第3-1部 |
個性的才能を引き出す性格診断はどんな効果を生み出すのか?(T) ― 人生再構築プロジェクトの提起 ― |
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悩みを寄せつけず、個性的才能を引き出すための処方箋を創る |
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プロフェッショナルになるかワーキング・プアーになるかしかなくなる |
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個人の自立と自律の必要性は高まる一方である |
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成長限界打破の手段としてホワイトカラー業務の外部委託が注目されるようになる |
(節子) 働く人が置かれる立場は今が一番厳しいのか、それとももっと厳しくなるのか…の歴史的な傾向を知りたいので聞くんんだけど、『自由貿易の積極的推進は米国の強みを損ないかねない』にあるようなことは日本でも普通のことになるのかしら?
(高哉) ホワイトカラーの仕事がどんどん外国に流れていくことに結びつく事態が進行していくのは 『変化してきた労働環境は元に戻ることはないことを覚悟しよう!』やホンダ社長の話にあるようなことだけではないことを認識しなければならない。というのは、次のような図式を一例として挙げることができることができるからなんだ。
(人間を一様に扱うことが許されなくなり、個別管理が進んでいる + 利害関係者の多様化が進んでいる ⇒ 要求事項の多様化が進むこととなった)
+ (コストダウンのあくなき追求が必要になった ⇒ 仕事の外注先の多様化が進むこととなった) ⇒ コンピューターにインプットされるデータの複雑化が進むこととなった
⇒ 現在の銀行システムの下で自動車を生産すると、約1割が車のない自動車になってしまう…等のような事態が発生するようになった ⇒ データの一元管理に資するホワイトカラー業務の外部委託受け皿センターが必要不可欠になってきた。
したがって、貴女が持ち出したアメリカの例は他人事ですますことはどんどんできなくなる。このように言うしかないんじゃないかな。
(節子) 給与支払いの外部委託も進んでいるようね。この傾向が続くと、人事業務全体の外部委託という事態にもなる。人事部の人が企業内で生き抜くためには、労働意欲を向上させることができる人になる…といったことが必要になる。(重要参考資料
⇒ 『分類学的な能力に対する需要はすっかり冷え込んでしまった』)
しかし、こういう能力を身につけることができない人も出てくる。さりとて、社会全体でスケールメリットが追及されるようになるので、人事業務全体の外部委託の受け皿企業への転身もしにくい。
そういった意味でホワイトカラー業務の外部委託は不幸をばらまくことになってしまうのではないかしら? すごく心配。
(高哉) 人間ひとりひとりの進化が必要になるけど、逆だね。人類が成長の限界を迎えたのは今だけではない。この打破の歴史が人類の歴史でもある。大きく分けて三回に亘って成長の限界打破に成功してきた。
第1回目:鉄+交通技術
世界中に航海網と鉄道網ができあがり、世界市場の開発が可能になった。したがって、一国主義が生み出す成長の限界を打破できた。ところが、輸送コストの壁が成長の限界に結びついてしまった。
第2回目:石油+石油化学
低価格エネルギーと低価格構造が可能となり、輸送コストの壁を乗り越えることができた。ところが、きめの細かさの不足が新たな成長の限界となった。
第3回目:テレコミュニケーション
極端な言い方をすると世界中の人との個別の会話が可能になったので、色々な面できめの細かい対応ができるようになり、成長の限界打破に成功した。ところが、ニーズの個性化が進んだために、在庫がデッドストックになる…という新たな成長の限界が生まれた。企業の海外進出にはこういう悩みがある。
(節子)第4回目の成長の限界打破策がホワイトカラー業務の外部委託というわけね。なんとなく分かるような気がするけど、理路整然と説明してくれないかしら?
(高哉) 単純化して言うと、「生産機能だけではなくホワイトカラー業務も外部委託される ⇒ 現地で完結的なビジネスができる ⇒ just-in-time方式を採用できる
⇒ 在庫が多すぎる ⇒ デッドストックになる…という壁を乗り越えることができる」とい図式になるというわけさ。
この図式の実現が大きく遅れていたことが世界経済をバブルにし、このバブルがはじけて世界が突如として大不況に突入した。したがって、世界経済はこの図式実現に着々と向かわざるを得ない。こういう理解が必要だと思う。デジタル・ネイティブの時代到来の影響を考えるとますますだ。
僕が『個人パワーがどんどん発揮しやすくなる (やる気が入門資格のプロフェッショナルを目指すことが最善の不安払拭策の時代になった)』と主張し始めた背景には、こういうこともあるのだと理解して欲しい。
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(先行きがどんどん不透明になっている + 個が埋没する時代が長く続いたので、個性を本当に受け止め理解できる人が殆どいない ⇒ 臨機応変力の必要性がかつてなかったほど高くなっている)
+ (降りかかってきた難問を受け止めて創造的に解決しようとしないその場しのぎの人生を送っている ⇒ 臨機応変力の強化が進みにくい) ⇒ 臨機応変力の欠如が露呈されるようになった ⇒ ピンチに陥ったり、チャンスを逸する度合いが極めて高くなっている ⇒ ストレスが溜まり続けたために一触即発の状態になっている。 |
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