第5部 |
悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─ (ノンフィクション編) |
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性格無知 + 環境様変わり ⇒ 順調だった人生の暗転…ということもある |
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ポジショニング手法の適用を怠った→新しい立場の覚悟が不十分になった→臨機応変力を再構築しなかった→政権を投げ出すに至った…となった安倍元首相 ── 性格無知のまま重責を担うととんでもないことになることを胆に銘じよう! ── |
ここで紹介する事例はインターネットや出版物に基づいての推理結果であってクライアントを診断したものではありません。クライアントから知りえた情報が新創業研究所から具体例で洩れることは一切ありません。ご安心ください。
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“お友達内閣”構成の過ちが諸悪の根源になったものと思われる ── 自分の性格を活かすスタッフ構成をしなかったことが悔やまれる ── |
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追い込まれた心情が強行採決の連発に如実に表れていそうだ ── 性格無知のまま重責を担うととんでもないことになることを胆に銘じよう! ── |
(節子) 安倍元首相のように和と共存を重んじる人がイラク派兵延長、教育三法、憲法改正のための国民投票法を強行採決したのはどうしてなのかしら? 性格発の衝動強迫の支配を受けると、冷静さを失うことは理解できるけど、自分の求心力を気にする人だけに納得できない。強行採決ではなく国民運動を展開して正当性をアピールした方が性格にも合うし、効果があると思うの。
(高哉) 安倍さんが理想とする世界の中で和と共存を実現させようとするような性格であれば、貴女が言うようなことをしたかもしれない。しかし、彼はどちからと言うと、「理想を追求する」よりもミヤコ蝶々さん同様に「他人の言いなりには決してならない」という気持の方が上回る性格の持ち主。したがって、貴女が言うようなことをしないと思う。
大事なことだからついでに言っておくと、こういう性格の限界を認識していなかったことが『スローガンは適切な狙いがあってもタイムリーな説明がなければ空転するしかない』にあるようなことになったのだと思う。
(節子) そういえば、大学時代に街ですれ違ったやくざ風の人物から威嚇されたけど、安倍さんは一歩も退かず睨みかえした。こういうエピソードを大学時代の友人が伝えていたことがあったけど、このことが「他人の言いなりには決してならない」ということのひとつの証拠になるんでしょうね。でも、名門中の名門の家に生まれ育った安倍さんがどうしてそんな性格の持ち主になったのかしら?
(高哉) 彼の人生史を詳しく知らないので、はっきりしたことは言えないけど、名門中の名門の家に生まれ育ったことが安倍さんのそういう性格に結びついたのではないかと思う。
元外務大臣のお父さんである安倍晋太郎さんは総理大臣の有力候補になったほどの超大物。母方のおじいさんは昭和の妖怪と言われた岸信介元首相。お母さんは性格の強そうな人。親戚には日本興業銀行の元頭取を始めとして大物がずらりと揃っている。
首をすくめるようにしている一方において「埋没しないように求心力を高めたい。早く大人になって他人の支配を受けない人間になりたい」と思い続けたとしても不思議はない。こう思い続けたことが性格形成に結びついたんじゃないかな。人間は思い続けるように自然になっていき、それが行動力学になり、揺るぎない性格になっていくからね。
この求心力に拘る本能は時と場合によっては「冷たい人」という印象を与えることがある。前回の議論で出てきたお父さんの安倍晋太郎さんの批判を思い出して欲しい。
(節子) 安倍さんは衆議院議員になりたての頃はなんとなく頼りなかったけど、結婚して年を重ねるにつれてしっかりした人物になったことが伝えられている。これなんかは性格が人生の歩み方を決め、人生の歩み方が性格を明確にしていくということになるのね。
でも、こういう性格の持ち主が「安倍内閣の強権的な政治手法が露骨になってきた」「安倍首相のタカ派的な体質が顕著に出てきた」という致命的な批判に結びついた強行採決の連発にどうしてなったのかしら?
性格発の衝動強迫に支配されてしまったからなんでしょうね。
(高哉) 前回の議論で僕が説明した図式にあるように追い込まれてしゃかりきりになったからだと思う。そういう意味で貴女の言う通りだと思う。ミヤコ蝶々さんはしゃかりきりになって難局を打開。しかし、夫の気持ちが彼女から離れていった。一方、安倍さんはミヤコ蝶々さんとは全く立場が異なるので、与野党内外から強い批判を浴びて和と共存を大事にする性格の持ち主にとって致命傷となる孤立感を深めてしまった。
(節子) しゃかりきりになることは耳目を塞ぐことを意味する。ミヤコ蝶々さんのように個人プレイですませることができる立場の人であれば、目標に向かってがむしゃらに頑張ることを可能にする耳目を塞ぐことは仕事を成功させることに結びつく可能性が強い。ところが、安倍さんのような立場であればそうはいかない。大悲劇の第二次世界大戦を招いた日本軍のことを国民に思い出させてしまう。
(高哉) 性格無知のまま重責を担うととんでもないことになることの見本として捉えなけれればならない。というのは、安倍さんの場合は「思うようにいかない ⇒
ストレスが溜まる ⇒ 性格発の衝動強迫の支配を受ける ⇒ 耳目を塞いで頑張る ⇒ 現実直視力を失う ⇒ 暴走する」という図式の犠牲になってしまったからだ。(必読のコンテンツ
⇒ 『日本人が脳力・能力の補完をすることなく新しい立場に就きがちである理由』)
(節子) 山積する問題を解決しなければならない立場に就いた人は『緻密なシナリオ発想が弱い権力基盤を盤石にし大事を成し遂げることを可能にする』を肝に銘じなければならないわね。「思うようにいかない」ことがマイナスの連鎖を呼んだんだから。
(高哉) その通りだけど、抜本的対策は意欲的な人生を送りたいのであれば、できるだけ早い時期に自分の性格と由来を熟知することだ。そうすれば、補完関係に入ることができる人物とタイアップできるし、性格発の衝動強迫の支配を受けそうになる瞬間に気づくようになるからね。
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(先行きがどんどん不透明になっている + 個が埋没する時代が長く続いたので、個性を本当に受け止め理解できる人が殆どいない ⇒ 臨機応変力の必要性がかつてなかったほど高くなっている)
+ (降りかかってきた難問を受け止めて創造的に解決しようとしないその場しのぎの人生を送っている ⇒ 臨機応変力の強化が進みにくい) ⇒ 臨機応変力の欠如が露呈されるようになった ⇒ ピンチに陥ったり、チャンスを逸する度合いが極めて高くなっている ⇒ ストレスが溜まり続けたために一触即発の状態になっている。 |
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