[TRI] Total Renovation Institute Clear GIF  過去の歩みを生かす再出発を可能にする新創業研究所
                  E-Mail: info@trijp.com
                  TEL: 04-7138-5421(代表)
         〒277-0886 柏市西柏台2-3-1 柏ハイライズ106


新創業研究所が掲載した数多くの有益コンテンツがGooleで第1位にランクされています

トップページ


【斬新な着眼】


 シリーズ「日本を復活させるためにはどうしたらよいのか? 本格的な共同市場に参加するしかない!」は2003年12月27日から2004年3月15日の間に掲載しました。以下のコンテンツは当時のままになっていることを念頭に置いてお読みください。

共同市場は文明の衝突回避に役立つ (2004/1/5号)

異文明の密着は衝突を招きやすい

 「人類は皆友だち」という標語がありながら、集団同士が反目しあうことがしばしばあるのはどうしてなのでしょうか?

 似た者同士は短時間で“ツーと言えばカーとなる”関係になれる。逆も真である + 集団形成本能がある ⇒ 似た者同志が群れる(似ない者同士は疎遠になる) ⇒ 似ない者同士は理解しあうことが困難になる──、という図式が人間社会には成立しがちだからです。

人間が独りでは生きていかれないのはなぜなのか?

 人間誰しも客観性のある判断基準(例:キャッチアップ等の生きる目標、敵・味方等の対人判断基準等)に基づいて過去・現在・未来の行動に辻褄合わせをしたがる ⇒ この辻褄合わせを容易にしてくれる理解者を求める──、という図式があるからなのです。

 時代の先を見抜いている ⇒ 普通の人に理解できない個性的な生き方をするようになる⇒ 普通の人から誤解や誹謗を受けがちとなる ⇒ 不愉快さを避けるために孤立の道を選ぶ──、という図式となっている孤高の人であっても、自分の理解者を求めていることにおいては変わりはないのです。

人間が似た者同士で仲間を形成したがるのはなぜなのか?

 生物学でいうところの「生存の拡大」並びに「恒常性の維持」の2大本能を満たすことができる。のみならず、お互いに心地よい存在になれるからです。

●「生存の拡大」本能が満たせるようになるのはなぜなのか? ── 似た者同士は以心伝心の関係に、以心伝心の関係はお互いに分身の関係に、分身の関係は一人一人の力を何人力の発揮に結びつくからなのです。

●「恒常性の維持」が満たせるようになるのはなぜなのか? ── 似た者同士はお互いの肯定に、お互いの肯定は紛争のエスカレートの抑止に結びつくからなのです。

●似た者同志がお互いに心地よい存在になるのはなぜなのか? ── 「理解しやすいからコミュニケーションが円滑になる」「相手にとってのメリットは自分のことのように喜べる」「相手にとってのデメリットは自分のことのように悲しい」 ── 似た者同士ですと、このような状態になりやすいからなのです。

 人間の偏狭さが直らない限り、文明の衝突を避けるためには地域主義を推進するしかないのです。 ── この文明の衝突の危険性は増しているのでしょうか? それとも減っているのでしょうか?

異文明の衝突が起こりやすい時代になった

 工業化に成功して国民全体の生活水準の引き上げに成功した国が近年になって沢山生まれたのはどうしてなのでしょうか? グローバリゼーションと情報化が同時に進展したからです。

 グローバリゼーションと情報化の同時進展は人類に良い影響だけをもたらすのでしょうか? 「否」です。なぜなら、

 「グローバリゼーションと情報化が同時に進展している ⇒ 一つ一つの事象に関わる人が急増している + 先進国の工業化が限界に達した ⇒ ほぼ一直線での成長が困難になった ⇒ 個性的な需要が続出しつつある」という図式が更に二つの図式を生み出すことに結びついています。

(図式1) 発生する事象の因果関係がどんどん複雑になっている ⇒ 先行きが不透明である ⇒ 不安である + 大きく窓が開かれ、関心を持つに至った世界は複雑すぎる ⇒ 単純思考をして生きる勇気を持ちたい。

(図式2) 工業化に成功して生活水準が向上した+人間はプライドの動物である ⇒ 成功原因を自らのオリジナリティに求めたい、という思いが強くなってきた。

 そして、「単純思考をして生きる勇気を持ちたい+成功原因を自らのオリジナリティに求めたい、という思いが強くなってきた⇒伝統的な価値基準への回帰傾向が強まりつつある」という図式に帰着するからなのです。

 似ない者同士は疎遠になる ⇒ 似ない者同志は理解しあえない──、という図式が一段と成立しやすい時代になりつつあるのです。

 このように申し上げますと、「同じ人間、話せば分かるはずである」という反論が寄せられるかもしれませんが、「この反論は甘い」と言うしかありません。なぜなら、

 優れた指導者はどんな相手でも理解できます。ところが、異文明理解力が大幅に不足している一般の人々はそうはいきません。自分は相手を理解できるが、相手は自分を理解できない、となってしまうのです。すると、優れた指導者であっても、

 普通の人々に異文化を理解させることができない + 普通の人々に支えられて政治基盤が成立している ⇒ 政治的立場が冷静な対話を困難にする──、という図式の下に置かれてしまうことになるのです。

 将来を展望すると、文明の衝突の危険性は増す一方なのです。ここに、世界ダントツのパワーを誇る米国の世界統治力への期待があるわけですが、果たしてどうなのでしょうか?

米国といえども世界の支配は至難の業である

(理由1) 米国は一般人の理解を超える独特の国是を持っている

 「米国ってどんな国?」という質問に明快に答える一番手っ取り早い方法は、「全員の同意が得られるまで徹底的な議論する陪審員制度」「犯罪捜査に協力すると刑を軽減する司法取引制度」 ── この二つの制度が採用されるに至った根本的原因を抉り出すことです。

●陪審員制度はどうして生まれたのか?

 日本は自然発生国家であるのに対して米国は人工国家である ⇒ 社会を構成する人々の絆は日本の場合は強い。一方、米国は弱い ⇒ 社会を構成する人々の合意は日本の場合はなし崩し方式で形成。一方、米国は事象の成り立ちを徹底的に解明する「要素還元主義」を採用する伝統が生まれた──、という図式があるものと思われます。

 米国の要素還元主義は「政党別に複数の人物が立候補して選挙戦を行う ⇒ 政党別に候補者を一人に絞り込む ⇒ 政党を代表する候補者が選挙戦を行う ⇒ 一人の大統領が選出される」という図式にも反映されています。

 但し、「要素還元主義」が万能であるわけではありません。時間とコストの制約がある場合があるからです。犯罪の取締り等がそうです。そこで、生まれたのが陪審員制度なのでしょう。

●司法取引制度はどうして生まれたのか?

 ここで注目しなければならないことがあります。同様な罪を犯したにもかかわらず、人によって課せられる刑の重さが違うのです。ここに、国際的に悪しき評判をとることとなった「ダブルスタンダード」の源流がありそうです。

 大量破壊兵器疑惑があり、国連の言うことを聞かないのはイラクだけではなく、イスラエルも同様である。にもかかわらず、イスラエルは不問に付し、イラクだけが軍事攻撃の対象になった。 ── これが米国のダブルスタンダードの典型的な例です。

(理由2) 米国はサウジアラビアの悪しき王政を支えている

 米国は軍隊を常駐させてサウジアラビアを守っています。にもかかわらず、9・11同時多発アタック事件の犯人19人の内、15人は同国人でした。どうしてなのでしょうか?

 サウジアラビアの民衆の同国王朝並びに米国に対する反感がエスカレートするしかない状態になっているからなのです。このようになっている背景には、

 同国の石油埋蔵量並びにその採掘コストの低さは世界ダントツである + 株主圧力のない国営企業が石油生産を行っているので、十分な生産余力を保持し続けることができる。いいかえれば、生産量を臨機応変に調整できる ⇒ 石油価格安定のためには親自由主義世界の政権維持が必要である

 ⇒ 世界ダントツの石油輸入国である米国は安全保障役を担ってきた + 同国々民の知的水準は低く抑えられてきた ⇒ サウジアラビア王朝は腐敗するに至った ⇒ 同国民衆のサウジアラビア王朝並びに米国に対する反感が高まることとなった ──、という図式があるのです。

(理由3) 米国は世界的な貧富の格差拡大を支えている

 1日2ドルで暮らしている人がこの10年間で1億人増えて、現在28億人に達していると言われています。先進国全体が極貧の人々の怨嗟の対象になってしかるべきです。ところが、「この地球上で貧富の格差を拡大し続けている犯人は米国である」という国際的な風評が確立されています。どうしてなのでしょうか?

 米国は貧富の格差拡大を奨励し、またその実態を具体的数字で示しており、しかも、世界経済は米国一国集中型になっているからです。この実態を米国は改めることができるでしょうか? 「否」です。なぜなら、米国には、

 貧富の格差拡大を奨励し、またその実態を具体的数字で示す ⇒ 不均衡の存続が可能になる ⇒ 経済成長の持続が可能になる ⇒ 自らは新産業を創出し、旧産業は他国に譲る、というビジネス・モデルが必要になる

 ⇒米国一極集中型の世界経済になる可能性が高まる ⇒ 市場原理追求を容易にするパイの拡大が可能になる ⇒ 人工国家の秩序維持が可能なる──、という図式が遺伝子のように組み込まれているからです。

 「一般人の理解を超える独特の国是を持っている」「サウジアラビアの悪しき王政を支えている」「世界的な貧富の格差拡大を支えている」── この三つの米国の特徴は現状においては致し方がないことなのです。

 いいかえれば、世界ダントツの国力・武力を持っており、しかも自由主義の旗手である米国であっても世界を支配することは至難の業となるしかないのです。だから、米国あるいは米国人を標的とするテロが後を絶たないのだ…と理解する必要があるのです。

 「米国はサウジアラビアの悪しき王政を支えている」「米国は世界的な貧富の格差拡大を支えている」の詳細説明 ⇒『9・11同時多発アタック事件発生の仕組み』)

 世界経済の統合を必要としていながらままならない米国はどうしたらよいのでしょうか?世界システムをどのように再構築したらよいのでしょうか?

米国は創造的な地域主義推進の必要性に迫られている

 イスラエルにテロを仕掛けるPLOのインティファーダはその気になれば、撲滅は可能です。なぜなら、この場合は領土紛争ですので、テロ参加者のほとんどはPLOの人々だけだからです。

 ところが、対米国人となると、そうはいきません。なぜなら、「あの米国人がイスラエルを支持している」ということで宗教・民族紛争の様相を呈してくる。こうなると、アラブ人・イスラム教徒の全員がテロ参加予備軍となりかねないからです。

 それでは米国は「君主危うきに近寄らず」とばかりに孤立主義に戻ることができるでしょうか? 「否」です。なぜなら、米国は、「米国は世界的な貧富の格差拡大を支えている」の箇所で説明した宿命的な図式がある上に、

 先進国の経済が成熟してしまった + 本格的なデフレ脱却策の構築・具現化には時間がかかる ⇒ 開発途上国の経済開発を進めるしかない ⇒ 異文明地域への経済進出が必要である──、という追加的な図式の下に置かれているからです。

 ところが、この図式は一触即発状態にある貧しい異文明国の国民を刺激して、米国内外での米国人に対するテロを伴いかねない。ところが、テロに対する直接的な対策は生産性向上に結びつかない投資を必要とする。── 米国は痛し痒しの状態に置かれがちなのです。

 米国はどうしたらよいのでしょうか? 発想の転換によるテロ対策を採るしかないのです。ここに世界的規模での地域主義推進の必然性があるのです。次号以降あるべき具体策について説明させて頂きます。

企業努力としてのデフレ脱却策(高付加価値経営実現策)の具体例を知りたい方は ⇒『デフレ経済の本当の原因と打開策』&『非価格競争力の抜本的強化支援

正論を吐くだけでは問題が解決しない時代になったことを肝に銘じよう!

 テレビドラマ『大友宗麟〜心の王国を求めて〜』(遠藤周作『王の挽歌(ばんか)』)の紹介文が朝日新聞の朝刊(2004.1.4付け)に載っていました。

 ・・・・・フランシスコ・ザビエルが宗麟に向かって「戦いは何の解決にもなりませぬ。憎しみの連鎖を生むのみでございます」という言葉は、今の世界情勢に向けられたものでもあろう。・・・・・

 上記の文章を読んで賛成の意を表しない人はほとんどいないでしょう。正論だからです。それではこの正論に基づいて問題が解決するでしょうか?

 領土拡張のため…といったようなことを目的とするような単純な動機に基づく戦争であれば、解決することでしょう。なぜなら、領土拡張のための戦争を禁止することによって迷惑を蒙るのは戦争をしかけた国だけだからです。

 しかしながら、戦争をしかけられた国の行動を野放しにすることによって多くの国が大きな迷惑を蒙るような複雑な動機に基づく戦争の場合はそうではありません。(複雑な動機の例 ⇒『米国といえども世界の支配は至難の業である』&『イラク戦争の深層(真相)

 事情が複雑に絡み合っているのは米国が主導的に引き起こしている国際問題だけではありません。様変わりした環境の下で先送りしてきた諸問題に悩まされている個人・企業・地方経済も同様です。

 様変わりした環境の下で先送りしてきた諸問題に悩まされている個人・企業・地方経済が正論だけを振りかざしている限りは立ち往生を続け、その内破滅の道を歩むことになることでしょう。

 破滅の道を歩みたくないのであれば、発想の転換による対策を講じなければなりません。米国が発想の転換によるテロ対策を講じなければならないのと同じことなのです。

発想の転換による対策とは何か? 時代はどんな手法を用いることを要求しているのか?…を知りたい方は ⇒『創造的統合戦略』&『今なぜワタナベ式が必要なのか?


前のページへ 目次 次のページへ


トップページ
(必見のコンテンツ紹介)

   ▲トップ