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日本の新しい進路を提言する
─ その場しのぎとの決別の勧め ─

第2部 日本再生の鍵は国民パワーのフル回転である

挑戦的人生が臨機応変力を強化する


脱日本的集団主義こそが成功する人生の要諦である
― 国民審判「安倍晋三No!」の深層から考える ―
2007.8.19

斬新な着眼の欠落が安倍首相続投批判に結びついている

引責辞任の大合唱は時代錯誤のなせる業である

(節子) 7月29日の参院選で自民党は歴史的大惨敗。ところが、安倍首相自身が選挙の最終結果が出る前に続投宣言し、自民党本部の党三役が承認。党内に風ができてしまったために、例外を除いて反対意見が燻ったまま封印されてしまった。ところが、ジャーナリズムは正反対で、世論も極めて厳しい。

 安倍首相をこれまで支持してきた人もコロッと態度を一変させてしまった様子は空気にしたがって行動する横並び国家・日本そのもののような気がして腹立たしさを覚えるけど、この私の気持ちは間違っているかしら?

(高哉) 間違っていないと思う。ジャーナリズムや世論が安倍首相に極めて厳しいものになっている背景にある「選挙大敗 ⇒ 総裁・総理の辞任」というこれまでの常識は昔々成立した次の図式を後生大事に引きずっているからだ。

 日本は狭い島国に閉じこめられるように大勢の人がひしめいて生きている。しかも、社会構造は蛸壺型である ⇒ 「共同体を維持するために、致命的な仲違いや資源の無駄遣いは避けなければならない」という知恵が醸成された ⇒ 集団間の争いが共同体の破壊に結びつく総力戦になることを避けるために、最高責任者の首を挿げ替えることで決着をつける習慣が根付いた。

 戦国時代の名残である 「選挙大敗 ⇒ 総裁・総理の辞任」はとっくの昔に賞味期限が切れているんだよ。

(節子) でも、安倍首相は選挙運動中に「私と小沢さんのどちらが総理大臣として相応しいか?」と国民に問うような発言をしていた。いいかえれば、政権の妥当性の判断を国民に委ねていたじゃない。この言葉の責任は大きいと思うけど、どうなのかしら?

(高哉) 就任間もない安倍首相は「これまでの私は総理大臣として相応しいのか?」ということを問い、「これまでのやり方を踏襲する限りは総理大臣としての資格がない」という民意が表明されたのだと理解すぺきだと思う。したがって、国民はこれからの安倍さんを時間をかけて注意深く見守る必要がある。

(節子) でも、彼は「今回の結果を受けて反省しなければならない」としながら、「私の掲げる政策は間違っていない」とも言っているわよ。これってどう解釈したらいいのかしら?

冷戦終結後の国益を大きく左右する外交力を確立しつつあることを認めなければならない

(高哉) 独立国に相応しい外交力を持つことが東西冷戦構造が終結してからの日本の大きな課題であった。ところが、歴代内閣はこの課題解決の努力を怠ってきた。この付けが回りつつある。イラク戦争への犠牲的応援にもかかわらずの日本頭越しの米朝国交回復の兆しがいい例だよ。

 安倍首相はこの課題解決に向けて果敢に行動。そして、東アジア安定化を睨んだ中国と韓国の外交関係正常化、中国が台湾を吸収した後のアジア太平洋の安全保障体制確立を睨んだNATO本部との関係強化・オーストラリアとインドの同盟関係の締結、石油のほとんどを依存している中東諸国との関係強化…と著しい成果を挙げてきた。

 アメリカの全面的保護を得ることは不可能になった ⇒ 日本は世界の荒波の直撃を受けやすくなった ⇒ 国際的な孤立は内政の成功を一瞬に吹き飛ばすことに結びつきやすくなった──、という図式を忘れてはならない。

(節子) 安倍さんこそが国政を担うに値する政治家ね。でも、日本的集団主義の影響を受けているために目先のことしか考えない人が圧倒的大多数を占めていることを考えると、安倍さんは損をしたわね。選挙のことだけを考えるとだけど…。格差の拡大、年金問題での対処の遅れ…が目立つけど、日本人の日常生活に直結したことではどんなことをしてきたのかしら?

進みつつある社会の液状化に歯止めをかけようとしてきたことを認めなければならない

(高哉) 次の図式にあるように日本社会の安定装置である日本モデルが崩壊している現状を睨んだ対策を安倍さんは打ち出している。

 (日本は大昔から先進国のキャッチアップで成功してきた ⇒ 「フロントランナーになったら損」という風潮ができあがった) + (日本は地震・四季の変化に見られるように自然の影響を受けやすい国である ⇒ 木造家屋中心主義に見られるように自然と共存する生活習慣が根付いた)

 ⇒ 日本的集団主義の影響もあって融通無碍の習慣が染みついた ⇒ 性格に振り回される度合いが強化された ⇒ 現実直視力強化のチャンスを失ったままとなった ⇒ 液状化しやすい社会になった ⇒ 工業化の可能性とあいまって日本モデルが必然的に採用された。

 教育や憲法問題に熱心に取り組んでいるのは、国家としての安定を図りたいという想いがあるからだと思う。

(節子) 私はわが国は平和革命前夜にあることを認識するを読んでいるので、安倍さんの考えは納得できる。ところが、安倍さんのこうした考え方は「国家主義」と厳しく批判されている。説明不足だからよ。こうなったらこうなる…と推論を重ねていくシナリオ的発想が苦手な日本人には丁寧な説明をしないと理解されないわよ。

 安倍さんが日本の基盤に関係することをきちっとやろうとしていることはよく分かったけど、政治資金規正法や公務員制度改革法等では中途半端になっている。これってどう理解したらいいのかしら?

「中途半端だ」という批判の背景に日本社会の見直し軽視風潮がある

(高哉) 中途半端の効用を通信施設敷設の仕方を例にとって説明しよう。最初から完全を期するよりも「ある程度詰めた段階で思い切って敷設する ⇒ 実際に通信してみる ⇒ 不具合の箇所を発見して直す」というやり方の方が通信施設を遥かに早く完成させることができるんだ。どうしてかと言うと、二つのことが指摘できるからだ。

最初から完成を期すると工事はいつまで経っても始まらない。
「えいっやっ」とやってみることは必要な情報の方から飛び込んでくる強烈な問題意識を生み出す。

(節子) そういうやり方は創造的なことをするに当たっての貴方の常套手段だから凄くよく分かる。どうしてほとんどの日本人は最初から完全を期することに拘るのかしら?

(高哉) 日本の社会構造が蛸壺型であることが次の図式の実現に結びついているからだと思う。

 年功序列式人事・退職金・企業年金制度が示しているように所属集団の離脱は不利になる ⇒ 人間関係の固定化が進む ⇒ 脛の傷を庇いあうような人間関係になる ⇒ 癒着した人間関係ができ上がる ⇒ 民主主義は水平ではなく垂直的なものとなる ⇒ 過去を穿り返すようなことはタブーのようになってしまう ⇒ 見直しの習慣が醸成されようがなくなってしまった。

「戦後レジームからの脱却」は賛成。しかし、言葉だけが独り歩きしているために空転している

(節子) 安倍さんの反省すべきことは説明不足であったことだけになるのかしら? 直感だけど、大事なことが他にもあると思う。どうなのかしら?

(高哉) 説明不足の中に入るかもしれないけど、言っていること、やっていることがばらばらで総花主義であると受け止められかねないことだろうね。「戦後レジームからの脱却」がこの典型だよ。国民の賛同を得るためには、下記のようなことを漫画にして具体的に説明する必要があるんじゃないかな。

 戦後レジームとはこういうことを指す。この戦後レジームはかくかくしかじかの理由によりかくかくしかじかの多大な貢献をしてきた。しかしながら、一方において戦後レジームはかくかくしかじかの理由により財政破綻・教育崩壊・年金制度の破綻傾向・マンション耐震偽装事件…等を生み出した。したがって、日本運営の仕組みをかくかくしかじかのように再構築する。この中にあって、憲法改正・教育再生・公務員制度の改革…等はかくかくしかじかの役割を果たす。

(節子) 憲法改正は9条だけに焦点が当てられているけどそれでいいのかしら? 「日本をこういう国にしたい」という願望を表現するものだったら、グローバリゼーションの良さを取り込みつつ悪影響を最小限にするために、“される国際化”推進の保険となる新憲法制定が急がれる にあるような考え方をも取り入れる必要があると思う。

総裁選前倒しのためには半年以上の準備期間が要る

(節子) これまで議論してきたことをも踏まえて臨めば、安倍さんは前倒して行う総裁選で再選されると思う。にもかかわらず、どうして党内の要請に応えないのかしら?

(高哉) 反省を踏まえた安倍さんの所信を納得させるためには物凄く時間がかかる。アメリカの大統領予備選同様の手続きを踏む必要があるんじゃないかな。

(節子) 文章化した所信表明を選挙権を持った党員に事前に配布した上で、ティーチ・イン集会を重ねれば短期間で大丈夫じゃないかしら?

(高哉) 短期間では無理だと思う。可能であれば、「小沢さんの考え方に精通している二階国会対策委員長を官房長官にして官邸から民主党に睨みを利かそう!」という考えは出てこないと思う。

 聞き取り調査と文献調査の結果を総合的に考察する時間と費用を僕に与えてくれれば、「こうなったらこうする」といったような、小沢一郎さんの方程式化された行動力学の解明は十分可能だよ。こんなことは僕にとっては社内埋没資料から業績拡大策創出の応用にしか過ぎないんだ。

 にもかかわらず、経験主義に凝り固まっていることは「“知りすぎのリスク”と“知らなすぎのリスク”の認識がないに等しい ⇒ 固定観念を取り除くのに物凄く時間がかかる ⇒ 反省を踏まえた安倍さんの所信を納得させるためには物凄く時間がかかる」となることを意味するんだと思う。

 それに、さっき言った「戦後レジームからの脱却」の詳細な肉付けに基づいた緊急課題への対応が甘かったのは事実。どうしてこうなってしまったのかの反省がなければならないが、この反省は容易ではない。どんな優れた人であっても自分の価値体系内のことを明確に語ることは容易ではないからね。

 そういう意味で、この反省のきっかけとなるであろう「 安倍首相は性格無知を猛反省しなけれぱならない」(2007.9.9掲載予定)を本人に是非読んでもらいたいと思っている。



酷い目に遭いたくなければ、一本化に向かっている世論に疑いの目を向けよう!

 日本人の横並び癖は悪化しています。どうしてなのでしょうか? 世の中の複雑化が思考力の鍛錬不足を露呈させるようになったからです。この様子を図式化すると、次の通りです。

 (もたれあって生きてきた ⇒ 融通無碍が染みついた ⇒ 権威筋に引っ張られるようになった) + 「朝日新聞夕刊」(2006.9.5)の『思想の言葉で読む21世紀論』にあるように「知識や情報が少ない時代には、世界の全体について語ることができた。そうした全体知は大学や学問の世界ではとうに崩壊してしまった」という時代になっている

 ⇒ 全体知とは程遠い権威筋がテレビ出演して全体知の持ち主であるが如く自信に満ちて喋るので、過剰同調現象が生まれてしまった。

 ここで思い出して頂きたいことが二つあります。日本を奈落の底に突き落とした太平洋戦争、これがひとつです。バブル崩壊後の時代遅れの公共事業の乱発が財政破綻、ひいては年金の財源不足に結びついたこと、これがもうひとつです。── この二つの背景には国民世論があったのです。

 (参考資料 ⇒ 『新時代が要求するブレークスルー発想を行わず「枠内思考」に留まってしまう日本のエリートの実態 』&『潮流に翻弄される社会ができあがっていた』)

 わが国においては一本化に向かっている世論は赤信号である。このことを肝に銘じなければならないのです。赤信号が点滅されたらどうすべきでしょうか? 自分の幸せのために独自の意見を確立して過剰同調に反撃を加えることです。そのために、便利なインターネットがあるのです。

 あなたに今求められているのは、「安倍首相引責辞任」の大合唱を赤信号として捉えることです。日本を奈落の底に突き落とした太平洋戦争、バブル崩壊後の時代遅れの公共事業を引き出した集団ヒステリーを思い出します。


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「個性的な意見を引き出し、創造的にまとめて難問を
解決したい」と願うのでしたら私共にお任せください。
衆知を生かして複雑問題を解決するための秘策


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