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個性的才能を引き出す性格診断の勧め

第2部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─

『孤独の賭け』から学ぶ

負け組から大飛躍に成功したが、勝ち組の維持は容易ではない

2008.2.3

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします


成熟時代の切り札であるピンポイント力があった

(節子)
百子は美香を捜すために入った、不良の溜まり場であるジャズ喫茶でチンピラのボスから「美香を連れ戻したいのであれば、10万円(現在の約100万円相当)を払いな」と言わた。彼女は怖じつけづくことなく、「10万円を使えば、本物のヤクザを雇ってここに連れてくることができる」と切り替えしてチンピラのボスを逆にやり込めることができたのはどうしてなのかしら?

(高哉) 「自分の生命を守りたい」「最小の犠牲で最大の効果をあげたい」という人間の本能がチンピラのボスに働き、「この女は自分よりも遥かに上手だ。争ったら成果よりも犠牲の方が大きくなりそうだ」と思ったからじゃないかな。

(節子) 百子がそのように相手の心理をついた当意即妙の交渉ができるのはどうしてかしら? 若いのに空恐ろしい。そこらの臨床心理士では太刀打ちできないわね。

(高哉) ピンチに陥った ⇒ 元々持っている鋭い状況分析力が作動した ⇒ 蓄積されている記憶の探索が始まった ⇒ 「これだ!」と言えるアイディアを思いついた──、という図式のなせる業だと思う。こういう離れ業ができる背景には三つのことがあると思う。

定時制高校時代の不純異性交遊から始まって体当たり的な行動を積み重ねてきている。いいかえれば、普通の生き方をしてきた人に比べると応用が利く経験記憶量が遥かに豊かになる。

頼りになるのは自分だけであるという想いからくる用心深さが新しい経験は過去の経験に照らし合わせて解釈する習性に結びいている。いいかえれば、記憶の検索を行うことが多いので記憶力が自ずと良くなる。

の結果、創造的な交渉人になる素地が培われた。つまり、海馬、ひいては胆力が鍛えられたと同時に脳の中にあるシソーラス機能の充実、ひいては知恵力の強化が実現した。

 百子のこの特技は交渉事だけではなく創造活動全般に応用されている。「創造とは森羅万象の独創的組み合わせである」という考え方に基づいて百子の特技を図式化すると、次の通りになると思う。

創造力が身につく仕組み
(好奇心が強い ⇒ 鋭敏である ⇒ 事象の深層を事細かく解明する ⇒ 人生経験を積むにつれて応用が利く斬新なデータ・ベースが頭の中にどんどん蓄積される) + (「なんとかしなくては」となるような事態が発生する ⇒ 自分だけが頼りである想いが嵩じる ⇒ 大きな隙間を発見・創造しよう!と強く思う) ⇒ ジグソーパズル思考が自然に行われる。

(節子) 百子が交渉上手だけではなく、バーの人気マダムになったり、コレクションで斬新なデザインを発表して一躍スターになることができたのは、だからなのね。。百子の特徴をもっと知るために質問するんだけど、梯二郎との間にあった興味深いやりとりの真相を知りたいの。

 訪ねてきた梯二郎を喜んで迎え入れた。ところが、300万円(現在の約3000万円相当)の追加融資の快諾が伝えられなかったので気分をとたんに悪くした。この態度は単なる我侭から来るのではなく百子の特技と関係するような気がするんだけど、どうなのかしら?

(高哉) ピンポン! 「300万円の追加融資を前提にした新しいアイデンティティが理解されなかった ⇒ 自分の有能感が満たされなかった ⇒ 感情が著しく害された」という図式のなせる業だと思う。

(節子) 百子の鋭角的なアイデンティティへのこだわりは都はるみやカーペンターズのカレンにも通じるところがあるわね。都はるみは「自分らしく歌い、演技をして聴衆の反応を知りたい」、カレンは「聴衆の反応を肌で感じる場所で弾き語りをしたい」と言っていたのよ。この二人はスランプに陥ったことがあったけど、この背景には彼女達のこうした想いとは違う舞台を勤めなければならなかったことにあったみたい。

 百子は頭の切り替えが早い。都はるみとカーペンターズのカレンはそうではない。こういう違いはあるけど、創造的な人に共通しているデリケートで気難しいところはよく似ている。「人を見て法を説く」ことの必要性をつくづく感じるわね。そうでないと、才能を引き出せないだけではなく、相手の気分を損なって人間関係を悪くしてしまうのよね。ところで、百子の自信の源である才能はどのようにして育まれたのかしら?

(高哉) 百子を深く理解するためには、ジグソーパズル思考が行われる経緯とは違った説明が要るよね。百子のような性格の持ち主の心理状態とその影響を図式化すると、次のようになっているんだと思う。

 自分だけが頼りであると思いこんでいる ⇒ 自分を取り巻く環境に不安がある ⇒ 不安から逃れるために自分の精神空間に浸る ⇒ 思考癖がつくので事象の観察力が自ずと身につく ⇒ 観察結果に基づいて自分の安全を保障してくれそうな大きな隙間を発見・創造する。いいかえれば、独創的なコンセプト・技術・造形物を開発する。

 百子のような性格の持ち主はオタク人間になりやすい。ところが、百子の場合は「なんとかしなくては」という想いが強かったために行動派にもなった。百子は「鬼に金棒」の状態になったと言えるかもしれない。

(節子) 百子は自信家であるにもかかわらず迷うことも結構あるようね。梯二郎と初めて出会って別れた後、「本当に欲しいのは男なのか、金なのかがよく分かりない」と思ったり、訪ねてきた梯二郎とやりとりがあって、彼が「じゃまたな」と出て行く時、抱いて貰うために追いかけて行きたくなった。しかし、そうしなかった。こういう百子らしくない優柔不断な態度をどう理解したらいいのかしら?

(高哉) 自分を取り巻く環境を鋭く洞察してチャンスを逸早くものにすることに結びつける作業には試行錯誤が伴っている。いいかえれば、百子のような人間でもアイデンティティの確立には時間がかかる。だからだと思う。

 ということは、彼女の才能を使い切るためにそれ相応の工夫が要ることを意味する。試行錯誤の適切化とスピードアップを図るためには、発想を適切に刺激できる人物を捜し出して話し相手を勤めさせることを勧めたい。そうすれば、試行錯誤の適切化とスピードアップが可能になる。(私共が提供できるサービス ⇒ 『プロフェッショナルQ&A』)


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