財政破綻の危機に瀕している日本経済が拡大均衡路線を力強く歩み、国全体が夕張市のようにならないようになるための条件は下記「三種類の人材」が揃い、崩壊しつつある共同体の再構築に成功することです。
わが国経済界の人材はどうなっているのでしょうか? ![]() ![]() ![]() それでは ![]() ![]() ![]() ![]()
日本経済はこのままでは開発途上国の急速な追い上げをかわし、米国に追いつき、追い越して拡大均衡路線に乗ることはできないのです。いいかえれば、大型増税に頼って財政再建を進めるしかなくなるのです。 このようになることを誰も願っていません。どうしたらいいでしょうか? 次の「三つの質問」に答えることではないでしょうか。
上記「三つの質問」に答えることに結びつく事例研究として使うのが『孤独の賭け』です。なぜなら、この物語は人間の本質を知り抜いている故・五味川順平氏が ![]() ![]()
〔第1幕〕繁華街をぶらついていた乾百子は千種梯二郎が乗っていた車にはねられそうになり、車から降りてきた梯二郎に激しく噛みついた。こういうことを契機に人間関係が深まることはあまりない。ところが、この二人はそうではなかった。この背景に二人の特徴があった。 百子は負け組みから勝ち組になんとかして転じたい想いを抱いている活気溢れる女性。一方、千種梯二郎は大きな夢を先行させる、新しいもの好きの天才型男性事業家。・・・・・二人は強く惹かれあい、その結果、お互いに相手に対して大胆な賭けをすることになった。(二人のような状態になるための指針あり) 〔第2幕〕二人とも彼我の性格を知らない。こういう場合、二人ともあるいはどちらかが自己主張の少ない人間であれば波風は立ちにくい。ところが、二人とも強い個性の持ち主。・・・・・百子は「このままでは自分が大事にするマイペースの人生を歩むことができない」と思い続けていた。その上、自分の有能感が著しく損なわれた出来事があったので、梯二郎からの独立準備を密かに画策し、実行することになった。 〔第3幕〕梯二郎は大事業が一区切りついた段階で胸騒ぎがした。しかし、ポジショニングすることなく次の大事業に向けて突っ走って挫折。一方の百子はチャンスを着実にものにし続けたために念願の独立事業家の地位を獲得。この背景に二人の生き方の違いがあった。 夢を追うことを何よりも優先させる。しかも、才覚に自信がある。したがって、どうしても拡大する自転車操業型事業展開になってしまう。これが梯二郎。洞察した環境動向に基づいてピンポイントのアイデンティティを再構築し続ける。したがって、チャンスを小刻みに掴みとる結果になるのが百子。 〔第4幕〕挫折した梯二郎は独立事業家になった百子に借金の申し入れたが断られてしまった。「梯二郎の再起のためだったら全財産を投入してもいい」と思っていたにもかかわらず。この借金は梯二郎の女性秘書のためだったのだ。 梯二郎は自信満々の才覚でも自由にならない人間がいることを、百子は“ポンプの呼び水”となる出会いの重要性を、知ることになったのではなかろうか。
●千種梯二郎 阪急グループ創業者・小林一三に憧れて、「世界一の娯楽産業王になって自分を見下げていた人を見返してやろう」と思っている天才型青年事業家。この背景に、両親が極めて貧しい中にあっても大事に育ててくれたという生い立ちがある。 ●乾百子 定時制高校時代の不純異性交遊がばれた後、家出。その後は「ビッグになって叔父さん夫婦に復讐しよう!」という想いを抱きつつ体当たり人生。食べていくことはできたが、うだつは上がらなかった。千種梯二郎との偶然の出会いがきっかけで運命が一変して躍進を遂げることができた。 ●千種寿都子 千種梯二郎の妻。 美貌の持ち主でありながら夫にすっかり飽きられている。ボタンの掛け違えもあるが、夫の進化についていけないことにも原因がある。 ●中川京子 千種悌二郎の秘書兼愛人。梯二郎を心から尊敬し、つくしているが、それに見合う敬愛は受けているとは必ずしも言えない。 ●倉沢時枝 バー「アロハ」のオーナー・ママだったが、店を売却してしまった。その後は梯二郎が経営する娯楽の百貨店の高級レスラン部門従業員の教育責任者になった。梯二郎の愛人の一人でもある。 ●サミュエル宮田 曲者の日系アメリカ人。梯二郎登場前は倉沢時枝と深い中にあった。外出して交遊関係を広げる千種寿都子ともただならぬ仲になった模様。そして、千種梯二郎にアメリカ資本を紹介する役割を担うことになった。 ●蒔田二郎 百子の亡き兄の親友。百子の相談相手。資本主義打倒のために情熱を燃やしたが失敗。転向して安サラリーマンになってからも染まった思想から抜け出せないでいる。 ●信子 洋裁店「ボヌール」の縫い子仲間であり、かつルームメイト。百子が店主になった後は忠実な部下になった。 ●乾美香 百子の復讐相手である叔父夫婦の娘。 乾百子と性格も容姿も似ている。家出をして百子に身を寄せることになり、百子にとって獅子身中の虫となった。 ●東野 政権与党の次期総裁候補の息子に娘を嫁がせるほどの超大物高利貸。千種梯二郎が駆け出しの事業家時代から資金を提供し続けてきた。 ●大垣 千種梯二郎が海外出張中に知り合い、大物につながる人脈拠点役を演じてくれている、関西財界の重鎮。梯二郎は大物を紹介して貰う代わりに東京に度々やってくる社交や事業好きの奥方を経済面で支えている。 ●赤松新平 新興大財閥・東日コンツェルンの総帥。千種梯二郎がぶち上げた日本一の娯楽百貨店構想に賛同して資本金の半分を出資。そのことにより、梯二郎の名声が一気に高まった。と同時にやっかみも生まれた。
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