第3-1部 |
個性的才能を引き出す性格診断はどんな効果を生み出すのか?(T) ― 人生再構築プロジェクトの提起 ― |
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悩みを寄せつけず、個性的才能を引き出すための処方箋を創る |
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プロフェッショナルとは特定分野における臨機応変力の持ち主である |
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到達目標のイメージングとこの実現策のシミュレーションを短時間でやってのける(プロフェッショナルのタイプ2) |
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ピンポイント力を発揮できる分野はいくらでもある |
(高哉) 自分の性格と由来をしっかりと認識する ⇒ 磨くに値する個性的才能を認識する ⇒ 自分の性格を生かす。いいかえれば、個性的才能を磨けるように今就いている仕事の仕方に工夫を凝らすようになる──、という図式もプラスする必要があるだろうね。
優しさが自分の取り柄だと知った花屋さんは花の見てくれを良くすることもさることながら「生け花が長持ちするノウハウを持っている花屋さん」という特徴を売り物にすることができるといったように…。優しい人は優しくしたいという衝動強迫があるので、この面で“好きこそものの上手なれ”効果が得られるようになる。 ── これが個性的才能を磨けるように今就いている仕事の仕方に工夫を凝らすようになるひとつの例。
僕が言いたいのは、個性的才能を引き出す性格診断を受けて“好きこそものの上手なれ”の世界に入ることができれば、誰でもそれぞれの分野で『孤独の賭け』の主役である乾百子のような才能を発揮できるようになるということなんだ。
(節子) 部屋の中をセンス良くするための花の生け方は自分でやるので、アドバイスは要らない。それよりも生け花を長持ちさせたい。こういうニーズはあるわね。このように考えると、性格にあった仕事に就くことによって次の図式からの脱却が可能になる分野は身近なところにも沢山ありそうね。
性格に振り回されっぱなしである ⇒ 現実直視力を失っている ⇒ マンネリズムにはまる ⇒ 臨機応変力が欠如する。
野菜のオクラを無造作に陳列しているスーパーがあるけど、風通しの良いところの方が鮮度が落ちないのよ。でも、優しくしたいという衝動強迫がある人じゃないと、そういうことに気持ちがいきにくいわね。短期的な経済合理性だけを追求する人だったら売り場の効率的利用にしか目が向きにくいから。
合理性の追求も視野が広いと、やや腐りかけたリンゴをジャム用にして売ることができる。ところが、「鮮度が落ちたリンゴは売れない」と決めつけてしまうと、利益率を落とすことになる廃棄処分となってしまう。
(高哉) 医者だって「性格に振り回されっぱなしである ⇒ 現実直視力を失っている ⇒ マンネリズムにはまる ⇒ 臨機応変力が欠如する」の図式からの脱却によって新成長機会をものにすることができる。
日本の医療はアメリカに比べて費用が安いために疾病率が低い。しかし、その反面、難病を治す能力がアメリカに比べて遥かに低い。この背景には、次の図式がありそうなんだ。
具体的な形がないものの価値を認めにくい国民性がある(具体例 ⇒ 『中長期経営計画の立案に必要なのは「立案する手順の知悉」であって「創造的な経営計画力」ではなかった』) + 日本モデルを維持するためなのか雇用力拡大を優先させるために薬品業界を育てようとする意識が強かった ⇒ 医師の個性的才能を経済的に評価するような風習が生まれにくくなる
⇒ 医師の洞察力がその必要性があまりないので培われにくくなる。(具体例 ⇒ 『日本の医師は洞察力大幅不足になるしかない』)
(節子) 成熟化が生み出すニーズの高度化は難病を治す能力がアメリカに比べて遥かに低いことを放置することを許さなくなる + 健康保険制度が破綻傾向になったために医療費が高くなってきた
⇒ 日本の医師の質的向上が急務となった──、という図式になるわけだけど、
日本が長寿大国になった背景には低い医療費が生み出した低い疾病率があると思うと、頭が痛くなる。環境が変わると、これまで通用してきたことが通用しなくなってしまうんだから。このことをどう捉えたらいいのかしら?
(高哉) 新しい環境に適応して生き抜きたいのであれば、波乗りのような処世術は必要不可欠だよ。(証拠 ⇒ うまくいかなくなったのはなぜか? (失敗の原因) /自由貿易の積極的推進は米国の強みを損ないかねない ) このことに納得してもらうために面白い話をさせてもらうよ。
ある職場に使い走り専門係がいた。ある日のこと、ある人がインターネットで物品を調達。これを見て他の人も次々と真似をするようになった。これに対して使い走り専門係は「モノは人が見て買うものだ」とぼやいた。
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