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【斬新な着眼】
「助けて欲しい。理屈はいいから、妙案だけが欲しい」…という人が少なくありませんが、こういう考え方では抜本的問題解決はできません。そして、小手先の対策では立ち往生状態からの脱出・躍進は望めないことがほとんどです。なぜなら、自らのあり方を再構築することなくして様変わりした時代への適応は不可能だからです。 |
日本は哀れな末路を辿る危険性があります |
(理由1) 日本の社会は外国人を受け入れない(受け入れにくい)ところがある 無数の蛸壺がある──、これが日本の社会の特徴です。以前に説明しました「国民総囲い込み体制」がほぼ崩壊したにもかかわらず、社会の実態は相変わらずなのです。だから、「高角度で人材を探索・登用しようとしない(お互いに知った中で人選が行われがちである)⇒政治・行政・企業を適切に再構築できない」…となってしまっているのです。 適材適所とは程遠い人災が日本病の根本原因となっているのです。教育の荒廃だって同じことなのです。 だから、公認会計士の資格を取ったお父さんは駿河銀行の創業者である岡野喜太郎さんや日本軽金属の元社長である草野義一さんの強力な助けが必要だったのです。この二人がいなかったら、公認会計士の資格をとっても生活が成り立ちにくかったことでしょう。 国内でも上記の状態ですから、外国に対してはなおさらのことです。外国の対日投資が少ないことでは先進国中ダントツのナンバーワンであることが何よりの証拠です。となれば、「社会全体の同質化⇒例外的異色人材の排除⇒社会全体の保守化⇒社会全体の環境変化への不適応⇒国力低下の継続」…という道を辿らざるを得なくなるのです。 日本人はすぐに派閥を作りたがる。だから、組織全体を適切に再構築しにくい──、こういうことがよく言われる背景には、よく知った仲でなければ受け入れない蛸壺のような小集団が日本の社会に無数に存在していることがあるのです。日本は相変わらず国内に無数の国境があるような状態が続いているのです。 「外国に対して閉鎖的なのは日本だけではないでしょう?」…と言われるかもしれませんが、その考えは間違いです。次の歴史的事実を認識してください。そうしますと、日本だけがアジアの中でも異色であることを納得されることでしょう。
このような日本人の宿命的な環境のことを考えますと、私はお母さんとお父さん、それから数奇な運命に感謝しなければなりません。なぜなら、私は、二つのことが原因して日本人離れした、高角度思考ができる、異常な鋭敏さがある、つまり、偏狂さがまったくない──、という特徴を持つに至ることができたからです。
このことに関連してお母さんにこの際だから報告しなければならないことがあります。三菱総研時代の昭和56年、当時の三菱瓦斯化学の長野和吉社長に会った時のことです。 安宅産業に入社して配属された原料部の部長であった信澤巌さんの紹介でプロジェクト売り込みのための長野社長との面談に漕ぎ着けることができました。そして、長野社長は「地位の低い者がなんだ。生意気な」…という顔つきで私の前に現れました。(信澤さんは名門のゴルフ場クラブ「小金井カントリークラブ」の再建理事長、長野さんは同理事…という関係だったことがあります。だから、私は長野さんに会うことができたのです) ところが、大変な面談結果が生まれたのです。15分の約束であったために秘書による次の予定のための催促を悉く無視して時間を伸ばしに伸ばしました。そして、興奮の面持ちで私の手をしっかりと握り締めて、「どうしたら貴方のような人間ができあがるか、その秘密を知りたい。ご両親に会わせて欲しい」…ということを言い出したのです。 私の日本人離れした感性に吃驚仰天したのだ、と思います。3時間に及んだ面談が大成功したことは言うまでもありません。私が大勝負に出た、マルチクライアント・プロジェクト「新規事業開発の手引き」成功の先導役となった顧客第一号がかくして獲得できたのです。私は両親並びに辿ってきた数奇な運命に感謝したものでした。 |
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(理由2) 日本は自力では国家を改造できない 国家の病を治すのが政治家である──、こういうことを政治家は言いますが、この謳い文句の実現はほとんど不可能な状態になっています。なぜなら、中央官庁が日本のあり方を決める官僚支配体制が長いこと続き、政治家は官僚と国民の間に入るブローカーでしかなかったからです。鈴木宗男事件がこのことを如実に物語っています。 だからといって、官僚に改革を期待できるものではありません。現状維持が官僚の本質だからです。変革を決断できるのは政治家だけなのです。 そこで、「政治家の世代交代を推進しよう」…という声が沸きあがりがちですが、現状路線を歩む限り、新世紀の政治家にも適切な改革は期待できません。 なぜなら、「日本人の多くは保守的な体質が色濃く残っている⇒古い考え方に凝り固まった地盤が存続している⇒地盤がないに等しい候補者の当選は至難の業となる⇒地盤のお陰で当選した政治家は能力不足もあいまって地盤の意向に反した大胆な日本改造策を打ち出せない」…という図式が成立しているからです。 |
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(理由3)頼みの綱である創造的な挑戦力も衰退傾向にある 経済のデフレ状態から脱出して、再び成長路線に乗るためには、次のようなビジネス・パーソンが実権を握ることが必要不可欠です。 危険だがどうしてもやりたいからやる。ところが、思わざる障害が次から次へと発生する。でも、自分で決めたことだから後に引けない。そこで、工夫に工夫をこらして障害を克服して所期の目的を達成する。 すると、この達成感をまた味わいたくなって、冒険に乗り出す。そして、苦労に苦労を重ねて成功する──、こうしたことを繰り返すことにより、未知への挑戦力である「度胸」(どうしても巧くいかない状態になってもパニックにならない)並びに「勘」(五里霧中のような状態になった場合、「出口はあそこだ」と言いきれる)、つまり本当の意味でのイノベーション力を持つに至っている。 このようなビジネス・パーソンは日本の産業界に沢山いるのでしょうか?「否」です。なぜなら、中高年はぬくぬくした環境の下でナアナア主義に慣れすぎている。若者は厳しい時代に育ったが、「夢を持っていない。夢を持とうともしない者がほとんど」…という調査結果が示すように、創造的な挑戦力に必要不可欠な進取の気性が大幅に不足しているからです。 国家の夢を前提に個人の夢があるのが日本の社会の伝統。今は国家の夢がない。となれば、個人は夢を持ちようがない──、という一部の主張は正しいのです。でも、実に情けないことです。なぜなら、「どうしてもこういうことをしたい」…という心の奥底から湧き上がってくるのが、本来の個人の夢でなければならないからです。親の過干渉等の日本社会に横行している慣行の負の遺産の深刻さを感じざるを得ません。 |
アメリカの軍事力は一段と突出した輝きを持つようになる |
(理由1)水と油のキリスト教文明とイスラム教文明の対立が激化する キリスト教とイスラム教は昔からあった。9・11事件の発生は宗教的対立から生まれたものではない。にもかかわらず、キリスト教とイスラム教の対立の激化を云々するなんて少し変じゃないの?….という当然の疑問から答えます。 歴史的に共有できるものを持った者同士が集団を形成するようになり、ひいてはいわゆる文明の衝突の因子が生まれる度合いが高まります──、時代はこういう方向に流れています。この背景には、3段階からなる物語ができあがる必然性があるのです。
そして、この団結心は自分が所属する集団と他の集団と比較を通じて集団間の対立の心が生まれます。各種派閥抗争がこのことを物語っています。 |
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(理由2) 文明の衝突は武力衝突に発展しかねない 以上まででしたら紛争は発生しません。いわゆる文明の衝突が生まれるだけだからです。ところが、イスラム教には経済的に不利なルールがありますので、9・11事件の背景にある「絶望的な貧富の格差⇒怨嗟」…という図式が実現しやすくなります。 (だからといって、「イスラム教は駄目だ」…と言い切ることはできません。なぜなら、イスラム教には、地球環境破壊に結びつく安易な経済開発を抑制できる。改宗する前の非行は許されるので、人生の再出発を容易にしてくれる──、という二つがあるからです。イスラム教徒の数が世界中で急増している背景には、このようなことがありそうなのです) 自由主義経済は金利並びに先物取引を認めているが、イスラム教は認めていない。したがって、イスラム教徒は将来性を買う形の先行投資ができない。金利が認められていないので資金を集めにくい。となると、自由主義経済の国の経済力に追いつくことは不可能となってしまうのです。逆に、イスラム教の方が行き過ぎた経済開発を抑制できるのです。 「絶望的な貧富の格差⇒怨嗟」…となっても、イスラム教徒が節度ある行動をしてくれればよいのですが、これを望むことは困難です。なぜなら、世界の宗教を比較しますと、イスラム教には闘争性が目立つからです。だから、イスラム教徒が大量破壊兵器を持つことは怖いのです。核兵器と長距離ミサイルを保持するに至った北朝鮮のことはこういう脈絡の中で理解しなければならないのです。 経済混乱期におけるインドネシア人の中国系に対する暴動の激しさは凄まじいものがありました。「日本人には考えられない。同じアジア人でありながらどうして?」…と思った人は少なくありませんでした。この疑問は「インドネシア人のほとんどはイスラム教徒だから」…ということで解く必要があるのです。 |
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(理由3) ブッシュ大統領が宣言した「他国を寄せ付けない圧倒的な軍事力を保持し続ける」…は当分の間の真実になる アメリカは万難を排して国家ミサイル防衛構想(NMD)を実現させる可能性が大です。なぜなら、これによって、他の国家が攻撃ミサイルでアメリカを攻撃することが不可能になるので、あらゆる不安から国民を守る…というアメリカ政府の新しい任務に合致する。のみならず、アメリカ経済の底上げに結びつくからです。 国家ミサイル防衛構想(NMD)の実現は、「宇宙衛星の開発⇒地球隅々の監視体制の確立+情報通信技術の発展」…という図式を伴うことを忘れてはならないのです。 |
諸悪の根源である染み付いた生活リズムを再構築できる秘訣がある |
(理由1) 人間の行動を支配するのはリズムです。リズムが良くないので巧くいかない。逆にリズムが良いので巧くいく──、こういうことが多いものです。 |
(理由2) 抑圧的な環境が「イノベーション力」「構想力・独創力」の強化を妨げる、生活や仕事の負のリズムを生み出している。 |
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