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増税先にありきは日本の可能性を摘む |
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増税封じ込めが本格的再生力を生み出す |
(節子) 「日本丸が沈没しそうだから増税しなければならない」「ヨーロッパの消費税は20%。したがって、日本はせめて5%」という専門家筋の意見が勢いづいて、増税の国民的コンセンサスが着々とできあがりつつあるわね。夏の参議院議員選挙が終わったら消費税引き上げに突き進むのかしら?
(高哉) 専門家の意見は鵜呑みしたらいけないよ。日本のいわゆる専門家には大きく分けて二つの問題がある場合が多いんだ。
日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきたことが原因しているためか超高速道路ががらがらに空いている状態であなたを待っているような状態になっている。これが一番目の問題。にもかかわらず、「自分達にできないことは他の人ができるはずがない」と思い上がっている学歴エリートが多い。これが二番目の問題。
(節子) 一番目の問題は貴方からよく聞かされているから理解できる。二番目の問題は始めてなので具体例で説明してくれないかしら?
(高哉) 戦争末期に広島に原爆が投下されたことを全く信用しなかったことが良い例だよ。自分達も原爆開発をしていたが、最後の難関を突破できなかったので、他人も同じだと思ったようだ。このような思い上がりは現在にも脈々と引き継がれている。四つの例を思い出せば、納得できるんじゃないかな。
(節子) 安易な増税は国家運営システムを見直すことなく無駄な出費に結びついてしまうというわけね。身体機能補完のための福祉機器を安易に与えてしまうと、人間の持つ復元本能が働かなくなってしまう。これと同じことなのね。
(高哉) そうなんだよ。吉野家は店舗のレイアウトから何から何までも見直すことにより品質を落とすことなく牛丼の値段を大幅に引き下げることに成功して再建に成功した。こういう優秀な経営者が行っていることを国政を担っている人は見習わなければならない。
(節子) 安易な道に逃げ込むのではなく挑戦的目標を受け入れさえすれば、創意工夫が生まれることは戦後間もない頃の貴方の家が示しているわよね。
子供の要求を受け入れて食糧難であるにもかかわらず愛犬を飼うことになった ⇒ 生計の立て方を抜本的に見直すことになった ⇒ 広い庭と家族労働をフル活用できる、鶏・アンゴラ兎・モルモット等を大量に飼育することになった
⇒ お父様抜きで生計を十分立てられるようになった ⇒ お父様は上京して仕事をしながら公認会計士の資格を取った ──、という図式を実現させちゃったんでしょ。
でも、国家運営システムの再構築に日本の国民がついていけるのかしら。保守的ながちがちな人が多いのよ。
(高哉) 大丈夫だよ。日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきた。このことがこの場合は正の遺産として使えると思うんだ。なぜなら、次の図式に嵌っている日本人が多いからね。
融通無碍の生き方をしてきた ⇒ 思考力を鍛えることができなかった反面、脳神経の使われ方が固まっていない ⇒ コロリと変わりやすい ⇒ 流れができさえすれば、この流れに大勢が一気についていく。
加工されやすい素材が揃っているのが日本の社会である。このように考えられるんじゃないかな。但し、超高速道路ががらがらに空いている状態であなたを待っているような状態になっていることから明らかなように斬新な着眼の持ち主の登用が絶対に欠かせない。
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