権から地方分権への転換を急ピッチで進める + 社会を幅広く横断する人的交流は万能薬のような効果がある ⇒ 全員参加型社会への転換が進む ⇒ 国民一人一人の自立と創造力強化が必要不可欠になる。(関連記事 ⇒ 『「問題先送り=“ゆで蛙”の運命」に気がつかなければならない / 世界経済の超バブル崩壊克服のために日本が採るべき決め手&働く人を取り囲む環境』) 名門校を出て一流企業に入り、和と共存の精神さえあれば、終身雇用の下でエスカレーターに乗ることができたような時代は完全に終りを遂げつつあるのです。
(IMFは財政危機に襲われたイタリアを支援する資金を持っていないことが明らかになった ⇒ イタリアよりも遥かに巨額の財政赤字を抱える日本はIMF管理下に置かれることはあり得ない)+日本の財政破綻は世界経済を大混乱させる ⇒ 日本を財政破綻に追い込み得るヘッジファンドによる国債CDSの売買に国際的合意の下で規制がかけらる。 となると、次の図式の実現は不可避となり、「容易には変わらない日本」は「ころっと変わる日本」になること必至です。 (政府は日銀に円増刷を命じる ⇒ 国費を賄うことができる ⇒ 財政は決して破綻しない ⇒ 日本はハイパーインフレーション、超円安に襲われる ⇒ 外国企業は“日本買い”を進めやすくなる) + 若者中心に居住地を東京から地方に移す傾向が出てきた + 日本は世界の成長ゾーン「アジア太平洋」の本社機能に相応しい条件を備えている ⇒ 東京の人口に占める外国人の割合が増え続ける ⇒ 日本統治機構の変革もあるので、伝統的なナアナア主義は殆ど通用しなくなる。
現貨幣には二大欠点「国の恣意的判断による発行が可能である ⇒ 資金はデフォルトの危険性が少ない公共投資に流れ、リスクを伴う民間投資は抑制される/外国為替や銀行経由送金が必要であるので、シームレスな経済活動には不向き」があります。このような脆弱性があっても価値下落不安がなければ、現通貨体制は盤石です。この盤石性は未来永劫続くのでしょうか?結論は「否」です。理由は二つあります。 「強引に経済を成長させようとして世界金融危機が発生。経済のメルトダウン回避のために異次元の金融緩和」は、現貨幣の信用不安に結びつきかねません。これが第一の理由です。偶然の結託「第4次産業革命とアメリカ一極集中時代終焉」は「世界のシームレス化を進めつつあり、現通貨の欠点「外国為替や銀行経由送金が必要なので、シームレスな経済活動には不向き」を浮上させている。これが第二の理由です。 こういう時にマスコミを賑すようになったのが「フェイスブックのリブラと中国のデジタル通貨の発行計画です。「現貨幣の二大欠点」「現通貨体制の盤石性に赤信号を点した二つの理由」を考えると、フェイスブックのリブラと中国のデジタル通貨の発行計画には歴史的必然性があります。 「現貨幣の二大欠点」「現通貨体制の盤石性に赤信号を点した二つの理由」はデジタル通貨の現通貨の代替手段化に結びつくことを意味します。これをどのように解釈すべきでしょうか。 デジタル通貨による現通貨の浸食は日本政府にとって福音です。国債増発の困難化は公共投資の困難化に結びつく。その上に、円価値が下落する(借金が実質的に減る)ので、累積赤字は“目の上のたんこぶ”ではなくなるからです。しかしながら、苦難の時代を迎える企業は少なくありません。弱者救済型公共支出が一段と困難になる上に、イノベーション力が欠如している限界企業の淘汰が進むことを覚悟しなければらないからです。 日本の歴史を振り返ってください。「ぶら下がり族は国の危機時には切り捨て」が常套手段であり、婉曲な切り捨て手段が講じられています。
「自立と創造力強化は待ったなし」です。(参考資料 ⇒ 『一石二鳥の対策「中枢機能の補強/未来開拓型人材の短期育成」として創造的衆知結集力ある人物の登用がある』)
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サーチュイン遺伝子の継続的活性化は心身に鞭打つだけでは駄目です。挑戦は成果が上がらなくては長続きせず、頓挫してしまうからです。どうすればいいのでしょうか?努力継続を可能にする「今の立場の適切で好きな道化」を実現させた上で、教訓「発想力さえあれば、新成長機会はいくらでも発見できる / 秘めた(潜在)事実・チャンス発見の秘訣 / 深く潜在している新成長機会の継続的発掘の秘訣」を身につけて実りある挑戦をすることです。
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