![]() |
新創業研究所 E-Mail: info@trijp.com 〒311-1203 茨城県ひたちなか市平磯町414-7 来客用駐車場があります TEL 029-229-0225 |
||||||||||||||||||||||||||||
(節子) 2008年1月に覚醒剤取締法違反で懲役1年6ヶ月の実刑判決を言い渡され、4月に控訴を取り下げて実刑判決が確定。 ── こうなってしまった裕也君は逮捕される1年ほど前からうつ病に罹り、入院までしていたとのことよ。本当にうつ病になったのかしら? (高哉) 芝居や映画、そして歌手デビューと、更生の道を歩もうとしたが、挫折。年だけはどんどんとっていく。ということで、彼のような性格の持ち主が一番恐れる無能感に陥り、自分の存在価値を否定する気持ちに襲われた。この状態が長引けば、自己否定感から本能的に逃れるためにうつ病になることもあると思う。でも、彼はそこまでいっていなかったんじゃないかな。 自分の存在価値を否定する気持ちに襲われたので、こういう自分に活を入れるために覚醒剤をついつい吸引してしまった。この背景には「こういう僕を救い出して欲しい」というメッセージも込められていた。 ── これが真相ではないかと思う。裕也君に似た経験が僕にもあるんだ。 僕の苦肉の策であった志望大学を父親に反対された高校二年の終わり頃から家にあったアルコール飲料を手当たり次第に人事不省になるまで飲んでいた。そして、この飲酒癖は大学入学後も続いた。この資金を稼ぐためにせっせとアルバイトをしたもんだよ。 このだらしがない生活態度の背景には、何かにのめりこみたい。こういう想いの他に「僕のことを理解して欲しい」というメッセージも込めていた。── これが僕の深層心理だったと今つくづく思う。(詳しくは ⇒ 『高校から大学卒業まで』) (節子) 裕也君は「死にたい」と言って自殺願望が出ていたようで、緊急避難として入院させられ、「うつ病」と診断されたのかもしれないわね。 (高哉) 覚醒剤の吸引歴が長かったので、これが原因してうつ病になった。こういう説もあるようだけど、この説は信じがたい。というのは、彼は用心深いので、覚醒剤に溺れるようなことはなかったんじゃないかな。僕も同じだよ。高校を卒業した後も深酒を続け、これが原因したのか目の前が真っ暗になり、立ちくらみを繰り返すようになった。「このままでは危ない」と思い、この状態から脱するまでは深酒を避けるようになった。 (節子) 裕也君のような性格の持ち主ははまると凄いパワーを発揮する。しかし、はまらないとさ迷う。こういう解説を貴方はしていたけど、このことをもう少し詳しく説明してもらえないかしら? この原因を究明して適切な対策を講じない限り彼は救われないと思うの。 (高哉) 独自の立場がないと生きていかれない度合いが並はずれて強い + 自分の同級生達はどんどん羽ばたいている ⇒ 自分の置かれた立場がよく分かる──、という状態になっている。これが成人してからの裕也君だと思う。このことをまず指摘しなければならない。 (節子) 彼は自分のアイデンティティへのこだわりが人一倍強い。ところが、「これだ! 頑張ろう!」と心の奥底から思えるようなアイデンティティが見つからない。こういう場合、自分の気持ちをごまかすことができればいいんだけど、率直な人間であることがそうなることを妨げ、さ迷い続けることになってしまった。こういうことかしら? (高哉) そういうことだけど、別の角度からも彼を理解する必要があると思う。 彼は次の図式に陥りやすいのかもしれない。 (用心深い ⇒ 用意周到である) + (二度目の逮捕で拘留中の空想が示しているような癖がある ⇒ 空想上の自分は実際の自分よりも恰好が良い ⇒ 恥をかきたくない想いが強い) ⇒ モラトリアム人間になりやすい。 裕也君には会ったことがないから詳しいことは分らないけど、公開情報から判断するに、僕が『高校から大学卒業まで』の末尾にある図式に陥ったのと似たものがありそうなんだ。
![]()
|
|||||||||||||||||||||||||||||