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個性的才能を引き出す性格診断の勧め

第2部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─

『孤独の賭け』から学ぶ

負け組から大飛躍に成功したが、勝ち組の維持は容易ではない

2008.3.9

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします


胆力と記憶創出力の源「海馬」強化に結びついた生い立ちが幸いした

(節子) 百子の人生はチャンスを掴みやすい踊り場に漕ぎ着けるための試行錯誤であることを次の歴史が物語っている。

 叔父夫婦から精神的虐待を受けた ⇒ 頼りになるのは自分だけであるという想いが嵩じた ⇒ 自分の安全性を確保できる大きな隙間を発見・創造しようとした。しかしながら、この願いを叶えることができなかった ⇒ ストレスが溜まりに溜まってしまった ⇒ ストレスを発散しつつ自己主張の機会を創るために不純異性交遊に走った ⇒ 不純異性交遊が発覚。相手役であり、かつ好意を抱き続けていた男の生徒が百子にそっぽを向くようになった

 ⇒ 人生の新天地を求めて家出をした後、パチンコ屋の住み込み店員になったり、アイスキャンデー売りをしたりして食いつないだ ⇒ 「叔父夫婦に復讐するためにビッグになりたい」という目的意識がにフィードバック回路の発動に結びついた ⇒ 「自分の特徴を生かして世の中に出て行こう!」と思うようになった ⇒ 「自分の優れた容姿を生かしてスターになろう!」と思ってストリッパーになった ⇒ スターになった百子と結婚したがる男性が現れた

 ⇒ 「結婚してもこのままでは女権が未確立の社会では自分の安全性維持は長続きしない」と思うようになった ⇒ 独学していた洋裁技術を本格的に身につけるために女中奉公を経て縫い子として洋裁店「ボヌール」に就職した ⇒ 出会った梯二郎との孤独な賭けに成功して、「ボヌール」のオーナー経営者になった。しかも、コレクションで成功を収め、一躍スターになり、押しも押されぬ地位を獲得できた。

 体当たりの人生が糧になったという意味で、百子の人生方針である「平凡に生きたって困ったことになる。だったら思い切って生きていこう!」は大成功を収めたわけよね。

 低迷人生や閉塞感に悩まされている人は百子を見習わなければならない。でも、今説明した百子の試行錯誤人生を知っただけでは「百子だからできたのだ」となってしまいかねない。

 百子の人生史から普通の人にも役に立つ教訓を引き出して貰えないかしら? 物凄く大事なことだから、以前の議論と重複するところがあっても構わないわよ。

(高哉) 前回の議論で僕が言った人生・仕事の成功方程式を思い出して欲しい。百子が才能を発揮しやすいのは、三つの条件が揃っているからだ。

成功したい想いが人一倍強い。この背景に、「自分の能力のみがこの世の中とつながっていくことを可能にしている」という性格からくる思いこみがある。

人の心を掴む独創性がある。この背景に、“創造の泉”の源流となっている、性格が生み出した次の図式がある。

 (何事も額面通りに受け取らない ⇒ 好奇心が異常に強くなる ⇒ 好奇心の的になった事象を鋭く洞察する ⇒ 鋭く見抜いたことをしっかり記憶できる) + 自分を取り巻く環境の洞察結果を踏まえて自分のアイデンティティを追及・確立する習性がある。いいかえれば、ひらめきが生まれやい ⇒ 独創性に満ちたジグソーパズル思考ができる。

直情径行性の強さ、いいかえれば、率直さがある。この背景に、「相手を惹きつけたり、痺れるような体験をして今を最高に生きたい」という性格がある。

 百子が果敢な行動力の持ち主なのは、このが結びついているからであると理解する必要がある。こういう教訓が導き出されるんじゃないかな。

 この教訓に接した人の中には「元々の資質が才能を発揮しやすくしているんじゃないの。このような資質がない私には役立たない教訓だ」と言う人が出てくるかもしれない。そういう人は「能力を引き出し、発揮させることができなかったのは、考え方、生き方に重大な盲点があったのではなかろうか」という謙虚な気持ちになって人生・仕事の成功方程式をもう一度読み直して欲しい。そうすれば、「そういうことだったのか」となると思う。

(節子) 人生・仕事の成功方程式の中に位置づけられている未来進行形の自己物語創造の効果が身についている人は少ない。したがって、侮辱されるとへなへなとなってしまう人が多いんじゃないかしら? 百子はそうではない。侮辱をバネに使うことができる精神的なタフさがあるから低迷から躍進の人生に転じることができたんじゃないかしら。

 ラブホテルで口論になった梯二郎から「まともな女だと思っていた。これからは娼婦として扱う」と言われ、「タクシー代だ」とお金を渡された。憤懣やるかたない気持ちを慰めて貰うために蒔田二郎を夜遅く訪ねたが断られてしまった。このことが「絶対に賞をとってやる」となり、実現した。こういうシーンがあったじゃない。こういうことは精神的なタフさがなければできないことよ。

 普通の人でも人生・仕事の成功方程式にしたがった生き方をすれば、百子のように受けた侮辱を前向きのエネルギーに転換できるようになるのかしら?

(高哉) マイペース力を創りたい想いが強い。海馬が鍛えられている。この二つが百子の凄さに結びついたと考えるべきだろうね。こういう目で人生・仕事の成功方程式を読み直して欲しい。「普通の人だって受けた侮辱を前向きのエネルギーに転換できるんだなぁ」と思うようになるはずだ。

 評論家のような立場でこんなことを言っているのではない。僕だって貴方も知っているように物凄い屈辱をバネにして一大快挙を成し遂げたことがあるんだよ。(詳しくは ⇒ 『燃えたぎるマグマのような挑戦精神が十分たまっていた』)

(節子) 継続的なチャレンジが成功の源「臨機応変力」を育むことがよく分かった。でも、チャレンジャーになるためにはそれなりの素地が必要ではないかしら。貴方の場合はユニーク極まりない生い立ちがこの素地になった。百子の場合は、次の図式がこの素地になったんだと思う。

 (母親が弱々しく、かつ兄に全愛情を注ぎ続けた ⇒ 母親のケアーを一切期待しなくなった) + (叔父夫婦に父が買った土地家屋を騙し取られ、そこに母・兄・百子の三人が居候することになった。にもかかわらず、叔父夫婦から迫害を受けた ⇒ 兄と母を相次いで失い、天涯孤独の身になった) + 許しがたき叔父夫婦一家がのうのうと生きている

 ⇒ 「誰も信用できない。独りで生きていかなければならない」と思うようになり、自分の心の中を探求してアイデンティティを確立しようとした ⇒ 「ビッグになって叔父さん夫婦を見下ろす立場になって騙し取った土地家屋から追い出したい。そして、痺れるような有能感を味わいたい」と固く決心することとなった。

 貴方も百子も類希な生い立ちの持ち主。このような生い立ちの効果を生み出すことができるのが人生・仕事の成功方程式に沿った人生を送ることである。この主張は納得できたけど、ひとつだけ聞きたいことがある。果敢な行動力を持てるようになるために一番大切なのは何かしら?

(高哉) 自分が心の奥底からやりたいことを自分でやろうと決定したので、最後までやり抜くことを可能にする、内発的動機に基づく自己決定をすることだよ。大阪市立大学の学長になった元旋盤工の児玉隆夫さん自信がなく読書嫌いであった。にもかかわらず目標を持って勉強し続けるようになった人がこのことを見事に証明している。

 但し、性格に合わないことだとやろうと決めても決して長続きしない。このことを念頭に置くことを肝に銘じなければならない。人には性格が生み出す個性的行動力学があり、この行動力学に沿わないことをしようとすると、ストレスが直ぐに溜まり、精神的ダメージを受けてしまう。それでも我慢に我慢を重ねると、その先にはうつ病・癌・動脈硬化が待ち構えていることを忘れはならない。

 楽しい幸せな人生を送りたいのであれば、「性格 = 行動力学」を念頭に置いた努力が必要なんだよ。(詳しくは ⇒ 『どうしたら新創業の壁を乗り越えることができるか?』)


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