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| 個性的才能を引き出す性格診断の勧め |
| ― 人生・仕事の問題解決者の思想紹介 ― |
| 第４部 | 悲劇の人生の裏に臨機応変力のなさがある ─ 人生・仕事の問題解決者を登用しなかったことが悔やまれる ─ |
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性格の無知が人をどん底に追い込む ― 映画『赤い砂漠』から考える ― |
| 2007.10.14 |
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物語のあらすじ |
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工場の技師である夫と息子の3人で暮らす女性 (ジュリアナ) がある日交通事故に遭ってしまった。幸い外科的な損傷は免れることができた。しかしながら、この交通事故をきっかけに心の重病に罹ってしまった。
家にあっては「寝ているベッドが知らない間に流砂の上に置かれて、地中に引き込まれていく」と怯える。外出すると、衝動的な行動を採る。他人の食べかけのパンやハンバーガーを強引に買い取ってむしゃむしゃ食べたり、見知らぬ人に突如として話しかけたり…。
担当してくれた精神科医の「犬でもなんでもいいから愛しさない。そうすれば自然に治る」と言われたためか、夫から「向いていない」と言われた、店での物品販売に乗り出そうとしたりする。
夫の友人であるコラドは彼自身も心を病んでいるためかジュリアナに興味を持ち、急接近。とうとう不倫の関係になってしまった。夫から得られない精神的一体感を求めたはずの彼女の心は癒されない。それどころか、マイナスの反転作用により彼女の病状は悪化してしまった。
この物語は「40年前のイタリアの話である。だから、現代の日本人には関係がない」と言い切れるでしょうか？ 「否」です。なぜなら、
「不確実性が高まる一方である」「生い立ちが原因して精神的に鍛えられていない」「自分を理解・共感してくれる人を見つけるのは至難の技である」「刹那的なエゴイストに囲まれつつある」という四つの言葉に接して、「ジュリアナは他人事ではない！」と思う人の数は極めて多いはずだからです。
「ジュリアナは他人事ではない！」と思う状態になってしまうのはどうしてなのでしょうか？ ジュリアナの場合を例に採ると、工場の技師である夫、担当してくれた精神科医、夫の友人であるコラドの三人がジュリアナの“小宇宙”を全く理解することのない対応をしたからです。
ほとんどの人は、悩み事を抱えている人に対して次の二つのいずれかのとんでもない間違った対応をしていることに気がつかなければならないでしょう。
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提案内容が適切さを欠いたものとなり、比喩を用いると、拒食症の人にダイエットを勧めたり、「夜になると視力が極度に落ちる」と悩む人に真因が糖尿病であることを知らずに糖分たっぷりの栄養食を勧めるといったような的外れのものになってしまう。したがって、提案内容に従った行動が裏目に出て、かえって危険な状態に陥ってしまう。 |
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提案内容が適切であったとしても、人間としての成長エネルギーに点火するための対策が採られていないので、「そういうことだったのか。納得できた。これからは迷わずこうしよう！」とならない。したがって、行動の引き出しに失敗する。行動が仮に引き出されたとしても、尻切れトンボになってしまう。 |
だからと言って、「悩み事を抱える本人に責任がない」というわけではありません。本人にも大きな責任があります。なぜなら、本人が悲劇的な状態に陥ってしまう背景には、次の図式があるからです。
性格に振り回されっ放しである ⇒ 強迫観念に駆られて現実を直視できない ⇒ 視野狭窄症、ひいては拘禁服着用症に罹ってしまう。
ジュリアナがもがき苦しむ状態を知って、皆さんは上記の図式に納得されることでしょう。そして、「性格に振り回されっ放しであることの弊害を、詳しい性格分析を通じて深く知りたい。そうならないようになるためのヒントが欲しい」と思われることでしょう。── この要望に応えるのが2007年11月4日から連載を開始する「『孤独の賭け』から学ぶ」等です。
このように申し上げますのは、性格に振り回されっ放しであることの恐ろしさを読者の皆様にしっかり認識して頂くことに、映画『赤い砂漠』の分析の力点を置いたからです。→各人各様の性格と歴史的立場（行動力学）が形成される仕組み
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