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日本の新しい進路を提言する
─ その場しのぎとの決別の勧め ─

第2部 日本再生の鍵は国民パワーのフル回転である

増税先にありきは日本の可能性を摘む

2007.3.23

過剰同調を煽るマスコミに用心しよう!

(節子) 国民が社会問題で適切な判断ができるようにする。権威あるマスコミはこういう役割を担っているのでしょ? だとすると、柳沢厚生労働大臣の「女性は子供を生む装置」発言や石原都知事の接待問題に対するマスコミの態度は感心できないわね。感情むき出しでヒステリックですらある。どうしてこうなってしまうのかしら?

(高哉) その方が視聴率が上がるし、新聞の販売部数が伸びる。こういうことも原因している。どうしてかと言うと、次の図式にはまりこんでいる国民が多いからだよ。

 (賞味期限が切れた日本モデルの下での習慣が染みついている ⇒ 一元支配の下に置かれている場合が多い ⇒ 個が抑制されている場合が多い) or (日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきた ⇒ 思考力が鍛えられていない ⇒ 抑制されていなくても羽ばたき方を知らない ⇒ 閉塞感に悩まされている) ⇒ ストレスが溜まっている ⇒ ストレスを発散できる安全な獲物を虎視眈々と狙っているような状態になっている。

(節子) 日本のマスコミは先の大戦突入の後押しをしたのと似たようなことをしているわけね。貴方はマスコミの不適切な態度の原因は視聴者の質にあるような言い方をしたけど、報道側にも責任があるような気がする。どんどん高まっている不確実性に振り回されているジャーナリストの質にも問題があると思うの。

 貴方が鋭く指摘した超高速道路ががらがらに空いている状態が私の頭の中にはこびりついて離れないのよ。

(高哉) そう言っちゃうと身も蓋もなくなってしまうけど、まあそんなところかな。貴女が持ち出した二つの問題に対するマスコミのあるべき態度は次の通りだと思う。

柳沢発言に対しては「女性だけの責任だけではない」と反論して「正 ⇒ 反 ⇒合」となる弁証法的な国民的議論に火を点ける。

 独立した所帯を営んでいる共稼ぎ夫婦にとっては社会的な支援がないと子供一人が精一杯。したがって、「もう一人」と思っても「無理だ」と思ってしまうのが実態であることを忘れてはならない。

石原都知事の接待問題については「接待をしてどういう成果が得られたのか?」「そういう成果を出すためにはどのような努力が必要だったのか?」「努力のひとつの方法として行われた接待は妥当だったのか?」という都民の議論を誘導する。

 「他の知事の接待はこうです」なんてことを持ち出すのは極めて馬鹿げている。接待費を使わない。しかし、成績が極めて悪い。こういう営業責任者をのさばらせるのに近いものがある。

 独りで考える時だって、「ああでもない、こうでもない」と頭をかき回した思考を繰り返して始めて頭脳のシソーラス機能がうまく働くのに残念だ。

(節子) 貴方がいつも言っている「情緒一体感重視主義が染みついている ⇒ 議論の習慣が育たない ⇒ ジグソーパズル思考力が育ちようがない ⇒ 断片的・表面的な思考に終始する」となる図式がジャーナリストにも視聴者にも染みついているからかしら?最近の経済情勢について代表的な新聞の見解が正反対になっているのはだからなのね。

 日経は日本経済の良いところしか述べない。朝日は分裂社会についてのみ述べ、良いところは一切触れない。「かくかくしかじかだからこうなっているのだ」といった具合に理路整然した内容であれば、「そういう理由だったらこういう理由も考えられる。だったら、こうだ」と読者が各人各様の見解を持つことができるのに残念ね。

(高哉) その通りだよ。達人は「予測の結果」よりも「予測の前提」を重要視する。予測の前提がしっかりしたものになっていれば、「なるほど。だったらこういう結果になるだろう」という独自の予測を導き出すことができるからね。

 こうなってしまう背景には、エリートと言われる人ですら、「問題の原因をとことん詰めない ⇒ 根本的原因が分らない ⇒ お座なりの問題解決策が打ち出される」という図式にはまり込んでしまっていることが多いからなんだ。(証拠 ⇒ 『バブルが発生した本当の理由』&『政策が後手に廻った本当の理由』&『新時代が要求するブレークスルー発想を行わず「枠内思考」に留まってしまう日本のエリートの実態』)

(節子) お座なりの問題解決策が打ち出されることにマスコミも慣れきっている。だから、各分野の専門家が集まって話し合っても意見がばらばらのままで終わってしまうのね。貴方のような達人であれば、「良い調査結果が得られた。後は自分で考えよう」となるけど、普通の人はそうはいかないわよ。どうしてこうなってしまうのかしら?

(高哉) 全体計画は部分計画を寄せ集めるだけ (詳しくは ⇒ 『ナビゲーションの専門機関が役立つ時と役立たない時がある』)。こういう伝統的な計画の立て方の下では次の図式なんか思いもつかない。だからなんだよ。

 各分野の専門家の意見を聞く ⇒ 斬新な着眼がひらめく ⇒ 各分野の専門家の意見をそっくりではなくばらばらにしたものを必要に応じて肉付け用の素材に用いて斬新な着眼の肉付けをする。

(節子) ちりばめて用いるだけでもしてくれればいいんだけど、必ずしもそうじゃないわよ。ホワイトカラー・エグゼンプションについてのマスコミの対応がそうよ。「もっと人間らしい生活を!」と主張しながら、後日になって欠点ばかりを同じ新聞があげつらっているのよ。どうしてこうなってしまうのかしら?

(高哉) 一人一人が細切れの世界の中に生きており、その世界のことしか見ていないからじゃないかなぁ。「東京オリンピック招致のようなお金のかかることなんてとんでもない」と叫ぶ人も樹を見て森を見ずの典型であるという意味で同じこと。脱日本的集団主義推進が国債の魅力をアップさせるを読むことを切望してやまないよ。

 それから、付属資料であるCD-ROMを見るためのパソコンの持ち込みも貸し出しも「規則です」と言って禁止する某公立図書館の担当者も本質は同じだね。

 「ドアに気をつけてください」という車内アナウンスに代表される自己責任追求が甘い社会であるために考え抜く習慣が育たなかった。だからこうなったんだと思う。貴方も知っているように、こういことがあることも個性的才能を引き出す性格診断に乗り出すことになったんだ。この診断を受けることよって、

 現実を直視して複雑問題に取り組む ⇒ 頭脳のシソーラス機能が増強される ⇒ 難問解決に成功する ⇒ 海馬が鍛えられる ⇒ 大きなショックを乗り越えることができるようになる ⇒ 頭脳のシソーラス機能が一段と増強される・・・・・──、という図式が可能になるからね。

(節子) 今の説明は説得力があるわね。でも、浅野さんが「石原都知事は週3日しか都庁に出勤しない。だから…」という批判、この批判を支持するマスコミ報道は正しいんじゃないから?

(高哉) 知事を大企業の社長に当てはめてこの問題を考えてみようよ。大企業の社長の本来的業務は自分が預かっている企業を対象に次の図式を実現させることでなければならない。

 経営が思い描いているように行われているかどうかを厳しくチェックする ⇒ 経営の実態を念頭に置いて世界の動向をチェックする ⇒ 5年〜10年後の企業の未来像を更新し続ける。

 上記の図式を実現させるためには、経営の現場を視察したり、取り巻く環境の実態に触れる必要がある。そして、このようなことは毎日会社に出勤していてはとてもできない。したがって、毎日会社に出勤するような社長がいる会社は逆に危ない。東京都知事についても同じことが言える。

 となると、「石原都知事は週3日しか都庁に出勤しない。だから…」という批判する候補者は管理者としてはともかくも経営者としては失格だと思う。

 但し、中国に見向きもしない石原知事の態度にも問題がある。「招待されないから」は言い訳にはならない。経済がグローバル化したので、国際競争は国家間から主要都市間にシフトしてきた。したがって、大東京の経営者は世界を視野に置いた施策を適切に行うことが必要であることを忘れてはならない。

(節子) でも、手狭で安全上問題になっている築地魚市場は移転ではなく黒川さんが提唱している多層化で問題解決を図った方がいいんじゃないかしら? こういう大事なことを詰めるためにマスコミに頑張って欲しいわね。

 話は変わるけど、従軍慰安婦の強行連行を直接示す資料はなかったとする答申書を日本政府が閣議決定した。このことで安倍バッシングが外国で行われ、これに同調している日本のマスコミ報道があるけど、これって当然じゃないかしら? 従軍慰安婦の強行連行という事実はあったんだから…。

(高哉) 従軍慰安婦の強行連行が国家的行為であったのか、軍の一部の行為であったのか…が大事なんだ。後者であれば、国家的犯罪になるからね。

(節子) 事実は事実なんだから国家的行為であったのか、軍の一部の行為であったのか…は問題ではないんじゃないかしら?

(高哉) どちらであるかは極めて大きな影響を持つ。というのは拉致問題は次の図式で解決する必要があるからね。あくまでも僕個人の意見だけど。

 日本政府の閣議決定を巡って内外の論争が展開される ⇒ 従軍慰安婦強行連行の真相についての国際的認識が深まる ⇒ 狭義と広義を使い分けた安倍首相の強行連行を巡る発言についての国際的賛同が得られる ⇒ 小泉訪朝時の首脳会談での「日本人の拉致は一部の人達が行った暴挙である」という謝罪の下での拉致問題決着が可能になる。

(節子) アメリカの駐日大使もこの問題での日本の対応を厳しく批判しているので、米朝の国交回復が実現してしまうと日本だけが取り残されてしまうんじゃないかしら? そのように報道している日本のマスコミもあるし…。

(高哉) そんな心配をする必要はないんじゃないかな。そんなことになったら日本の対米感情が悪化してアメリカの国益が大きく損なわれることに結びつくからね。どうしてかと言うと、次の図式が実現してしまうからね。

 日本の反対勢力が勢いづく ⇒ 米軍基地再編成が実現できなくなる ⇒ 日本再生の切り札になる米軍基地再編成に合意したにあるようなアメリカの世界戦略が台無しになってしまう。

(節子) よく分かったわ。となると、民主党の若手衆議院議員の「安倍首相は余計なことを言ってしまった。政治センスのない首相を頂いた日本は不幸だ」という発言に対しては「樹を見て森を見ていない」と批判しなければならないわね。

(高哉) その通りだよ。巨額の累積赤字を抱える日本・中国・アメリカの経済拡大均衡に結びつく、次の図式が実現に向かうことを忘れてはならないんだ。

 米朝国交回復が実現する ⇒ 北朝鮮の現体制維持が保障される ⇒ 韓国は統一に伴うドイツが味わった苦い経験をしなくてすむ + 中国は北朝鮮を緩衝地帯に使えるので米軍と隣り合わせしなくてすむ ⇒ 中韓の全面的協力の下に北朝鮮は安心して国際社会に復帰する ⇒ 念願の本格的経済開発のために日本の大型経済援助が必要不可欠になる

 ⇒ 拉致問題解決を前提とする日朝国交回復が行われる ⇒ 北朝鮮の不凍港が開放されることもあって環日本海経済圏・北東アジア経済開発が急速に進む ⇒ 朝鮮半島・中国・ヨーロッパを直結する交通インフラの整備が急速に進む ⇒ 米国・ロシア・日本・中国・南北朝鮮の経済成長に大きく貢献する。

(節子) わくわくしてくるわねぇ。日本のマスコミには超高速道路ががらがらに空いている状態を克服する努力を期待したいわね。

(高哉) 現在よりも複雑でない時代においても誤ったマスコミ報道が行われ、国民を悲劇に導いてしまったことがしばしばあったようだ。アメリカが戦前に施行した移民法がその典型だよ。法律は「移民法」という表現であったにもかかわらず新聞誌上で「排日移民法」と報道してしまった。そして、この報道が世論をバックアップとする東条内閣の戦争突入決断に結びついてしまった。

(節子) 日本のマスコミのお粗末さは今も直っていないわねぇ。だって、バブル崩壊後の実りの薄い公共投資拡大を後押ししたり、最近の政治的問題を誤解した報道がその証拠でしょ? どうしてこうなってしまうのかしら?

(高哉) 日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきたことが根本的な原因になっていると思う。どうしてかと言うと、このことは次の図式に結びいているからね。

 「思考の三原則」(全体を見る/長い眼で見る/根本的に考える)適用の習慣が根づきようがない ⇒ 人間が陥りやすい、性格に振り回されっぱなしの生活を送ることになってしまっている ⇒ 報道の対象となるできごとをついつい先入観に基づいて短絡的に捉えてしまう。

 先行きはどんどん不透明になっていく。したがって、マスコミ関係者に限らないことだけど、このような状態の放置は大変なことになってしまう。そうならないためには、次の図式を実現させることが物凄く重要になる。

 自分の性格と歴史的立場をきちっと認識する ⇒ 現実を直視する ⇒ 「もっと良くなりたい。そのために努力したい」という素晴らしい本能が作動する ⇒ 学問が進む ⇒ 「思考の三原則」(全体を見る/長い眼で見る/根本的に考える)適用度合いが深まっていく。


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