[TRI] Total Renovation Institute 新創業研究所
E-Mail: info@trijp.com
TEL: 03-3773-6528 FAX: 03-3773-6082
〒143-0023 東京都大田区山王2-7-13 山王パレス407

トップページ | サイトマップ | 新創業研究所の特徴 | 未来進行形の自己物語創造 |
提案書や企画書作成の指導 | 正夢の創造を目指す「山王庵 |社長力抜本的強化の秘策
渡辺高哉の仕事 | 渡辺高哉はこんな人物 | 社内埋没資料から業績拡大策の創出 |
覆面OKのビッグチャンス認識 | 認知症不安が吹っ飛び、夢の青春がやってきます|
「負け組み」から「勝ち組」への転換支援 (個人のパワーアップ策) | 悩み解決者


日本の新しい進路を提言する
─ その場しのぎとの決別の勧め ─

第2部 日本再生の鍵は国民パワーのフル回転である

日本再生の近道は社長力抜本的強化である

2007.6.18

事業開発に失敗するのは戦略眼がないからだ

(節子) 新成長機会はふんだんにある。にもかかわらず、ベンチャー事業の成功事例が少ない。これって生意気な言い方になるけど経営の仕方に問題がありそうね。規制緩和を受けて乗り出した航空ベンチャーが良い例よ。スカイネットアジア航空がとんでもない大赤字を出したと思ったら、そうそうたる大企業が株主に名を連ねているスターフライヤーも同じ運命を辿りそうなんだから。

 マイカー利用が多い北九州はともかく、羽田を午前6時に出発する便や、逆に羽田に深夜到着する便はアクセスの点で東京の顧客に利用しにくかった。他の航空会社が福岡・羽田間の運賃を値下げし、価格競争に巻き込まれて経営がうまくいかない。 ── こういうことが新聞に載っていたけど、どれも予見が可能なものばかり。巨額の投資をするのにどうしてこんな初歩的なミスをするのかしら?

資料:2007.6.16付け『朝日新聞』

(高哉) 先発の大手航空会社と同じ路線で新規参入した。したがって、悪く言うと屁理屈をつけて独自性を出そうとした。このことに根本的な原因がある。参入障壁が予め組み込まれた大きな隙間市場を狙わなければうまくいきっこないよ。その点でアメリカ国内のSouth West Airlineの新規参入戦略は立派だった。次の図式を実現させて大成功を収めたんだ。

 (ヒューストン、ダラス、サン・アントニオには安い運賃の航空便がなかったので車が交通手段であった ⇒ 域内の移動に時間がかかっていた) + (世の中の変化が早くなった ⇒ ビジネス・スピードが重要になった)

 ⇒ (利用率が低いが故の低料金のミニ空港を利用し、かつ機内サービスを簡素化して低料金の地方航空を事業化した + スタンダードの航空機を利用したので、運行費用並びに乗務員の訓練コストを低く抑えることができた) ⇒ 利用客がどんどん増えた ⇒ 主要空港との相互乗り入れの客がどんどん増えた ⇒ 稼働率が急上昇した ⇒ 航空機等の固定投資の回転上昇によるコストダウンが実現して利益が急拡大した。

(節子) 日本の方は夢見るような気持ちで事業に乗り出したために現実を直視できなかった。一方のアメリカの方は沈着冷静であったために現実をしっかり直視した事業計画を創ってベンチャーに乗り出した。己と己を取り巻く環境をしっかり見たか見なかったか、いいかえれば、性格に振り回されるか性格を乗りこなすかの差が出た。こういう理解が必要ね。

 South West Airlineの場合は「主要空港との相互乗り入れの客がどんどん増えた ⇒ 航空機等の固定投資の回転上昇によるコストダウンが実現した ⇒ ライバルがこの市場に参入しにくくなる」となったからいいものの貴方がさっき言った参入障壁を予め組み込む考え方が必要だと思うの。 どうやったら実現できるかしら? ケチれば損をすることにならないように転ばぬ先の杖になるシミュレーション・サービスを利用をすればいいんでしょうけど…。

(高哉) カナダの航空機メーカー「Bombardier」のやり方が参考になると思う。この企業がヨーロッパのエアーバスやアメリカのボーイングというとてつもない強力な企業が存在する市場に乗り込んで成功できたのは、二つの図式が重なったために大きな隙間市場が生まれたからだ。

図式1 航空機が高コストであるために車に頼らざるを得ない地域が存在していた + (変化のスピードが速くなった ⇒ 移動の臨機応変性が至る所で必要になった) ⇒ ローカル航空路線の必要性が生まれた。

図式2 航空機の超音速でありながら低騒音、かつ巨大化等のハイエンド化の手抜きは市場からの撤退を意味する ⇒ エアーバスやボーイングはハイエンド化に専念せざるを得なかった ⇒ ローカル航空路線用の小型航空機を開発する余裕がなかった。

(節子) 技術の進歩が激しい方が先発の壁を崩しやすいからベンチャー事業はハイテク分野の方がいいんでしょう? 技術革新が招いたカラオケ・ビジネス興亡の歴史を見てそう思うんだけど、間違いかしら?

(高哉) 必ずしもそうではない。事業分野の選定は大事だけど、知恵の方がもっと大事だよ。次の二つの図表がその証拠になるんじゃないかな。

2007.2.5付け『日経ビジネス』の50頁 January 27th 2007『The Economist』の62頁

 「レストランは成熟しきった市場。したがって、大きな隙間が見つけにくい」と思いきやそうではない。後発の日本レストラン・システムは業界内にあってダントツの業績を誇っている。一方、製薬業界は研究開発集約型の産業であるので「さぞかし高付加価値を享受しているだろう」と思いきや株価低迷に悩まされているんだ。

 日本レストラン・システムの好業績の背景には「知恵の方がもっと大事だよ」と言ったことを裏づける事実があるんだ。この知恵の代表例として二つある。

異業態店舗のチェーンを展開している。

 この背景には、レストランは供給過剰であるので、市場が成熟化したが故に生まれる隙間市場に対応しなければならないという事情がある。

初期投資抑制よりも物流コスト引き下げのために郊外ではなく田園調布に物流センターを設置・運営している。

 この背景には、店舗は東横線沿線にほぼ集中しているので、物流コストを引き上げることに結びつく交通渋滞の川崎から都心に向かうという同業他社の真似をする必要がないという事情がある。

(節子) この日本レストラン・システムの成功物語を「性格に振り回されるか性格を乗りこなすかの差が出た」というさっきの私の発言と関連づけて説明してくれないかしら?

(高哉) テレビに出演していた日本レストラン・システムのオーナー経営者の話を一部始終聞いていて、この人物の経営行動は次の順序を一貫して採っていることに気づいた。

 得することに結びつくと直観すると臆することなく直ちに実行に移す ⇒ チャンスを逸早く掴み取る ⇒ 油断することなく牙城を守り、拡大する ⇒ 競争力強化に成功する。

(節子) この成功方程式がどうして性格と関係すると思ったのかしら?

(高哉) 好奇心が極めて旺盛である。変なプライドに囚われることなく儲けに徹する合理性がある。支配欲が旺盛である。── この止めようのない行動力学が成功方程式の背景にあるように思われたからだよ。各人各様の行動力学は各人各様の性格が生み出すものだからね。


ビジネス・クリニック


個性的才能を引き出す性格診断が必要不可欠になったのはなぜか?


←前ページへ 目次 →次ページへ


「個性的な意見を引き出し、創造的にまとめて難問を
解決したい」と願うのでしたら私共にお任せください。
衆知を生かして複雑問題を解決するための秘策



人気コンテンツの紹介
連絡・対話の方法、時間、費用等だけではなく
新創業研究所の特徴を効率よく把握できます。
新創業研究所のサービスご利用案内


▲トップ  → トップページ