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→人・組織の動かし方 ― 予測制御の応用〈1999/3/11〉 2013.3.8追記

 1999.2.26日、中小企業金融公庫の融資先企業の社長達に対して講演を行った。テーマは「ユーロ誕生と企業経営」。この中で、私は次のようなことを述べた。

 世界経済を円滑に運営するためには、通貨価値の安定は必要不可欠。そのためには、ユーロのような通貨統合や既存の世界の基軸通貨を自国の通貨にすることが必要。この必要性に応えるための障害となるのが「通貨発行権の放棄イコール国家主権の放棄」という考え方である。

 しかしながら、この障害が取り除かれるのは時間の問題である。なぜなら、ユーロランド諸国は通貨発行権を放棄したわけで、それが今後各国にどのような影響を及ぼすかが明らかになる。そして、部外者(国)は通貨発行権を放棄しても、「安心できる」、「こういうことを覚悟しなければならない」といったようなことが予め分かるようになるからである。これを「予測制御」効果といって、この考え方は幅広く応用できる。

 この「予測制御」という言葉は私の講演をお聞き下さった社長たちの関心を引いたらしく、「もっと詳しく説明して欲しい」というリクエストが相次いだ。そこで、私は次のような説明を行い、彼らに納得してもらった。

 「よーいどん」で走り出すとき、人間とは不思議なもので、事前に心拍数が増え、血管が拡大する。だから、全速力で走っても大丈夫なのだ。このようなことを「予測制御」と言い、ここから明らかなように、元々は医学用語なのだ。

 組織革新を全社あげて行おうとすると、多くの人は尻ごみしてしまう。未来の不確実性が怖いからだ。仮に尻ごみしなくても、予測しなかった事態が発生したりで、危険を伴う。ところが、組織の一部で革新を行うと、2つのプラスの効果を得ることができる。

 試行錯誤により組織革新のノウハウが蓄積できる。のみならず、他の組織の人々は「なんだおそれることはないや」、「こういうことを覚悟すれば良いのね」といっことが実現し、組織革新の地ならしができる。「予測制御」はこういったような応用も可能なのだ。

 昔、アメリカの石油会社はこの予測制御を巧みに使って、本社を遠隔地にそっくり移動することに成功した。この大移動作戦で一人の落伍者もでなかったのである。その秘訣は次の通り。移動先の本社や社員が住むであろう地域社会などでの仕事や生活ぶりが容易にイメージできるような、模型図とコンピューター・シミュレーション・モデルを全社員に公開したのだ。

 これによって、社員は移転前に、仕事や生活の色々な場面を想定、「こういう場合は、こうなる。だから、こうすればよい」といったようなことが予め分かり、「今の生活と変わらない。変わったとしても、大したことはない。大したことがあっても、こうすれば大丈夫」と思えるようになり、安心して、全員が新しい任地に赴くことができたのである。

 上記したような挑戦であれば、予測制御だけですむ。ところが、長引く閉塞状態から脱出するための挑戦の場合は予測制御だけではすまない。今の立場を適切で好きな道にして「努力継続力」を入手しておく必要がある。さもなくば、挑戦は長続きしなかったり、無理に挑戦し続けると、ストレスが溜まり、深刻な病に罹ることになるからだ。2013.3.8追記





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