ここで質問したいことがある。私達が用意しているサービスは王子製紙による北越製紙の買収失敗のようなドタバタ騒ぎの未然防止にも有効なのかしら? もしそうだとしたら、先の見えにくい日本にも希望が持てるような気がするの。
(高哉) 王子製紙と北越製紙は両社共に深い反省が必要だと思う。というのは、次のことが指摘できるからだ。
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日本人は情緒一体感をこよなく大事にするので、時間をかけて自らを変えることなくして異変を受け入れることができない。したがって、王子製紙は生き抜くための北越製紙との共同事業を先に行い、両社共にメリットを受けつつ相互理解を深めることを先行させるべきであった。
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北越製紙は「(デジタル革命が進行する ⇒ 紙の需要が減る) + 従来型の製紙であれば中国でも格安で十分やれる ⇒ 日本の製紙業界はジリ貧にならざるを得ない」という図式を読めなかったために慌てふためいて対応した。 |
(節子) 今の分析は示唆的ね。だって、個性的才能を引き出す性格診断を受けていれば、両社共に深い反省を必要とする事態に陥ることはなかったんだから。というのは、両社の経営幹部は次の図式にはまってしまっていたんだと思うから。
性格に振り回されていた ⇒ 深く考えることなく行動してきた ⇒ 行動がパターン化されてきた ⇒ 思考が硬直化してきた ⇒ マンネリズムに陥ることになってしまった ⇒ 現実直視力を失うことになってしまった ⇒ 環境変化に逸早く気づくことができなくなってしまっていた ⇒ 異変待ち受け的な行動が採れなくなってしまった。 |
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