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【斬新な着眼】



→八方塞りの袋小路から脱出する方法(その3) ― 金利も円相場も思い切って下げられないために、民需拡大がままならぬ日本経済のあり方を考える〈1999/8/10〉

4、地方の要所要所にも企業の本社機能を大集積させる

 貿易財と非貿易財のスイッチが円滑にできるために、貿易財に価格効果、つまり、為替相場効果が働きやすい。日米両国がこのようになっていれば、日本の対米貿易黒字が一方的に膨らみ続けることはない。

 但し、そのためには、二つの条件が必要となる。外需が不振であるのなら、内需によって国民の雇用を維持できるような産業構造になっていること、これがひとつ。貿易財産業と非貿易財産業の間における労働力などのリソースのシフトが円滑にできるなどの社会的条件が整っていること、これがもうひとつの条件。

 上記「二つの条件」充足度を日米両国で比較すると、米国は日本を遥かに上回っている。なぜなら、米国の産業界はレイオフが容易。それに社会全体のネットワーク度が高いなどが原因して、研究開発が成功裡に行われやすいために、先端産業の追及力が圧倒的だからだ。

 日米の貿易不均衡是正が容易ではないのは、上記したことが原因しているからなのだ。だから、米国はわが国経済構造の改革を迫って久しい。ところが、改革が遅々として進まなかった。そこで、米国は仕方なく、円高圧力をかけ続けてきたのだ。

 上記「二つの条件」の内、リソースのシフトを進める環境は整備された、あるいは整備されようとしている。なぜなら、わが国企業に利益重視の経営を迫る、金融ビッグバン並びに会計基準の変更が実施あるいは実施が予定されている。それに、転職しても経済的に損をしないような社会制度や労働市場の整備が進められることになっているからだ。

 しかしながら、労働力の円滑な移動は容易ではない。なぜか。日本的経営は組織人が市場性の高い汎用的な能力、つまり、構想力・独創力を培うことを、学校教育と一緒になって積極的に妨げてきたからだ。

 構想力・独創力強化の方法は既に述べた通りで、東京一極集中の是正も必要なのであった。問題はどのような形で東京一極集中を是正するかだ。

 地方の要所要所にも企業の本社機能を大集積させる。これを東京一極集中是正の到達目標にすべきであろう。なぜなら、地方の要所要所への企業の本社機能の大集積は大都市の創出に、大都市の創出はサービス産業の発展に、それぞれ結びつき、外需が不振であるのなら、内需によって国民の雇用を維持できるような産業構造への転換にも貢献できるからだ。

5、国民の構想力・独創力を強化すると共に、情報産業を否応無しに発展させる

◎構想力・独創力の強化は国民的レベルで行わなくてはならない

 貿易財と非貿易財のスイッチが円滑にできるために、貿易財に為替相場効果が働きやすくなり、貿易収支のバランスが保ちやすくなる。これがわが国経済構造改革の到達目標であった。そして、そのために必要なのが下記の施策などであった。

 利益重視の企業経営を促進する(金融ビッグバン・会計基準変更)。労働力の社会的移動を促進する(終身雇用の下での年功序列式賃金の見直し・年金制度の改革・労働市場の整備)。企業人の構想力・独創力強化の環境を整備する(脱「カイゼン」を必要にすること・東京一極集中の是正)。

 わが国経済は上記したことだけで再生できるのであろうか。「否」である。なぜか。上記の施策などの効果が見え始めれば、円高圧力がなくなるであろう。だが、国民の構想力・独創力の強化が急ピッチで進まなければ、産業界の活力は回復しないからだ。

 だからと言って、上記の施策などが構想力・独創力の強化に結びつかないというのではない。繰り返しになるが、脱「カイゼン」が必要になるので、構想力・独創力の強化が報われるようになる。社会横断的な活躍を保証されるので、日頃から伸びやかな発想ができるようになるからだ。

 でも、これだけでは構想力・独創力の強化に時間がかかりすぎるのだ。なぜか。分析・合成的推理を重ねた上で、ブレークスルー発想するようなことを、平均的な日本人は経験したことがないからだ。だからと言って、特定の企業人のみが専門家による訓練を受けるだけでは、日本人全体のレベルアップは「日暮れて道遠し」となりかねないのだ。

 わが国経済が脱工業化しても、国民の雇用を維持・拡大できるようにするためには、構想力・独創力の国際的な優位性を実現しなければならない。そのためには、日本人全体の構想力・独創力のレベルアップを実現させ、構想力・独創力の質を巡っての、国民間の熾烈な競争が行われるようにしなければならないのだ。             

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