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【斬新な着眼】
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お客様の立場を総合的にやさしく配慮する。 ── こういうことが必要な企業の新成長機会が増えてきました。一例が、「様々な野菜が混ぜられているので、少人数の家族にとって割安である」「水は一滴も付着していないで、ドレッシングをかけてとても美味しく食べられる」という効用を持つ、カット野菜です。 ところが、このような総合的な配慮をすることが不得手な人が増えてきました。「消費者(利用者)と生産者の分離の度合いが進んでしまった」「科学技術の進歩によりすっかり便利になってしまった」…からです。どうしたらよいでしょうか? 分業が未発達である上に、科学技術の恩恵を受けることが少なかった近代化以前の生活を経験したことがある古老と積極的に交わる。 ── こういう行動を若者が採ることをお薦めします。でも、単に昔帰りするだけの商品開発では駄目です。次々と生まれる新技術を積極に利用しなければ損をします。 だからといって、古老の知恵とハイテクのドッキングはすんなりと実現できそうにもないようです。なぜなら、長らく続いた成功方程式が醸成した固定観念の壁があるからです。「固定観念の壁」という言葉を聞いてうなってしまう必要はありません。大胆な発想を常套手段とする玩具業界を見習えばよいのです。 以上の詳しい説明を、筆者の母宛メールから抜粋・編集した文章を用いて行います。(遠隔地に引越しをした母は難聴になってしまったために、電話での会話ができません。そこで、筆者は知的好奇心旺盛な彼女が興味を持ちそうな話題を提供するためのメールをせっせと送り続けていたのです)
コンビニが大学生を含む子供に大変な誤解を招いています。「店内の壁面の向こう側には食料を無制限、かつ自動的に生産する装置がある」と思い込んでいる子供や若者が少なくないのです。「蒲鉾って海を泳いでいるの?」という人が昔現れて、カマトトという言葉が生まれましたが、それどころの話ではないのです。 お母さん、どうしてこんなばかげたことが生まれたと思いますか?理由は2段階にわたって存在しています。 (第1段階目の理由) 自分に与えられた役割に忠実、それ以外のことに関心を持たない。 ── 日本人にはこういうところが元々ある。 環境変化に適応して経営の舵取りをするのが与えられた役割であるにもかかわらず、「私たちは一生懸命に頑張っているが、経営が思わしくない。いつまで我慢すればいいのですか?」と政治家に向かって発言する企業経営者の数が少ない。これが何よりの証拠です。 (第2段階目の理由) 人間はほっとけばどんどん贅沢に、わがままになっていきます。そして、企業はこれにつけこみ、消費者は考える能力を失っている。 コンビニで買える弁当や調理済みのおかずだけではありません。百貨店の人間をすっかり骨抜きにしてしまった「問屋による百貨店の無能力化作戦」もそうです。 世の中が便利になる。だから、自分のしたいことにたっぷりと時間を回すことができる。 ── これはこれで実に素晴らしいことなのですが、思考が停止しっぱなしである人であると問題が生じるのです。・・・・・ ・・・・・同じような商品を大量に生産し、大量に販売することで日本の経済は大発展しました。箒で掃除していたときは画一的な掃除機でOKだったのです。ところが、これからはそうはいきません。汚い空気を撒き散らさない。音が快適である。掃除機にたまるごみが見える。ごみをためる袋を買う必要がない…といったような商品でないと駄目なのです。 生活者のことや色々なことを深く理解して始めて商品開発に成功できるのです。したがって、コンビニのことを誤解している大学生達に対して、「しょうがないわね」…ではすませることができないのです。 ここに、明治生まれの長老の出番があるのです。お母さんの子供の頃を思い出してください。囲炉裏があったでしょう。この囲炉裏は物凄い知恵の産物なのです。 食べ物を煮炊きする。排出される煙は木製の建物や建具を虫から守る。のみならず、長持ちするように強化してくれる。食事を採るためには囲炉裏を囲まざるを得ないので、最近の子供に増えた“引きこもり”は生まれようがない。意思疎通を図らざるを得ないので、今問題になっている家庭崩壊は生まれようがない。 ── 囲炉裏にはこのような効果があるのです。・・・・・ 病み切った地球再生のためには「百年住宅」の推進は避けて通ることはできませんが、近代技術の中に王様然と存在する囲炉裏が目に浮かびます。・・・・・
着せ替え人形やゴジラ等にわっと飛びつく…といった具合に、子供は玩具をどうしてそんなに欲しがるのだと思いますか?二つの理由がある、と私は思っています。 (理由1) 子供には社会的常識が大幅に不足しているので、「どんなお姫様にでもなれる」「スーパーマンになれる」…といった具合に夢と現実の世界を分離できない。 (理由2) 子供の「成長による達成感」には極めて大きなものがあります。子供は目を見張るばかりに急速に成長するからです。だから、子供はおしなべて好奇心旺盛──、となります。 にもかかわらず、伝統的な玩具メーカーが不況に悩まされて久しいのです。子供の数が少なくなったことや景気が悪いことも勿論原因していますが、他にもっと大きな原因があるのです。この大きな原因って何だと思いますか? テレビを始めとしてモノが溢れるような世の中になったために、子供は「玩具というモノで憧れの世界を疑似体験したい」…と思わなくなったからだ、と私は思っています。 だからといって、玩具屋は閑古鳥が鳴いているわけではないのです。なんと女児用の化粧品が良く売れているのです。日本トイザらスという大きな玩具屋が昨年のクリスマス商戦に向けて化粧ボックス等の化粧品を試しに数千個用意したところ、10日足らずで全部売り切れてしまったそうです。 「女児が化粧するの?」と怪訝に思われることでしょう。どうしてだと思いますか?主な理由は三つある、と私は思っています。
女児が化粧をする。 ── この社会現象は環境の変化は商売の種を次々と提供してくれることを意味しています。そして、環境はめまぐるしく変わっているのです。ということは、景気が悪いのは企業の怠慢が主な原因である、と言えるのです。 女児用の化粧品は女性向けの居酒屋と同じ観点での商品開発の成功例です。業務用にしかないことに注目して家庭用を開発して成功した布団乾燥機もそうでした。 これまでの私の説明を読み、お母さんは「疑似体験といい、背伸び需要への対応といい、玩具は所詮玩具なのね」.…と思われたかもしれません。もしそう思うのでしたら、間違いです。新しい事態が発生しつつあるのです。この事態って、一体何だと思いますか? ビデオゲームをも含める玩具が世界の産業界の先導役を果たすようになって来たのです。「そんな馬鹿な」….と思われるかもしれませんが、本当の話なのです。 変な話ですが、「玩具みたいだ」….という言葉が通り相場ですから、玩具は壊れやすくても責任はそんなにありません。一方、「スーパーマンになりたい」…という子供の夢に応えなければなりません。この二つが重なりますと、大胆な発想の結果である玩具が登場することになります。 ビデオゲームでテニスをしますと、「ポーン、ポーン」と本当にテニスをしているような錯覚に陥るほどだそうです。リアル感を出すために、先端技術がふんだんに使われるからです。 お母さんは「それがどうして玩具が世界の産業界の先導役を果すことに結びつくの?」と、質問したくなるでしょう。質問に答えます。 医者の卵は本当の医者になる前に手術の訓練をしなければなりません。だから、動物がしばしば犠牲になるわけですが、「もっともっと頻繁に、しかも色々なやり方で実験したい」…となりますと、動物だけでは駄目です。ここで登場したのが、人間の身体を切り刻む音、身体を糸で縫う音がする手術練習のためのビデオゲームです。 この手術訓練システム、テニス等のビデオゲームのために開発した擬音や動きを実現させる技術を使っているのは言うまでもありません。 工業化社会にどっぷりと浸かってきた人々が主導する限り世界経済はデフレの波に飲み込まれてしまいます。アメリカ経済の実態はこのことを逸早く知らせている、と理解する必要があります。アメーバー的事業展開からの脱出が急がれるのです。 ビジネス・パーソンに今必要とされているのは、「知りすぎのリスク」と「知らなすぎのリスク」の両方から同時に脱却することです。そのためには、トータル思考に基くブレークスルー発想の力を一日も速く身につけなければなりません。 (ブレークスルー発想によって生まれた商品販売のタイミングのとり方については『勝ち組メーカーに学ぶサービス事業戦略』をお読みになってください) ![]()
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