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【斬新な着眼】


2006.11.12

→絶体絶命のピンチにどう対処すべきか?― 馴れ合い主義が無用状況におけるサバイバルのあり方を映画『交渉人』から学ぶ ―

映画を観ていない方は物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします

組織内で罠に嵌められ窮地に立たされた時、どうしたらよいのか?

(節子) ローマンが所属している警察署内の陰謀である。ところが、真犯人が誰であるか全く分からない。したがって、署内の全員がローマンを疑っている。ローマンも誰を信じてよいかが分からない。こういうことって一般的にもあり得ることねぇ。

 組織の上層部の人間が深刻な過ちを犯してしまった。これを認めると本人だけではなく、組織全体が致命的な打撃を受けてしまう。こういう時に、「あいつを生贄にしてしまえ!」となることはよくあることでしょう? こういう四面楚歌の状態に置かれ、放置していると身が破滅してしまうような時はどうしたら良いのかしら?

(高哉) 状況証拠が完全に近い形で揃っている。したがって、組織のほぼ全体がこの本人が真犯人であると思い込んでいる。「おかしいなぁ」と思う人間がいても本人の無実を晴らすための積極的な努力をすることが期待できない。

 このようなローマンが置かれることとなった状態であれば、腕利きの弁護士を登用しても無実を証明できる証拠を集めることができないまま裁判に持ち込まれて敗色濃厚となってしまう。

 こういう状態であれば、「公表されると組織に致命的な打撃となりかねない弱みを握る ⇒ 組織が本人を告発する時期を大幅に遅らせる ⇒ 独自の調査により事実を掴みこれを突きつける」という図式を成立させるしかないんじゃないかな。

(節子) どんな組織にも外部に知られたくないことがあるでしょうから「公表されると組織に致命的な打撃となりかねない弱みを握る」ことは公表の被害が自分にも及ぶことを覚悟してさえいればやってやれないことではないわね。ローマンの場合の人質に相当するわけね。

 でも、「独自の調査により事実を掴みこれを突きつける」ことは単独では無理じゃないかしら? 頭脳明晰、かつ交渉力に長けた協力者が必要じゃないかしら?

(高哉) その通りだと思う。樹海をさ迷うような調査では「日暮れて道遠し」となってしまう。こうならないためには斬新な着眼が必要不可欠。斬新な着眼を入手するには「思考の三原則」(全体を見る/長い目で見る/根本的に考える)を適用できる人物の岡目八目効果が欠かせない。この必要性は別の視点からも指摘できる。

 人間は自分のことを客観視しにくい。したがって、頭脳明晰な人物であっても固定観念の罠に嵌りがちである。そして、この固定観念は独りで調査を行うとますます強固なものになりかねない。なぜなら、膨大な調査を行うためには夢中にならなければならない。ところが、夢中になればなるほど視野が狭くなるからなんだ。

(節子) 創造的問題解決策を適切に策定するという目的のために、本人の判断をチェック&バランスさせつつ作業を進めることができる人物が要るわけね。でも、組織内の人間対策も必要でしょう? 調査を進めるために、調査後の本人に有利になる証人になってもらうためにも友好関係を築く必要があるでしょうから。このことをどのように実現したらいいのかしら?

(高哉) 嵌められた本人が真犯人であることに疑問を抱いており、かつ組織内で比較的影響力がある。こういう人物を一人でもいいから捜し出して、味方に引き入れる。これをまず密かに実現させなければならない。

(節子) 疑われていない立場を利用して調査を効率的に進めるのが狙いなの?

(高哉) その通り。でも、それだけではない。組織内の調査がある程度進んだ段階で、マイノリティー効果を発揮させることもあるんだ。

(節子) マイノリティー効果ってどういうことなの?

(高哉) 企業を再構築するために使う手法のひとつなんだ。たった一人でもメガトレンドに適ったあるべき行動を粘り強く採り続けると、追従者が少しづつ増えてきて、ある時点になるとこの数が急増して再構築が一気に進むことがある。これがマイノリティー効果なんだ。

(節子) 先見力のある人物が追従し続けてある一定の数に達すると、横並び志向の人達が「遅れてはならない」となるっていうわけね。

(高哉) その通り。味方が増えれば増えるほど組織内外の調査がスピードアップできるだけではなく、裁判になった時にその分有利な証言者が増えるからね。

(節子) マイノリティー効果をもっと納得できるように理論的に説明してくれないかしら?

(高哉) 適切な判断力を持っていることを知らせる。その上で、ひとつの目的に向かって粘り強く行動する。そうすると、多くの人は惹きつけられ行動を共にしたいと思うに至る場合が実に多い。この背景には、二つのことがある。

 時間とエネルギーには限りがあるので、最小の努力で最大の効果を挙げたいと誰しもが思っている。この常識は、「ひとつの目的に向かって粘り強く行動することは理があるはずだ」と思うことに結びつく。これがひとつ。

 前にも言ったように迷いがちなのが人間。一方において、愛情溢れる両親の導きに従って行動した心地よさが記憶されている。したがって、確信に満ち溢れた態度にはすごい魅力を感じてついつい追従したくなるのが人間の本能である。これがもうひとつの背景。

(節子) それに盲点って時間が経つと気がつくことが多いものね。粘り強い行動に感心している間に「あっそうか…」ということも加わることが期待できる。世の中の動向に精通して適切な判断力に基づいた行動を採り続ければ、堂々とした人生を送ることができることを知って嬉しくなっちゃった。

(高哉) その通りだよ。絶体絶命のピンチに陥っても決して諦めてはならない。強力な助っ人を探し出して、粘って粘り抜けば必ず活路が見出せるんだ。

(節子) 高度の交渉を成功させるためには難交渉成功支援にあるようなことができるプロフェッショナルの登用が必要であることが痛いほど分かった。

 使ってから5年経過した業務用エアコンを新品と無償交換させた高哉さんの交渉のことを思い出しちゃったわよ。その他の色々なことを知って「凄いなぁ」と思ったけど、人間心理に精通した緻密な戦略思考と粘り強さがあればとんでもない難問だって解決可能になるのねぇ。

(高哉) 僕の交渉成功例はローマンとセイビアンがやり遂げたことに比べたら大したことはない。ただ、ひとつだけ言わなければならないことがある。

 未来進行形の盲点を見抜き、この盲点をタイムリーに突くことがどんな交渉事でも必要なんだ。見抜いた盲点は多ければ多いほど都合がいいから、「将来必要になる生活・仕事の場面を想定・納得させる ⇒ 将来を展望すると新しい盲点があることに気づく」という図式も必要になる。だから、「未来進行形の盲点を見抜き」という言葉を使ったんだ。


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