第3-1部 |
個性的才能を引き出す性格診断はどんな効果を生み出すのか?(T) ― 人生再構築プロジェクトの提起 ― |
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悩みを寄せつけず、個性的才能を引き出すための処方箋を創る |
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プロフェッショナルになるかワーキング・プアーになるかしかなくなる |
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企業人の個性的才能を引き出す全力投球が日本経済の力強い再生を可能にする |
(節子) これまでの議論で「個性的才能を引き出す性格診断」が日本経済の再生に結びつくであろうことは分った。この気持を確信にまで高めたいために聞きたいんだけど、世界の中にあって下がり続けている日本人一人当たりのGDPはどのようにしたら上げることができるのかしら?
(高哉) 日本人一人当たりのGDPを引き上げるためには製品・サービスの高付加価値化が必要になる。このことに「個性的才能を引き出す性格診断」がどのように結びつくのかを考えればいいんじゃないかな。
(節子) 『成長が見込める新しいサービス事業の開発が容易ではない』にあることを念頭に置いて『母産業都市機能を拡散させる』にあるようなことを実現させる。こういうことかしら? この場合、日本の人口が減少に転じたことをどのように考えればいいのかしら?
人口が減少に転じたことは日本人一人当たりのGDPを引き上げることの直接的な妨げにはならないけど、内需の拡大には不利になり、このことが回りまわってサービス事業の発展を阻害するはず。したがって、この問題を考えておく必要があると思う。
(高哉) 任天堂の経営が参考になると思う。この会社はオートメーション化を梃子に用いて生産拠点を国内に集結させ、かつ事業の高付加価値化に成功しているんだ。
(節子) 任天堂の経営のやり方を応用しなさい。こういうことね。・・・・・「個性的才能を引き出す性格診断」を受ける人が増えれば、人口減がプラスになって次の図式が実現できる。
(人口の減少を神風にしてオートメーション化をとことん進めることを視野に入れる ⇒ 海外の生産拠点の見直しを行う) + (適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入る日本人の輩出を誘導する
⇒ 製品・サービスのハイエンド化が進む ⇒ 事業の高付加価値化が進む ⇒ 企業の業績が向上する ⇒ 雇用の拡大が可能になる) ⇒ 日本人一人当たりのGDPが増加に転じる。
こういうことかしら? だから、「日本人一人当たりのGDPを引き上げるためには製品・サービスの高付加価値化が必要になる」と冒頭に言ったのね。でも、分らないことがある。適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入ることは製品・サービスの開発力強化に結びつくでしょうけど、人事などの他の経営機能はどうなるのかしら?
(高哉) IBMの新しい経営のあり方の意味を考え抜けば、「なるほど」と思えるようになる。この会社は主要国に子会社を張り巡らせる世界企業であると言われて久しい。しかし、その実態は単なる集合体にしか過ぎなかった。ところが、このやり方を止めて次のようなGlobal
Integrated Companyに転換した。人事部門を例に用いて説明すると、次のようなやり方を採用しているようなんだ。
各国の別法人が人事業務を独立して遂行するのではなく、人事機能を一番得意とする国の法人が本部の役割を果たす。人事業務に一番秀でているのが仮に日本の法人であるとすると、日本の法人が人事本部機能を担う。そして、その他の国の別法人の人事支部と相談しながらグループ全体の人事業務を総括する。そうすることによって、
隔靴掻痒の感となるような人事は排除できる。それだけではない。「こういう場合はこうする。ああいう場合はああする」といった具合の人事全般のノウハウの蓄積とメンテナンスもできるようになるはずだ。
(節子) Global Integrated Company方式が軌道に乗れば、各経営機能は他社にとって垂涎の的となり、各機能別のコンサルティング・サービスを売ることができ、本業との凄い相乗効果が発揮できるようになるわね。IBMはこういうことを既に行っているようだけど、Global Integrated Company方式を軌道に乗せることにより、事業力の抜本的強化が可能になるんでしょうね。というのは、
全世界のIBMの全社員は適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入ることができるようになり、これを実績に人事コンサルタントして世界市場を席巻できるようになるんでしょうから。
(高哉) 人事本部のスタップが「個性的才能を引き出す性格診断」を適切に行うことができなければ、そうはならない。この診断を適切に行うことは適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入るための必要不可欠な要件だからね。
(節子) その通りだわね。さっき私が提起した一人当たりのGDPが増加に転じるための方策の話に戻すけどいいかしら? この方策が確実に効果を発揮するためには、貴方が提起した人事部門のスタッフの生き抜き策とのセットが必要になる。こういうことにもなるわね。このような人事革新は新たな経営環境を有利に乗り切るために必要不可欠であることを具体例で駄目押ししてくださらないかしら?
(高哉) 最近の日本外交の話題から思い浮かんだ話をしよう。ロシアが日本に急接近していることをテレビや新聞の報道で知っいると思うけど、なぜなのか? だからどういうことになるのか?…を考えればいいんじゃないかな。
(節子) ロシアはエネルギー資源超大国の立場を使って脅しをかけてヨーロッパとの関係がぎくしゃくした。世界金融危機を契機にヨーロッパ等からの対ロシア投資が急減した。こういうことが背景にあることは理解できる。しかし、その先はまったく分からない。
(高哉) ロシアはエネルギー資源超大国である一方においてモノづくり小国。日本はその正反対。したがって、その限りにおいては両国は切っても切れない関係を築くことができる。但し、ここで留意しなければならないことがある。ロシアが脅しをかけないようにする。このための対策の他にもうひとつ別の問題もあるんだ。
(節子) 日本の企業がロシアに進出してモノづくりをした場合、ノウハウがロシアに流出して「軒を貸して母屋を取られる」ようなことになってしまうことかしら?
アメリカと並ぶ宇宙衛星開発大国であることが示しているようにロシア人は極めて優秀だものね。
(高哉) そうなんだよ。日本が誇る民生部門での先端技術をロシア人は短期間で吸収してしまう可能性が高い。ここに、日本の企業が人事革新を急ぐ必要性がある。適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入る人材を輩出すれば、製品・サービスのエンドレスのハイエンド化が可能になり、日本の企業は鼻先リードを続けることができるようになるからね。
エンドレスのハイエンド化の説明のために用いた二つの例(海外旅行の添乗員 /人事スタッフ)のようなことは適切な方向で“好きこそものの上手なれ”の世界に入りさえすればいくらでも可能だからね。『適切なジグソーパズル思考力が永遠の成長を可能にする』を読めば、「まったくその通りだ」と思うようになるはずだよ。
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(先行きがどんどん不透明になっている + 個が埋没する時代が長く続いたので、個性を本当に受け止め理解できる人が殆どいない ⇒ 臨機応変力の必要性がかつてなかったほど高くなっている)
+ (降りかかってきた難問を受け止めて創造的に解決しようとしないその場しのぎの人生を送っている ⇒ 臨機応変力の強化が進みにくい) ⇒ 臨機応変力の欠如が露呈されるようになった ⇒ ピンチに陥ったり、チャンスを逸する度合いが極めて高くなっている ⇒ ストレスが溜まり続けたために一触即発の状態になっている。 |
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