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(節子) 民主党は自民党の自滅にプラスして社民的な考え方を取り入れて7・29参院選に大勝利を収めて与党になった。でも、矛盾だらけ。年金制度の一本化だって社会保険庁の解体だけでは年金問題は解決しないにあるように抜本的対策にはほど遠い。財源にしようとしている行政支出無駄削減の根拠も曖昧。 (高哉) それだけではない。地方の1人区勝利の原動力となった農業所得の補償は筋違いもいいところだよ。分かりやすい例で説明しよう。 住民は30年前の50人から現在の62~90歳代の男女5人に減少。農作業は無論のこと、日常生活にも不自由をきたすようになっている。そこで、田畑と家屋用の土地を東京の産廃会社に買い取ってもらい、都市部に移住しようとしている。この石川県にある集落が示しているように農業の最大の問題は後継者難。 このような例は全国随所にあると言われている。こういう所に農業所得補償をすることが国民経済にとってプラスになるとはとても思えない。 (節子) 過疎化が進むそういう地域に対して行政は道路建設を通じて所得補償をしていた。そうしたところに小泉改革によって公共事業が大幅に削減され、地域の経済が成り立たなくなってしまったのでしょ。民主党を攻める前に長年政権党であった自民党を糾弾する必要があるんじゃないかしら? (高哉) その通りだけど、政治家も行政も昔から現実をしっかり認識することなく安易なことをし続けていることを国民はしっかり認識しなければならない。このことの方が大事だよ。 地図を見て「近いなぁ」ということもあって決行されて大悲劇を招くことになったインパール作戦。何十万トン級のタンカーが停泊できることを想定して港湾建設をしたところ、水深が浅く数千トンの船しか入港できないことが判明した。こういうことを平気でやった海外協力事業。行き止まりのところに高速道路を建設…等、とんちんかんなことは沢山あるんだ。 (節子) どうしてそうなってしまうのかしら? 性格に振り回されているので惰性的な思考・行動になっているのかしら? (高哉) 吃驚するかもしれないけど、詳しく説明すると次の図式に嵌りこんでしまっているからじゃないかな。 (予算はゼロベースで編成されていない ⇒ 政府の予算編成には「費用vs効果」最大化の思想が欠落せざるを得ない) + (生まれた時から日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきている ⇒ 深い思考を伴わないその場しのぎの習慣が骨の髄まで染みこんでいる) + (政治家も役人も自分の性格と歴史的立ち場を知らない ⇒ 性格に振り回されがちとなる ⇒ 現実を直視することなく大事を決断・決行しがちとなる ⇒ エリートでありながらとんちんかん事業を展開しがちとなる。
(節子) 自民党も民主党も日本的集団主義にどっぷり浸かって生きてきているから隙だらけ。その上、自民党が成立させてきた法案は政権党内での妥協の産物。ということは民主党による自民党バッシングはいくらでも可能であることを意味する。こう理解してもいいんでしょ? (高哉) そうだけど、逆も真じゃないかな。民主党はオール野党連合で民社党や国民新党と連帯して郵政民営化法の凍結法案を提出しよう考えたことがある。 そんなことをしたら次の図式を実現させようしているのでは…と受け止められる羽目になるところだったんだ。 郵政民営化法を凍結する ⇒ 郵便貯金を公営の下で運営する ⇒ 郵便貯金を税金や国債発行によらない財源として使うことが可能になる ⇒ 民主党のばら撒き政策の財源に郵便貯金を使う。 小沢代表を初めとする民主党員全員が「政権奪取の強迫観念に取り付かれた ⇒ 性格に振り回された ⇒ 現実を直視することなく大事を決断・決行しようした」という図式に陥るところを郵政民営化の10月1日実施によって救われたんだ。「民営化の時期が迫っているから間に合わない」ということで郵政民営化凍結法案の提出を止めたので助かったんだ。 (節子) 日本の政治家の愚かしさをより理解するために聞きたいことがある。郵便貯金を税金や国債発行によらない財源として使うことが可能になると、どういうことが起きるのかしら? (高哉) 「ばら撒き政策の財源に郵便貯金を使うことが知られるようになる ⇒ 郵便貯金の払い戻し要求が殺到する ⇒ 国債を増発して郵便貯金の穴埋めをする ⇒ 財政が破綻する」という図式が実現されるかもしれない。あるいは、こうならないようにするために、国民の貯金を封鎖するという非常手段が採られるかもしれない。 「預金封鎖? まさか」と思うかもしれないけど、公共部門の累積赤字と民間部門の貯金がほぼ同額であることを忘れてはならないんだ。 (節子) そうだとしても、預金封鎖なんてことを国民が許すはずがないので、政治的に不可能じゃないかしら? (高哉) 貴女がそう思いたいのは理解できるけど、考えが甘すぎる。その理由を説明するよ。政府は国民を納得させるために、日本がIMFに管理されることは次の二つの実施に結びつくことをまず説明するだろうね。
その上で、 国民に対して「日本がIMFに管理されることと預金封鎖に甘んじることのどちらを選びますか?」と迫ることが十分考えられる。 (節子) 日本の緊急課題は「脱日本的集団主義の宣言が必要になる」という貴方の提言が凄く重みを持ってくるわね。脱日本的集団主義の推進に欠かせない、蛸壺からネットワーク型社会への転換に民主党はどんなスタンスを採っているのかしら? (高哉) そういうことを明確に意識はしていないようだけど、現在掲げている民主党の政策は自由競争よりもセーフティネットを重視している。いいかえれば、反改革色が強い。したがって、民主党の政策は自由競争を促進して初めて実現されるネットワーク型社会への転換に歯止めをかけることにならざるを得ないだろうね。 (節子) これまでの話を聞いていると、民主党の方が不利のような気がするけど、思考幅を広げると形勢が逆転するんじゃないかしら? 例えば、「国連が承認していないテロ特措法の延長は認めない」と主張している小沢代表の方が正しいんじゃないかしら? イラク戦争の時もそうだけど、アメリカの横暴振りは目に余るところがあるもの。 (高哉) 国連中心主義は理想だけど、現実にそぐわなくなりつつあるのも事実。国際的なテロ集団の登場によって「国内の治安は警察、国外の治安は外交」という伝統的な考え方が通用しにくくなってきたからね。 (節子) でも、小沢代表がマスコミ公開の席上でシーファー駐日米国大使に向かってNOを突きつけたことに対して喝采した国民は多かったようよ。日米関係はどうなってしまうのかしら? (高哉) 日米関係は従属から対等に転じていくんだと思う。というのは、何事も大転換に成功するために必要不可欠な「潜在要因」と「顕在要因」が揃っているからだ。
(節子) 日米関係は従属から対等に転じていくことは理解できたけど、テロ特措法はどうなってしまうのかしら? 延期が無理だとしても日本は新法で対応できるようにし、アメリカは日本の反米感情が拡大することを食い止めようとするしかないわよね。というのは、そうしないと、貴方がいつか言っていた次の悪夢のようなシナリオが現実になってしまう。 米軍基地再編成が頓挫する + 中国が台湾を吸収する ⇒ 中国がアジア太平洋地域において覇権主義を唱えるようになる ⇒ グローバル経済化したアメリカの安全保障が脅かされる + 北朝鮮問題解決後の北東アジアの大規模経済開発から外される。
(高哉) 日本による新法での対応、アメリカによる日本の反米感情拡大阻止。この二つは実施されるだろうけど、北朝鮮問題解決後の北東アジアの大規模経済開発からの日本外しはテロ特措法問題とは関係なく着々と進んでいるよ。今の状態が続く限りは日本はこの大規模経済開発のおこぼれしか貰えなくなるだろうね。(詳しくは ⇒ 『「個性的才能の引き出す性格診断」が必要不可欠になったことを肝に銘じよう!』) 政治家・財界人・学者・ジャーナリスト達がテロ特措法問題や北朝鮮問題を各論的に突っ込んで騒いでいる間に日本はとんでもないことになろうとしているわけさ。 (節子) 日本の指導者達は同じ過ちをこりもせず繰り返す根本的原因は斬新な着眼力を持つことを妨げている日本的集団主義だと思う。となると、「脱日本的集団主義の宣言が必要になる」という貴方の提言の実現は日本にとって至上命令みたいものね。 日本は北朝鮮問題解決後の北東アジアの大規模経済開発のおこぼれしか貰えない状態に追い込まれつつあるんだから、テロ特措法の下で行われている、インド洋で海上自衛隊が行っている給油活動についての議論もきっととんちんかんなんでしょうね。 (高哉) そうだね。とんちんかんなところがある。民主党の小沢代表は海上給油支援を無視して陸上支援に切り替えることを提案していることが報道されたことがある。もしこれが事実だとすると、「彼は現実を全く直視していない愚か者である」と言うしかない。小沢代表の思考から二つの大事なことが抜け落ちてしまっているんだ。
(節子) そうなったら大変なことになることは分かるけど、日本に代わって別な国が海上給油支援をすればすむことでしょ。インド洋で海上自衛隊が行っている給油活動の中止が二つの大事なことに直結すると結論づけるの短絡的過ぎないかしら? (高哉) 海上給油支援は高度の技術を必要とすることを忘れてはならない。空から攻撃される危険に晒されながら給油する船と給油される船が併走しながらの作業をしなければならないんだよ。したがって、こういうことができる人材はごく一部に限られているので、日本に代わって別な国が海上給油支援をすればすむことではない。日本の海上自衛隊だって同じ人間がこの作業を行わざるを得ないのが実態なんだ。 (節子) 分かったわ。民主党の小沢代表は豪腕の持ち主だけに危険性の高い政治家ね。でも、学者や評論家の評判がこれまでのところ良い。しかも、シーファー駐日米国大使に向かってNOを突きつけたことに対して喝采した国民は多かった。政局のためだったら国益を犠牲にしかねない。しかし、根強い人気がある。このことをどう整合的に理解したらいいのかしら?
小沢さんの行動力学の源となっている性格を認識しておく必要があるので、聞くんだけど、「小沢さんは原理主義者である」とよく言われるけど、これの意味と由来から説明して欲しい。この言葉に小沢さんの性格が集約されているような気がするの。 (高哉) 「小沢一郎はとてつもなくわがままな人間だ」「小沢一郎は吃驚するほど優しいところがある」という相反するような評判を整合的に解釈することが彼の性格を解明する近道だと思う。 (節子) 他人の支配は絶対に受けたくない。自分の思い通りに事を運びたい。これはいかにも原理主義者然と見え、「混迷を深める政界の中にあって小沢流の原点回帰は説得力を増す」という一部識者の言葉になる。そして、このことが彼と行動を共にした人間が次々と袂を分かつことになった歴史に結びついている。このことと「吃驚するほど優しいところがある」をどう整合的に解釈すればいいのかしら? (高哉) 彼が黒幕の立場になりたがる理由を解明することだ。「他人の支配は絶対に受けたくない。自分の思い通りに事を運びたい」だけだったら黒幕ではなく表舞台に立ちたがるはず。 (節子) 他人の支配は絶対に受けたくない。自分の思い通りに事を運びたいけど、独走はしたくない。そのためにも周囲の人と融合したい。これを大前提に和と共存を実現させたい。── こういう側面も彼の性格にはあるんでしょうね。 (高哉) でも、「吃驚するほど優しいところがある」のは本当かどうかを見極めなければならない。マスコミ報道によると、彼には認知していない実子がいるそうだ。この行動は「自分の求心力が第一」だからじゃないかな。このように考えると、黒幕の立場を好むのは求心力維持のためだと思う。 (節子) 彼は自由党の党首時代に民主党と縁を切り、自民党とくっついたり、消費税の引き上げ論者から据え置き論者に転じたりしたようにコロッと変わるところがある。これはどう理解したらいいのかしら?こういうことが続くから求心力を失い、 彼と行動を共にした人間が次々と袂を分かつことになったことに結びついたんじゃないかしら? 「あんなわがままな人間とはやっていけない」ということだけではないと思う。 (高哉) そうだと思う。・・・・・他人の支配は絶対に受けたくない。独走ではなく、周囲の人と融合して自分の思い通りに事を運び、自分の求心力を保ちたい。── この願望を叶えるための最善策は利害を異にする人々を糾合できる創造的交渉力を持つことだ。これがままならないので、彼は自分の求心力強化に結びつく政局を大事にする政治家のままなのだと思う。(関連記事 ⇒ 『個性的才能を引き出す性格診断』)
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