新創業研究所 E-Mail: info@trijp.com TEL: 03-3773-6528 FAX: 03-3773-6082 〒143-0023 東京都大田区山王2-1-8 山王アーバンライフ401 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【斬新な着眼】
国民の最大の関心事になっている不良債権の加速処理は日本経済にどんな影響を及ぼすのでしょうか? 株価が示すように悲劇の始まりになるのでしょうか? 強力な支持を打ち出したアメリカ政策当局の考え方通りに日本の夜明けに結びつくのでしょうか? |
日本再生に一番必要なのは個人のパワーアップである |
不良債権の加速処理は失敗する可能性が大である |
(理由1) 一直線での成長が不可能になったために必要不可欠になった創造的問題解決能力が銀行業界に大幅に不足している 「東大の法学部を卒業して人事畑で30年仕事をしてきました」…だけでは触手を動かす経営者はいなくなったことから明らかなように、時代は洞察力や知恵を働かせ問題を創造的に解決する能力を要求しているのです。ところが、銀行には知恵者はほとんどいないようなのです。 「リストラで人員が大幅に削減されたので、資金需要発掘のための人員を配置する余裕がない」…という銀行経営者に目立つ発言が何よりの証拠です。プッシュのマーケティング(訪問販売、巨額広告等の物量で勝負する販売活動)一本やりで、プルのマーケティング(顧客の方から訪ねて来るような吸引力で勝負する販売活動)のことなんか念頭にないようなのです。これでは潜在している優良企業を発掘して育成すること等期待しようがありません。 |
|
(理由2) 現行の金融業法には矛盾がある 「中国等の躍進⇒日本から工場の消失傾向」…だけに目を取られがちですが、アメリカの企業が優れた特殊技術を持った日本の中小企業に出資して囲い込みをどんどん行っています。 将来性があれば2〜3年利益が出なくても目をつぶる──、これがアメリカ側の出資姿勢。今どれだけ利益を出しているかが問題である──、これが日本側の出資姿勢。だからなのです。この理由の理由はなんなのでしょうか? 次のような事情が日本側を近視眼的にしてしまっている、と私は理解しています。 将来性があるからじっくりと育てたい⇒金利支払いを当分免除する⇒貸付先が「要注意先」から「要管理先」になる⇒貸し倒れ引当金を3倍にしなければならなくなる⇒リスクに見合う高い金利を要求する⇒借主の企業側がしり込みしてしまう。 |
|
(理由3) 銀行経営にはスケールメリット追求の限界がある 質的能力において日本を大きく上回っているアメリカの銀行業界ですら、巨大銀行よりも中堅銀行の方が利益率が高いのです。この背景には「規模の巨大化⇒官僚的な組織運営⇒顧客第一の姿勢喪失」…という図式があるのです。 顧客第一の姿勢が必要な背景には、「高度のプロフェッショナル・サービスの提供が必要になる⇒組織よりも顧客利益に忠実であることが要求される」…という図式が銀行経営を待ち受けていることがある、という判断があります。 高度のプロフェッショナル・サービスの提供が必要になる…ということは銀行業界に限ったことではありません。全産業に共通して言えることです。したがって、サービス事業の本質の理解と適切な対応がすべてのビジネス・パーソンに求められるようになります。 |
|
(理由4) 受け皿となる企業の合理化が進行中であるので、吐き出される人材や資金を受け入れることができない場合が多い 貸借対照表の健全化のためにゼロ金利でありながら借入金の返済が行われるという不思議な現象が発生している背景には、現事業の合理化、新規事業開発──、この二つを円滑に進める方策が見つからないことが多いのではないか、と思われます。 |
強力な助っ人を斬新な着眼に基いて探索・登用しなければならない時代がやってきた |
不良債権加速処理は社会横断的な相互依存欲求を目一杯溜め込むことに結びつく |
(ステップ1) 個人の自由を制限する「国民総囲い込み体制」がほぼ崩壊した 「年功序列式人事・退職金・企業年金の三点セット、右肩上がりの市場をバックにする終身雇用制度、内外の他社や組織に所属していない個人に仕事を回すことの困難性をバックにする系列取引。この三つからなる「長期拘束体制」。体制に所属しない企業や個人の徹底的排除を可能にしてきた「政官財の癒着体制」 国民を蛸壺や樽の中に閉じ込めてきた、上記の「国民総囲い込み体制」が長引く不況等が影響して、ほぼ崩壊してしまったのです。羽ばたけるにもかかわらず鳥かごの中にいる小鳥のように振舞っている日本人がほとんどであるのは、ぬくぬくできる以上は未知への挑戦は避けたい…という心理が働いているからなのです。 |
(ステップ2) 羽ばたく心構えを持たなくてはならない…と間もなく思うようになる 前述しましたように、不良債権処理の加速処理の結果、吐き出された大量の人材は行き場を失います。つまり、失業率が急拡大します。すると、人々の心理は「ぬくぬくできる以上は未知への挑戦は避けたい」から「追いたてられる以上は未知への挑戦をするしかない」…に変化することでしょう。 そうすれば、「役に立ちそうでも知らない人には電話なんかしませんよ」…というような悠長なことが許されなくなる。つまり、May I help you?…と言い合う爆発的なエネルギーが蓄積されるはずです。多くの人々が“窮鼠猫を噛む”ような状態に近づくことが予想されるのです。 |
@ | サービス事業の本質の理解と適切な対応のあり方 | |||||
A | 強力な助っ人の必要な条件(図表28 職歴から来る「革新性と思考の3原則」充足の度合い) | |||||
B | 国民総囲い込み体制を支えてきた「伝統的ビジネス・モデルの仕組み」 | |||||
C | 現事業の合理化と新規事業開発の円滑な同時進行等の複雑な問題解決の方法 |
(前号に戻る) | (次号に続く) |
●『斬新な着眼』を無料でお届けする電子メールマガジンを発行しています。ぜひご登録下さい(無料)。
バックナンバー:斬新な着眼 |
|
||
→ トップページ | ||
|