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個性的才能を引き出す性格診断の勧め

第2部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─

梯二郎はタイミングの重要性を肝に銘じるべきだった


『孤独の賭け』から学ぶ

アイデンティティがあれば天才型事業家の挫折は防止できたかもしれない

2008.3.30

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします

見えないものを見えるようにする努力がすっぽり抜けていた

日本に一番必要なのは梯二郎のような事業家である

(節子)
小説の解説で三浦しおんさんが「がんばれ 梯二郎!」と思わず言ってしまったようなことを書いていた。私も同じ気持ち。梯二郎はこういう魅力的な男性だけど、事業戦略のプロである貴方は事業家としての彼をどう評価するのかしら?

(高哉)
梯二郎は世の中の成熟化が進めば進むほど才能を発揮できる、産業界が渇望する人物だと思う。というのは、 快楽追求の仕方についての頭脳の中にあるシソーラス機能が発達している上に、見聞が広がる一方。となれば、ディズニー・ランドやディズニー・シーのような複合融合型のニューフロンティアの開発は無限にできるからだ。

(節子) 適切なジグソーパズル思考力が永遠の成長を可能にすることを証明する人物である。こういうことね。梯二郎が娯楽産業精通度No1になることができた理由を考えると、貴方の言うことに納得できる。そして、彼が「借金が円滑にできることが保証されていさえすれば、いくらでも事業を拡大できる」と言い切る気持ちも理解できる。ところで、このような才能はどうして生まれたのかしら?

(高哉)
イノベーションのロジックが注入されていたことを忘れてはならないにある通りのことが実現されているからだよ。しかし、自分の思い通りに事を運ぼうとして墓穴を掘ったにあるようなことが原因して挫折してしまった。この背景には、次の図式が成立しなくなったことがある。

 (人に快感を与える事業を次々と成功させることができた + 快楽追求を最優先させる人物である ⇒ キャッシュ・フロー管理や非常時に備えた資産形成よりも事業拡大を優先させることになった) + 能力の補完を行うことなく新分野に進出したわけではなかった ⇒ 自転車操業が実態の経営であってもキャッシュ・フローがマイナスになることはなかった ⇒ 金貸しは安心して資金を提供してきた。

(節子) 企業経営は何が起きる分からない世界なのに、キャッシュ・フロー管理や非常時に備えた資産形成に無関心だなんて経営者として失格じゃないかしら?

(高哉) それは言いすぎだよ。梯二郎のような事業家がいないと、ゼロサムの世界になって財政破綻の危機に瀕している日本が目指すべき生涯現役社会の実現が困難になってしまう。(生涯現役社会の実現を提唱する根拠 ⇒ 経済拡大均衡のウルトラCは生涯現役社会の実現である生涯現役社会実現の阻害要因は除去できる)

 このドラマに出てくる三人の事業家である、梯二郎・赤松新平・東野の三人の事業家の特徴を認識して欲しい。

梯二郎  : ニューフロンティアを開拓し続ける類稀な才能を持っている。しかし、競り合いの経験がないに等しいし、キャッシュ・フロー管理が甘い。したがって、「種蒔きの天才、刈り取りの凡才」になりやすい。

赤松新平 ニューフロンティアを開拓する才能には恵まれてない。しかし、他社が開拓したニューフロンティアを力づくでものにするのが得意である。したがって、「種蒔きの凡才、刈り取りの天才」になりやすい。

東野   : 資金を資産に投資することにしか興味を示さない恒産主義者。いいかえれば、金貸しと不動産取得にしか興味を示さない。したがって、自らは決して事業経営に乗り出さない。

 経済のパイ拡大を必要とする生涯現役社会を実現させるためには、梯二郎のような事業家が必要不可欠であることが分かって貰えたと思う。

梯二郎はタイミングの重要性を肝に銘じるべきだった

(節子)
日本だけではなく世界は梯二郎のような事業家を必要不可欠とすることがよく分かった。でも、「種蒔きの天才、刈り取りの凡才」の運命が待ち構えるしかないんだったらよほど高邁な人でないとこのような役割を担おうとしない。そうならないための何か知恵はないのかしら?

(高哉)
知恵を捻り出すために梯二郎が展開する事業の特徴を見てみよう。彼のやり方には大きく分けて二つの特徴がある。ひとつは拡大する自転車操業。もうひとつは海上カジノを中心にする夢の歓楽境が物語っているようにディズニー・ランドやディズニー・シーと同じ複合融合型のニューフロンティアの開発。いずれも次の理由が示すようにタイミングが命だ。

優れた事業構想力もさることながら景気動向を適切に読んだ投資が必要になる

 拡大する自転車操業型事業が、野望を遂げる前に挫折してしまった二つの原因のようなことを発生させることなく運営されていくためには、「借金をしてレジャー施設を作る ⇒ レジャー施設の価格が上昇する ⇒ 価格が上昇したレジャー施設を担保に借金をして新しいレジャー施設を作る」という図式を実現させ続けなければならない。

新規事業を構成する要素の市場が成熟していなければならない

 テレビが急速に普及した理由を考えて欲しい。音だけのラジオに物足りなさを感じるようになった。外出して混雑した館内で映画を観ることに煩わしさを感じるようになった。この二つが結びついた。いいかえれば、音声と画像の両方を同時に楽しめるオーディオ製品に対する潜在需要が急拡大したからテレビが急速に普及した。

 このテレビ事業成功の理由が物語っているように、複合融合型のニューフロンティア開発の成否は事業を構成する要素の市場が成熟しているかどうかによって決まる場合が多い。

(節子) 貴方が言う、複合融合型のニューフロンティアの成否の条件をもっと納得するために聞くんだけど、同じ複合融合型のサービスである「個性的才能を引き出す性格診断」の事業としての成否はどうなのかしら?

(高哉) これまでの性格診断は占いがそうであるように科学的根拠が希薄。しかも、効果がなかったために娯楽や気休めの域を出なかった。にもかかわらず、根強い需要があったことは画期的な方法論への期待が極めて大きいことを意味する。

 一方、個性的才能は規格型製品の大量生産・大量販売が隆盛であった時代には必要性はあまり感じられなかった。ところが、時代が様変わりしたために個性的才能の必要性は拡大の一途を辿ること間違いなしとなった。しかしながら、方法論は緒に就いたばかりであると言ってもおかしくないのが現状である。ということは画期的な方法論への期待が極めて大きいことを意味する。

(節子) 性格診断も個性的才能の引き出しも期待が極めて大きい。しかも、新サービス「個性的才能を引き出す性格診断」は複合融合を超えた多様な効用を生み出すサービス。抱え込んでしまった悩みを追い出す。人間関係を創造できるようになる。その上、プロフェッショナルへの道を歩めるようになる。したがって、うつ病とは無縁の生活を可能にする臨機応変力の抜本的強化が可能になるんですものね。

 しかも、理路整然と説明できるという意味で科学的。 したがって、「個性的才能を引き出す性格診断」は内容的にも事業化のタイミング的にもまったく問題がないというわけね。

(高哉) 話は前後するけど、タイミングは社会環境が生み出すことにも注意が必要なんだ。自動車のヘッドレストが一気に普及することになった原因が分かりやすい例だと思う。

 自動車のヘッドレストは純正部品ではなくアフターマーケット商品だった。ところが、自動車の普及と共に、衝突事故の頻発によるむち打ち症患者が多発し、むち打ち症予防にヘッドレストが役立つことがマスコミで大々的に報道。ヘッドレストがアフターマーケットで爆発的に売れ、とうとう純正部品になってしまったんだ。

 (関連記事 ⇒ 『事業展開シナリオの例転職成功術新規事業開発成功に必要な理論的条件が完備していた』)

事業展開シナリオがあれば挫折を免れたかもしれない

(節子) いずれにしても梯二郎の事業は第三者に分かりにくいわね。この目で確かめることができにくい上に、タイミングが成否の鍵を握っているんだから。しかも、現在価値よりも未来価値を重視するのよ。抽象概念の理解力が大幅に不足している日本人が梯二郎の事業構想を理解するのは容易ではないわよ。

 「借金が円滑にできることが保証されていさえすれば、いくらでも事業を拡大できる」と言っても巨額の資金を融資しにくい。仮に融資が得られても無我夢中になっていると事業化のタイミングを誤ってしまう。何か巧い方法はないのかしら?

(高哉) 巨額の費用を必要とする大型のコンサルティングの方が梯二郎の事業構想よりももっと分かりにくい。でも、顧客に分からせる方法がある。「プロポーザル」がこの方法なんだ。解決すべき問題の洞察・確認、創造的な解決策のイメージ、問題解決のために採用する手法、コンサルティングの手順等からなる「プロポーザル」を提出すると、「なるほど」となって巨額のお金を事前にポンと払ってくれるんだ。

(節子) 「プロポーザル」方式は見えないものを見えるようにすることを可能にする効果があるでしょうけど、事業化のタイミングの適切化には役に立たないわよ。何か巧い方法はないかしら?

(高哉) 梯二郎が成し遂げたい事業や海上カジノを中心にする夢の歓楽境を成功させるための全条件を体系化する ⇒ 企業を変身させる三つの方法を使って体系化した全条件を充足するシナリオを描き、このシナリオをしっかり頭の中に入れる ⇒ 強烈な問題意識ができあがる ⇒ 環境動向に極めて敏感になる ⇒ タイムリーな事業化が可能になる──、という図式を実現させる。これが一番巧い方法だと思う。(シナリオ・ライティングの具体例 ⇒ 『成長分野に成功裡に進出する秘訣』)


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