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日本の新しい進路を提言する
─ その場しのぎとの決別の勧め ─

第2部 日本再生の鍵は国民パワーのフル回転である

日本再生の近道は社長力抜本的強化である

2007.6.10(2007.6.16付記)

企業の未来像創出力強化を忘れてはならない

適切な経営ビジョンの不在が見苦しい敵対的買収劇を生み出した

(節子) とてつもなく有能な人材を社外から登用することにも結びつくプロジェクト・チーム中心の組織運営の良さはよくわかった。でも、「企業の長期目標を設定する ⇒ この長期目標実現策の一環としてプロジェクトを立ち上げる ⇒ 立ち上げたプロジェクトに相応しい人材を社内外から幅広く求める」という手順を踏むことを忘れてはならないわよね。

 こんなことをわざわざ言うのは、王子製紙が北越製紙の吸収合併を仕掛けて失敗に終わったことについての評論を聞いて、長期的展望に基づく経営をじっくり練らなかったことが王子製紙の失敗に、北越製紙の被標的化に結びいたような気がなんとなくするからなの。

(高哉) 貴女の直観は当たっている。どうしてかと言うと、王子製紙は日本人の本質に対する理解が大幅に不足していた。このことが失敗の根本的な原因のような気がするんだ。日本人は一般的に情緒一体感を大事にするので、時間をかけて自らを変えることなくして異変を受け入れることができないんだ。こういう心情に対する理解があれば、次の図式を実現させていたと思う。

 お互いに生き抜くための共同事業を行う ⇒ 両社共にメリットを享受しつつ相互理解が深まる ⇒ 合併の必要性についての納得を得る。

 北越製紙にだって問題がある。現実直視力があれば、次の図式をとっくに読めていたはずだからね。

 (デジタル革命が進展している ⇒ 紙の需要はジリ貧となる) + (従来型の紙であれば中国で十分生産できる ⇒ スケールメリットの点で中国の製紙企業には敵わない) ⇒ 北越製紙が従来路線を歩む限りジリ貧路線を歩まざるを得ない。

 上記の図式が早く分っていたら、じっくりと時間をかけた対策を練ることができ、吸収合併を仕掛けられて慌てることはなかったはず。販売網を生かした市場関連の事業多角化とか事業転換とか…色々な手はあるからね。

長期展望力がない企業は市場から消え去る時代になった

(節子) 目先の業績のことしか頭になく、「こういう企業にしたい」という発想がなかった。だから、両社共に長期展望力を持つことができなかったんだと思うの。これでは悪循環ね。だって、次の図式が想定されるもの。

 「こういう企業にしたい」という発想がない ⇒ 「こういう人材が欲しい」という発想が生まれない ⇒ 非価格競争力強化のための人材を確保できない ⇒ 目先の業績のことしか頭にない ⇒ 日本は先進国」と言っていられない時代が忍び寄ろうとしているにあるように急速に追いついてきている中国やインド等にいずれ太刀打ちできなくなる。

(高哉) 将来展望力のなさの付けは既に回ってきているよ。その典型は日本のお家芸であったはずの半導体業界。というのはこの業界には二つの図式が並行して進んでいるようなんだ。

横並びの経験しかないに等しい ⇒ 構想力・独創力が鍛えられていない ⇒ デザイン力で勝負するファブレス企業になるだけの自信がない ⇒ ファブレス企業として欧米の企業に大きく遅れをとることになっている。

先行きがどんどん不透明になっている ⇒ 横並び中心できたことに信を相手の腹中に置くことができない体質が加わって世界を股にかけた事業展開を行う大構想が生まれない ⇒ ウェハーの試作では世界一であっても投資段階になると腰が引けてしまう ⇒ スケール・メリットを追求しきれない ⇒ 設備投資が中途半端になり、韓国のサムソン等の後塵を拝することになっている。

 歴史は繰り返すで大変化に無策であったことが悲劇に発展した日本の製造業と似た現象が再び起きているんだ。

(節子) でも、日本の製造業は生き残り、相変わらずの「カイゼン」主義で業績を急回復させることに成功した。ということはお得意の融通無碍で大丈夫ということにならないかしら?

(高哉) これまでのやり方は通用しなくなるだろうね。経営のやり方が拙いが故に低収益、ひいては低株価に甘んじている企業を買収する度合いの顕著な増加が次の図式の下に実現する。これが第一の理由。

 先進国から巨額の資金を借り入れることによって初めて開発途上国の経済開発が可能であった時代は昔物語になってしまった ⇒ お金がだぶつく時代になった ⇒ 各国の政府機関は流動性が低くても高利回りが期待できる資産に外貨準備を振り向ける姿勢が顕著になってきた。

資料 : The Economist May 26th 2007

 産業基盤の成熟化並びに巨額の資金利用の可能性拡大は超複合融合的な製品・サービスの開発を可能にする。一方において、皆が隙間市場を狙っていると隙間市場はどんどん小さくなる。この二つは「カイゼン」的姿勢が通用する小さな隙間市場を発見・創造するやり方が通用しなくなることに結びつく。(詳しくは ⇒ 『ビジネス・チャンス発見の秘訣』) これが第二の理由。

事を有利に運ぶ準備をしたければ、社長は企業の10年後の姿を考え続けよう!

(節子) 聞いた話だけど、株式時価総額で日本電気と東芝の合計とほぼ同じになっている、超優良企業の自動車部品メーカーのデンソーは超長期経営ビジョンに基づいて従業員の能力を進化させ続けていることが大きいとのことよ。どうしたら企業は長期展望力を持つことができるようになるのかしら?

(高哉) 社長は社外から登用した創造的問題解決を得意とするコンサルタントをも使って次の図式を実現するようになる必要があるだろうね。

 自分が預かっている企業の10年後の姿を考え続ける ⇒ 従業員に中庸の挑戦機会を与え続ける ⇒ 問題が発生したらコンサルタント役を引き受ける ⇒ 企業の未来進行形の問題点を把握する ⇒ 自分が預かっている企業の10年後の姿を考え続ける・・・・。

平和と成長力を維持するためには戦後レジュームからの脱却は必要不可欠である

(節子) 社長が自分が預かっている企業の10年後の姿を考え続けることの重要性はよく分かった。その際に忘れてはならない大事なことのひとつに日本がどのような国になるかがある。その内容は本社を日本に置く限り企業の10年後の姿を考える際の重要な視点になると思うの。

 年金問題で霞んでしまったけど、安倍政権が掲げてきた戦後レジュームからの脱却のことを経営者は見過ごしてはならないんじゃないかしら?

(高哉) 「平和と経済成長の実現に貢献した戦後レジュームの何処に問題があるのか。安倍政権の言っているいることはいおかしい」という意見は間違いであることを先ず指摘しなければならない。どうしてかと言うと、四つの例が示すように環境が様変わりしたからだよ。

成長が見込める新しいサービス事業の開発が容易ではないために、必要不可欠な脱工業化の推進に不安が生じている。

今なぜ米軍基地再編成なのか ―地球の安全保障環境が一変したからだ―にあるように、安全保障のあり方が様変わりした。

世界経済の実態が示唆するように過剰な設備投資に支えられてきた中国経済の躍進が止まる ⇒ 拡大した所得格差と政府高官の汚職に対する国民の不満が爆発する ⇒ 共産党政権が危うくなる ⇒ 国民の不満を外に向けるために中国が近隣諸国との摩擦を恐れずに膨張政策を加速させる ⇒ 地域紛争に日本が巻き込まれる──、という図式実現が懸念される。

和と共存の謳い文句の下に個人の責任感を希薄にしている、集団もたれあい・隠蔽体質はマンション耐震偽装、社会保険庁が犯した膨大な数に上る年金記録漏れ…等の国民生活を脅かす不祥事を生み出した。

 この四つの例が示す環境の様変わりは日本がポジショニング手法の適用しなければならない歴史的転換期に来ていることを示していると断言できる。戦後レジュームからの脱却はこの脈絡の中で捉えなければならない。さもなくば、好ましくない日本人の現状からの脱却は困難になる。

 だからこそ、小泉政権下で合意された米軍基地再編成、安倍政権が実現させたり、させようとしている憲法改正のための国民投票法、安全保障に関する日豪共同宣言・日印包括同盟・集団的自衛権の解釈の見直しがある。

 この点はプラス評価できるけど、先ほど指摘した四つの例並びに日本人の現状の根本的原因は次の図式の所産であることに対する認識が不十分のように思える。

 日本的集団主義にどっぷり浸かり続けてきた ⇒ 性格に振り回されっぱなしの生活態度を助長してきた ⇒ 臨機応変力は鍛えられようがない ⇒ 様変わりした環境に適応できようがない。

 この状態から脱却し、躍進することを願って連載しているのが「第1部 日本再生の鍵は国民パワーのフル回転である」なんだよ。

人間の潜在能力を最大限引き出すことが必要不可欠になる

(節子) 安倍政権が目指している戦後レジュームからの脱却が必要不可欠であることはよく分かったけど、中央と地方社会間の増大している格差問題への取り組みも急がなければならないんじゃないかしら? どうしてかと言うと、この格差問題の背景には、貴方の受け売りだけど、次の図式が示しているように地方社会個々の努力の限界を超えているわよ。

 (均衡ある国土開発政策が採用された ⇒ 地方社会に工場が次々と誘致された ⇒ 経済活動のグローバル化対応のために中央に立地する本社機能が拡充された + 地方社会から農業等の地場産業の衰退と一緒に内発的開発力が姿を消した) + (工業化の限界とグローバリゼーションと情報化が同時に進展した ⇒ 地方社会から工場が消えた + 中央の脱工業化関連のビジネスが興隆した)

 ⇒ (地方社会にぶら下がり体質が根付くに至っている ⇒ 地方社会の産業が空洞化したままである ⇒ 地方社会の雇用力は見る影も無くなってしまった) + (中央経済は成り行きで発展している ⇒ 東京一極集中が更に進むに至っている)

(高哉) 急がば回れで世界経済が直面する問題と打開策について考え、そこから貴女の質問に対する回答を導き出したい。

 現在の世界経済を牽引しているのは、アメリカの大幅貿易赤字で中国経済の躍進を支えている構図。来年のアメリカ大統領選を控えてこの構図に暗雲が垂れ込め始めている。

(節子) これも貴方の受け売りだけど、アメリカの対中国貿易赤字が拡大した原因を図式化すると、次の通りなんでしょ?

 中国が世界の工場として台頭した ⇒ 日本、韓国、東南アジア諸国が設備や部品を中国に輸出するようになった ⇒ 中国が完成品を生産してアメリカに輸出するようになった。

 そうか、分かった。アメリカは中国に対米輸出を削減するための努力をさせるのではなく、自らの産業構造を更に高度化させて、日本、韓国、東南アジア諸国に新時代に相応しいサービスや製品の輸出拡大をすればいいのよね。

(高哉) ピンポン! 大当たりです。だからこその、米軍基地再編成は大きな果実を生む先行投資にあるようなことが必要になるんだ。アメリカから日本、韓国、東南アジア諸国に輸出するよりも日本を拠点にした方が何かと都合がいいからね。この脈絡の中に提起した東京超一極集中を前提とする日本列島の将来像を位置づけて欲しい。

 この構想の中に位置づけた新しいライフスタイルを推進するためには、コミュニケーション能力を抜本的に強化して時間軸と空間軸を超えたコミュニケーションを積極的に行う経営風土を創りあげることが必要になるだろうね。何でもかんでも「会わなくっちゃ」という習慣は時代遅れになることを肝に銘じなければならない。

(節子) それでは地方社会のぶら下がり体質は直らないんじゃないの。日本を魅力的にするためには特徴を持った地方社会が散在する必要があると思う。なんとかならないかしら?

(高哉) その点についてはとっくに提言ずみだよ。地方経済再生プロジェクト母産業都市機能を拡散させる大型事業の独創的構想例として提起した新・農業革命 ── の三つをもう一度読んで欲しい。

 チャンスはいくらでもある。但し、チャンスをものにするためには、「心の奥底からやる気が生まれる ⇒ 問題意識が旺盛になる ⇒ 見えないもの、聞こえないものが聞こえてくるようになる」「楽しみながら努力に努力を重ねることができる ⇒ 製品・サービスの際限のないハイエンド化が可能になる ⇒ 独自性の維持・強化が可能になる」という二つの図式実現が必要不可欠になることを忘れてはならない。

創造的問題解決策々定のための調査・構想の達人になる秘訣

(節子) 企業の未来像創出力強化の際に経営陣・従業員の個性的才能を引き出す性格診断を忘れてはならないということね。

(高哉) その通りだよ。そして、この個性的才能を引き出す性格診断の結果を個人ビジョンの開発に結びつければ文句なしとなる。というのは適切なビジョンを持った人物は適切なマイペース力を持つことができるようになるので、日本的集団主義にが染み付かせてしまった悪習からの脱却が可能になるからだ。

(節子) 個人ビジョンを持つことは私生活面では素晴らしいことだと思うけど、一人一人が勝手なことをしたら企業としてまとまりを欠くことになってしまうんじゃないかしら?

(高哉) そんなことを気にしていたら開発途上国から急ピッチで追い上げられている日本の企業の将来はないよ。大分前にこのホームページに掲載したコンテンツだけど、こうすれば組織と個人の利害一致が可能になるを是非読んで欲しい。


個人としても組織人としても危機意識をより強く持って頂きたいための補説


 病の症状が同時多発しているにもかかわらず対症療法に終始することは命取りになります。夜になると視力が衰える。傷が治りにくくなった…等を伴う糖尿病のような場合がそうです。

 賞味期限が切れて久しい日本的集団主義の影響に毒されたままのわが国は糖尿病的な状態に陥っています。にもかかわず、見識の低いマスコミに煽られて一億人が対症療法だけに走ろうとしています。この典型が年金問題を巡る狂想曲さながらの状態です。ずさん極まりない年金管理の原因はどこにあるのでしょうか?

 和と共存の謳い文句が日本の社会を支配し続けてきた ⇒ 個人責任の概念が極めて薄い文化が醸成された ⇒ 集団もたれあい・隠蔽体質が根づいた ⇒ 思考が停止した漂流状態の人々を輩出した──、という図式にあるのです。

 上記の図式を見て気づかれたことがあるでしょう。そうです。格差問題、教育問題、マンション耐震偽装事件…等も出所は同じなのです。

 日本的集団主義にどっぷり浸かり続けてきたために生まれた悪習・思考力低下から脱却するためにはどうすればよいでしょうか? 個性的才能を引き出す性格診断を受けた上で、未来進行形の自己物語を創造することです。

2007.6.16付記
日本社会の体質を踏まえて勝ち組の人生を送りたい人はどうすべきか?


 「消えた年金問題」のことで深い思考を要する二つの記事が2007.6.15付け『朝日新聞』に載っていました。

今回の問題は、自分の在任中を無難に過ごすため、見て見ぬふりをする役人的発想が招いたことだ。(小説『代行返上』の著者である作家の幸田真音さんの意見)

社会保障番号は、国家が国民の個人情報を集積する「国民総背番号制」につながるとの懸念から具体化してこなかった。(,安倍首相の発言「年金や医療の情報を一元的に管理する『社会保障番号』を早急に検討していかなければならない」に対して抱かれがちな懸念)

 この二つの記事は年金問題に留まらない日本社会の根深い体質を物語るものです。したがって、勝ち組の人生を送りたい人はその意味するところをしっかりと脳裏に刻みつける必要があります。

は何を意味するのか?

 自分の在任中を無難に過ごすため、見て見ぬふりをする役人的発想の根源は、「当事者意識の欠落」というよりもむしろ「問題が自然に解消する時代が生んだ習性」にあるのです。この背景には、圧倒的大多数の日本人がはまりこんでしまっている次の図式があります。

 日本は気が遠くなるほど長いこと世界のフロントランナーではなくキャッチアッパーであった + 四季の変化が明確な風土の下で育った日本人は自然流の生活態度を持つようになった ⇒ 「先走るのは損である。他所で行われる試行錯誤の結果を利用するのが一番である」という価値観が根づいた ⇒ 右肩上がりの経済成長が後押しして問題先送り体質が根づいた

 自分の在任中を無難に過ごすため、見て見ぬふりをするのは役人だけではないのです。山積する問題を抱えている社長、閉塞感に悩まされっ放しの人も同様です。

は何を意味するのか?

 上記の問題先送り体質は事を曖昧にしておくことに、事を曖昧にしておくことは不透明に結びつきます。だから、日本の社会は不透明なことだらけなのです。その上、日本の社会には序列意識が根づいています。不透明性と序列社会が合体するとどういうことになるのでしょうか?

 社員は職務だけではなく全人格を上司に、ひいては組織に委ねなければならない。こういうことになります。したがって、多くの日本人は本能的に指導的立場にある人に対して不信感を抱いています。これでは社会・組織の運営は不円滑になってしまい、社会は混乱してしまいます。そこで、採用されたのが終身雇用と年功序列制度なのです。経済が右肩上がりであったために、この制度は実に巧くいっていました。

の意味分析結果を踏まえてどうすべきか?

 経済の右肩上がり時代は終わりました。先行きはどんどん不透明になっていきます。したがって、過去の延長線上をひたすら歩むような生き方はできなくなってきました。しかしながら、「新しい酒は新しい皮袋に」という格言が実現できる指導層が日本の社会に登場するまではの背景にある日本社会の体質は払拭できないでしょう。勝ち組の人生を送りたい人はどうすべきでしょうか?

 問題の核心を突ける脳力よりも資格などの表層的の方を遥かに重視し、自分の運命を専門家はに丸投げする態度を捨て去り、自分で切り開き守らなくてはなりません。なぜなら、過去の延長線上を歩めばいい時代は過ぎ去り、権威筋は歴史的大転換期に道を誤りがちであるという事実もあるからです。
2018.1.2追記
 どうすれば、いいのでしょうか?個性的才能を引き出す性格診断を初めとする各人各様の潜在脳力を引き出す創造力注入サービスを受けることです。動画で説明してあるような創造力注入は苦い特効薬になる筈です。



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