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【斬新な着眼】

個性的才能を引き出す性格診断の勧め
― 人生・仕事の問題解決者の思想紹介 ―


第4部 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─


性格の無知が人をどん底に追い込む
 ― 映画『赤い砂漠』から考える ―

                                                                 2006.12.2

物語のあらすじを予め理解しておくことをお勧めします

こうすれば心の病いを見抜くことができる

(節子) ビジョンはコラドだけではなく、ジュリアナのような人にも必要だわね。ビジョンを追う人生を送れるようになれば、自立と自律ができるようになり、依存症が治ることが期待できるわけだから…。

 折角掴んだ人生のベスト・パートナーと良い関係を保ち続けるためには、自立と自律力は必要不可欠だもの。何でもかんでも依存するようなパートナーだったらいずれ飽きられちゃうものね。

 だから、心を病んでいる人にビジョン開発を薦める必要がある。ジュリアナと同じ症状であるかどうかは別として心の病を抱えている人が多いのが現在の日本社会。心の病を放置しておくと、とんでもないことになってしまう。

 直ちにカウンセラーやコンサルタントのところに連れて行くことができるように「こういう言動を採る時は要注意」というようなことができればいいわね。そうすれば、マスコミを賑わしている、普通の人が引き起こした殺人事件は未然防止できたんだから。ジュリアナを題材にしてケーススタディをしてみましょうよ。

(高哉) 工員風の男性がパンかハンバーガーを路上で食べているのをジュリアナは見て、男性が「すぐ近くで売っている」と言ったにもかかわらず強引に買い取った。そして、人目を気にしながらパクついていたでしょう。あの異常行動は、

 自分は世界中から見捨てられていると錯覚している ⇒ 心が不安定である ⇒ 周囲の事象にきょろきょろする ⇒ じっとしていられないので衝動的な行動を採る──、という図式のなせる業だと思うんだ。したがって、変な行動を衝動的に採る人物がいたら心の病を疑ってもいいんじゃないかなぁ。

 「これは精力剤です」と言われると、鶉卵をいくつもむしゃむしゃ食べ、夫に向かって「やりたくなった」なんて言い出したのも同じことだと思うよ。この背景には次の図式があるんだ。

 自分に潜在している欲求をどうあがいても叶えることができない ⇒ ストレスがすっかり溜まってしまう ⇒ ストレスを発散させようとする、生命維持のための本能が作動する ⇒ ストレス発散のための行動が発作的に起きる。

 ストレスが溜まり続けるとガンや動脈硬化になるので本能が“ガス抜き”を命じるというわけさ。本能はストレスが溜まり続けるのを避けることを強制することだってある。うつ病の背景にはこういうことがあると考えるべきだと僕は解釈しているんだ。いずれにせよ、本能って凄い。理性をバイパスする、普通じゃない本能的行動や態度が見られたら、心の病であると考えられる。

(節子) 夫が向いていないと言うのに「お店を開きたい」と言い出して実際に行動に移したのも同じことなのかしら?

(高哉) 鶉卵をいくつもむしゃむしゃ食べ、夫に向かって「やりたくなった」なんて言い出したこととは違って健全に見えるけど、精神を安定させるための衝動的行動という意味で似ているんじゃないかな。

 精神状態が不安定になってくると、知人に片っ端から電話をする人が僕の知人にいたんだ。でも、この人物、目標が見つかり、この目標を追う生活が軌道に乗った途端にこういう迷惑行為をすることがパタッとなくなってしまった。

 この人物の精神状態が不安定になるのは時々。ジュリアナの場合は恒常的。こういう違いはあるけど、心を充実させることが人生で一番大事なんだろうね。でも、社会性にもとる妙なことで心を充実させると大変。だから、ビジョンが大切なんだ。

(節子) 睡眠中の夢でも心の病であることが分かるわね。ジュリアナは「ベッドが流砂の上にあるように動いて地中に引きずりこまれていく」と言ってたけど、これなんかは「私の心は極めて不安定です」と告白しているのと同じことよね。

(高哉) そうだと思うよ。健康自己診断の様子でも心の病に罹っていることが分かるんじゃないかなぁ。ジュリアナは平熱であるにもかかわらず「熱がある」と言って体温を測ることが多いようだったけど、これは

 心が不安定である ⇒ 世界を見る自分の目が定まらない ⇒ “仕方なく”意識が内向する ⇒ 自分の身体の状態に過敏になる ⇒ 病気をついつい疑ってしまう──、という図式のなせる業だと思うんだ。

(節子) 日常生活における行動、決断を要する行動、夢、健康自己診断…の様子を注視することによって心の病が発見しやすくなることは分かった。でも、ひとつだけ分からないことがあるの。

 奥まった海辺で独り遊びする女の子の物語を息子に聞かせていたじゃない。あれって、どういう意味があるのかしら? 帆船が突如として現れたので、近づくと何もない。歌声が何処からとなく聞こえてくる。近づいて耳をそばだてると、歌声はあらゆる場所からが聞こえてくる。この物語は今も謎なの。

(高哉) ジュリアナが自分の心中を本能的にキャッチして創作した…と僕は理解した。

 自分を理解する人は誰もいない。理解されないんだったら孤独の方がまし。だから、奥まった海辺で独り遊びをする。しかし、心の奥底では理解してくれる人を捜しているので、異国風の帆船が見えてくる。ところが、「理解してくれそう」と思っても、実際はまったく理解してくれない。だから、帆船がすーっと消えてしまう。

 歌声の方はちょっと違う。「理解してくれる人がいないと自分はやっていけない」「みんな理解してくれそうだけど、特定できない」という依存症の心理を描写しているんじゃないかなぁ。

(節子) この創作物語は貴重なことを示唆しているわねぇ。このように心を病んでいる人は貴方がさっき言ったように“仕方なく”意識が内向しているので、過去の見聞や考えたことが詰まっている自分の中を探索する。いいかえれば、想像のリズムができている。したがって、誘導して喋らせることによって心の状態が把握できる。そうすれば、問題の根本的解決が可能になる。こういうことが言えそうねえ。

「個性的才能を引き出す性格診断」の簡略化したイメージ

(高哉) その通りだと思う。うつ病に発展する閉塞感を含めて悩んでいる心の状態を掴み取ることができさえすれば、「こういう性格、こういう根源的欲求の持ち主ではなかろうか。根源的欲求の追い方が不適切である。いいえれば、性格に振り回されているために悩み事が生まれてしまっているのではなかろうか。このように性格を乗りこなせば悩み事が解消に向かうと同時に個性的才能が磨かれるのではなかろうか」という仮説を設定する。

 その上で、相手の人生史を一緒に紐解き分析する。そうすることが創造的問題解決の達人になる秘訣を物にすることに結びつく、次の図式の実現が待ち受けることを可能にするからね。

 自分の性格と由来を知らなかったために性格に振り回されてしまい、悩み事が生まれてしまった。自分はかくかくしかじかの磨くに値する個性的才能の持ち主である。この二つを心から納得して認識する ⇒ 「自分の性格をなんとしてでも乗りこなそう!」と決心する ⇒ 心が自分の欲求に合うものだけに集中し、他のものを排除するようなことがなくなる。いいかえれば、厳しくても現実を直視して立ち向かうようになる。

 但し、相手の理解・共感を優先させることができることが大前提となる。この点に関しては、貴女を凌駕する人はほとんどいないと思う。いいかえれば、貴女は心の病の原因を見抜く秘訣を知らず知らずのうちに習得しきっている。そういうことを可能にした人生に感謝しなくっちゃ。後は理論武装の完了のみ。そうすれば、うつ病に発展する閉塞感を含む心の病の原因を見抜き適切な対策を講じて所期の行動を引き出す第一人者になること間違いなし。太鼓判を押すよ。

 このように言うと、「ジュリアナのような人間にも磨くに値する個性的才能があるのだろうか?」という疑問が提起されるかもしれない。でも、貴女だったら気づいているようにさっきの妄想物語に磨くに値する個性的才能の匂いがする。ああいう発想がさっとできるのは、個性的才能の源であるシソーラス機能が脳の中にあることを意味するからね。

(節子) 同感ね。話は変わるけど、この『赤い砂漠』が提起する問題を知って、貴方の痛んでいる手の治療に使っている低周波治療器の故障に対応したメーカーの担当者との次のやり取りを思い出しちゃった。

(担当) 検査した結果、どこも悪いところがないことが判明しました。したがって、このまま送り返させて頂きます。

(高哉) 通電はするけど、全く機能しなくなった状態をどう説明するのですか?

(担当) 検査した結果、正常値が出たんですから、そんなことを言われても困ります。私はやるべきことをきちっとやったのです。

(高哉) 前回は端子部分の交換で正常に機能するようになった。ところが、再び機能しなくなったので、修理をお願いしたんですよ。送る時にお伝えしたように…。

(担当) 本体は正常値が出たし、端子部分はちゃんと通電したのです。これ以上私に何をしろというのですか?

(高哉) 「通電する = 正常に機能する」と結論づけるのはおかしいじゃないですか? 端子部分の中を調べてくださいよ。

(担当) 端子部分の中を調べるには分解しなければならない。ところが、分解してしまうと、使い物にならなくなってしまうのです。

(高哉) 端子部分は御社で作っているのではなく、仕入れているのですか?

(担当) はい、そうです。ですから、分解するわけにはいかないのです。

(高哉) とんちんかんさはこのメーカーも『赤い砂漠』の医師や夫も同じことだね。問題はどうしてこうなるかだけど、次の図式にはまってしまっているからだろうね。

 刺激に対して自動的に反応する、性格に振り回される生き方をする ⇒ 現実直視力を徐々に失っていく ⇒ マンネリ化の道を歩む ⇒ 鍛錬を要する臨機応変力がなくなっていく。

 こうならないためには、専門家の力を借りて、「自分の人生史を分析する ⇒ 自分の性格と由来を知る ⇒ 自分が性格に振り回されてきたためにチャンスやピンチに適切に対応できなかったことが多かったことを痛感する ⇒ 性格に振り回されることがないように努力する」という図式を実現させなければならない。  (完)


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