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日本の新しい進路を提言する
─ 増税なき財政再建は可能である ─


第1部 小泉改革は新創業の心で完成さなければならない

小泉改革を歴史的な重みを持つ布石として捉える

時計を逆回りさせる世論操作を阻止しよう!

2006.9.10掲載

視野狭窄症が大きな波及効果を見えなくしている

「老人いじめ」と悪評の医療改革は年金問題解決に結びつく(例1)

 小泉政権の医療改革は当然のこととして問題含みです。2006.6.30付け「朝日新聞」の『声』の欄に下記のような投稿がありました。

 ・・・・・政府・与党の老人に対する仕打ちは、あたかも仇にでもするかのように、非情で苛烈である。・・・・・老人をピンピンコロリとあの世に送ってやるのが得策と、考えた役人の話を小説で読んだが、どうも現実味を帯びてきたように気がしてならない。・・・・・年寄りを怒らせたら怖いぞ。私も、次の選挙できちんとけじめをつけさせて頂くつもりだ。

 上記の声は目先のことだけを考えたら正論です。しかしながら、反発を食っている医療改革の効果は下記のように図式化できます。

 お年寄りの医療負担が増える ⇒ 歳をとっても健康を保持したい人が増える ⇒ 加齢の仕方を真剣に考える人が増える ⇒ 「加齢 = 知力・体力の劣化」とはならない人が増える ⇒ 生涯現役を目指す人が増える。(参考資料 ⇒『脳力のピークは80歳代だ!』)

 「生涯現役を目指したい」という要望に応えることができるような社会になることの国民福祉への貢献には極めて大きなものがあります。なぜなら、このような社会は二つの図式実現に結びつくからです。

図式1 年齢による定年制がなくなる ⇒ 日本人に多い、仕事が生きがいの人に挫折感を与えなくてもすむ。(定年退職後しばらくすると、血眼になって仕事を探し求める人が多いのです)

図式2 年金受給者の数が減る ⇒ 国の財政負担が減る ⇒ 日本の将来のための投資に回す資金が増える。

 但し、生涯現役社会を実現させるためには、少なくとも二つのことが必要になります。上記したように加齢に応じて脳力・能力が進化し続ける人が増えることがひとつです。高齢者が社会的に活躍できるような環境を整えることがもうひとつです。

 前者は個人の努力に待たなければなりませんが、後者については公共政策が必要になります。在宅勤務を可能にするようにするだけではなく、「随分とお年なんですね」といったような高齢者蔑視の風潮をなくす。そのために、NHKが高齢者の凄さを如実に示す報道やドラマを積極的に放映することが考えられるのではないでしょうか。

 加齢に応じて脳力・能力が進化し続ける人が増えることは日本経済にとってどんな意味があるのでしょうか? 下記の図式が実現することを意味します。

 (新時代の切り札である独創的な構想力を持った人が『脳力のピークは80歳代だ!』にあるように増える ⇒ 事業の高付加価値化が進む) + (生涯現役を目指す人が増える ⇒ 人口に占める労働力率が上昇する) ⇒ 日本経済の生産性が上昇する。(独創的構想力の説明 ⇒『独創的構想力がキーテクノロジーになったことを認識しよう!』)」

 上記の図式実現は日本経済にとって大きな大きな朗報です。なぜなら、アメリカ経済の相変わらずの躍進。中国経済等の急速な追い上げ ── という挟み撃ちを食う形で日本経済に埋没傾向が出てきたからです。(詳しくは ⇒『日本経済の地盤沈下傾向を認識しなければならない』)

 医療改革は上記したような効用を生み出す生涯現役社会だけではなく、脱工業化に必要な新しいサービス・ビジネスを生み出すことにも結びつく可能性を秘めています。なぜなら、下記の図式が考えられるからです。

 患者の数が減る ⇒ 医師の収入が減る ⇒ 収入減を補うための医師の事業多角化が専門家の支援を得て進む ⇒ 健康関連のサービス・ビジネスが誕生する。

 上記した医療改革のプラスの波及効果を読んで、「健康が維持できるような生活をすることなく年老いてしまった人には関係のない話だ」という反論が出ることでしょう。この反論はそのまま受け取るべきでしょうか? 「否」です。なぜなら、

 高齢化が進んだ地域社会を視察した有能な栄養管理専門家は「デタラメの食生活をしている人が多すぎるからです。栄養管理に気をつければ、慢性疾患とは無縁の人生を送ることができるのに」と発言しているのです。かく言う筆者もこのことの実証者です。病気がちとなっている生活を見直すことなく既得権益を失うことだけに苦情を言うのは駄々っ子と違わないのではないでしょうか。

 しかしながら、適切な努力をしてもどうにもならないことがあります。不慮の事故や先天的な疾患がそうです。このような場合は、手厚い生活保護が必要となるのは言うまでもありせん。この財源を確保するためにも、プラスの波及効果を持っている医療改革が必要なのではないでしょうか。


規制緩和は雇用機会の拡大と産業構造の高度化に貢献する(例2)

 前述した埋没傾向にある日本経済を抜本的に救うためにはどうしたらよいでしょうか? 下記の図式を実現させることではないでしょうか。

 今携わっている仕事を標準化する ⇒ 標準化した仕事をアウトソーシングして、自分は高度の試行錯誤を伴う、専門性の高い仕事に就く ⇒ 新たに携わった仕事を標準化する ⇒ 産業構造の永続的な高度化が実現できる。いいかえれば、様々なビジネス・チャンスが生まれる ⇒ 雇用機会が永続的に拡大する。

 上記の日本経済の抜本的救済策を念頭に置いて、コンビニでも薬が買えるようにした規制緩和のことを考えて見ましょう。下記の図式に結びつく可能性が大です。

 コンビニでも薬が買えるようになる ⇒ 薬局は生き残りのために新たな規制緩和を求めるようになる ⇒ 自己診断薬が薬局で買えるようになる ⇒ (医師は高付加価値の仕事に専念して患者当たりの収入を増やしたいと思うようになる ⇒ 新たな規制緩和が行われる ⇒ 傷の手当てはパラメディカルに任せ、医師は高度医療に専念する) ⇒ 国民一人当たりの付加価値生産性が上昇する ⇒ 日本経済の生産性が上昇する。

 「コンビニでも薬が買えるようにするなんて安易すぎる」という批判があります。この批判は医療改革に対するのと同じように視野狭窄症のなせる業なのです。


郵政民営化はマイナスよりもプラスの方が遥かに大きくなる(例3)

 「分社化はコストアップに結びついている。したがって、郵政民営化は失敗だ」ということをテレビ出演した著名な評論家が声高に叫んでいます。この批判は正しいでしょうか?

郵政民営化は二つの効用を生み出すことが可能であることを忘れてはなりません。

(効用1) 民間が使える資金量が拡大するので、国内での企業活動がしやすくなる。したがって、日米新租税条約日英新租税条約の締結に伴って拡大するであろう外資の資金調達が容易になり、日本経済の規模拡大を可能にする。(詳しくは ⇒『米軍基地再編成は大きな果実を生む先行投資になり得る』)

(効用2) 手厚く保護されてきた巨大な官営金融機関である郵便局が存在しなくなる ⇒ 金融機関の経営の成否は才覚が決する度合いが高くなる ⇒ 成長性豊かな企業を発掘・育成できる人材が金融機関に集まりやすくなる──、という図式の実現が可能になる。(詳しくは ⇒『金融資本の本来のあるべき姿』)

 上記した著名な評論家の批判は下記のような発言をしてきた自民党守旧派同様に視野狭窄症なのです。

「(郵政民営化が実現されても) 人件費は減らぬ」(05.3.16日付『朝日新聞』朝刊の4面)
「郵政民営化は地方を大事にしてきた自民党のこれまでの良さを否定するものだ」(05.8.7日のテレビ朝日報道番組『サンデー・プロジェクト』)


ポスト小泉の政権公約は精緻であるよりも基本方針の明示の方が好ましい(例4)

 時計を逆回りさせる世論操作の片棒を担いでいるのは著名な評論家や学者だけではありません。日本を代表する新聞の記者や編集責任者も同様です。06.9.2付け「朝日新聞」一面の『素粒子』に次のことが記されていたのです。

   なぜ、いま安倍普三氏なのか。自民党総裁選の会見は拍子抜け。
    ア  曖昧、抽象的な公約で
    ベ  弁舌サラサラ意味不明
    シン 新憲法の旗でも振れば
    ゾ  族議員の神輿に乗って
    ウ  『美しい国へ』行けるのか

 安倍普三氏の公約は確かに曖昧、抽象的でした。同氏の公約はたった4枚。他の候補者の公約は20枚…ということで酷評する向きもありました。

 安倍普三氏の公約がたった4枚で曖昧、抽象的であったことは非難されることなのでしょうか? 「否」です。理由は次の通りです。

 小泉首相の役割は日本的集団主義にどっぷり浸かった日本の社会に大きな風穴を開けることです。したがって、独断専行が必要です。なぜなら、自分に染みついた習慣の打破を賛成する人はほとんどいないからです。麻生外務大臣と谷垣財務大臣が揃って「奇人・変人の小泉首相だからこそ創造的破壊ができた」と言ったのが何よりの証拠です。

 ポスト小泉の役割は小泉首相が開けた大きな風穴の中に入り込んで新しい日本を創り上げることです。総合的な施策が必要なので、衆知を創造的に結集しなければなりません。いいかえれば、小泉首相のような独断専行は許されません。

 このような場合、精緻に練り上げた公約を掲げたとしたらどうなるでしょうか? 二つの深刻な事態が発生するのではないでしょうか。

新しい日本を創り上げるための総合的な施策を創るためには多大な時間を必要とする。にもかかわらず、短時間で対応したとすれば盲点の多いものになる危険性が大である。

政権公約が精緻になればなるほど「口を挟む余地がない」「反対意見となるので言いにくい」となるので、衆知を創造的に結集することが困難になる。

 しかしながら、「小泉首相が開けた大きな風穴の中に入り込んで新しい日本を創り上げる」といったような公約では駄目です。なぜなら、企業の社長が「新規事業を開発しよう!」と号令しても社員は動かない。動いたとしても、的外れな新規事業開発を目指すことになってしまうのと同じことになるからです。

 新規事業開発の必要性に迫られている社長は「バイオテクノロジー分野を新たな事業分野にしよう!」といったような号令をかける必要があるのです。なぜなら、新たに開発すべき事業分野を明示することによって始めて開発テーマ代替案を発想・選定するのに便利な関連樹木図を創ることができるからです。

 安倍普三氏は「経済成長を梃子に用いて改革を行う。そして、憲法改正・教育基本法改正・再チャレンジ支援を3本柱に用いて新しい日本を創る」という趣旨の公約を掲げました。一方、財政破綻寸前の日本経済は国民福祉のことを考えると、拡大均衡路線を歩み続けなければなりません。ということはこの3本柱は次のように表現すべきでしょう。

日本経済が拡大均衡目線を歩むことに貢献できるように再チャレンジ支援を行う。
日本経済が拡大均衡目線を歩むことに貢献できるように教育基本法を改正する。
日本経済が拡大均衡目線を歩むことに貢献できるように憲法を改正する。

 財政再建と結びつけることなく憲法改正・教育基本法改正・再チャレンジ支援を進める余裕は今の日本にはないのです。連立方程式を解かなければならないのです。(連立方程式の分かりやすい例 ⇒『成長分野に成功裡に進出する秘訣』)

 日本経済が危機に瀕していることを考えると、憲法改正・教育基本法改正・再チャレンジ支援の全てを日本経済の拡大均衡に結びつけて考えなければならないのです。

 上記のように解釈するとすれば、安倍普三氏の政権公約は衆知を創造的に結集しなければならない新政権の公約として合格点を与えることができるのではないでしょうか。但し、『変革期に必要不可欠な斬新な着眼力が日本のエリートに育ちにくい図式』を念頭に置いて厳重に監視すべきでしょう。


チャンスを逸早く掴み取りたければ自分の性格と由来を識別しよう!

 以上の説明からお分り頂けましたように、医療改革・規制緩和・郵政民営化等のプラスの波及効果は実に大きいのです。また、最高権力者のリーダーシップのあり方は環境と共に変わらなくてはならないのです。

 にもかかわらず、目先のことしか考えなかったり、慣性の法則の犠牲になったりする人の数の方が遥かに多いのはどうしてなのでしょうか? 下記図式に嵌ってしまっているからなのでしょう。

 (行動力学化している自分の性格とその由来を識別しない生活を送る + 日本的集団主義にどっぷり浸かっているので、思考がルーティン化する ⇒ 良くなりたい。そのために努力したい…という人間本能が適切に作動しなくなる)+(先行きがどんどん不透明になる ⇒ 思い通りにいかなくなることが増える ⇒ ストレスが溜まる) ⇒ 深く考えることなく自動的に刺激に反応しやすくなる ⇒ 視野狭窄症や拘禁服着用症に罹りがちとなる。


憲法改正問題を巡る世論の真相 (深層) (2007.5.8追記)

 ゆで蛙症候群の原因になっている行動力のなさは、憲法改正に賛成する一方において安倍政権がこの音頭を採ることに反対する人が少なくない。ところが、憲法改正を綱領の中で明確に謡っている自民党の支持率が上昇している。── この不思議な世論にも現れています。どうしてこうなってしまっているのでしょうか? 次の図式が原因していそうです。

 日本的集団主義にどっぷり浸かっている ⇒ その場しのぎの習慣が染みついている ⇒ 臨機応変性を失いたくない ⇒ 適切な改革は是認する。しかし、臨機応変性を失うことに結びつく改革断行には反対する。

 問題をできるだけ先送りしたい日本人が実に多いのです。それでは憲法改正をできるだけ先送りすることは許されるでしょうか? “される国際化”推進の保険となる新憲法制定が急がれるにあるように「否」です。

 憲法改正問題がそうであるように先送りが許されないにもかかわらず先送りをついついしてしまうのはどうしてなのでしょうか? 複雑な事情が災いして円滑な第一歩が踏み出せないにあるのと似た事情があるからです。先行きがどんどん不透明になる時代を生き抜くために必要不可欠な臨機応変力がないからなのです。



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