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日本の新しい進路を提言する
─ その場しのぎとの決別の勧め ─

第2部 日本再生の鍵は国民パワーのフル回転である

挑戦的人生が臨機応変力を強化する

2015.7.18更新

努力をすれば報われる時代は終わった

(節子) 新時代が必要とする脳力・能力を培うためには現有能力を超える難題に積極的に取り組む必要があることはよく分かった。だけど、こういうことって要求できる場合とそうでない場合があるんじゃないかしら?

 小学校4年と6年の子供を抱えた31歳の母親がパートタイマーを昼夜かけ持ちで働いても家計を支えるのが精一杯。母親と接する時間が少ない子供は淋しがっている。こんな母子家庭の大黒柱が現有能力を超える難題に積極的に取り組んだら死んでしまうわよ。

(高哉) その母親は低学歴でずーっと専業主婦であった。そうしたところ、夫であり父親である男性が突然死。 ── こういうことが背景にあるのであれば、生きるためにはパートタイマーを昼夜かけ持ちで働くしかない。もしそうであれば、一家の大黒柱に相応しい技術を身につけられるように社会的支援をしなければならない。

(節子) 裏の事情はそういうことではない。19歳で結婚。3年で離婚して今の生活になってしまったみたいよ。

(高哉) 随分と安易な人生なんだね。だったら、自業自得で同情できないな。そんな人物にいちいち援助していたら公共の財政が持たないよ。

(節子) そりゃそうだけど、日本の社会にも責任があるわよ。貴方が言うところの日本モデルの下では自立と自律力は養われにくいわよ。「個性的な人間 = 厄介な人間」という風潮にしていながら「時代が様変わりしました。これからは全ては自己責任でやってください」じゃ酷すぎるわよ。

(高哉) 貴方の言うことにも一理あるけど、「自分を鍛えることなく安易な生活を送らなければならない」という命令を国家が下したわけではない。だからこそ、時代が様変わりしてもやっていけるどころか躍進している人だっているんじゃないの。でも、そんなことを言いあっていてもしょうがない。

 農業の担い手が不足している地方社会は少なくないので、こういった所に移住して指導を受けながら家族全員で農業に従事するなんてことがいいんじゃないかな。「小学生の子供まで仕事に就かせるなんて」という非難があるとすれば、それは間違っている。

 家が貧乏のどん底時代。小学生の僕は家族労働投入型の小牧場経営の中心的担い手の一人としての経験をしたことがある。

 学校から帰ると、自転車に乗ってあらを貰うために魚屋回り。これが終わると、再び自転車で星空が見える頃まで野原で草刈。 ── こういう沢山の鶏やアンゴラ兎の餌を無償収集するのが日課。この事業が軌道に乗った段階で父親は公認会計士の資格取得のために上京。働きながら勉強。父親が目的を達成するまでこの日課が続いた。この経験は僕の人生に物凄く役に立った。

(節子) 家族労働投入型の小牧場経営は貧乏のどん底から這い上がるための適切な対策だったのね。食糧の需要が供給を大きく上回っていた。庭が比較的広かった。7人という大家族であった。── この三つの条件を有効利用した。のみならず、お父様を将来に向けた投資のための余剰労働力にする工夫を凝らしたわけだから…。

 そうか、分かった。努力は闇雲にではなく適切に行う必要がある。そうすれば、ワーキング・プアーから脱出できるというわけね。

(高哉) ピンポン! 大当たりです。就職にだってセンスが必要なんだよ。このセンスがないためにワーキング・プアーになってしまう人が跡を絶たない。

 リストラされたので、異業種に就職しようとした。ところが、経験が求められたので再就職できない。やむなくフリーターになってしまって久しい。これが闇雲の努力の典型的な例だね。(是非参考にして頂きたい例 ⇒ 『脳力革命に結びついたギブ&ティクの度重なる転職』)

(節子)プロフェッショナルになるにはどうしたらいいのか?』を読むと、サラリーマンになることが前提になっているけど、自営業だと力がつかないのかしら? 「就職しても会社が潰れたり、リストラされたりする ⇒ 就職することが機会損失に結びつく ⇒ 独りでやりたいことをやった方が得である」という三段論法が成り立ちそうな気がするんだけど…。

(高哉) 作家のような高度の専門能力を必要とする仕事以外は独りでやると経済的に損をする。どうしてかと言うと、大組織に入ると、分業化・専門化・協業化のメリットがある。それだけではなく、組織が持っているネットワークをすぐに使うことができるからだ。

 但し、昔と違って地位は安泰ではないので、就職した途端に脳力・能力が身につくようにしなければならない。具体策として次の図式を実現させること強く勧めたい。

 自分は何者であるかを知り、適切な人生の送り方を身につける ⇒ 自分を進化させる方策として今の仕事を位置付ける or 就職する or 転職する ⇒ 現実直視力強化の源「旺盛な問題意識」を持って仕事をする ⇒ 脳細胞間の円滑なネットワーキング力が身につく ⇒ 好機や脅威に逸早く気付くが故に臨機応変の行動を採ることができる。


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