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(節子) 働いても失業するかもしれない。病気するかもしれない。結婚しても子供や老後の心配がある。だったら今を最高に生きたい。── こういう人生哲学を早々と確立しており、この考え方にしたがった生き方をしているのが百子。 だからと言って、百子は楽観的な人間というわけではない。「自分だけが頼りである」という想いを強く持っているので、用心深い。したがって、モラトリアム人間になってもおかしくない。ところが、彼女の場合は「最高に生きたい」という生き方が支配的な行動派。これってどう理解したらいいのかしら? (高哉) 用心深いにもかかわらず大胆な行動をしばしば採る。このように矛盾して見えるのは、脳力・能力によって世の中とつながっていけるという想いが強いことが思考力を鍛えることに結びつき、鍛えられた思考力が二つの図式を生み出しているからだと思う。
(節子) 百子が用心深く見えたり、大胆に見えたりするのは自分の思考結果にとことん拘るからであるということはよく分かった。 洋裁学校に通うことはできなかったけど、家出後しばらくしてからずーっと洋裁について独学。ある程度の自信ができてから「ボヌール」に縫い子として就職。そして、自分でデザインした洋服を作り、販売するために「ボヌール」を乗っ取ることを考えたのはだからなのよね。 でも、こういう百子が梯二郎の要請を受けてバーの雇われマダム役を引き受けることになったのはどうしてなのかしら? 自分の思考結果にとことん拘る百子らしくない、この行動をどう理解すればいいのかしら? (高哉) 当意即妙の応答には自信がある上に、この道の達人である梯二郎から「生地のままでいい」と言われた。したがって、「有能感を味わえる」と思った。早く稼いで洋裁店「ボヌール」を梯二郎から買い取って独立したかった。── こういうことが背景にあっての行動だと思う。 (節子) 有能感を大事にする百子にとって失敗は大ダメージ。こういうリスクをものともせずに引き受けるなんて百子は自信家ね。だから、“女目当て”であることが明白な氷室が提起する好条件の取引に応じたのね。百子が所有している不動産を本来なら6~7掛けのところを9掛けの270万円で氷室が評価した例の取引のことよ。この自信の背景には、二つのことがあるんでしょうね。
「自信があればあのチャンスをものにできた」「自分に足りないものは自信だ」という人は実に多い。百子の自信の背景にあるものを一般化できないかしら? (高哉) 人生は一度しかないので、やりたいことをやらなければ損である。挫折しても飛躍のチャンスは必ず訪れる。したがって、生存に必要なものを最低限残した上で、最大限の挑戦をするミニマックス戦略がお勧めだね。 (節子) その考えは面白いけど、ほとんどの日本人には無理じゃないかしら? その場しのぎの体質が染みこんでしまっているので、挑戦行動を採れないので、空念仏になってしまう可能性が高いもの。日本的集団主義にどっぷり浸かって生き続けていると理屈では分かっていても身体がついていかない、圧倒的大多数の日本人どうしてらいいのかしら? 「性格に合う道を選び、自分の行動力学に合った挑戦をしよう!」となるんでしょうね。
(節子) 私がさっき言った「性格に合う道を選び、自分の行動力学に合った挑戦をしよう!」が正解というわけね。これは独立力についても同じことが言えるのでしょうね。だとすると、百子は自分の住んでいるアパートで梯二郎と同衾した翌朝のできごとだけど、百子の言動は正しかったと言えるわね。 梯二郎の「タバコを取ってきて欲しい」という要求を断っただけではなく、朝食も食べさせてあげなかったものね。逆の行動を採ったら百子は梯二郎占有の愛人に成り下がり、独立を勝ち取るための海馬の強化も脳の中のシソーラス機能の充実も実現に向かわないものね。 (高哉) その通りだよ。人生目標に相応しいリズムは大切に守らなくてはならないんだ。梯二郎の言いなりになったら百子に二つの致命的な打撃を与えることになる。百子の有能感が損なわれて挑戦に一番必要な自信が失われてしまう。これがひとつ。もうひとつは貴女が今言った独立を勝ち取るための海馬の強化も脳の中のシソーラス機能の充実も実現に向かわない。 でも、人生目標に相応しいリズムを守り続けることは容易ではない。ここに、個性的才能を引き出す性格診断を前提とする未来進行形の自己物語創造の意義があるんだ。(詳しくは ⇒ 『ホームページ・ダイジェスト』)
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