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(節子) 加齢に応じた脳力・能力のアップがないことが年齢制限の壁に結びつく。いいかえれば、加齢に応じた脳力・能力のアップがある人は年齢制限の壁を乗り越えることができる。このことはよく分かった。でも、日本の社会には年功序列型人事システムが色濃く残っていることを考えると、中途採用の人にはハンディキャップがついて回るんじゃないかしら? (高哉) 就職先を適切に選べばそんなことはまったくない。高校を卒業してから主宰していたミュージック・バンドの運営費を稼ぐために牛丼の吉野家にアルバイトとしてもぐりこみ、社長に気に入られて正式に入社して社長の地位に上り詰めた安部修仁氏がいい例だよ。 (節子) それって過去の歩みがまったく生かせない形で方向転換しても大丈夫であるという模範例になるのかしら? もしそうであれば、単純作業しか経験していないフリーターには大変な朗報ね。それとも、ミュージシャンとしての経験が生かせたのかしら? (高哉) 猫の手でも借りたい。こういった深刻な人手不足の状態。そして、仕事をしながら必要な能力を身につけることが許される右肩上がりの成長が可能である。こういう条件が揃っていないと、過去の歩みが生かせないような人は中途採用されにくいし、採用されても成功しにくい。 安部修仁氏の場合は、意識していたかどうかは別としてミュージシャンとしての経験が牛丼屋経営に生かせたと言えそうだ。というのは、いずれも一定の枠の中で際限のないハイエンド化が可能であるので、ミュージシャンとしての試行錯誤経験は貴重な財産になるからだ。 (節子) それって性格にあった仕事に就いて、「もっともっと」というリズムを身体に染み付かせよう! という教訓になるわね。だって、性格に合わない仕事だと際限のないハイエンド化を追求する気持ちにならないもの。大学教授を定年で辞めてから才能が伸び続けているポスト小泉改革の重要課題で紹介されている数学者もそうでしょ。 個性的才能を引き出す性格診断を前提とする新創業の重要性がずしんと響いてくるわね。だって、人生史を斬新な着眼で眺めることが「どんなことに深い喜びを味わったか」「どんなことだったら長続きしたか」を豊かな市場性に結びつける形で見抜くことを可能にするから…。そうでしょ? (高哉) そうなんだよ。安部修仁氏の性格はミュージシャンにも牛丼屋経営にも向いている。高校のラグビー部時代から負けん気が強かったそうだ。いいかえれば、ハイエンド化追求力があったので尚更と言える。ところが、一定の枠の中で際限のないハイエンド化を追い求めることに喜びを感じる人だけではないからね。 (節子) 負けん気の強い人がどうしてミュージシャンから牛丼屋に転進したのかしら? 負けん気の強い人だったら経済的に苦しくてもミュージシャンとして大成するまで粘り抜くんじゃないかしら? (高哉) あくまでも想像だけど、次の図式が当時の安部修仁氏に働いていたのでやむ得なかったのではないかと思う。 ミュージシャンだけでは生活が成り立たなかった ⇒ 吉野家でアルバイトをすることとなった ⇒ 牛丼屋でもミュージシャン同様の精神的満足感を得ることができた ⇒ 二股の人生を送ることが性格的にできなかった。 (節子) 牛丼屋に向いている性格の持ち主であるだけでアルバイトであった人物が社長の地位に上り詰めることができたわけではないんでしょ? 多くの人の教訓になるような形で納得できる説明をして貰えないかしら? (高哉) 安部修仁氏は上位者の立場でいつも問題を解決しようとしていたので、同僚は困ったことがあると相談を持ちかけられていたそうだ。ここに秘訣があるんじゃないかなぁ。どうしてかというと、こういうことを続けることは次の図式を継続的に実現させることに結びつくからね。 現有能力を超える難題に積極的に取り組む⇒ 緊張する ⇒ 目的意識が明確になる ⇒ 「なんとしてでも…」と思い込む ⇒ 記憶の総動員が自動的に行われる + 必要な知識・情報の方から飛び込んでくるような状態で学習が進む ⇒ ジグソーパズル思考が自動的に行われる ⇒ 視野が拡大する。と同時に脳細胞間のネットワーキング力が強化される ⇒ 臨機応変力が強化される。 経営レベルの問題を提起されると、「そんなことをするのは社長の役割であって私は関係がない」という人がほとんどである中にあって安部修仁氏は出色の存在であったと言える。 (節子) 組織の歯車役に徹するのでは脳力・能力は伸びない。脳力・能力が急上昇し続けるかどうかは心がけ次第。そのためには「もっともっと」という気持ちを持てるようになることが先決ね。(具体策 ⇒ 『意欲満々になるための定石がある』) このような気持ちになるためにはどんな環境が望ましいのかしら? 未来進行形の自己物語創造を適切に実行できれば一番でしょうけど、お金と時間とエネルギーを要するという意味で壁がある。この壁を越えるためには何かワンステップが必要と思うの。 (高哉) 安部修仁氏の人生史は牛丼屋の経営者になるための基礎的条件をものの見事に培うことに結びついた。このことを知らずに吉野家に入社したと思われるので、成功は偶然性が高い。 このような偶然の成功を必然の成功にするのが、個性的才能を引き出す性格診断を前提とする未来進行形の自己物語創造。そして、この未来進行形の自己物語には斬新な着眼に基づく新創業でという側面がある。この説明があれば、「お金と時間とエネルギーの使い甲斐がある」ということになるんじゃないの。 「強制力がもっと必要」という人は窮地脱出策を講じる延長線上に今説明したようなことをすればいいんじゃないかな。 (節子) 話は戻るけど、安部修仁氏は幸運だったと思うの。だって、社長が潜在能力を見抜いてくれたから正式入社を誘ってくれんだから…。こういう幸運の掴み方を一般化できないかしら? (高哉) 創業間もないが人材育成に熱心なベンチャー企業にフリーターであっても入社して強烈な問題意識を持って死に物狂いで働くことがお勧めだ。性格に合った仕事であることが大前提だけどね。新創業の心で大きな隙間市場を狙う事業開発のあるべき姿と同じことなんだ。
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