![]() |
新創業研究所 E-Mail: info@trijp.com 〒311-1203 茨城県ひたちなか市平磯町414-7 来客用駐車場があります TEL 029-229-0225 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
(節子) 夫婦の片方だけが適切な行動を採ると、次のような恐ろしい図式が実現しやすくなってしまう。 (伴侶のことをよりよく理解するようになる ⇒ 理解できないが故に保たれていた魅力が失せやすくなる + 伴侶のニーズにフィットした言動を採るようになる) ⇒ 自分が伴侶に尽くしてきたことが馬鹿馬鹿しく思えるようになる ⇒ 伴侶のことを考慮に入れない単独行動が増える ⇒ お互いが理解できなくなる ⇒ コミュニケーションがなくなっていく ⇒ お互いがますます理解できなくなる ⇒ ボタンの掛け違いのような言動が多発するようになる ⇒ お互いに悪感情を抱くようになる ⇒ 引き金となることが発生すると、激しく憎悪し合うようになる ⇒ 共同生活を営むことが困難になる。 (高哉) この図式は正鵠を得た鋭い指摘だと思う。夫婦完全融合問題でもうひとつ忘れてはならない大事なことがある。夫婦共通の世界が小さければ小さいほどお互いが相手を惹きつける力が弱まってしまうんだ。なぜなら、次の図式が実現されやすくなっているからね。 グローバリゼーションと情報化が進展する ⇒ 一人一人の世界がどんどん広がっていく ⇒ 新しい魅力的な対象が見つかりやすくなる ⇒ 確立したブランド力の維持・強化がどんどん難しくなる。 (節子) 分るなぁ。ボタンの掛け違いや目移りを未然防止する最善策は次の図式を実現させるというわけね。 吸引力のある伴侶になる ⇒ 相手はこの伴侶のことをいつも念頭に置くようになる ⇒ 相手はこの伴侶に自分のことをなんとしてでも正しく理解させようと努力するようになる。 夫婦が完全融合するためには吸引力のある伴侶にならなくてはならないわけだけど、どうしたらそんなことを実現できるようになれるのかしら? (高哉) 人間と工業製品メーカーと同列に扱うのは変だけど、次のような図式を実現させていた、隆盛だった頃のソニーのような存在になることだと思う。 (新鮮な魅力を持った新製品を市場に提供し続けた ⇒ 消費者はソニーに対して「次はどんな新製品を開発するのだろうか」という期待を抱くようになった) + 人の心の容量は一定である ⇒ ソニーのマインドシェアは高レベルで維持された ⇒ ソニー製品は割高でもよく売れた。 (節子) イメージだけで高付加価値経営を実現させている企業はどう考えればいいのかしら? VISAは基本料金が安い上に、支払いが遅れてもペナルティーがない。アメックスはその逆。したがって、顧客が合理的判断をすれば、アメックスはVISAにとても太刀打ちできない。にもかかわらず、確か2500万人ほどのアメリカ人がアメックス・カードを利用している。大分前に知ったことだけど、この二つの会社はこんな関係なんだそうよ。 (高哉) 上流社会の人間であると色々な面で得をする。そして、上流社会の人間であるかどうかの判断は表層的なことで行われがちであって、よほどの達人でないと人間の内面を見抜くことができない。 ── こういう人間社会の実態を利用しているのがアメックス。現にアメックスは「ウチのメンバーシップにはプレステージがある」と強調していたことを聞いたことがある。 (節子) 保険金の請求者の3分の2は会社側がもっと払うことができるにもかかわらず保険会社の最初のオッファーを受諾する。こういうことが物語っているように客観性よりも印象が大きく影響することもあるんじゃないかしら。どうしてこうなってしまうのかしら? (高哉) 保険会社の言いなりになってしまうことが多いのは、錯覚の心理が働いて次の図式に陥ってしまうからだと思う。 (事故を起こす ⇒ しまったと思う) + (人間は既に支払ったものはすんだものであると思いがちである ⇒ 事故を起こした時点で保険のことは念頭にない) ⇒ 保険金を少しでも貰えればしめたと思う。 記憶力がそこそこである。瞬時に理詰めで考えることができない。── こういう二つの限界があるのが普通の人なんだ。だから、保険会社は儲けることができるんだ。しかも、最近の傾向としては恩に着せることが困難になってきた。 (節子) 伴侶を惹きつけ続けるために考慮に入れなければならないことが続々と出てきたわね。男女の違いの説明でこの問題を締めくくってくれないかしら? (高哉) このテーマだけで膨大な知見があるので、この場で説明しきれるものではない。だから、基本的なことだけに絞って説明するよ。 女性は一体感を絶えず求めるが、男性はそうではなく独りになりたがることもある。したがって、女性は与えられる好意の総量ではなく回数を重視する…等、本質的に全く異なるところがある。したがって、このことを考慮に入れないと、致命的なすれ違いを生んでしまう。 (節子) 進化し続ける。信用を増すこそすれ傷つけることのない言動を採り続ける。錯覚されないようにするための努力を怠らない。男女の本質的な違いを認識して適切に対応する。── こういう人間になって初めて伴侶を惹きつけ続けることができるというわけね。 普通の人がこのことを知ったら頭が痛くなってしまう。「これだけ心がければOK」というようなことってないかしら? (高哉) 個性的才能を引き出す性格診断を受けて、共通のビジョンを創ることを前提に未来進行形の自己物語を創造する。これを婚約者、夫婦が揃って実行することを勧めたい。というのは、この作業は説明するまでもないことだけど、三つの図式の実現に結びつくからだ。
夫婦完全融合への道 = 21世紀型ビジネス成功への道を歩みたい人はマダム・ポンピドーの研究を勧めたい。というのは、彼女は中流の出身でありながらルイ14世の愛人になっただけではなく、容色が衰えても、政務が忙しくなっても、自分の地位を磐石にし続けることに成功したんだ。 (節子) マダム・ポンピドーのような努力が必要なのは女性よりも男性の方じゃないかしら? というのは、「定年退職後一緒に暮らしたい相手は?」という問いに対して「配偶者」と答えた男性は91.2%であるのに女性は61.4%なのよ。どうしてこうなってしまうのかしらね。理路整然と説明してくれないかしら? (高哉) 男性は生活費を稼ぐために外で仕事をしていた。一方の女性は家庭を守るために家にいた。この立場の違いが大きいのだと思う。外で仕事をしている人は引退すると生活を引っ張ってくれていた柱並びに人間関係を失い、このままの状態が続くと心が空虚になり、長く続く空虚感が衰えに結びつく。一方、家庭を守るために家にいた人はそんな風にならなくてすむからね。 定年退職後急速に衰えることがないようにするためには、脳力のピークは80歳代だ!に書かれていることを肝に銘じた人生にしなければならない。 (節子) それだけでは不十分じゃないしら? 幸せな家庭生活を送っていながら浮気が離婚寸前にまで発展してしまった『スイート10』の関弓子のような例だってあるのよ。このドラマの感想を聞かせてくれないかしら? 貴方の独特の見解を知りたいの。 (高哉) 平凡な幸せを掴んでいた関弓子が大胆な行動に出た背景には、次の図式があったのだと思う。あくまでも単純化するとだけど…。 (結婚生活はずーっと平穏無事であった ⇒ 恒常性維持本能は満たされていた。しかしながら、生存の拡大本能が疼くこととなった) + (日本モデルが崩壊した ⇒ 世界が個人個人に大きく広がるようになった ⇒ 多くの人は「人生は一度しかない」と思うようになった) ⇒ 夫にない魅力の持ち主である品川という男性に引き込まれていった。 この図式が物語るように平穏無事だけでは駄目であることをこの物語は教えてくれたような気がする。かってのソニーがそうであったようなブランド力の維持・強化に結びつくビジョンを追う人生があって初めて夫婦は完全融合への道を歩むことができると考えたい。
![]()
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||