こちらが好感を抱いていることを知ると、相手もこちらに好感を抱いてくれる。こういう状態になりますと、どちらからとなく、相手が喜ぶことをするようになります。すると、返礼がくる・・・・・。こういう好循環が実現されていく。すると、その内、お互いになくてはならない存在になっていき、行き違いがあっても、その原因に気づき、考え方や態度を直ちに改めるという理想的な人間関係ができ上がります。
仲の良い夫婦のことをお考え頂ければ、このような人間関係の綾に得心される方が多いと思います。
私、渡辺高哉はこの「相性の心理学」を適用して、顧客企業内のプロジェクト・チームを巧くまとめて、所期の目的を達成することができました──、その様子は次の通りです。
私が預かったチームに他のメンバーと巧くいかない人物Aさんがいました。一匹狼的な行動をとり続けてきたことが悪い人間関係の原因だったのです。ところが、Aさんは抜群の創造力の持ち主でした。プロジェクト・チームにとって必要不可欠な人物なのです。そこで、私は2段階アプローチを採用して、プロジェクトを成功させたのです。
(第1段階目)この顧客企業が業績拡大してサバイバルに成功するために必要不可欠な能力と仕事の進め方をクローズアップさせ、全員に納得させました。(私は一方的にまくし立てるのではなく、全員の発言を誘導しながら納得させたのは言うまでもありません)
(第2段階目)Aさんの能力や仕事の進め方をクローズアップさせるように、タイミングを見図りながら私はAさんの発言を求めました・・・・・。(他のメンバーのAさんに対する態度が好転し、これがAさんの協調的な態度の誘発に結びつきました。「相性の良さ」が実現されたのです)
|