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今、日本人の心はどうなっているのか? だから、どうすべきなのか?



→オウムに嵌った林郁夫は他人事ではない!― 自立と自律力養成の薦め ―〈2004/5/17〉


刹那的なエゴイストに囲まれつつある

日本の社会は前近代時代に戻ったかも

 日本の社会はこのままでは戦国時代同様ばらばらになってしまいかねません。なぜなら、親しい仲間以外の人々を無視した自己中心的な行動が急速に増えてきている上に、下記のような「自分以外はバカ」現象が多発しているからです。

 取引先や同僚はものわかりが悪い、とけなすビジネスマン。友だちや先輩後輩の失敗をあげつらう高校生たちのやりとり。ファミレスの窓際のテーブルに陣取って、幼稚園や学校をあしざまに言いつのる母親同士の会話。相手の言い分だけをこき下ろすだけのテレビの論客や政治家達…

 上記の姿は実は「自分がバカである」ことを公言しているようなものです。なぜなら、単純な正論は無駄そのもの。問題を解決したければ斬新な着眼に基づくジグソーパズル思考が必要な複雑時代になっているからです。

日本の社会が統合されていた仕組み

 他人を思いやる気持ちが生まれる。心が通い合う仲間をつくることができる。仲間関係が壊れにくい。── この三つがとんとん拍子で揃って初めて社会的統合を保つことができます。この三つが実現する条件を探ってみましょう。

他人を思いやる気持ちはどうしたら生まれるのか?

 自分の人生目標はないに等しい。人生目標を持てても何かあるとすぐに挫けてしまう。
理解しあえるので慰めあえることができる人が周囲に存在しない。食べられなくなるのでは…という不安が付きまとっている。 ── この四つの条件が揃うと、他人を思いやるために必要不可欠な心のゆとりは生まれようがありません。したがって、他人を思いやる気持ちが生まれるためには、

 (将来に希望を持つことができる ⇒ 自分の人生目標を樹立できる) + (のびのび育った ⇒ 内発的動機に基づく自己決定力がある ⇒ 自分の人生目標を粘り強く追うことができる) + (人間関係が安定している ⇒ 情緒一体感を持つことのできる人間が周囲に存在している ⇒ 慰めあうことができる) + (雇用不安がない ⇒ 最低生活が保証されている) ⇒ 心にゆとりが生まれる──、という図式の実現が必要になるのではないでしょうか。

 自分が泰然自若としていられて初めて他人を思いやる心が生まれる。このことに異論をはさむ人はいないでしょう。

心が通いあう仲間はどうしたらつくることができるのか?

 心の絆をつくる糸口が見つかりにくい。長期的な人間関係形成に向けたコミットをしにくい。人間関係について回るトラブルが発生しやすく、かつ解決しにくい。 ── この三つの条件が揃うと、心が通いあう仲間をつくるために必要な協力関係を確立しようがありません。したがって、心が通いあう仲間をつくるためには、

 (共通規範を発見する or つくる ⇒ 絆がつくりやすくなる) + (未来の不確実性を極力低くする ⇒ 長期的な人間関係形成に向けたコミットをする) + (人間関係調整力を養う or 自己抑制力を持つ ⇒ トラブルが発生しにくくなるし、発生しても解決が容易になる) ⇒ 協力体制が確立できる──、という図式の実現が必要になるのではないでしょうか。

 「この人の傍にいると心が安らかになる」と思えるような相手であって初めて心が通いあう仲間になれる。このことに異論をはさむ人はいないのではないでしょう。

仲間関係はどうしたら壊れにくくなるのか?

 人間関係を強力に束ねる仕組みがない。仕組みを環境に適応できるような社会システムではない。他人に対する嫉妬心が生まれやい。── この三つの条件が揃うと、築き上げた仲間関係が壊れやすくなります。したがって、そうならないようにするためには、

 (国民全体を束ねる仕組みをつくる ⇒ 人間関係を強力に束ねることができる) + (政治と国民が乖離しないようにする ⇒ 社会システムを民意にしたがって弾力的に変更できる) + (平等主義を極力貫く ⇒ 他人に対する嫉妬心が生まれにくくなる) ⇒ 人間関係が壊れにくくなる──、という図式の実現が必要になるのではないでしょうか。

 不動心はあり得ない。迷いがちな、動揺しがちな心をしっかりと繋ぎとめることができて初めて仲間関係が壊れにくくなる。このことに異論をはさむ人はいないでしょう。

日本の社会が分裂状態になった仕組み

 他人を思いやる気持ちが薄くなってしまった。心が通いあう仲間ができにくくなった。仲間関係が壊れやすくなった。 ── この三つが重なってしまった。このことが日本社会の分裂状態に結びつきました。この三つがどうして発生したのでしょうか?

他人を思いやる気持ちが薄くなってしまったのはなぜなのか?

 工業化が限界に達した (産業基盤が成熟した) ⇒ ほぼ一直線で成長する時代が終わった + 情報化とグローバリゼーションが同時に進展するようになった + 技術革新が進展する時代になった ⇒ 不確実性が高くなった+ 金融ビッグバンと長引く経済不況が市場原理重視の風潮を生み出した

 ⇒ 政官財が一枚岩のような状態の下での長期コミットメント体制 (系列取引/終身雇用制度の下での年功序列) が通用しなくなった──、といった具合に連鎖的に発生した環境変化並びに相変わらずの横並び志向が合体して、

 下記「4種類の図式」を生み出したからなのではないでしょうか。

(図式1) 安泰を保証してくれていた“垣根”が音を立てて崩れてきた ⇒ 厳しい競争に晒されることとなった ⇒ 雇用不安が生まれた ⇒ 最低生活は保障されなくなった ⇒ 将来に希望を持つことができなくなった ⇒ 自分の人生目標を持てなくなった。

(図式2) ライバル関係が強化された &/or 人の社会的流動性が高まった ⇒ 人間関係が不安定になってしまった + 加齢に応じて脳力・家族の命運等の違いを大きくクローズアップさせることに結びつく高齢化が進んだ ⇒ 情緒一体感を持つことができる人間が周囲に存在しにくくなった ⇒ 慰めあうことができにくくなった。

(図式3) 日本の社会は洞察力を元々強化しにくい (仕組み ⇒『事の真相を見抜けないのはどうしてなのか』) + 幼少時からテレビやビデオゲームに時間の多くを費やしている。したがって、人の話を聞く力が失われている ⇒ 他人の本質を理解する脳力が貧困である。

(図式4) 人生目標は持ちにくくなったし、変更を余儀なくされるようになった + (「自分がしっかり管理して子供を学歴社会の勝ち組にしなければ…」という悲壮な想いを抱く母親が輩出された ⇒ のびのびと育てられる子供は少なくなってしまった ⇒ 内発的動機に基づく自己決定力のない子供が輩出された) ⇒ 自分の人生目標を粘り強く追うことができにくくなった。

 環境が様変わりして主体的・個性的な生き方が必要になった。にもかかわず、横並び志向の習慣から脱することができない。このことが根本的な原因となって他人を思いやる気持ちが薄くなってしまっているのです。

「自分がしっかり管理して子供を学歴社会の勝ち組にしなければ…」という横並び志向から生まれた悲壮な想いを抱く母親が輩出されたのはなぜなのでしょうか?

 工業化の余地が大である時代が長いこと続いた ⇒ 政官財が一枚岩のような状態の下での長期コミットメント体制 (系列取引/終身雇用制度の下での年功序列)が通用する時代が長いこと続いた ⇒ 枠内思考促進の減点主義が通用する時代が長いこと続いた、──という図式が

 創造力・思考力が鍛えられていない。したがって、横並び志向の強い専業主婦を輩出した + “働き蜂”になったために家庭を顧みない夫並びに核家族現象は専業主婦を孤独な立場に追い込んだ + 産児制限並びに栄養管理の習慣は母親のコントロール意識を強めた──、という図式にさらに結びついたからなのです。

 専業主婦の多くは判断力が鍛えられることなく強くなってしまっているのです。したがって、彼女達の発言力が現状のままで強くなればなるほど日本の社会は間違った方向に進みかねないでしょう。

 東京23区内では30才代の2人の内1人は独身である…という結婚回避現象の背景には、

 膝の上に抱え込まれるが如くに育てられた or 親から放置され孤独な状態で育った ⇒ 人間関係調整力が養われていない人間輩出に結びついた ⇒ 全く異なった環境で育った異性と生活を共にすることに自信が持てない──、という図式があることを忘れてはならないのです。

心が通いあう仲間ができにくくなったのはなぜなのか?

 工業化が限界に達した (産業基盤が成熟した) ⇒ ほぼ一直線での成長する時代が終わった + 情報化とグローバリゼーションが同時に進展するようになった + 技術革新が進展する時代になった ⇒ 不確実性が高くなった + 金融ビッグバンと長引く経済不況が市場原理重視の風潮を生み出した──、といった具合に連鎖的に発生した環境変化並びに醸成された創造力不足が合体して、下記「4種類の図式」を生み出したからなのではないでしょうか。

(図式1) 政官財が一枚岩のような状態の下での長期コミットメント体制 (系列取引/終身雇用制度の下での年功序列) が通用しなくなった ⇒ 現状のままでは国民を束ねることができなくなった ⇒ 人間関係を強力に束ねることができなくなった。

(図式2) 様変わりした環境に適応できなくなったために国家財政は破綻状態に陥ってしまった ⇒ 利益誘導型の政治が完全に破綻してしまった + 政治システムを再構築できていない ⇒ 政治と国民が乖離してしまった ⇒ 社会システムを民意にしたがって弾力的に変更できなくなってしまった。

(図式3) 様変わりした環境に適応するためには企業は年功序列の代わりに成果主義を採用することとなった ⇒ 平等主義の時代は終わりを告げることとなった。しかしながら、企業ビジョン不在並びに人材に対する洞察力不足が原因してビジョンの下での個々のビジネス・パーソンに対する期待値が不明確である + 横並び志向が長く続いたために個性的な生き方ができない人が数多く残っている ⇒ 他人に対する嫉妬心が発生しやすい社会になってしまった。

(図式4) 科学技術が進歩したために、努力しなくても欲しい物が手に入るようになった (マヨネーズは母親がつくらなくてもコンビニで買うことができる等) ⇒ 人々はごく自然にわがままになっていった + 自己責任の精神が希薄な状態で長期コミットメント体制が崩壊したために行動の自由度が大幅に増した ⇒ 無責任なわがままが目立つ人が大幅に増えた。

 日本の社会は醸成された体質が災いして様変わりした環境に適応しにくい。このことが根本的原因となって、心が通い通いあう仲間ができにくくなってしまっているのです。

日本社会の分裂状態は時間が経過することによって収まるのでしょうか?

 残念ながら「否」と言わざるを得ません。なぜなら、多くの日本人は次の図式の下に再生能力を失っているようだからです。

 工業化の余地が大である時代が長いこと続いた ⇒ 政官財が一枚岩のような状態の下での長期コミットメント体制 (系列取引/終身雇用制度の下での年功序列) が通用する時代が長いこと続いた ⇒ 枠内思考促進の減点主義が通用する時代が長いこと続いた

 ⇒ 詰め込み教育を受け続けてきたビジネス・パーソンは創造力を鍛えるチャンスはないに等しくなった + コンピューター化が進んだためにほとんどのビジネス・パーソンはささやかな思考機会すら奪われてしまった ⇒ 時代が要求する、斬新な着眼の下でのジグソーパズル思考の必要性を認識できない日本人が輩出されることとなった。

 斬新な着眼の下でのジグソーパズル思考が超ハイブリッド型の新規事業開発を、超ハイブリッド型の新規事業開発が新しい雇用を、新しい雇用が新しい社会的統合を生み出すことを忘れてはならないのです。(イメージ例 ⇒『大型事業の独創的構想(例)』&『雇用不安のない社会を実現させるための最優先課題は何か?』)



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