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小泉首相並びに安倍次期首相はその場しのぎな日本の伝統的な指導者とは異なる姿勢を示してきました。この姿勢に対して厳しい批判が寄せられました。具体例を挙げ、批判が正しいのかどうかを見てみましょう。
小泉改革に対して民主党の小沢代表は「日本の内部崩壊は許さない」といったような発言をしています。この発言は正しいでしょうか? 小沢代表が言っている「内部」の概念規定をまず行います。色々な考え方があるでしょうが、ここでは自然の解釈である「内部 = 伝統的な社会構造(秩序)」として論を進めます。 「日本の伝統的な社会構造(秩序)崩壊は許さない」の是非を判断するためには、三つの環境激変の認識が必要です。
上記「三つの環境激変」に企業はどのように対応したらよいのでしょうか? ブレークスルー発想を得意とする人材をも含む異分野のアドホックなチーム運営(オープンリソース経営)を行うことではないでしょうか。(このような経営における成功の鍵 ⇒『衆知を生かして複雑問題を解決するための5留意事項』) 日本の産業界は今のままで上記したことを行えるのでしょうか? ほとんどが「否」でしょう。なぜなら、二つのことが指摘できるからです。
日本的集団主義は『悔いなき人生はどうしたら実現できるか?』並びに『日本の新しい進路を提言する』の既掲載分にあるように諸悪の根源です。小沢代表の「日本の伝統的な社会構造(秩序)崩壊は許さない」はこの日本的集団主義を是認することを意味します。 したがって、民主党・小沢代表の「日本の内部崩壊は許さない」は時代錯誤的な主張であると断定してもよいでしょう。 だからといって小泉改革に問題がなかったわけではありません。なぜなら、「内部崩壊 ⇒ 秩序不在 ⇒ 社会混乱」となっていることは否めないからです。ポスト小泉新政権は日本的集団主義からの脱却を進めつつ混乱を収める創意工夫を行わなければならないでしょう。(参考資料 ⇒『組織革新を円滑に行う方法』)
北朝鮮のミサイル発射事件に対して安倍次期首相が官房長官時代に採った言動はアジア太平洋戦争時における軍部の強硬姿勢を想起させたようで各方面から「危なっかしい」という声が発せられました。この批判の成否を判断するためには、2段階の情勢分析が必要です。 (第1段階の情勢分析) 強硬姿勢を採らなかったらどうなったか? 不安に駆られた国民の多くは「日本政府は弱腰である」と思い、「改革路線に疑念が生じる ⇒ 政府の言うことに従わなくなる ⇒ 日本的集団主義からの脱却は困難になる ⇒ 日本の再生は進まず、没落路線を歩む」という図式に嵌ってしまうでしょう。(脱日本的集団主義の重要性 ⇒ 『脱日本的集団主義推進が国債の魅力をアップさせる』 070804追記) それだけではありません。あの北朝鮮のミサイル発射実験に対する国連決議には至らず、日本の立場に対する国際社会の理解は得られなかったことでしょう。 他人の特殊な立場についてはタイムリーにして強硬な姿勢を採らないとなかなか理解が得られないのです。このことを分かりやすい例で説明してみましょう。 数多くの野良猫がうろついているマンションがあったとします。3階の住人が餌をあげ続けているのです。1階の住人は庭の糞や夜の泣き声等で大迷惑です。ところが、2階以上の人は実害がほとんどないので他人事同然です。こういう場合、どうすべきでしょうか?1階は困らないが2階以上の人が困る事態発生を捉えて強硬姿勢を試してみることが考えられます。 例えば、老朽化したエレベーターの取替えが必要になった時に「私達はエレベーターを使いませんので、費用は負担したくありません」ととりあえず反対する。そうすることによって、2階以上の人達は「事態の捉え方は立場によって異なるんだな。猫問題のことで1階の人達の気持ちも分かってやらなくてはならない」となる可能性が大なのです。北朝鮮問題についても同じことが言えるのではないでしょうか。 (第2段階の情勢分析) 日本単独で国際的な重大事を決断・決行できるか? 今の日本はアジア太平洋戦争に突入した当時とは大きな違いがあります。当時は日英同盟を破棄していました。今は、平和憲法がある上に、日米同盟が確立されています。したがって、上記の「危なっかしい」という批判は的外れなのです。 但し、日本としては覚悟しなければならないことがあります。北朝鮮のミサイル発射事件に対して安倍次期首相が官房長官時代に採った強行姿勢は日本が変わったことを世界に強く印象づけました。日本は下記の図式の下に置かれることでしょう。 (世界は外交上の日本の言動を戦略に基づいたものとして受け止める ⇒ 伝統的なその場しのぎ主義で事を処理することが許されなくなる ⇒ 日本はしっかりした外交戦略を創らなければならなくなる) + これまでの日本は外交・金融・通商等の政策が統合されていなかったために国益を損なうことがしばしばあった ⇒ 日本の統合戦略が創られるようになる (参考資料 ⇒ 『創造的統合戦略』) ⇒ 政策個々の成否の原因はこれまでのように曖昧にされることなく明確にされるようになる + (金融ビッグバン効果並びに小泉改革効果が浸透していく ⇒ 日本人を一元支配してきた日本モデルが名実共に崩壊する ⇒ 社会の様々な局面で幅広い選択肢が用意されるようになる ⇒ 自己責任が明確な社会に急ピッチで転換していく。 自己責任を追及するためには、自分の人生は自分で選択できるようになっていなければならないのです。いいかえれば、日本モデルで象徴されている国民の一元支配体制からの脱却が必要なのです。例えば、下記のように…。
日本人には深い思考を伴わないその場しのぎの習慣が染み付いています。したがって、難問が生じても問題を先送りにしたり、小手先的な対策をすませることがほとんどです。ところが、このやり方が通用しないことが多くなりました。(理由 ⇒『小手先的対策が通用しにくくなったのはなぜなのか?』) こういう場合は抜本的対策を講じなければなりません。 ところが、そうはならない場合がほとんどです。どうしてなのでしょうか? 下記の図式に嵌りこんでしまっているからなのです。 (行動力学化している自分の性格とその由来を識別しない生活を送るので、性格に振り回されがちとなる + 日本的集団主義にどっぷり浸かっているので、思考がルーティン化する ⇒ 良くなりたい。そのために努力したい…という人間本能が適切に作動しなくなる)+(先行きがどんどん不透明になる ⇒ 思い通りにいかなくなることが増える ⇒ ストレスが溜まる) ⇒ 深く考えることなく自動的に刺激に反応する度合いがひどくなる ⇒ 視野狭窄症や拘禁服着用症に罹りがちとなる。 低迷や没落路線を歩んでいる個人は例外なく上記の図式に嵌りこんでいるのです。どうすればよいのでしょうか? 上記の図式から理解されたように、「行動力学化している自分の性格とその由来を識別する ⇒ 良くなりたい。そのために努力したい…という人間本能を適切に作動させる」という図式を実現させることです。 ぬくぬくした生活しか経験したことのない人は闘う姿勢が要求されるのかもしれませんが、この姿勢は大きな成果を上げることに結びつくことでしょう。
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