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(節子) 百子の叔父さん夫婦に対する恨み方は生半可ではない。その場しのぎの習慣が染み付いている普通の日本人だったら恨んでも時間が経つと心が癒されていつの間にか気にしなくなる。ところが、百子は恨みを晴らすまで決して忘れない。どうしてこうなってしまうのかしら? (高哉) 百子のような人間は良い意味でも悪い意味でも執念深くなる。この原因を図式すると、次の通りになると思う。 (頼りになるのは自分だけであると思いこんでいる ⇒ 用心深くなる ⇒ 「二度とこういう辛い経験をしたくない」と強く思う ⇒ 再発防止のために辛い経験の原因を洞察する ⇒ 用心深いので、洞察した結果にいつまでもこだわる) + 自分のアイデンティティを追求・提起する習性がある ⇒ 洞察した結果であるこだわりを自己主張する ⇒ パブリック・コミットメント効果が生じて洞察した結果であるこだわりを捨てることができなくなる。 百子は「私が忘れてないのは恨みだけではない。恩もそうだ」といったようなことを言っていたけど、このように図式化してみると納得できる。恩にだってこの図式は当てはまるからね。 (節子) 百子の頭の中にある記憶量の凄さのことに関連することだけど、二つの図式が成立しやすいことを貴方はこれまでに指摘している。
ということは、百子の頭の中に記憶としてぎっしり詰まっているのは恨みや恩の洞察結果だけではない。彼女を取り巻く環境の洞察結果も関連付けられて記憶されている。彼女の頭脳はコンピューターみたいになっている。 頭脳の中のこういうシソーラス機能が百子のやり遂げる力の源泉になっているんだと思うんだけど、このことを確信できるように理路整然と説明してくれないかしら? (高哉) 忘れっぽい。覚えていても様々の事象はばらばらの存在で関連付けがなされていない。しかも、その場しのぎで大事の決断・決行が苦手である。──こういう一般的な日本人と正反対になっていることが百子にやり遂げる力を与えているのだと思う。これを図示化すると、次の通りになるんじゃないかな。 自分だけが頼りであると思いこんでいる ⇒ 何かあると直ぐに強烈な問題意識を持ちやすい ⇒ 頭脳の中の充実したシソーラス機能が生み出すジグソーパズル思考能力が作動しやすい ⇒ ジグソーパズル思考の結果に基づいて「よしこれだ。なんとしでもやり遂げよう!」と強く思いこみやすい ⇒ 手足が行動目標に向かって自然に動きやすい。 (節子) 百子はワタナベ式問題解決へのアプローチを独りで適用できる。いいかえれば、イノベーションのロジックが自然に注入される人間であるというわけね。でも、イノベーションのロジックが注入されていても臨機応変力があるとは限らない。この点はどうなのかしら? (高哉) 大事なのは状況対応力。この状況対応力は適切にして強烈な問題意識があるかどうかで決まる。というのは、こういう状態が実現されていれば、必要な情報の方から飛び込んでくるようになるからね。(具体例 ⇒ 『創造的問題解決策々定のための調査・構想の達人になる秘訣』) 百子はこの点で申し分がない。というのは、自分を取り巻く環境を鋭く洞察する才能を性格が醸成しており、この性格がさっき言ったように強烈な問題意識を持ちやすくしているからだ。 但し、突発的な変化を理解できるだけの視野の広さというか見識の高さが必要になるけど、彼女のこれまでの事業内容であれば梯二郎というビジネスの先生がついていたこともあってさしたる問題は生じなかった。 (節子) イノベーションのロジックが注入されやすいし、臨機応変力も持ちやすい。だから、百子は初めて独りで縫った顧客の洋服で満足を勝ち取ることができたのね。貴方が過去の経験が通用しにくい分野で成功を収め続けたのと同じように殆ど全てが性格のお陰よね。こういう性格でない人が百子や貴方の長所を持つようになるにはどうしたらいいのかしら? (高哉) 短期的対策と中長期的な対策に分けて考える必要がある。立ち往生的な悩み事を抱えたら迷うことなくワタナベ式問題解決へのアプローチを適用する。これが短期的な対策。未来進行形の自己物語を創造する。これが中長期的な対策。但し、いずれの場合も万全を期したいのであれば、予め性格診断を受けておくことを勧めたい。
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